有形界の構造

2章 世界の構造 - 3節 有形界の構造

個々の記述の真実度: 999.2-1000
節全体の真実度: 1000
節全体の活動性: 1000

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有形界とは

  • (1000/1000) 有形界とは、3,4次元で構成される界の総称であり、無数の有形界の総合が、有形的宇宙の全体を表しています
    • 有形的宇宙には、あらゆる天体が含まれています
    • 天体の中で、それぞれの惑星表面が「地上」と呼ばれ、有形体を有する分霊(人/脊椎動物)の生活領域となります
    • 有形界の3次元の側面は肉眼に視えますが、4次元の側面は肉眼に視えず霊眼に視えます
    • 記述の複雑化を避けるために、サイトで使用している「惑星」の語には、区別の必要性がない限り、惑星と衛星を含めています
  • (1000/1000) 有形界の特性は、多様性に総括されます
    • 無形界の研究成果を、有形的宇宙/惑星/地上へ、多様性として造化しています
    • 多様性は、無秩序/混沌[こんとん]ではなく、系統のある秩序を有しています
(1000/1000) 有形界の概要
(1000/1000) 有形界の概要

有形界の役割

  • (1000/1000) 有形界を世界全体の進化の側面から捉えると、有形界は、無形界の研究成果を風景模型(ジオラマ)として表現する場といえます
    • 無形界にとっての造化の場であり、造化された物事/現象を育成する場でもあります
  • (1000/1000) 有形界を霊の成長の側面から捉えると、有形界で生活する者(人/脊椎動物)には、有形界は無限に成長する過程での「初歩の学びの場」であり、また、無形界で生活する者(霊)には、それぞれの成長段階で学んだ内容の「実習の場」となります
    • 初歩的な学びの段階では、再授肉を通して、惑星圏無形界/有形界を行き交い、有形界を内外から体験して、学びへとつなげます
    • 内からの体験とは、有形界での生活を通した体験であり、一方で、外からの体験とは、無形界での生活の中で、有形界への実習を通した体験です
    • 有形界での生活は有形体を用いるために、有形体の内包する物質の心から影響を受けて造り出される不誠実性(不誠実な行為、不誠実な生き方、不誠実な物事、など)を観察/考察する場でもあり、また、肉眼に視える物事に囚われずに、肉眼に視えない物事へ意識を向けていくように努める場でもあります
    • 再授肉については、4章9節 再授肉を参照してください

宇宙から捉えた有形界

  • (1000/1000) 無数の有形界の総合は、有形的宇宙そのものであり、有形的宇宙をひとつの空間として捉えた場合に、その空間の範囲は、無形的宇宙と同じ大きさの空間を有しています
    • 無形的宇宙は刻一刻と無限の範囲に拡がり続けているために、有形的宇宙も無限に拡がり続けています
  • (1000/1000) それぞれの有形界は、地上で分霊(人/脊椎動物)の生活する惑星ひとつと、分霊の生活しない無数の天体で構成されています
    • 無数の有形界が総合された有形的宇宙の全体では、それぞれの惑星で分霊(人/脊椎動物)が生活している状況を指しています
    • ただし、ある有形界と、他の有形界では、相互に物的な直接の往来はできないために、ある有形界の惑星Aから惑星Bへ赴[おもむ]いても、惑星Bで生活する人/脊椎動物とは遭遇しません
(1000/1000) 有形的宇宙の構造
(1000/1000) 有形的宇宙の構造

界層から捉えた有形界

  • (1000/1000) 有形界は、界の全体に様々な活動性の程度が混在しており、活動性の範囲ごとに界層で区分けされていません
    • 無形界のように、いくつもの積み重なる層状の界層構造を成していません
    • 有形界の全体を「ひとつの界層」として捉えることができます
    • 有形界の中には、高い活動性を偏重して有する領域や、低い活動性を偏重して有する領域が存在せず、ある領域内に、高い活動性も、低い活動性も同時に存在しています
(1000/1000) 有形界の界層構造
(1000/1000) 有形界の界層構造
  • (1000/1000) 有形界を「ひとつの界層」として捉えた場合に、有形界/無形界では、同じ活動性の程度を有する範囲があります
    • 無形界の各界層が有する活動性の範囲は変化しませんが、有形界が有する活動性の範囲は変化します
    • 有形界が有する活動性の範囲の変化によって、これまでに無形界での同等の活動性の範囲を有していた界層とは異なる界層と同等の活動性の範囲を有するようになります
    • 有形界が有する活動性の範囲が低い場合には、有形界は無形界の低い界層と同等の活動性の範囲を有していますが、一方で、有形界の有する活動性の範囲が高くなれば、有形界は無形界の高い界層と同等の活動性の範囲を有します
  • (1000/1000) 有形界/無形界で、同等の活動性の範囲を有する界層は、有形界の進化の程度によって変動します
    • 惑星の地上で生活する分霊(人/脊椎動物)の成長の程度に相応して、惑星が進化し、有形界を構成する活動性の範囲を上昇させ、無形界の高い界層と同等の活動性の範囲を有するようになります
(1000/1000) 同等の活動性の範囲を有する界層の移行
(1000/1000) 同等の活動性の範囲を有する界層の移行
  • (1000/1000) 有形界は、世界全体から捉えると、相対的に活動性の程度が低いために、輝きが弱く暗い界です
    • 界の有する活動性の範囲が高くなるほどに、界の輝きは強さを増していきます
    • 無形界から有形界をみると、暗闇の中に、人として生活している分霊の有する生命の輝き(明かり)がぼんやりと視える程度です
    • ただし、人に視える明るさは、個々の分霊の成長段階によって異なり、僅かに明滅する程度から、輝きと呼べる程度までと、様々です

次元から捉えた有形界

  • (1000/1000) 有形界の構造の特性として、有形界を構成する全てが、3,4次元に属しています
    • 有形界を構成する活動性の範囲は、3次元の活動性の範囲と、4次元の中で下位の範囲に相当する比較的に低い活動性の範囲から構成されています
  • (1000/1000) 肉眼に視える全ての物質は、3次元に属しています
    • 肉眼に視える光/輝き、あるいは、肉眼には無色透明に視える大気(空気)/水蒸気、なども3次元に含まれます
    • あらゆる物体は、3,4次元で構成されており、物体の中で、肉眼に視える3次元の側面のみを物質と呼んでいます
    • 3次元/4次元で異なる物体を有しているのではなく、ひとつの物体に3次元の側面と4次元の側面があります
  • (1000/1000) 有形界の4次元の範囲には、3,4次元で構成される物体へ、直接的な作用を与えることのできる、肉眼では視えない磁気的作用力が含まれます
    • 磁気的作用力の例として、電波、重力、摩擦力、遠心力、などがあります
    • 4次元の磁気的作用力が、物体の4次元の側面へ作用することで物体に変化が生まれ、肉眼には視えない4次元の側面での変化が、肉眼で視える3次元の側面にも変化として現れます
(1000/1000) 物体への磁気的作用力の作用
(1000/1000) 物体への磁気的作用力の作用
  • (1000/1000) 物体の3次元の側面は、視る者によって、肉眼での視え方が僅かに異なります
    • 他の次元と同様に、3次元の活動性にも、ある程度の範囲があり、どの程度の活動性までを肉眼で視ることができるのかは、視る者の成長段階が有する活動性の程度によって決まります
    • ある者には物体が視え、他の者には物体が視えないというような差ではなく、有形体の感覚器系を通して、物体から得られる情報量が異なります
    • 物体から得られる情報量の差は、内的構造で認識/理解できる程度の差として表れます
  • (1000/1000) 地上で、人が認識できる次元の上限は、おおよそ7次元となります
    • 有形体の肉眼を通して視える物的な外環境は、3次元の範囲のみです
    • 地上で無形体の霊眼を通して視える有形的な外環境は、4次元の範囲のみです
    • 地上で無形体を通して感じ取る無形的な外環境は、4-7次元の範囲です
    • 8次元以上の範囲は、有形界/地上からは認識できません
    • ただし、どの次元までを認識できるのかは、個々の分霊の成長段階によって異なります
    • 有形界を構成する3,4次元は、肉眼/霊眼で外的に視える範囲であり、意識が内的に認識できる範囲は、有形界の構成する3,4次元に影響を受けないために、7次元以下の範囲を認識できます
    • 有形体/無形体を通して認識できる範囲については、3章2節 外的構造を参照してください

相から捉えた有形界

  • (1000/1000) あらゆる有形界が、相の異なる、同じ3,4次元から構成される空間(有形的宇宙)に重なり存在しています
    • 無数の有形界が同じ空間に存在していることを示しています
    • 無数の有形界は3,4次元で構成されていますが、それぞれの有形界が有する活動性の範囲は、それぞれの有形界で分霊(人/脊椎動物)の生活する惑星の進化の程度によって異なります
    • 分霊(人/脊椎動物)の生活する惑星の進化の程度が、その有形界の有する活動性の範囲を決定しています
    • ただし、どれほどに惑星の進化の程度が向上し、それにともない有形界の有する活動性の範囲が上昇しても、有形界の有する活動性の範囲は4次元の範囲内であり、5次元以上の活動性の範囲へ移行することはありません
  • (1000/1000) あるひとつの相の有形界には、人類の存在する惑星はひとつのみです
    • ある相の有形界の中で、人類が存在するのは「ひとつの惑星」のみで、他の惑星には人類が存在していません
    • なお、個体での内的成長に適した有形体の形状をもつ種族を「人類」と呼んでいます
    • 他の相の有形界で生活する人類も、地球の人類と同様の人型の形状をしているとは限らず、類似する形状の場合もあれば、異なる形状の場合もあります
    • 同様に、他の相でも、地球と同様の生活環境をしているとは限らず、類似する生活環境の場合もあれば、異なる生活環境の場合もあります
  • (1000/1000) ある相で構成されている物体と、他の相で構成されている物体は、どちらも同じ3,4次元の側面から構成されていますが、双方の物体は全く異なる性質を有しています
    • 双方の物体の有する性質が異なるために、ある相の物体は、他の相の物体に対して、影響を与えることはできません
    • ある相の物体は、同じ相の物体にのみ、影響を与えることができます
    • ある相から他の相へ物的な影響を与える状況はなく、ある相が他の相から物的な影響を与えられる状況もありませんが、無形体を通した無形的な認識では相の違いに制限を受けずに、他の相で分霊(人/脊椎動物)がおこなっている活動を無形的に認識することは可能です
  • (1000/1000) 相の違いによる無数の有形界は、ラジオやテレビのように、ひとつの周波数にひとつの番組が流れており、同時に干渉することなく、他の周波数で他の番組が流れている状況に譬[たと]えられます
    • ラジオやテレビでは、電波と呼ばれる同じ性質/方向性を有する磁気的作用力を用いていながらも、電波の中には、無数の周波数が同時に存在しています
    • 有形的宇宙という同じ空間に重なり合う無数の有形界は、すべて3,4次元(電波の譬えに相当)で構成されていますが、それぞれの有形界は相の性質(周波数の譬えに相当)が異なるために、無数の有形界が同時に存在しているものの、お互いに干渉することはできません
(1000/1000) 重なり合う有形界
(1000/1000) 重なり合う有形界

住人の分類から捉えた有形界

  • (1000/1000) 地上では、人の生活する領域、脊椎動物の生活する領域、鉱物/植物/無脊椎動物などの自然環境の領域が、ひとつに融合しています
    • 人の生活する領域の中でも、鉱物/植物/無脊椎動物、脊椎動物が共生しています
  • (1000/1000) 地上では、様々な成長段階の人が、同じ場に生活しています
    • 外的な有形体の成長段階ではなく、内的な霊/精神の成長段階を指しています
    • 無形界から地上へ来て有形体を得た時点で、全員が同じ内的な成長段階から始めるのではなく、個々のこれまでの霊/精神の成長段階を引き継いで、地上へ誕生します
    • 同じ有形体の成長段階(同等の年齢)にある者たちであっても、個々によって霊/精神の成長段階は様々です
    • 個々それぞれの成長段階から地上での生活を開始し、地上での体験を通して、更なる霊/精神の成長を目指します
(1000/1000) 住人の生活領域
(1000/1000) 住人の生活領域

有形的な作用力

  • (1000/1000) 霊の有する生命の活動性は、あらゆる造化をおこなう原動力であり、物事/現象を変化させる無形的な作用力として、はたらき、無形的な作用力を土台として、物体を変化させる有形的な作用力が生み出されます
    • 霊の有する生命の活動性は、精霊(天精/地精)によって中継/変換され、有形的/無形的な作用力として、はたらきます
    • 有形的な作用力は、磁気的作用力として物体へ物的な作用を与え、物的な変化を生じさせます
    • 磁気的作用力は、引き合う/反発する、の相反した2つの特性から構成され、様々な引き合う/反発する強さの組み合わせによって、無数の作用力が生み出されます
    • 無形界の霊が有する生命の活動性から、無形界の中で作用させる無形的な作用力の中継/変換は天精がおこない、一方で、無形界から有形界へ作用させる有形的な作用力の中継/変換と、有形界の中で作用させる有形的な作用力の中継/変換は地精がおこないます
    • 有形界の人/脊椎動物が有する生命の活動性から、有形界の中で作用させる有形的な作用力への中継/変換は地精がおこないます
    • 有形的な作用力は物体へ物的な作用を与えるために、有形界でのみ作用し、無形界では作用しません
    • 無形的な作用力については次節の2章4節 無形界の構造 #無形的な作用力、精霊については2章5節 無形界の住人 #精霊を参照してください
(1000/1000) 磁気的作用力の無数の性質
(1000/1000) 磁気的作用力の無数の性質
  • (1000/1000) 無形界で有形界への造化を担当する霊の生命の活動性が、精霊の中継/変換によって、造化の担当者の成長段階に相応する界層から低い界層へ順次に活動性の程度を下げながら通過し、有形界の範囲にまで活動性の程度が下がることで磁気的作用力となり、あらゆる物体へ変化を与えるように、はたらきます
    • 無形界から有形界の物体へ生命の活動性を作用させる場合には、地精が無形界から有形界へ生命の活動性を中継して、有形的な作用力(磁気的作用力)へと変換し、物体へ作用させます
    • 磁気的作用力は、惑星の公転、惑星の重力/極性、海の波、大気の風、有形体の筋の収縮、分子の結合、などの極大から微細に至る、あらゆる物体に、はたらきかけます
  • (1000/1000) 彗星は、有形的宇宙において、惑星/衛星の近隣を通過する際に、自身の有する磁気的作用力を利用して、公転する惑星/衛星の軌道を微調整する役割を担っています
    • 世界の進化における、調和のひとつの「はたらき」です
  • (1000/1000) 彗星と同様に、ブラックホールと呼ばれている天体は、自身の有する強大な重力(磁気的作用力)を通して、惑星/衛星/彗星/恒星などの、それぞれの天体の配置を安定させる役割を担っています
    • 宇宙の均衡を維持するための「はたらき」のひとつです
    • ブラックホールと呼ばれている天体では、恒星/彗星と同様に、地上で分霊は生活しません
(1000/1000) 有形的な作用力の変換/中継
(1000/1000) 有形的な作用力の変換/中継
  • (1000/1000) 地上で生活する分霊(人/脊椎動物)が有形体を用いて物的に活動をおこなう際にも、分霊の生命の活動性を、地精が磁気的作用力へと変換して有形体へ作用させています
    • 有形体を通しておこなわれる物的な「活動そのもの」には磁気的作用力の活動性の程度を用いていますが、物的な「活動の内容」には磁気的作用力よりも高い活動性の程度が付与されている場合もあります
    • 例として、有形体の活動を通しておこなう発言という物的な行動では、有形体のおこなう活動が有する活動性の範囲は磁気的作用力の程度となりますが、一方で、発言するという行動と、発言の内容が有する活動性の範囲は、発言の行動/内容の土台となる「精神で造化した思考へ付与された活動性の程度」となります
    • 霊の有する生命の活動性を、外環境の物事/現象/物体/行動そのものへ作用させる場合には、精霊(天精/地精)によって中継/変換され、霊が直接に生命の活動性を外環境へ作用させることはできません
    • 霊の有する生命の活動性を、物事/現象/思考/行動などの内容へ付与する場合には、霊が直接に生命の活動性を内容へ付与し、精霊(天精/地精)は中継/変換しません
    • 精神で造化する表現へ付与できる活動性の程度については、3章9節 精神 #表現の活動性を参照してください
  • (1000/1000) 有形界において、精神で造化する表現へ付与できる活動性の程度の上限を1000とした場合に、磁気的作用力の程度は1-50未満で測定されます
    • 磁気的作用力の程度は、有形界の進化の程度に関わらず、あらゆる相の有形界で同じ程度を有しています
    • 有形界の有する活動性の範囲に幅がみられるように、有形界で物的に作用させる磁気的作用力にも1-50未満の幅があります
    • この1-50未満の幅が、磁気的作用力の有する作用の強さを表しており、数値が高いほどに物体へ強い作用を与えます
    • 磁気的作用力の量は、ある強さの作用を物体へ作用させる規模に影響を与えており、量が多いほどに大きな規模へ影響を与えます
    • なお、磁気的作用力の程度は、分霊の同調する活動性の程度以下の範囲で変換され、同調する活動性の程度よりも高い程度の磁気的作用力には変換できません
    • 例として、分霊の同調する活動性の程度が20の場合には、磁気的作用力は1-20の範囲へ変換できますが、20よりも高い程度へは変換できません
(1000/1000) 有形界で付与/作用させる活動性の範囲
(1000/1000) 有形界で付与/作用させる活動性の範囲
  • (1000/1000) 次元から捉えた場合に、それぞれが示す活動性の範囲は下記のようになります
    • 分霊の同調する活動性(生命の活動性)、精神で造化する表現へ付与できる活動性、物体の内包する情報へ付与される活動性、の3つの活動性は、4次元の中位以上の範囲にあります
    • 磁気的作用力は、4次元の中位の範囲にあります
    • 有形界を構成する活動性は、4次元の下位の範囲と、3次元の範囲となります
    • 4次元の中位以上の範囲にある分霊の有する生命の活動性が、精霊によって4次元の中位の範囲(の下端付近)にある磁気的作用力へと変換されます
    • 4次元の中位の範囲にある磁気的作用力が、有形界/物体を構成する4次元の下位の範囲へ作用を与え、4次元の下位の範囲で作用を受けて変化した一部が3次元の範囲へ伝わり、3次元の範囲での変化として肉眼に視えています
(1000/1000) それぞれの活動性が示す範囲
(1000/1000) それぞれの活動性が示す範囲
  • (1000/1000) 有形界へ表現されている、物的な物事/現象、物品、有形体、などの物体は、有形的な作用力(磁気的作用力)を徐々に与えても変化させ難く、急激に与えることで変化するために、変化しない状況と、強く変化する状況の、2つの状況へ二極化/二面化しやすい特徴がみられます
    • 譬[たと]えると、重い物体を動かそうとして、物体に手を当て力[ちから]の限り押しても動かず、物体へ体当りして押すと急に動き出す状況といえます
    • 物体は、精妙な微細な変化をさせ難いです

有形界の造化

  • (1000/1000) 惑星圏無形界から有形界/地上への造化は、人霊界からのみ、おこなわれます
    • 惑星圏無形界を構成する天霊界などの「人霊界以外の界」から、有形界/地上へ造化することはありません
    • そのため、地精は、惑星圏無形界では人霊界のみに存在しています
  • (1000/1000) 有形界での外環境へ向けた、あらゆる物的な造化は、分霊、精霊、有形体、の3者を通しておこなわれます
    • 3者の属する次元は、生命の活動性を与える分霊は4次元以上、生命の活動性を中継して磁気的作用力へ変換する精霊のうち、天精は4次元以上、地精は4次元、磁気的作用力を受けて物的に変化する有形体は3,4次元に属しています
    • 有形界で肉眼に視える、あらゆる物体は有形体を有しており、肉眼には透明に視える、水、大気、様々な香り/匂い/臭い、なども3,4次元で構成される有形体を有しています
    • 人を分霊としての観点から捉えると、分霊を中核として構成される内的な心/意識/精神が自己そのものであり、自己の用いている外的な人型の有形体は、自己の外環境に存在する物体です
    • 4次元の活動性の範囲に含まれる磁気的作用力が、有形体の4次元の側面へ作用を与え、4次元の側面で作用を受けて変化した一部が3次元の側面へ伝わり、3次元の側面に現れる変化が肉眼で視えています
    • 生命を与える分霊の属する次元は個々の成長段階によって異なり、もしも、分霊の成長段階が6次元に属している場合には、6-4次元の間を天精が生命を中継して活動性の程度を下げ、4次元に下げられた活動性の程度を地精が引き継ぎ、地精が磁気的作用力へと変換して有形体へと作用させます
    • もしも、生命を与える分霊の属する次元が4次元の場合には、天精は関与せずに、地精が4次元の活動性の程度を有する生命を磁気的作用力へと変換して有形体へと作用させます
    • 精霊については、2章5節 無形界の住人 #精霊を参照してください
  • (1000/1000) 造化した物体へ物的な作用を与える磁気的作用力と、物体の内容へ付与する活動性の程度は、どちらも分霊の有する生命の活動性に由来していますが、両者の「はたらき」は異なります
    • 磁気的作用力は、物体へ物的な作用を与え、物的に変化させます
    • 物体の内容へ付与する活動性の程度は、物体が本質的に有する活動性となり、物体へ物的な作用を与えませんが、世界の進化へ影響を与えます
    • 例として、書物として紙へ文章を印刷し製本するのには磁気的作用力が用いられていますが、思考の内容を記述した文章の内容には活動性の程度が付与されています
    • 物体へ物的な作用を与える場合には、分霊の有する生命の活動性を精霊が中継して磁気的作用力へと変換し作用させるために、活動性の程度は1-50未満の範囲で測定されます
    • 物体の内容へ活動性を付与する場合には、分霊の有する生命の活動性が直接に付与され、精霊は関与しないために、分霊の同調する活動性の程度を上限として付与し、活動性の程度は1-1000の範囲で測定されます
(1000/1000) 物体と物体の内容への活動性の付与
(1000/1000) 物体と物体の内容への活動性の付与
  • (1000/1000) 有形界で生活する分霊(人/脊椎動物)が造り出す、あらゆる物事/現象/物品/造形物は、精神で造化した表現の内容を、物的な手段を用いて間接的に外環境へ実体(物体)として造化させています
    • 有形界で既に存在している鉱物/植物などの物体を組み合わせ加工して、精神で造化した表現の内容を、物体として造り出しています
    • 有形界で存在している鉱物/植物などは、無形界の鉱物/植物などの造化を担当する霊によって、無形界から有形界へ造化されています
    • 有形界/無形界では、精神で造化した表現の内容を外環境へ表現する方法(有形界では間接的、無形界では直接的)が異なるだけであり、精神で表現を造化せずに外環境へ実体(物体)を造り出すことはできません
(1000/1000) 有形界での造化の流れ
(1000/1000) 有形界での造化の流れ

鉱物/植物

  • (1000/1000) 鉱物/植物の造化は、無形界の鉱物/植物の造化を担当する霊の生命を、天精が活動性の程度を下げ、地精が磁気的作用力へ変換して、有形界に存在する鉱物/植物の有形体へ作用させることで、鉱物を変化させ、あるいは、植物を生育させます
    • 鉱物の変化には、塊として凝縮させ続ける、風化して徐々に分解していく、他の鉱物と反応して性質を変える、などがあります
    • 植物の生育には、種子から芽を出し、徐々に枝葉を伸ばし、花を咲かせ、実を着け、やがて枯れ、次の植物の苗床となる、などがあります
  • (1000/1000) 鉱物の変化/植物の生育は、他の造化を担当する霊との緊密な連携のもとで、鉱物/植物の造化を担当する霊たちの意識/生命と、精霊によって、絶え間なくおこなわれています
    • 肉眼には、鉱物/植物が静止して変化していないように視える場合でも、霊眼では、絶え間なく変化している様子を視ることができます
  • (1000/1000) 鉱物/植物のそれぞれが有する活動性の程度には、鉱物/植物の造化を担当する霊の生命の活動性が反映されています
    • 農業/園芸などで植物を栽培している場合に、植物の生育には、無形界の造化を担当する霊の生命が中核として用いられ、地上で栽培する者の生命の影響も僅かに受けています
    • 無形界の鉱物/植物の造化を担当する霊の生命は、6次元以上の活動性の程度を有していますが、一方で、地上で生活するほとんどの者が有する生命の活動性の程度は4次元と低いために、地上で生活する者が鉱物/植物の造化へ与える影響は僅かでしかありません
    • 地上では、無形界で造化を担当する霊と同等の活動性の程度を有する者は、覚醒者に相当し、僅かな人数のみが生活しています
    • 覚醒者については、4章4節 覚醒を参照してください
(1000/1000) 鉱物/植物の造化
(1000/1000) 鉱物/植物の造化

造形物

  • (1000/1000) 地上で、肉眼に視える造形物は、その全てが鉱物/植物を基にして造り出されています
    • 加えて、造形物の原材料には、動物/人の有形体が用いられている場合もありますが、原材料のすべては、無形界の造化を担当する霊が造り出したものであり、無形界の造化を担当する霊が造り出したもの以外が原材料に含まれている状況はありません
    • 地上で、人によって人工的に造り出された造形物も、精霊が、造形物の使用者の生命を中継/変換して維持/管理しています
    • 造形物には、建築物、家具、電子機器、自動車、日用物品、衣服、食品、書物、絵画、音曲、動画、などのあらゆる形状の物体が含まれます
  • (1000/1000) 精霊が、造形物を維持/管理する際に用いる磁気的作用力は、有形界で造形物を使用する者の生命であり、無形界で鉱物/植物の造化を担当する霊たちの生命ではありません
    • 造形物の原材料となる鉱物/植物の造化は、無形界で鉱物/植物の造化を担当する霊たちの生命が用いられています
    • 鉱物/植物を採取し造形物へと加工した時点で、無形界の造化を担当する霊の生命の影響は受けなくなり、造形物へと加工した者の有する生命の活動性が造形物の維持/管理に用いられるようになります
    • その後に、造形物が使用された時点で、使用者の有する生命の活動性が造形物の維持/管理に用いられるようになります
    • 例として、木から作成した机は、経年とともに傷み壊れていくのは、精霊が使用者の生命を用いて管理しているためであり、丁寧に扱えば長持ちするように管理され、乱雑に扱えば壊れやすくなるように管理されます
(1000/1000) 造形物の造化
(1000/1000) 造形物の造化
  • (1000/1000) 使用されている物品などの有する活動性の程度/性質は、使用者の有する生命の活動性の程度や使用する際の内面の状況を反映します
    • 思考、感情、愛、思い出、などの使用者の思いが、使用している物品へ印象として保存されているともいえます
    • 物品を使用する都度に、使用者の有する生命の活動性の程度や使用する際の内面の状況を反映した活動性の程度/性質が物品へ付与され、これまでに付与された活動性の程度/性質と総合されて、現在の物品が有する活動性の程度/性質となります
    • 物品の使用者が物品へ付与する活動性の程度/性質は、物品を使用する際に、使用者が自身のおこなう行為へ付与する活動性の程度/性質と密接に関連しています
    • 使用者によって付与され累積された物品の有する活動性の程度/性質は、世界の進化へ影響を与えます
  • (1000/1000) 書物、絵画、音曲、動画、などの造形物では、造形物の使用者が、使用する都度に造形物へ活動性の程度/性質を付与して累積された活動性の程度/性質を有する以外に、造形物の著作者によって、造形物の内包する情報へ活動性の程度/性質が付与されています
    • 造形物の有する活動性の程度/性質は、造形物が使用される都度に使用者によって活動性の程度/性質が付与され更新されます
    • 造形物の内包する情報の有する活動性の程度/性質は、著作者が制作した際に、著作者によって活動性の程度/性質を付与されており、造形物の使用者が造形物を使用しても、情報の有する活動性の程度/性質は更新されません
    • 全く同じ内容の情報を内包する複数の造形物では、それぞれの造形物を使用する使用者が付与する活動性の程度/性質によって、それぞれの造形物の有する活動性の程度/性質は異なりますが、それぞれの造形物の内包する情報の有する活動性の程度/性質は同じです
    • 例として、ある題目の書物では、書物の内包する情報は同じために、情報の有する活動性の程度/性質は複数の書物で同じですが、一方で、それぞれの書物を所有/使用する者によって、それぞれの書物が有する活動性の程度/性質は異なります
(1000/1000) 内容の有無と活動性の付与
(1000/1000) 内容の有無と活動性の付与

動物

  • (1000/1000) 動物の中でも、脊椎動物と無脊椎動物は、双方ともに個体として活動していますが、本質は全く異なります
    • 脊椎動物は、人と同様に、分霊が地上の生活で用いる有形体です
    • 無脊椎動物は、鉱物/植物などと同様に、無形界で造化を担当する霊たちによって地上へ造化された「表現のひとつ」です
  • (1000/1000) 無脊椎動物の造化は、無形界の無脊椎動物の造化を担当する霊の生命を、天精が活動性の程度を下げ、地精が磁気的作用力へ変換して、有形界に存在する無脊椎動物の有形体へ作用させることで、無脊椎動物を生育させています
    • 無脊椎動物の活動は、鉱物/植物と密接に関連しているために、鉱物/植物の造化を担当する霊との、緊密な連携のもとで造化がおこなわれています
    • 無形界で無脊椎動物の造化を担当する霊の生命は、7次元以上の活動性の程度を有しています
  • (1000/1000) 脊椎動物のおこなう活動(造化)は、動物としての個体を使用する分霊の生命を、地精が磁気的作用力へ変換して、動物の有形体へ作用させています
    • 脊椎動物は、分霊(動物霊)が地上で生活する体として用います
    • 脊椎動物の種族としての形状/特徴などを含む有形体の形体を設計し、有形体を動物霊へ貸し与えるのは、無形界で脊椎動物の有形体の造化を担当する霊によっておこなわれます
    • 無形界で脊椎動物の有形体の造化を担当する霊の生命は、8次元以上の活動性の程度を有しています
    • 地上で、個々の脊椎動物が物的に活動する際に、地精によって中継/変換される磁気的作用力は、脊椎動物の有形体を使用する分霊(動物霊)の生命であり、無形界に脊椎動物の活動を担当する霊はいません
(1000/1000) 動物の造化
(1000/1000) 動物の造化
  • (1000/1000) 地上には、人/霊の有する利己性/自己中心性/欲望によって造り出された動物が存在します
    • 例として、蚊、ハエ、ノミ、ダニ、ムカデ、ゴキブリ、サソリ、伝染性病原体、白蟻(白蟻[しろあり]は名称に「蟻」を含んでいますが蟻の種族ではありません)、などがみられます
    • これらの動物は、人/霊が不誠実な意志を有することで、生命の誠実な性質の活動性が不誠実な性質の活動性へ変質し、この不誠実な性質の活動性が用いられて、有形界へ表現として造化されているのです
    • 無形界で無脊椎動物の造化を担当する霊は、生命の誠実な性質の活動性を用い、自覚して地上へ無脊椎動物を造化していますが、一方で、人/霊のおこなう不誠実な性質の活動性による無脊椎動物の造化は、自覚できるものの自覚なくおこなわれています
    • 不誠実な性質の活動性による無脊椎動物の造化は、特定の人/霊がおこなっているのではなく、全ての人/霊が有する利己性/自己中心性/欲望の総合として現れていますが、総合したところで、不誠実な性質の活動性の程度(1-200未満の程度)では、脊椎動物を造り出すほどの高い活動性の程度を有することはありません
    • 利己性/自己中心性/欲望を強く有する人/霊は、相対的に成長段階が低く、不誠実な生き方をしている場合も多くみられ、無形界で無脊椎動物の造化を担当する霊とは成長段階に大きな差があるために複雑な造化をおこなうことができず、小さく単純な無脊椎動物のみが造化されているのです
    • 不誠実な性質の活動性によって造り出された無脊椎動物も、地精が、総合された不誠実な性質の活動性を中継し、磁気的作用力へ変換して管理しています
    • 地上で生活する人類や、惑星圏無形界の低い界層(地獄層を含む)の霊たちが有する利己性/自己中心性/欲望が消え去るほどに、不誠実な性質の活動性によって造り出された無脊椎動物も減少していきます
(1000/1000) 誠実/不誠実な性質の活動性による無脊椎動物の造化
(1000/1000) 誠実/不誠実な性質の活動性による無脊椎動物の造化

  • (1000/1000) 人のおこなう活動(造化)は、人としての個体を使用する分霊の生命を、地精が磁気的作用力へ変換して、人の有形体へ作用させています
    • 人は、分霊(人霊)が地上で生活する体として用います
    • 人と脊椎動物の違いは、人の分霊(人霊)は自身で造化した無形体を有しており、分霊は無形体を通して生命の活動性を精霊へと渡しますが、一方で、脊椎動物(動物霊)は人に比べると意識が希薄であり、自身で無形体を造化できないために無形体を有していません
    • 人の種族としての形状/特徴などを含む有形体の形体を設計し、有形体を人霊へ貸し与えるのは、無形界で人の有形体の造化を担当する霊によっておこなわれ、個々の人霊が地上へ再授肉して生活する際に、個々が決めた地上での目的/役割を考慮して有形体を構築します
    • 無形界で人の有形体の造化を担当する霊の生命は、9次元以上の活動性の程度を有しています
    • 地上で、個々の人が物的に活動する際に、地精によって中継/変換される磁気的作用力は、人の有形体を使用する分霊(人霊)の生命であり、無形界に人の活動を担当する霊はいません
    • 再授肉については、4章9節 再授肉を参照してください
  • (1000/1000) 思考/感情などの内環境で表現を造化する行為では、人が造化した表現へ直接に活動性の程度/性質を付与し、地精は関与しません
    • 有形体を物的に活動させる際にのみ、地精が関与します
    • 内環境(精神)で表現を造化する際には、有形体を物的に活動させていないために、地精が、生命の活動性を中継することも、生命の活動性を磁気的作用力へ変換することもありません
  • (1000/1000) 発言/行動などの外環境へ表現する行為では、有形体を通して物的に表現する活動には地精が関与し、発言/行動そのものや発言/行動の内包する情報には地精が関与しません
    • 発言/行動として、有形体を通して外環境へ物的に表現する活動(有形体の形体を動かす活動)には、地精が生命の活動性を中継し、磁気的作用力へ変換して有形体へ作用させています
    • 発言/行動そのものは、精神で造化した「発言/行動する」という表現に基づいておこなわれているために、発言/行動そのものにも、精神で造化した表現へ付与された活動性の程度/性質と同等の活動性の程度/性質が付与されています
    • 発言/行動の内包する情報(発言/行動の内容)には、精神で造化した「行為をおこなう具体的な内容」という表現に基づいているために、精神で造化した表現へ付与された活動性の程度/性質と同等の活動性の程度/性質が付与されています
    • 精神で造化した「発言/行動する」の表現と「行為をおこなう具体的な内容」の表現を組み合わせて、ある内容の発言/行動を外環境へおこないますが、両者の表現へ付与されている活動性の程度/性質が同じとは限らず、異なる場合もあります
(1000/1000) 人のおこなう造化
(1000/1000) 人の造化

有形界の進化

  • (1000/1000) 有形界の進化は、それぞれの相ごとの有形界にあり、ある相の有形界の進化の程度は、その相の中で、人類の生活している惑星の進化の程度によって示されます
    • あるひとつの相の有形界は、その相の中で、人類の生活している「ひとつの惑星」を中核としており、両者は密接に関連しているのです
    • ある相の有形界の進化の程度は、他の相の有形界の進化の程度へ影響を与えることはありません
  • (1000/1000) 惑星の進化の程度には、その惑星の地上で生活する人類の成長の総合が表れています
    • 個体での内的成長に適した有形体を有する人類の、個々の成長の程度を総合したものが惑星の進化の程度として表れ、筋反射検査を用いて、数値での測定が可能です
    • 個々の成長の程度は直接に数値で測定できませんが、それぞれの成長の程度に相応する活動性の程度が日常的に造化する表現へ付与されているために、表現へ付与された活動性の程度を総合することで、惑星の進化の程度として測定できるようになります
    • 惑星の進化の程度が人類の成長の程度で決まるのは、脊椎動物の形体を用いている分霊(動物霊)よりも、相対的に、人の形体を用いている分霊(人霊)の有する生命の活動性の程度が高いためです
    • 鉱物/植物/無脊椎動物は、分霊が地上で用いる形体ではなく、地上へ造化されている表現のために、惑星の進化の程度には影響を与えません
    • 鉱物/植物/無脊椎動物と同様に、無形界で「惑星そのもの」の造化を担当する霊が有する生命の活動性の程度も、惑星の進化の程度に影響を与えていません
    • 筋反射検査については1章3節 筋反射検査、表現へ付与された活動性については3章9節 精神 #表現の活動性を参照してください
  • (1000/1000) 有形界を構成する活動性の範囲は一定の幅を有しており、有形界の進化によって、有形界を構成する活動性の範囲の幅は一定のままで、有形界を構成する活動性の範囲が変動します
    • 有形界を構成する活動性の範囲の上限/下限の間は、あらゆる相の有形界で同じ幅を有しており、他の有形界よりも幅の狭い/拡い有形界は存在せず、また、幅が変化する(狭くなる/拡くなる)こともありません
    • それぞれの相では有形界の進化の程度が異なるために、上限に相当する活動性の程度と、下限に相当する活動性の程度も、相ごとに異なります
    • ある相の有形界の進化の程度が他の相よりも低いのならば、上限に相当する活動性の程度と、下限に相当する活動性の程度は、他の相の有形界よりも低い程度となります
    • 有形界の進化の程度が他の相よりも高くなるほどに、上限に相当する活動性の程度と、下限に相当する活動性の程度は、他の相の有形界よりも高い程度となります
    • 有形界の進化とは、地上で生活する人類の成長によって、有形界を構成する活動性の範囲を高い程度へ移行させていくことを表しているのです
(1000/1000) 有形界の進化の程度
(1000/1000) 有形界の進化の程度
  • (1000/1000) 惑星が進化することで、鉱物/植物/無脊椎動物も、惑星の進化の程度に相応する程度に、あわせて進化します
    • 惑星の進化は、惑星で生活する人類が成長していることを表しており、人類の成長の程度に相応する生活環境を整備するために、自然環境を構築している鉱物/植物/無脊椎動物が無形界の造化の担当者によって、人類の成長の程度に相応する程度の表現として造化されます
  • (1000/1000) 惑星の進化は、人類の生活する環境の変化をともなうために、人が用いる有形体の平均的な耐用年数を増加させることにもつながります
    • 有形体の耐用年数とは、有形体を通しておこなう物的な生活/活動へ、有形体の機能が耐え得る「おおよその期間」を指しており、耐用年数を越えると物的な生活/活動へ支障が大きく現れるようになります
    • ただし、地上で生活する前に、あらかじめに決めている個々の有形体の使用期限を延長するのではありません
    • 有形体の耐用年数の増加は、地上で生活する前に自身で決める有形体の使用期限を、比較的に長い期間として設定できるようになることを表しています
    • 有形体の使用期限については、3章5節 有形体 #死を参照してください
  • (1000/1000) 地上にみられる、自然の諸現象は、惑星の進化の過程における、ある種の浄化作用として起きています
    • 自然の諸現象そのものの造化を担当する霊が、無形界に存在しているのではありません
    • 自然の諸現象は、地上へ造化された様々な物事/現象の管理へ用いられている無数の磁気的作用力が相互に影響を与え合うことによる、原因と結果の流れのひとつとして起きています
    • 浄化作用は、創造/破壊の表現のひとつであり、地殻内部/大海/大気を含む惑星全体、地上全体、各地域、などの不均衡/不調和を是正し、均衡/調和を促進するために起こります
    • 自然の諸現象の例として下記が挙げられます
    • 夏の気温が高い日には、地上/大気の電位差が大きくなりやすく、夕立[ゆうだち](スコール)として、雷をともなう激しい雨が降ります
    • 雨の現象は、洪水、土砂崩れ、土壌の整備、植物の生育の促進、地上/大気の電位差の調整、などに関与します
    • 台風の現象は、洪水、土砂崩れ、土壌の整備、強風による倒壊、磁場の調整、などに関与します
    • 地震の現象は、津波、地割れ、地盤の歪みの解消、などに関与します
    • 火山の噴火の現象は、山火事、大地の変動/形成、地殻の圧力の調整、などに関与します
    • 人類からみて災害と呼ばれる現象からの復興は、社会/経済の発展、個々の内的成長、などへ関与します
    • 現状が破壊されることで新しく創造される余地が生まれ、創造/破壊の周期が進化へとつながります
  • (1000/1000) 地上のあらゆる物事/現象などの表現は、それぞれが付与された活動性を有しており、それらの表現が有する活動性の程度/性質は、人に影響を与えます
    • 結果として、あらゆる表現の有する活動性から影響を受けた、人類が有する活動性の程度の総合が、惑星の進化の程度へと影響を与えています
    • 人と表現の間だけでなく、人と人の間でも、お互いの有する活動性の程度/性質(成長段階や生き方)が影響を与え合っています
    • 加えて、人の有する生命の活動性や、人が行為へ付与する活動性の程度/性質は、鉱物/植物/無脊椎動物/脊椎動物の有する活動性へ影響を与えます
    • 有形界では、それぞれの有する活動性の程度によって生活する界層が区分けされることなく、同じ場に渾然[こんぜん]と融合しているために、互いに影響を与え合うのです
    • 無形界のように、それぞれの有する活動性の程度によって生活する界層が区分けされていると、互いに影響を与え合うことはありません
(1000/1000) 活動性の相互の影響
(1000/1000) 活動性の相互の影響
  • (1000/1000) 書物、絵画、映画、音曲、などのような、物体そのものとは別に、情報を内包している物体は、物体そのものへ付与された活動性の程度、情報の内容へ付与された活動性の程度、の2つの活動性の程度が人へ影響を与えます
    • 物体そのものへ付与された活動性の程度/性質は人へ影響を与え、同時に、物体そのものは物体へ関与した人から活動性の程度/性質が追加して付与され、相互に影響を与え合います
    • 一方で、情報の内容へ付与された活動性の程度/性質は人へ影響を与えますが、情報の内容が更新/修正されない限りは、人から情報の内容へ活動性の程度/性質が追加して付与される状況はありません
  • (1000/1000) 物体そのものへ付与された活動性の程度/性質と、情報の内容へ付与された活動性の程度/性質は、一致している場合もあれば、一致していない場合もあります
    • 物体そのものが有する活動性の程度/性質は、それぞれの物体へ関与した人が、関与した自覚的(自覚のある/自覚できるものの自覚のない)な目的に基づいて、誠実/不誠実の性質をもつ活動性と活動性の程度を付与しており、物体へ関与した人によって、誠実な性質の活動性を付与する場合もあれば、不誠実な性質の活動性を付与する場合もあり、高い活動性の程度を付与する場合もあれば、低い活動性の程度を付与する場合もあります
    • 情報の内容が有する活動性の程度/性質は、内容を造り出した著者が付与しています
    • 例として、書物へ記述された内容には著者によって誠実な性質の活動性が付与されていたとしても、書物を閲覧した人が閲覧する目的に基づき、書物そのものへ不誠実な性質の活動性を付与している場合もあります
(1000/1000) 物体/情報の内容が有する活動性と人への影響
(1000/1000) 物体/情報の内容が有する活動性と人への影響

有形界の太陽の輝き

  • (1000/1000) 有形界では、恒星という特定の光源が、有形的宇宙へ輝きを放っています
    • 惑星の自転により、恒星からの輝きが届く「昼」という時間帯と、輝きの届かない「夜」という時間帯があります
  • (1000/1000) 有形的宇宙に存在する無数の恒星は、大霊の有形界への顕現そのものです
    • 大霊は分霊の総体を表してもいるために、その恒星系に生活する全ての分霊の放つ輝きが総合されて、恒星の輝きとして顕現しています
    • 太陽系の恒星である太陽は、無形界/有形界をあわせた、太陽系に生活する全ての分霊が放つ輝きの総体です
    • 無形界で恒星の造化を担当する霊たち(22次元以上の成長段階に属する)が、恒星系に生活する無数の分霊の放つ輝きを総合して恒星へと送り込み、恒星の輝きへと反映させています
    • 個々の分霊の成長段階によって放つ輝きの程度は様々ですが、恒星系の範囲を構成する、おおよそ21次元以下の成長段階に属する分霊の生命の活動性から放たれる輝きが総合されています
    • 21次元よりも高い成長段階に属する分霊の放つ輝きは、恒星の輝きには関与していません
    • 分霊の放つ輝きは、成長段階に相応する次元(4次元以上)に属しており霊眼で視えますが、この輝きが恒星の輝きとして有形界へ顕現すると3,4次元の光/輝きとなり、肉眼には3次元の光/輝きのみが視えています
    • 霊眼に視える太陽の4次元の側面では、3次元の側面とは比較にならないほどに強い光輝[こうき]を放っており、成長の程度や内面の状況によって感じ取れる輝きの程度が変化します
    • それぞれの相の有形界を構成する活動性の範囲は、有形界の進化の程度によって異なりますが、有形界を構成する活動性の範囲に関わらず、恒星は、あらゆる相の有形界で同等の輝きの程度を放っています
    • 分霊の輝きについては、3章3節 分霊 #分霊の輝きを参照してください
(1000/1000) 分霊と恒星の輝き
(1000/1000) 分霊と恒星の輝き
  • (1000/1000) 有形界の太陽は、世界の中で最も低い次元(3,4次元)に存在する有形界へ、輝きを届けるためにあります
    • 有形界は、無形界の各次元に比べると、界を構成する活動性の程度が低いために、低い活動性によって放たれる輝きは弱く暗いです
    • 有形界の造化の側面から捉えると、太陽の輝きは、有形界の「あらゆる造化」の土台となる生命を提供しており、その土台の上に、それぞれの造化を担当する霊の生命が加えられて、様々な造化がおこなわれています
    • 霊の成長の側面から捉えると、輝きが弱く暗い次元の地上で生活する分霊(人/脊椎動物)に、太陽のような強烈な輝きがあることを認識させ、輝きを求めて成長するように、はたらきかけています
    • 地上で生活する分霊の側面から捉えると、人/脊椎動物の有形体は、太陽光から活動性を取り込み、磁気的作用力へと変換して有形体の活動へ用い、分霊の有する生命の活動性がおこなう有形体での造化を補助しています
  • (1000/1000) 恒星には、分霊(人/脊椎動物)は生活していません
    • 鉱物/植物/無脊椎動物は、様々な研究のために、無形界から恒星の地上へ造化され存在している恒星もありますが、地上で生活する分霊の生活環境を構築するために地上へ造化されているのではありません
    • 恒星は、恒星系内で分霊の生活する各惑星へ輝きを届ける役割を目的として造化されており、分霊が生活する惑星としての役割を有していないのです

有形界の時間/空間

  • (1000/1000) 地上で認識されている時間/空間の捉え方は、物的な生活の利便性を目的として造られた人工的産物です
    • 人工的に一定の単位を規定し、時間では、年/日/時/分/秒、距離では、km(キロメートル)/m(メートル)/cm(センチメートル)、inch(インチ)/feet(フィート)/yard(ヤード)/mile(マイル)、距離を土台に算出される面積では、km2(平方キロメートル)/m2(平方メートル)/cm2(平方センチメートル)、ha(ヘクタール)/a(アール)、町(ちょう)/反(たん)/畝(せ)/歩(ぶ)、などの尺度を造り出しています
    • 造り出した尺度に基づいて、測量/計算/考案などをおこない、様々な規則や物体が造り出されています
    • 地上での人工的な時間/空間の捉え方は、有形的認識に基づく時間/空間の捉え方のひとつです
  • (1000/1000) 有形的認識に基づいて捉える時間/空間は、基点が決められることによって成立しています
    • 基点と対象との位置的な差から、時間の経過、距離の把握をおこなっており、更に、距離を把握することで空間を認識しています
    • 加えて、体積、重量、温度、などもまた、人工的に一定の単位を規定し、基点を決めることで造り出された尺度です
  • (1000/1000) 地上の物的な生活では、外的な時間/空間の捉え方と、内的な時間/空間の捉え方を、混在して用いています
    • 人工的に一定の単位として規定された外的な時間/空間の捉え方と、精神の状況によって変化する内的な時間/空間の捉え方を、適宜に、自覚して、あるいは、自覚できるものの自覚なく認識しています
    • 内的な時間/空間の捉え方では、有形的認識に基づいて捉える時間/空間もあれば、一方で、無形的認識に基づいて捉える時間/空間もあります
    • 内的な時間/空間の捉え方については、次節の2章4節 無形界の構造 #無形界の時間/空間を参照してください

時間

  • (1000/1000) 地上での外的/人工的な時間の捉え方は、地球(惑星)の自転/公転によって、地上から視える太陽(恒星)の位置の違いを基点に、一定の位置の差を単位時間と規定して造り出されています
    • 地球の公転によって変化する、地上から視える太陽の位置の違いに基づいて、「年」という時間の単位が造り出され、更に、「年」の単位をおおよそ均等に分割して「月」の単位が造り出されています
    • 同様に、地球の自転によって変化する、地上から視える太陽の位置の違いに基づいて、「日」という時間の単位が造り出され、更に、「日」の単位を均等に分割して「時」の単位、「時」の単位を均等に分割して「分」の単位、「分」の単位を均等に分割して「秒」の単位、などが造り出されています
    • これらの単位時間では、現在を基点とした、過去/未来との位置的な差を時間として認識しています
(1000/1000) 有形界での時間の認識
(1000/1000) 有形界での時間の認識

空間

  • (1000/1000) 地上での外的/人工的な距離の捉え方は、ある位置を基点として、基点と対象との位置の違いを「隔[へだ]たりがある(離れている)」と認識し、一定の位置の差(隔たりの大きさ)を単位距離と規定して造り出されています
    • 隔たりの大きさによって単位距離の尺度が使い分けられており、大きな単位距離の尺度は、相対的に小さな単位距離の尺度を包括しています
    • 例として、「km(キロメートル)」は、「m(メートル)/cm(センチメートル)」などの相対的に単位距離の小さな尺度を包括しており、「km(キロメートル)」の単位を均等に分割して「m(メートル)」の単位、「m(メートル)」の単位を均等に分割して「cm(センチメートル)」の単位、などが造り出されています
  • (1000/1000) 基点と特定の対象との距離、基点と他の対象との距離、特定の対象と他の対象との距離の3点が決まることで、空間を認識するようになります
    • この3点によって平面(面積)を認識し、更に、平面の認識に用いた対象とは異なる対象と基点との距離(高低差)を平面の認識と組み合わせることで、立体(体積)として空間を認識します
    • 空間を認識するためには位置の異なる3点を最低限に必要とし、日常の中では、無数の点を同時に捉えて距離/空間を認識しています
(1000/1000) 有形界での距離/空間の認識
(1000/1000) 有形界での距離/空間の認識

有形界の多様性

  • (1000/1000) 有形界の多様性は、地上で生活する者たちが、自己の属する地域と、異なる地域との比較を通して学べるように、大霊によって計画され造り出されています
    • 計画に基づき、無形界の担当する霊たちが、様々な分野での研究成果を多様性として有形界/地上へ造化しています
    • 有形的宇宙の全体を俯瞰[ふかん]して捉えるのならば、無数の相の有形界が造り出されているのも、また、それぞれの相に分霊(人/脊椎動物)の生活する惑星ひとつと、他の無数の惑星が存在しているのも、多様性として造化されているためといえます
  • (1000/1000) 海は、惑星表面の大地を分断することで、それぞれの大地/島での、人種、民族、文化、言語、生活様式、生態系、などの多様性を発展させるためにあります
    • 海で区切られた大地は、更に、湖、河、山、谷、などによって区切られた地域を形成し、小さな多様性を造り出しています
    • 海は、その役割から地上のみにあり、界の特性が「統合性」に総括される無形界には存在しません
  • (1000/1000) 霊の成長の側面から捉えると、地上で様々な成長段階の者が同じ場に生活している状況もまた、多様性のひとつといえます
    • 成長段階の異なる他者の、個性、生き方、物事の捉え方、おこなう行為、などと自己の比較を通して、自己を省みることができるようになります
    • 有形界の全体に様々な活動性の程度が混在し、同じ場に渾然[こんぜん]と融合しているために、互いの有する活動性の程度/性質が影響を与え合うのも、多様性に気づき、比較を通して学べるように、大霊によって配慮されているのです
  • (1000/1000) 人類の成長の程度にあわせて、それぞれの地域にみられる多様性は徐々に総合され、いずれは、ひとつへと総合されます
    • 総合されることで多様性が失われていくのではなく、分断され独立して育成されてきた地域ごとの方向性を有する多様性が、ひとつの系統ある多様性として包括されていきます
    • これは、人類の成長や惑星の進化によって、有形界の特性である多様性が、無形界の特性である統合性へ近似していく状況を表していますが、総合された多様性が統合性を示すことはありません
(1000/1000) 多様性の育成と統合
(1000/1000) 多様性の育成と統合

至言の紹介

(1000/1000)「瀞沁」
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生きることに手を抜いてはなりません
一瞬一瞬の積み重ねが
自己を造り出しているのです
ひとつひとつの行為が自己を形造り
絶え間なく磨き上げているのです

ただし、手間を省いていきなさい
一瞬一瞬の行為の一点に意識を集中して
自己の浪費をなくしていくのです
生きることの効率を高めていくのです

質疑応答

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有形界全般について

(1000/1000)

 はじめに、有形界に「はじまり」があることについては、2章1節 世界全体の構造 #質疑応答の「世界には、「はじまり」はあったのでしょうか?」を参照してください。

 ある相の有形界を新しく造化する際に、無形界の法則に基づいて、有形界の基礎を構成する無数の「無形的なもの」が造化されます。有形界へ造化された無数の「無形的なもの」へ付与されている生命の様々な活動性が相互に作用した結果として、有形界に適用される一定の法則が成立し、以降は、法則そのものが変化することなく有形界へ不変/普遍/敷衍[ふえん]して、有形界が存続する限り永続します。

 これは、分霊が有形界へ特定の法則を直接的に造り出しているのではなく、大霊によって創造され無形界に適用されている法則を土台として、有形界に適用される法則が自然に成立したことを表しています。何千億人もの分霊が新たな相での有形界の造化へ携[たずさ]わっていたとしても、分霊には、大霊の法則を直接に造り出すことはできません。大霊によって創造され、既に不変/普遍/敷衍[ふえん]している法則の組み合わせに基づいてのみ、新たな法則が成立するのです。あらゆる分霊の総合として表される大霊にのみ、法則を創造できるといえます。そして、有形界へ成立した一定の法則に基づいて、有形界での様々な絶え間なく変化する活動がおこなわれるようになります。

宇宙から捉えた有形界

(1000/1000)

 あらゆる相の有形界を総合した有形的宇宙の全体には、大霊の計画に基づき様々な目的で無数の惑星/衛星が造化されていますが、その大きな目的のひとつとしては、無形界から有形界への造化で「多様性を研究する」という内容が挙げられます。

 無形界の無数の研究分野で得られた多くの成果の中で、ひとつの成果を、ある惑星/衛星で、ある方向性に沿って造化する場合に、ある惑星/衛星への造化を通して還元されるのは、ひとつの内容となります。そして、それぞれの惑星/衛星で、それぞれの方向性に沿って並列/並行して造化をおこなうことにより、更なる研究のための多くの還元を短期間で得られます。

 もしも、ひとつの研究成果を、ひとつの方向性ごとに、ひとつの惑星/衛星にだけ試行していたのでは、いくつもの研究成果を、いくつもの方向性に沿って試行するには長期間を必要としてしまい、逐次に還元される内容は少なく、更に研究を進めるには効率が高いとはいえません。

 なお、この質疑応答で用いている「短期間」とは、地上の尺度で数百年-数万年を指しています。各分野での研究成果の内容によって、研究成果を惑星/衛星に試行(造化/育成)し、詳細な結果の還元を得るまでに必要とする期間は様々ですが、地上の生活で用いられている「短期間」の尺度とは異なります。

(1000/1000) 多様性のある造化と還元される多さ
(1000/1000) 多様性のある造化と還元される多さ

(1000/1000)

 個体として内的成長する段階に相応する有形体(地球では人型の形状)を用いている者たちを「人類」と呼ぶとした場合に、天体の中でも、太陽などの恒星や彗星には、人類は生活していません。恒星/彗星は、その存在の目的から、今後も人類が生活するために用いられる状況はないといえます。恒星/彗星の目的については、この節の本編を参照してください。

 恒星/彗星を除いた、多くの惑星/衛星には人類が生活しています。また、地球の歴史をみてもわかる通り、人類が生活する段階にまで惑星/衛星の進化が進んでいない脊椎動物の段階や、植物/鉱物/無脊椎動物のみの段階にある惑星/衛星も存在しています。時間軸で捉えるのならば、比較的に早い時期に創造された惑星/衛星(ある相の有形界)では、相対的に高い程度へ進化している場合が多く、一方で、比較的に最近に創造された惑星/衛星(異なる相の有形界)は、これから順を追って進化していくことになります。

 ある相で高い程度へ進化している惑星/衛星の中には、有形界を構成する活動性の範囲が高いために、地球に人類の生活する相の有形界で、地球人類の肉眼に視えない惑星/衛星もあります。地球で生活する人類は、比較的に人類全体の成長が遅いために地球の進化の程度も低く、有形界を構成する活動性の範囲も低い段階にあります。これは、地球人類には肉眼で視認できない天体も多くある状況を指しています。

 なお、地球以外の惑星/衛星に人類が生活する有形界は、地球に人類が生活する有形界とは相が異なるために、お互いに物的な接触をすることはできません。これは、同じ場に無数の周波数が同時に存在していても、ある帯域の周波数からは、他の帯域の周波数へ干渉できない状況へ譬[たと]えられます。例として、地球に人類の生活する相では、地球から火星へ訪れても、火星に生活する人類は同じ相で生活しているのではないために物的に接触することはできません。同様に、火星に人類の生活する相では、火星から地球へ訪れても、地球に生活する人類は同じ相で生活しているのではないために物的に接触することはできません。

 惑星/衛星(ある相の有形界)の進化にともない、個々の成長段階によっては、他の惑星/衛星(他の相の有形界)に生活する者たちの状況を無形的に認識できるようになります。地球の地上からでも、認識の次元が7次元に属しているのであれば、意識の範囲に「月の惑星圏」を内包しているために、月の地上で生活する人類の様子や、月の惑星圏無形界で生活する人霊の様子を、無形的に認識することはできます。加えて、他の惑星/衛星に生活する者たちへ活動性や印象を送信できるようにもなりますが、それでも、両者の生活している有形界の相が異なるために、お互いに物的な接触をおこなうことはできないのです。無形的な接触(感応)はできるようになっても、物的な接触ができないことは、世界の中で最も低い活動性の範囲や成長段階に位置する有形界で、人類が、恐れ/怯えに基づく無用な混乱/杞憂[きゆう]をせずに、地上での物的な生活を通した霊としての成長へ意識を集中させるための、大霊の配慮なのです。

(1000/1000)

 異なる複数の相の有形界で、同じ惑星に人類が生活している状況はみられません。例として、相Aの有形界の地球、相Bの有形界の地球、相Cの有形界の地球に、同時に人類が生活している状況はみられません。相Aの有形界の地球に人類が生活しているのならば、相B/Cの有形界の地球には人類が生活していません。加えて、ある相の有形界で他の惑星へ移住する状況や、ある相の有形界で複数の惑星に人類が生活している状況もみられません。例として、ある相の有形界の中で地球から火星へ移住する状況、ある相の有形界の地球と火星で人類が同時に生活している状況、などはみられません。

 これらの状況がみられないのは、無形界で、ひとつの相の有形界に、ひとつの人類が生活する惑星を設置するように、あらかじめに決めたうえで、それぞれの相の有形界が造化されているためです。あらかじめに人類が生活するように決められた惑星は、人類が生活し、学びを得られ、成長へとつなげるのに適した環境となるように惑星を造化しているのです。

(1000/1000) 人類の生活する惑星
(1000/1000) 人類の生活する惑星

 なお、テラフォーミングと呼ばれている、地球以外の惑星を地球人類が生活できる環境へ造り変える構想は、ひとつの相の有形界に、人類が生活し成長へ用いる、ひとつの惑星を設置するという、有形界で適応される分霊の成長の法則へ反しており、法則へ反する内容へは無形界からの支援/援助が得られないために、実現する可能性は極めて低いです。ただし、決して実現できないのではありません。テラフォーミングの構想は、構想を実現しようと試行錯誤する過程で様々な学びを得る機会となりますが、「何のためにテラフォーミングして他の惑星へ移住/生活するのか?」という目的を誠実に省みる必要があります。その目的には、地球の様々な汚染の拡大による人類滅亡の恐れ、地球で生活する人類の増加による資源の涸渇への懸念/不安、他の惑星での資源の搾取/利益の享受、などの恐れ/怯えに基づく内容や利己的/自己中心的な内容があることへ気づくようになります。現在に生活している地球での生き方を省みずに他の惑星へ眼を向けるよりも、現在に生活している地球でおこなわれている、利益を得るための資源の搾取/大量消費、物品の大量の使い捨て、際限のない欲望の追求、利己的/自己中心的な大地/大気/水の汚染、などの生き方を修正していかなければなりません。

(1000/1000)

 あるひとつの相で人類の存在する惑星以外の惑星も存在している(視える)のは、それぞれの相の有形的宇宙に調和を保つためです。ただし、すべての惑星が肉眼で視えるとは限りません。ある惑星の有する進化の程度と人類の生活する惑星の有する進化の程度にみられる差によっては、肉眼で視える惑星もあれば、肉眼で視えない(個体の同調する活動性の程度によっては霊眼で視える)惑星もあります。

 それぞれの相の有形界は独立した界(独立した有形的宇宙)ではなく、それぞれが有形的宇宙のひとつの側面であり、あらゆる相が総合されて「有形的宇宙の全体」を構成しています。全ての惑星/衛星/恒星/彗星などが相互に与え合う影響によって有形的宇宙の調和が保たれているために、あるひとつの相で存在する惑星が他の相で存在していないのならば、その相の有形界に調和を保てなくなり、結果として、あらゆる相が総合された「有形的宇宙の全体」の調和も保てなくなります。あらゆる相に共通して全ての惑星/衛星/恒星/彗星などが存在しているからこそ、それぞれの相での有形界に調和が保たれ、そして、それぞれの相の調和が総合されて「有形的宇宙の全体」の調和を造り出しているのです。

 惑星/衛星は、あらゆる相で共通する側面と、人類の生活する環境の側面、の2つの側面を有しています。それぞれの相で人類の生活する惑星/衛星は、あらゆる相で共通する側面を土台として、その相の性質に相応する人類(脊椎動物を含む)の生活する環境が構築されています。例として、地球に人類の生活する相では、地球は水を豊富に有する岩石の集合体という、あらゆる相で共通する側面を土台に、大気の流れ、地殻内部の動き、大海の潮流、水の循環(雲の形成/雨/川から海へ流れ込み蒸散)、植物/無脊椎動物の生育/活動、などが相の性質に相応するように構築されています。そして、地球に人類の生活する相でみられる月/火星などの岩石の集合体や、木星/土星などのガスの集合体は、あらゆる相で共通する側面が視えています。なお、恒星/彗星などは、あらゆる相で共通する特性のみを有しているために、どの相からも同様に視えています。

 有形界と同様に、惑星圏無形界でも、人霊界、天霊界、動物霊界、他の界、のそれぞれは独立した界ではなく、それぞれが惑星圏無形界を構成するひとつの側面であり、これらの界が総合されて惑星圏無形界を造り出しています。無形界の構造については、次節の2章4節 無形界の構造を参照してください。

(1000/1000) 各相の調和と有形界全体の調和
(1000/1000) 各相の調和と有形界全体の調和

住人から捉えた有形界

(1000/1000)

 現在に地上で認知されている動物の種族の分類では、脊椎動物/無脊椎動物を明確に区分する種族を示すことはできません。分霊が生活するために用いる脊椎動物と、無形界の担当者によって造化される無脊椎動物を区分する境界線となる種族は、地上で認知されている種族の分類ではなく、無形界での種族の分類に基づいています。ただし、現在の地上社会の成長の程度では、無形界で脊椎動物/無脊椎動物を区分する境界線となる種族を、地上ヘ伝えるのは大霊より許可されていません。もしも、今後に伝えることが許可されたとしても、地上で認知されている動物の種族の分類は、無形界での分類と必ずしも同じとは限らず、また、地上では未だに発見されていない種族も多くあるために、境界線となる種族を示すのは困難です。

 無形界では、脊椎動物/無脊椎動物は明確に区分されています。脊椎動物の有形体を造化し分霊(動物霊)へ与える担当者と、無脊椎動物を地上へ造化する担当者は、無形界の仕事の分類からみると、脊椎動物の有形体を造化する担当は「地霊の成長を支援する部門」であり、一方で、無脊椎動物を地上へ造化する担当は「地上環境を整備する部門」となります。双方の部門間では緊密な連携をおこなって活動していますが、脊椎動物の種族の分類を管理しているのは地霊の成長を支援する部門であり、一方で、無脊椎動物の種族の分類を管理しているのは地上環境を整備する部門となります。無形界での仕事については、2章7節 無形界の仕事を参照してください。

 無形界では、様々な部門が、他の部門の研究成果を自身の部門での研究に活用し、同時に、自身の部門の研究成果を他の部門へ提供しているために、現在に無脊椎動物として造化されている種族の中で、今後に脊椎動物として応用できる種族があれば、脊椎動物の種族として管理する部門を移行させる場合もあります。

(1000/1000)

 人の用いる有形的な言語/発言の内容は、人と同じ分霊である脊椎動物(動物霊)たちへ伝わらなくても、発言した内容(有形的な表現)の土台となる印象(無形的な表現)は伝わっています。脊椎動物たちへおこなう自己の発言/行動の目的を明確に自覚したうえで、脊椎動物たちへ接するように努める必要があります。

 自己の発言する目的と、目的に基づいて造化された印象の内容が、精神伝達を通して脊椎動物たちへ伝わっていますが、その目的/印象を「どのように認識するのか?」は個々の脊椎動物たちによって様々です。同様に、脊椎動物たちの有する印象(行動の目的)は人へも伝わりますが、印象の内容を「どのように認識するのか?」は個々の人によって様々です。脊椎動物たちの行動を視て、自己の思い込みで脊椎動物たちの行動の目的を決めつけずに、ありのままを受け入れるように努めるのならば、脊椎動物たちの伝えようとしている印象の内容(行動の目的)へ自[おの]ずと気づくようになります。ただし、地上での脊椎動物(動物霊)たちが有する個体としての意識は、人の意識よりも希薄であり、人/脊椎動物の間で印象の受け渡しができるものの、人へ接する場合と同じようにはいきません。

 脊椎動物たちも分霊であり、人と同じで、大霊より分割された同胞/同朋です。成長の程度は相対的に脊椎動物よりも人が高い段階にありますが、人が脊椎動物より優れているのでもなく、脊椎動物が人より劣っているのでもありません。人も脊椎動物も同胞/同朋のために、同胞/同朋への愛ある目的に基づく印象の伝達、発言、行動は、彼らの成長を促進するように、はたらきます。これは、「脊椎動物たちの成長を促す」という、あらゆる人が有する地上での役割のひとつでもあります。そして、虫などの無脊椎動物、植物、鉱物、なども、意識を有する無形界の造化の担当者たちが自身の有する生命の活動性を付与することで造化し、精霊を通して絶え間なく管理している表現であり、常に造化の担当者たちとのつながりを有しています。自己が、無脊椎動物、植物、鉱物、などへ愛をもって接するのならば、その愛は造化の担当者たちへも届いているのです。地上での役割については、4章2節 有形界での成長を参照してください。

 寧[むし]ろ、脊椎動物たちに対してよりも、人に対してのほうが、発言/行動や、無形的な印象の伝わらない場合が多くみられます。脊椎動物たちは、恐れ/怯えに基づく「幻想による捉え方」をしないために、脊椎動物と人の間では率直な印象の受け渡しをできますが、一方で、人と人の間では、個々によっては「幻想の捉え方」へ陥[おちい]っているために、相手の発言/行動や無形的な印象の内容を率直/誠実に受け止められないのです。幻想の捉え方については、5章2節 幻想を参照してください。

 なお、人は無形体を通して印象の受け入れ/伝達をおこなっていますが、脊椎動物は人と異なり無形体を有していません。ただし、脊椎動物は地上で生活している間も、常に種族の集合精神とのつながりを有しているために、集合精神が無形体の代わりとして機能しており、集合精神を仲介して、印象の受け入れ/伝達をおこなっています。集合精神については、4章1節 分霊の成長 #集合精神を参照してください。

(1000/1000)

 はじめに、人が睡眠中に無形体で無形界へ戻っている状況もみられることについては、3章5節 有形体 #睡眠を参照してください。

 脊椎動物(動物霊)は個体としての意識を有しておらず、自由意志もなく、無形体も有していないために、睡眠中に無形界へ戻ることはありません。睡眠中に無形界へ戻る/戻らないなどの選択は、個体としての意識を有し、自由意志によって自己の行動を選択できる人霊にのみおこなえるのです。

 地上では、脊椎動物は自身の自由意志で判断し行動しているようにみえますが、自由意志は有しておらず、自然界の「あるがまま」に行動しています。譬[たと]えると、自身が自動車の運転をしているのではなく、運転されている自動車の助手席に座って、移り変わる風景を眺めている状況なのです。自動車は脊椎動物の有形体であり、運転しているのは自然界の運命の流れ、助手席に座っているのは動物霊に相当します。

 動物霊は、人霊と同じ地霊の成長の道程に属していますが、人霊よりも、無形界の担当者たちによって造化され地精に管理されている鉱物/植物/無脊椎動物に近い存在といえます。植物/無脊椎動物は成長し形体を変化させますが、意識を有する分霊ではなく、造化の担当者たちによる絶え間ない造化の結果として変化している表現であり、この絶え間ない無数の造化が総合されて地上での自然界の有する運命の流れを造り出しているのです。そして、この自然界の有する運命の流れに沿って、脊椎動物は生活しています。なお、脊椎動物の動物霊は、下位の種族ほどに植物/無脊椎動物に近い意識の状況であり、成長にともない、徐々に上位の種族へと移行するほどに、人に近い意識へと近づいていきます。ただし、最も上位の種族であっても、個体として分割された意識は有していないために、意識は人よりも遥[はる]かに希薄です。

 自由意志を有していない脊椎動物は、自然な生き方(自然界の「あるがまま」な生き方)をしており、不自然な生き方を選択できません。一方で、自由意志を有している人は、自然な生き方も、不自然な生き方も、自身で選択できます。しかし、脊椎動物は自然な生き方をしているものの、克己を造化できないために、有形体の内包する物質の心から受ける誘惑の影響を制御できません。克己は自由意志で自覚して「誘惑に打ち克つ」選択をおこなった場合にのみ造化でき、自覚なく、あるいは、自覚できるものの自覚なく造化する状況はみられないのです。そのため、誘惑から受ける影響力が弱い際には、脊椎動物は必要とするよりも多くを外環境へ求めませんが、誘惑から受ける影響力が強くなると、誘惑のままに外環境へ求め行動します。克己については、3章9節 精神 #克己を参照してください。

有形的な作用力

(1000/1000)

 磁気的作用力の基本は、引き合う、反発する、の相反した2つの特性からなりますが、更に、引き合う/反発する特性の、強さの程度と、無数の性質の組み合わせによって、無限の作用力を生み出すようになります。引き合う特性の中に無数の性質と性質の程度があり、同様に、反発する特性の中にも無数の性質と性質の程度があり、無数の性質と性質の程度を有する両者が組み合わさることで、無限の作用力が生まれるのです。

 磁気的作用力は、体験に基づいて、地上で多くの分類が試みられています。例として、陰陽からなる無限の入れ子構造、五行(木火土金水)、四元素(地水火風)と熱冷乾湿、五元素(地水火風空)からなるドーシャ(ヴァータ、ピッタ、カパ)、などがあります。また、ビタミン、ミネラル、なども、4次元に属している磁気的作用力が有する性質/性質の程度の組み合わせを、3次元の側面から捉えた分類といえます。

 なお、現在の地上社会が有する成長の程度では、磁気的作用力のひとつひとつを分類して表すことはできません。磁気的作用力は有形界の「あらゆる物体」へ作用を与え変化させていますが、ひとつひとつの磁気的作用力を大きさとして捉えた場合に、様々な物体を構成する原子の大きさの段階でみると、原子は4次元の側面で複数の磁気的作用力が組み合わさっており、3次元の側面で原子と呼ばれる物質として肉眼(顕微鏡)で視えるようになります。それぞれの原子は磁気的作用力の組み合わせが異なるために、原子ごとに特性がみられ、この特性から分類したものが元素周期表として知られています。加えて、中性子、電子、陽子、などの原子よりも更に小さい段階でも磁気的作用力の組み合わせがあり、どれくらいに極小の段階であれば、磁気的作用力のひとつひとつとして分類できるのかは現在の地上では知りようもありません。いずれ社会の成長の程度が向上し、肉眼に視えない物事を適切に研究できるようになれば、磁気的作用力の分類もできるようになります。

(1000/1000)

 ある物体へ特定の物的な作用を与えている磁気的作用力の程度は、筋反射検査を用いて数値での測定ができます。生命の活動性から変換される磁気的作用力は、活動性と同様に無数の性質があり、それぞれの性質の中に、更に無数の性質が含まれる無限の入れ子構造を成しています。ただし、有している性質に関わらず磁気的作用力の程度は1-50未満の範囲にあります。この範囲内で特定の物的な作用を与えている程度を測定できますが、測定の際には、物体へ付与されている活動性の程度と混同しないように、検査に用いる宣言文を明確にする必要があります。筋反射検査については、1章3節 筋反射検査を参照してください。

 磁気的作用力は生命の活動性から変換され1-50未満の程度を有して物体へ物的な作用を与えますが、一方で、物体自体や物体の内包する情報へ1-50未満の程度を有する生命の活動性が付与されている場合もあります。物体自体へ付与された活動性の程度と、物体の内包する情報へ付与された活動性の程度は、どちらも付与された活動性の程度であり、活動性から変換された磁気的作用力ではないために物体へ物的な作用を与えません。

 例として、書物の場合では、書物へ掲載されている内容へ付与された活動性の程度、それぞれの書物自体に付与された活動性の程度、それぞれの書物を物的に維持あるいは劣化させる磁気的作用力、の3つがあります。書物へ掲載されている内容へ付与された活動性の程度は内容を記述した著者が付与し、それぞれの書物自体に付与された活動性の程度は物体としての書物へ関与した者たちや所有者が逐次に付与しています。それぞれの書物を物的に維持/劣化させる磁気的作用力は物体としての書物へ関与した者たちや所有者が活動性の程度とは別に逐次に与えており、書物を丁寧に扱うようにすれば書物が長期に維持されるように精霊(地精)が書物へ磁気的作用力を作用させ、一方で、乱雑に扱うようにすれば劣化し損傷しやすくなるように精霊が書物へ磁気的作用力を作用させます。

 筋反射検査を用いて測定する際には、物体自体へ付与された活動性の程度、物体へ掲載されている内容へ付与された活動性の程度、物体へ特定の物的な作用を与えている磁気的作用力の程度の3つの中で、どれを測定するのかを明確にしたうえで、それぞれに相応する宣言文を用いるようにします。特に、磁気的作用力は物体へ同時に無数の物的な作用を与えているために、検査に用いる宣言文は、どの作用を与えている磁気的作用力の程度を測定するのか? を明確にする必要があります。なお、物体が情報を内包していない場合に、物体の内包する情報の有する活動性の程度を筋反射検査で測定しても測定値は得られません。また、物体が情報を内包していない場合に、物体の内包する情報の有する真実度を筋反射検査で測定すると、測定値は得られますが、物体の内包する情報の測定値ではなく、測定者の物体に対して自覚できるものの自覚なく有している内容(思い込み/定義/用途など)が測定されています。

(1000/1000) 物体から測定できるもの
(1000/1000) 物体から測定できるもの

 分霊の成長という観点からみると、ある物体へ特定の物的な作用を与えている磁気的作用力の程度を測定する意義はありません。成長に関連するのは、物体の内包する情報へ付与された活動性の程度です。磁気的作用力の程度の測定は、地上社会で発達している様々な学問分野が、3次元の変化だけでなく4次元での変化/作用をあわせて研究するようになれば意義を有するようになります。

 この質疑応答に関連する内容には、1章2節 真実度 #質疑応答の「書物などだけでなく、食品、飲料、衣服、などの物品も真実度を測定できるのですか?」がありますので参考にしてください。

(1000/1000)

 物体の1単位と定義する基準は状況によって随時に変化し、一定ではありません。ある状況で、その状況に相応する1単位の捉え方が物体の1単位を定義します。例として、家を基準にすると家屋全体で1軒と捉えますが、家を構成している窓を基準にすると1軒の家の中に複数枚の窓があり、数軒を総合した窓の枚数は軒数よりも多く数えられます。同様に、有形体を基準にすると1人が用いる有形体は1つですが、有形体を構成する細胞を基準にすると1人が用いる細胞は数十兆にもなります。

 そして、惑星を基準としたのならば、地上で生活する人や脊椎動物、植物、虫、大地、大海、河川、湖沼、大気、物品、建造物、などは惑星という1つの物体を構成する要素であり、それらに分離はありません。有形的認識に基づいて捉えると、人、脊椎動物、植物、虫、大地、大海、河川、湖沼、大気、物品、などは独立した物体と認識しますが、一方で、無形的認識に基づいて捉えると、それぞれが独立した物体であり、同時に、全てで1つの物体として認識します。

 状況によって変化する物体の1単位という捉え方を詳細に考察していくことで、有形的認識と無形的認識による捉え方の違いを実感しやすくなり、更に、無形的認識による捉え方が単に個々を総合した全体と捉えるだけではないことへも気づくようになります。

 物体の1単位を考察する身近な例として、下記の内容がありますので参考にしてください。

  • 食物は1つの物体ですが、食事で有形体へ取り込むと、取り込んだ食物は物体ではなくなるのか?
  • 取り込んだ食物は、何を基準として1単位と捉えられるのか?
  • 有形体は1つの物体ですが、有形体の頭髪を切り離せば、切り離した頭髪は物体ではなくなるのか?

 なお、行為を通して物体へ活動性を付与する際には、ある状況で、その状況に相応する範囲を自覚して、あるいは、自覚できるものの自覚なく物体の1単位と捉えており、1単位と捉えた範囲へ活動性を付与しています。状況に相応して1単位と捉える範囲は有形的/無形的認識の割合にも影響を受けており、ある愛の行為を特定の人物のみ(人物を1単位と認識)へおこなうこともできれば、地上で生活する人類全体(人類全体を1単位と認識)へ同時におこなうこともできるのです。

有形界の造化

(1000/1000)

 地上で生活する人によって人為的におこなわれる脊椎動物/植物の品種改良は、無形界で脊椎動物の用いる有形体や植物の造化を担当する霊たちが人へ無形的な「はたらきかけ(無形界から地上への研究成果の伝達)」をおこない、はたらきかけを受けた人が物的に品種改良をおこなっています。担当者たちからの無形的な「はたらきかけ」なしに、地上の人が品種改良をおこなう状況はみられません。この「はたらきかけ」を受けて、地上でおこなわれている品種改良には、愛ある品種改良と利己的/自己中心的な品種改良がみられます。

 愛ある品種改良は、地上で生活する人/脊椎動物たち分霊の物的な生活状況を向上させる目的や、人/脊椎動物たちの成長を促す目的でおこなわれており、無形界の担当者たちが人へ「はたらきかける」品種改良の本筋[ほんすじ]となります。愛ある品種改良には、植物の耐病性や気候の寒熱燥湿への適応性を高めて収穫量を増加させる(食物供給量の増大)、脊椎動物の有形体に生活環境への適応性を高めさせる、などがみられます。

 利己的/自己中心的な品種改良は、人の有する利己性/自己中心性/欲望に基づいて、人に都合の良い目的でおこなわれており、無形界の担当者たちが人へ「はたらきかける」品種改良の本筋から逸脱しています。利己的/自己中心的な品種改良には、植物の成育を大幅に阻碍させるほどに果実を実らせる、脊椎動物の生活を犠牲にして食用としての肉の味/量を追求する、品評や人の実用のために脊椎動物の毛並み/体格を改造する、などの脊椎動物/植物の有形体が本来に有している均衡/調和を崩す不自然な内容がみられます。

 利己的/自己中心的な品種改良も、無形界の担当者たちが人へ「はたらきかけた」結果として人がおこなっていますが、無形界の担当者たちが利己的/自己中心的な品種改良をおこなうように人へ「はたらきかけ」ているのではありません。地上で生活する人が、無形界の担当者たちから「はたらきかけ」を受けて品種改良の試行を始めたものの、物質の心から受ける誘惑の影響に呑まれて利己性/自己中心性/欲望を満たすために品種改良をおこなうようになってしまったのです。ただし、地上で生活する人のおこなう利己的/自己中心的な品種改良は、無形界の造化の担当者たちが想定する範囲内にあります。無形界の造化の担当者たちは、人の利己的/自己中心的な品種改良を容認しているのではなく、地上で絶え間なく物質の心から誘惑の影響を受け続けている人が利己的/自己中心的に品種改良をおこなう可能性を考慮したうえで、はたらきかけをおこなっているのです。誘惑については、5章3節 誘惑を参照してください。

(1000/1000)

 物体(物事)へ付与された活動性は、物体へ関わった者たちが様々な性質/程度の活動性を付与し、物体の有する活動性の性質/程度へ加算していきますが、物体へ一度でも活動性が付与されたのならば、付与した者の意識が自覚的に(自覚して/自覚できるものの自覚なく)物体へ向いている間は付与されたままとなります。活動性を付与した者の意識が物体へ向かなくなれば、物体へ付与された活動性は消え去り、物体の有する活動性の性質/程度から徐々に減算されます。なお、意識を向けなくなることで消え去っていく活動性は、物体そのものへ付与された活動性であり、物体の内包する情報(書物へ掲載されている内容など)へ付与された活動性は消え去りません。

 無形界では、活動性を付与して造化した対象へ自覚的に(自覚して/自覚できるものの自覚なく)意識が向かなくなれば、対象は即時に、あるいは、短期間で消え去ります。即時/短期間の違いは、界層の有する活動性の程度によって異なり、高い活動性の程度を有する界層ほどに現れる変化は速くなり、即時に変化する(消え去る)ようになります。

 一方で、地上(有形界)では、活動性を付与した物体へ自覚的に(自覚して/自覚できるものの自覚なく)意識が向かなくなっても、即時/短期間に物体へ付与された活動性が消え去ることはなく、また、即時/短期間に物体が損耗/破壊/消滅/劣化することもありません。有形界/地上を構成する活動性の範囲は世界の中で最も低く、活動性の程度が低くなるほどに現れる変化は遅鈍なために、活動性を付与した物体へ意識が向かなくなれば、物体へ付与された活動性は僅かずつ消え去っていきます。言い換えると、活動性を付与した物体へ意識を向けなくなっても、ある程度の期間は物体へ活動性が付与されたままとなります。物体へ活動性が付与されたままとなる期間は物体へ付与された活動性の程度によって異なり、高い活動性の程度ほどに期間は短く、低い活動性の程度ほどに期間は長くなります。これは、高い程度の誠実な性質の活動性よりも、低い程度の誠実な性質の活動性や不誠実な性質の活動性が物体へ付与されたままになりやすい状況を表しています。

 また、物体へ自覚的に(自覚して/自覚できるものの自覚なく)意識が向いている状況には、物体へ向ける優しさ、思いやり、丁寧さ、などの誠実な内容だけでなく、物体への未練、後悔、心残り、欲望、怒り、憎しみ、悲しみ、不安、恐れ/怯え、などの不誠実な内容もあります。前者は物体へ誠実な性質の活動性を付与し続けており、後者は物体へ不誠実な性質の活動性を付与し続けています。これは、自己の用いている有形体へ活動性を付与し続けている状況も含まれており、健康/不健康、怪我/疾病の回復、などにも影響を与えています。

 加えて、物体そのものも、物体の内包する情報も、どちらも原素材へ活動性を与えて造化された表現という点は同じですが、物体そのものへ付与された活動性は意識を向けなくなれば消え去っていくのに対して、書物の記述、絵画の描画、音曲の旋律、などの物体の内包する情報へ付与された活動性は意識を向けなくなっても消え去りません。物体の内包する情報は、肉眼に視える、肉耳で聴こえる、などの有形体の五官を通して認識できる有形的な形状で物体へ記載されていますが、本質的には無形的な形状で無限の叡智へ記録されています。無限の叡智については、前節の2章2節 大霊 #摂理を参照してください。

 物体の内包する情報は、有形体を通して物体へ記載される前に、必ず精神で記載する内容(思考などの表現)を造化しています。記載する内容が精神で造化されると、記載する内容とともに記載する内容へ付与した活動性の性質/程度も即時に無限の叡智へと記録され、以降は記録が削除されることなく永久に保管されます。精神で記載する内容を造化し、無限の叡智へ記録された後に、その内容を物体へ記載しているために、もしも物体へ意識を向けなくなり物体へ付与された活動性が消え去るのとともに物体が形状を維持できなくなったとしても、物体の内包する情報(記載された内容)は消え去りません。肉眼では物体が形状を維持できなくなったと同時に物体の内包する情報も有形的には消え去ったように視えますが、無形的には維持され続けているのです。

 なお、物体そのものは、有形体を通して物体を造り出す前に精神で物体の設計図(思考)を造化しており、この設計図が無限の叡智へ記録されています。無限の叡智へ永久に保管されている設計図があれば何時[いつ]でも物体が造り出せるために、物体そのものは無限の叡智へ記録されていません。

(1000/1000)

 「惑星そのもの」の造化とは、大地、大海、地殻内部、大気圏、などでおこなわれる無数の造化を指しており、地上での分霊(人/脊椎動物)の生活環境を維持するための造化といえます。例として、大気を構成する組成の造化、大気を構成する組成の割合の調整、成層圏の組成/厚さの調整、大海を構成する組成の造化、海流/水量の調整、地殻を構成する組成の造化、地殻の温度の調整、大陸/島の隆起/移動などによる地表面の調整、惑星の自転軸の調整、惑星の自転速度の維持/調整、重力の調節、などがあります。

 惑星に造化されている無数の物事は、密接に影響を与え合って惑星全体を構成しているために、大気圏上層(電離圏など)の上空の状況も、地殻内部の状況も、深海の状況も、物的には相互に関係性がみられないように捉えられたとしても、有形的/無形的には必ず関連性を有しています。

 なお、無形界で「惑星そのもの」の造化を担当する霊たちは9次元以上の成長段階に属しており、5-7次元に属する造化の担当者たちが主に担う鉱物/植物/無脊椎動物などを造化する土台を提供しています。無形界の各界層への造化でも、有形界/地上への造化でも、相対的に高い次元からおこなわれる造化は、相対的に低い次元からおこなわれる造化の土台として機能します。これは、相対的に高い成長段階の者が、相対的に低い成長段階の者が担う仕事を統括/管理している状況が表されています。仕事を統括/管理するとは、統括/管理される者たちの個々が有する個性、知識、技術、熟練度、などの違い(長所/短所/特徴を含む)をつなぎあわせ、相互に補完し、個々が個々の違いを最大限に活かせるように後方から包括して支援する状況を指しています。自己が指示/命令して行動させる、あるいは、自己を前面に押し出して主張/決定するのではありません。無形界で担う仕事については、2章7節 無形界の仕事を参照してください。

(1000/1000)

 地上で肉眼に視える鉱物/植物/無脊椎動物には、何千年、何万年、何十万年と変化することなく造化され続けている種別/品種/種族もあり、それらの鉱物/植物/無脊椎動物は、鉱物/植物/無脊椎動物の造化を担当する無形界の同じ霊が造化し続けている場合もあれば、異なる霊が引き継いで造化している場合もあります。

 ある種別/品種/種族の鉱物/植物/無脊椎動物を同じ霊が造化し続けている場合では、造化し始めた時期と同等の成長段階へ留まることなく、高い成長段階(高い次元)へ移行しても造化し続けています。それぞれの成長段階に相応して、5次元で鉱物、6次元で植物、7次元で無脊椎動物の造化を担当するのは、それぞれの造化へ最低限に必要とする次元(成長の程度)です。次元ごとの造化する役割の区分は強制されているのではないために、個々の霊によっては自己の意志で6次元へ移行しても鉱物の造化を担当している者はおり、7次元へ移行しても鉱物/植物の造化を担当している者もおり、8次元以上へ移行しても鉱物/植物/無脊椎動物を造化し続けている霊もいます。逆に捉えると、植物を造化するためには6次元以上の成長の程度を必要としており、5次元の成長の程度では造化しようとしても適切に造化できず、同様に、無脊椎動物を造化するためには7次元以上の成長の程度を必要としており、5,6次元の成長の程度では造化しようとしても適切に造化できないことを表しています。ただし、成長段階(次元)が惑星から離れるほどに、地上へは造化し難くなるために、徐々に造化しなくなっていきます。次元ごとに担当する造化の役割については、3章3節 分霊 #質疑応答の「成長にともなう認識の次元の移行で、次元を移行するごとに感じ取る意識の変容とは別に、意識の大きな変容を感じ取る次元の区切りは、何を表しているのですか?」を参照してください。

 ある種別/品種/種族の鉱物/植物/無脊椎動物を異なる霊が引き継いで造化している場合では、個性の方向性が類似する複数の霊たちによって、物的に同じように視える種別/品種/種族が造化されています。何千年、何万年、何十万年と物的に変化していないようにみえる種別/品種/種族が、無形的にも変遷していないとは限りません。肉眼に視える物的な変化は、肉眼に視えない無形的な変化の一部が表れているだけに過ぎないために、無形的には全く同じ種別/品種/種族ではなく、個性の方向性が類似する複数の霊たちによって比較的に類似する種別/品種/種族が造化されていたとしても、物的には同じ種別/品種/種族として現れているのです。

 加えて、植物/無脊椎動物や脊椎動物にみられる「種族の分化」や「異種族間の交配によって生まれる交雑種」は、移り変わる地上の環境へ有形体を適応させていくためにおこなわれています。地上へ造化された表現である「植物/無脊椎動物」の種族の分化/交配は、無形界の植物/無脊椎動物を造化する担当者たちが直接に造り出し、一方で、動物霊が地上の生活で用いる「脊椎動物の有形体」での種族の分化/交配は、無形界の脊椎動物の有形体を造化する担当者たちが、地上で生活している脊椎動物を手引して造り出しています。種族の分化と、異種族の交配は、惑星の有する数十万年の長期的な周期にみられる温暖化/寒冷化などの変化へ適応するために、数千年をかけて「ゆっくり」と計画的におこなわれます。

 種族の分化/交配は、植物/脊椎動物だけでなく、人類(人の有形体)にも起こります。地球と呼ばれている惑星で生活している現行人類の有形体は、高温の環境には適していないために、温暖化が進行し、現行人類に生活するのが困難な地上環境となる時期には、その環境へ適応する有形体を有した人類が現れるようになります。

 この質疑応答に関連する内容には、この節の質疑応答の「地球温暖化は人類の生活の変化によって起きているのですか?」がありますので参考にしてください。

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 植物の種子や無脊椎動物の卵は、無形界の造化を担当する霊たちの無形的な印象や生命の活動性を、物的な物体として表現するための媒体として機能しています。

 無形界と有形界(地上)は界の特性が異なるために、無形界から地上へ造化する際に、地上へ存在していない物体を直接に造り出すのは非常に難度の高い行為です。9次元以上の高い成長段階にある大勢の霊たちが多大な時間/労力を結集して僅かな物体を造り出せる程度であり、誰もが常におこなえるのではありません。常に無形的な印象や生命の活動性を地上へ送ることはできても、印象や活動性から物的な物体/物事を造り出すには、無形的な印象を物的な物体/物事へ変換/中継する媒体が必要となるのです。

 既に地上へ存在している物体/物事は、無形界の特性と親和性の高い4次元の側面と、有形界の特性と親和性の高い3次元の側面を有しており、4次元の側面での変化を3次元の側面へ変換/中継することができ、無形的な物事を物的な物事へ変換する媒体として機能するのです。これは、地上で生活する人が日常的におこなっている、思考の内容が有形体の発言/行動を通して外環境へ物的に表現される過程にも表れています。

 植物に種子を実らせ、種子という物体を起点(媒体)として次の植物を生長させる、また、無脊椎動物に卵を産ませ、卵という物体を起点として次の無脊椎動物を生育させる、などによって、地上で既に存在する(造化されている)物体を利用して変化させていく(造化していく)ほうが、時間/労力の消費を少なくし、少数の霊でも大規模に造化をおこなえるようになります。物体を造化の起点(媒体)として用いる方法は、脊椎動物/人の有形体でも同様です。

 加えて、無形界の造化の担当者が交代/引き継ぐ場合にも、花粉などの物体での交配を通して、種族の変異/遷移を円滑におこなえるようにしています。これは、人の有形体の場合から捉えると、様々な体質を組み合わせて、有形体を用いる人霊が再授肉して地上での目的/役割を遂行するのに適した体質を構成するためでもあります。地上での目的/役割を遂行するのに適した、おおよその体質を有している者を両親として選定し、両親のそれぞれが有している様々な体質の中から、必要とする体質を抽出し組み合わせるのです。再授肉については、4章9節 再授肉を参照してください。

(1000/1000)

 無形界の造化の担当者によって造化された無脊椎動物と、人/霊の有する利己性/自己中心性/欲望によって造化された無脊椎動物では、存在の目的/役割が異なります。

 無形界の造化の担当者によって造化された無脊椎動物は、鉱物/植物との密接な関連性を有しており、鉱物の変化、植物の生育、などの、自然界の進化に重要な役割を担っています。例として、ミミズによる土壌の造成、蜂による花の受粉の補助、土壌細菌による腐食、などが挙げられます。

 一方で、人/霊の有する利己性/自己中心性/欲望によって造化された無脊椎動物は、自然界との関連性が低く、吸血、病原体の媒介、感染症の発症、などの、直接的に人/脊椎動物へ影響を与える行動が多くみられます。なお、地上には、利己性/自己中心性/欲望による不誠実な活動性によって造化された鉱物/植物はありません。地上に存在する鉱物/植物は、すべてが、無形界の造化の担当者によって造化されています。

 不誠実な活動性によって造化されている無脊椎動物たちの特徴は、不誠実な性質に基づき、地上で生活する分霊(人/脊椎動物)へ積極的に危害を加えるような行動をおこなうことにあります。一方で、鉱物/植物には、地上で生活する分霊へ積極的に危害を加えるような行動をおこなうことができないために、不誠実な活動性によって造化されないのです。これは、不誠実な性質が恐れ/怯えに基づいているためであり、他者へ害を成すことによって、自身の恐れ/怯えから眼を逸らし、恐れ/怯えから逃げ回ろうとしている表れなのです。不誠実な活動性によって鉱物/植物を造化しても、他者へ害を成せないのならば、造化する意義(自身の恐れ/怯えから眼を逸らす)がないために、自覚できるものの自覚なく造化しようとしていません。

 植物の中には、棘/毒を有している種族もありますが、これらは地上で生活する分霊(人/脊椎動物)へ危害を加えるためではなく、棘/毒による物的な痛みを通して学ぶためにあり、積極的に危害を加えることはありません。また、有形体の使用期限へ到達した者が、死の迎え方として植物の毒を利用し、地上での生活を終える場合もあります。ただし、無形界の地獄層に存在する鉱物/植物(大地/大気を含む)は、地獄層に生活している、不誠実な生き方をしている者たちの有する不誠実な活動性の総合によって、自覚して、あるいは、自覚できるものの自覚なく造化されています。地獄層は、地上とは異なる点に留意してください。

 近年では、ハエを花の受粉、ゴキブリ/白蟻[しろあり]をバイオ燃料の生成、などに用いようと試みられており、不誠実な性質の活動性によって造化されている無脊椎動物を人の生活へ活用する方法が模索されています。無脊椎動物が、誠実な性質の活動性によって造化されているとしても、不誠実な性質の活動性によって造化されているとしても、区別することなく地上での生活に活用し、学びへとつなげていくことが大切です。なお、無脊椎動物たちを、学びのために活用はしても、物的な利益を追求し利己性/自己中心性/欲望を満たすために利用するのではありません。利己性/自己中心性/欲望の増大は、不誠実な性質の活動性によって造化されている無脊椎動物を際限なく増殖させるだけとなります。

(1000/1000)

 利己性/自己中心性/欲望による不誠実な性質の活動性によって造化された動物(虫)たちは、地上の不誠実な性質を強く有する地域ほどに集まりやすくなります。これは、大霊の法則のひとつとして、類似する性質や同等の活動性の程度を有する者/物事は、互いに引き寄せ集まりやすくなるためです。

 同様に、利己性/自己中心性/欲望に基づく不誠実な生き方をしている者は、不誠実な性質の活動性によって造化された動物たちを引き寄せ集めやすくなります。ただし、誠実な生き方をしていれば、これらの動物たちと接触する機会はないということではありません。現在の地上では、どのような地域であっても社会の成長の程度が低いために、程度が異なるだけで不誠実な性質を有しており、不誠実な性質を全く有していない地域はありません。そのため、生き方の誠実/不誠実は、引き寄せ集めやすいか、集め難いか、の違いのみになります。例として、日本の温暖湿潤な気候では、どのような地域であっても夏季には、蚊、蝿[はえ]、などが発生しますが、自己の周囲に発生する多さは、自己の生活している地域が有する性質や性質の程度と、自己の生き方の性質や性質の程度によって決まります。地上の寒冷地域と温暖地域、湿潤地域と乾燥地域では、発生(生息)する動物の種族は異なる場合もありますが、それぞれの地域で、これらの動物を引き寄せ集めやすいか、集め難いかは、地域/人が有する不誠実の性質の程度によって決まる点に変わりはありません。

 なお、誠実な性質の活動性によって造化された虫たちは保護して、不誠実な性質の活動性によって造化された虫たちであれば、殺虫/殲滅しても構わないのではありません。不誠実な活動性によって造化されたから、という内容を根拠として、殺虫という行動が許可される理由にはならず、同様に、許可されない理由にもなりません。殺虫という行動をおこなう目的が、殺虫という行動の理由となります。目的が、鬱陶[うっとう]しいから、目障りだから、という内容であれば、利己的/自己中心的であり、殺虫という行動は不誠実な行為となります。一方で、虫を媒介とする伝染性病原体によって起こる伝染病/疫病の拡大を阻止するためであれば、殺虫という行動は最低限には誠実な行為(不誠実な行為にはならない)といえます。

 自己のおこなう行動の目的を、正当にみえる他の理由で置き換えて行動をおこなう根拠とする状況は、幻想の捉え方に基づいています。「虫を殺す」という行動そのものに良い/悪い(誠実/不誠実)の区別はありません。行動の目的に誠実/不誠実の区別があり、目的の有する誠実/不誠実が、行動の誠実/不誠実を決定します。幻想の捉え方については、5章2節 幻想を参照してください。

(1000/1000)

 恐れ/怯えに基づく利己性/自己中心性/欲望によって造化される、ペスト菌、コレラ菌、ジフテリア菌、結核菌、マラリア原虫、デングウイルス、インフルエンザウイルス、新型コロナウイルス、などの無数の伝染性病原体に感染するか/感染しないかは、個々の有する運命の流れによって決まり、恐れ/怯えの有無とは関係ありません。感染/発症による体験を通して学び成長へとつなげるために、適切な時機が訪れたのならば感染/発症すると、地上での生活を始める前に決めている場合もあります。ただし、感染を拡大させるか/拡大させないか、感染を縮小させるか/縮小させないか、感染を鎮静させるか/鎮静させないかは、恐れ/怯えの有無と密接に関連しています。感染を恐れ/怯えることで、際限なく感染を拡大させているのです。感染の拡大する状況が季節によって変動する場合もみられるのは、外環境/有形体の周期の組み合わせによって、恐れ/怯えの源である有形体の内包する物質の心の影響力が強まり、利己性/自己中心性/欲望の造化を増大させているためです。

 ほとんどの場合では、伝染性病原体に感染し、発病することを恐れ/怯えているのではありません。感染/発病し、その結果として死へ至ることを自覚して、あるいは、自覚できるものの自覚なく恐れ/怯えているのです。しかし、死ぬか/死なないかは、自覚のある、あるいは、自覚できるものの自覚のない自殺を除けば、地上での生活を始める前に、あらかじめに何時[いつ]に死ぬのか(有形体の使用期限)を自身で決めているために、感染/発病して死へ至ることを恐れ/怯えるのは滑稽[こっけい]といえます。有形体の使用期限を迎える際に、伝染性病原体を利用して死ぬ場合もあれば、交通事故/心臓発作などを利用する場合もあります。何を利用して死を迎えるのかは、個々の運命の流れによって自動的に決定されるために、本人には決められないのです。もしも、有形体の使用期限を迎えていないのであれば、伝染性病原体に感染/発病しても、交通事故/心臓発作などに遭遇しても、死ぬことはありません。運命の流れについては、4章6節 自由意志/運命を参照してください。

 そして、有形体の使用期限を迎えていないのに遭遇する様々な困難/危機と呼ばれる出来事は、それらを通して成長への学びを得る必要があるために、運命の流れによって遭遇しているのです。これらの出来事へ遭遇したのならば、忌避/嫌厭し、臆[おく]して、逃げ回らずに、出来事へ果敢に立ち向かい、同時に、自己の生き方を詳細に内省し、学びを得るように努めることで、成長を飛躍させる可能性を有しています。

 個々の有する恐れ/怯えに基づく利己性/自己中心性/欲望の不誠実性が伝染性病原体などを造化しているために、個々が恐れ/怯えを消し去っていくことが、伝染性病原体などを減少させ、根絶させる根幹となりますが、伝染性病原体などに対して国家のおこなう政策が不要なのではありません。社会に現れる眼前の様々な課題へ対応することが国家としての役割のひとつです。国家として、伝染性病原体などへの対策をおこない、対策を通して伝染性病原体などに対する個々の恐れ/怯えを軽減させることによって、伝染性病原体などの減少へとつながります。ただし、国家のおこなう対策のすべてが、個々の恐れ/怯えを軽減させる状況へつながっているとは限らず、対策の中には、恐れ/怯えや利己性/自己中心性/欲望を増大させるように「はたらきかけ」ている内容もみられます。恐れ/怯えや利己性/自己中心性/欲望を増大させるような対策は、結果として、伝染性病原体などの拡大を助長しています。

 なお、地上で「感染症の病原体」に分類される物体/表現のすべてが利己性/自己中心性/欲望によって造化されているのではない点に留意してください。地上で人によって考察された物体/表現の分類と、無形界で作成された地上へ造化する物体/表現の分類は、全く同じではありません。地上で伝染病/感染症の原因となる「病原体」と呼ばれる物体/表現には、無形界の造化の担当者によって誠実な性質の活動性が付与されて造り出されているものもあれば、人/霊眼の有する利己性/自己中心性/欲望によって不誠実な性質の活動性が付与されて造り出されているものもあります。例として、麻疹(はしか)ウイルスは、利己性/自己中心性/欲望による不誠実な性質の活動性が付与されて造り出された表現であり、有形体の均衡/調和を崩すように、はたらきかけます。感染/発症によってみられる様々な症状は、ウイルスが有形体の均衡/調和を崩そうとする状況へ対抗するために、物質の心が亢盛/亢進して有形体を調整/再構築している過程で現れています。

 一方で、風疹ウイルスは、無形体の造化の担当者によって誠実な性質の活動性が付与されて造り出された表現であり、現在に有形体の均衡/調和の崩れている状況に対して、有形体の再構築を促し、均衡/調和を回復するように、はたらきかけます。また、現在に有形体の均衡/調和が崩れていなかったとしても、個体の有する「地上の目的」で、ある内容を学ぶ時機が来たために、ウイルスに感染/発症する場合もみられます。地上での生活を始める前に自身で決めた「地上で学ぶ内容」を得るための物的な切っ掛けとして、ウイルスが活用されているのです。地上での目的については、4章2節 有形界での成長を参照してください。

 地上全体は、物的にも、有形的/無形的にも、密接につながり合っています。例として、ある地域で、物的な貧困の助長、戦争の勃発、弾圧/迫害の強化、伝染性疾患の蔓延、などがあれば、これらの状況によって増大される「無形的な恐れ/怯えや利己性/自己中心性/欲望」が地上全体へ無形的に影響を与え、遠方にある他の地域でも、犯罪/紛争/暴虐/不正の増加、軋轢[あつれき]/対立/差別の助長、排他排外主義/〇〇至上主義(〇〇には人種/民族/性別/階級/経済/科学/宗教団体などが入る)などの強く偏重した物事の捉え方や行動の台頭/拡大、誇張された情報/偽情報の増大、過激/強硬な手段を用いた行動の頻発/常態化、暴動の発生、他の伝染性疾患の蔓延、国民へ迎合した人気取りの政治、国民を抑圧/搾取する政治、などを物的に生み出すようになります。

 この質疑応答に関連する内容には、3章5節 有形体 #質疑応答の「感冒も利己性/自己中心性/欲望よって引き起こされているのですか?」がありますので参考にしてください。

(1000/1000)

 地上には、天使たちによって伝えられ発展した誠実な物事と、地獄者/地縛者たちによって唆[そそのか]され発展した不誠実な物事が混在しています。ただし、天使たちも、地獄者/地縛者たちも、両者は生き方と成長の程度が異なるだけで、大霊より分割された同じ分霊であり、同胞/同朋であり、大霊を構成していることに変わりはありません。

 そして、地上の社会や物事を、天使たちの支援/援助を受けて誠実な方向性へ発展させるのか、あるいは、地獄者/地縛者たちに唆されて不誠実な方向性へ発展させるのかは、地上で生活している人が自由意志で自覚して、あるいは、自覚できるものの自覚なく選択しているのです。地上に不誠実な物事が溢れているのは、地上で生活している人が地獄者/地縛者たちの唆しを受け入れて、利己的/自己中心的な行動や欲望/快楽の追求を自身で選択しているためです。

(1000/1000)

 植物/無脊椎動物にみられる種族の系統/分類は、無形界で植物/無脊椎動物の造化を担当する者たちが、あらかじめに系統/分類を計画したうえで造化しているのではなく、担当者それぞれの個性の方向性にみられる類似性が、植物/無脊椎動物の類似する種族を造り出しており、結果として、植物/無脊椎動物にみられる種族の系統/分類として表れています。

 分霊の成長の程度が同じ段階にあり、植物/無脊椎動物の造化を担当していても、それぞれの担当者が有する個性の方向性は様々です。ある担当者と、個性の多くの側面が類似している他の担当者もいれば、少しの側面が類似している担当者もおり、また、全く類似していない担当者もいます。個性に類似した側面が多いほどに、類似した植物/無脊椎動物を造化しやすくなるために、大部分が類似した種族もあれば、僅かに類似した部分のある種族もおり、これらが系統/分類のつながりとして表れています。しかし、個性は個々の分霊によって独特であり、全く同じ個性の方向性を有する担当者はいないために、異なる担当者の間で、全く同じ植物/無脊椎動物が造化される状況はありません。

 個性の類似性は、お互いの親和性の高さを表してもいます。類似する性質をもつ物事/人は互いに引き寄せ集まるという大霊の法則(類は類を呼ぶ)により、個性の類似性が多いほどに、お互いに引き合いやすくなります。ただし、どれほどに個性の類似性がみられなかったとしても、お互いに引き合い難いだけであり、お互いが反発することはありません。すべての分霊は大霊という大海を構成する1滴であり、大海の中に反発して分裂する水はないのです。これは、造化された植物/無脊椎動物の中で、どの種族の系統/分類にも属さず、全く異なる系統/分類を構成する植物/無脊椎動物が存在しない状況を示しています。もしも、現在に地上で知られている系統/分類に属さない植物/無脊椎動物が発見されたとしても、地上では未だ系統/分類が把握できていないだけであり、必ず、何らかの系統/分類へ属しています。

 なお、地上で同じ種族の植物/無脊椎動物は広範囲に分布/生息していますが、無形界の造化の担当者は、広範囲に分布/生息する同じ種族の植物/無脊椎動物を同時に管理できます。地上へは、物的な距離/空間として広範囲へ分布/生息していても、無形的には距離/空間としての拡さは関係しないためです。無形界で、有形界の様々な造化を担当する者たちは、認識の次元が5次元以上に相当する成長段階にあり、最低限として地上全体を包み込む程度には意識の範囲が拡大しているために、地上のあらゆる地域へ造化されている鉱物/植物/無脊椎動物の状況を同時に逐一に把握し、適宜に変化させていく(管理する)ことが可能です。それぞれの地域の状況を常に把握し、同じ種族の植物/無脊椎動物であっても、それぞれの地域の状況へ相応するように管理しています。

(1000/1000)

 渋柿、梅、山査子[さんざし]、花梨[かりん]、苦味/酸味の強い柑橘類、強い毒性のある芋類/茸類、などの、生のままでは食べ難い果実/枝葉/根茎のなる植物が造化されているのは、地上で生活する分霊(人/脊椎動物)に、「どのように加工すれば食べられるようになるのか?」を考えさせ、工夫させることで、成長へとつなげられるように促しているためです。毬栗[いがぐり]、海胆(海栗)[うに]、などの棘のある植物/無脊椎医動物や、硬い殻に覆われた果実、貝、なども、食べ方を工夫させるために造化されています。

 無形界の植物を造化する担当者たちが、そのままでは食べるのに程遠いような果実などを造化しているのは、地上で生活する分霊を愚弄[ぐろう]する嫌がらせではありません。地上へ植物を造化する無形界の担当者たちは、地上で生活する人にみられるような、嫌がらせ、騙[だま]す、愚弄する、などの卑劣な行為をおこなうことが決してない成長段階にある点へ留意してください。あらゆる植物は、地上で生活する分霊の成長を願う愛に基づいて造化されています。

 その愛は、地上で生活する人にとって常に都合が良いとは限りません。地上での生活で成長を促すには、痛み、苦しみ、困難、逆境、などを通して、自身で物事を考察し、様々に実践する中で工夫を積み重ねる必要があるためです。安楽、安逸、平穏、怠惰、などの生活では成長へつながることはありません。無形界の植物を造化する担当者たちが、愛に基づいて植物を造化しているという観点から周囲の自然環境を詳細に観察/考察していくのならば、多くの成長への学びを得られるようになります。

有形界の進化

(1000/1000)

 無形界の各界層は、界層を構成する活動性の範囲が異なり、活動性の範囲の違いは、それぞれの界層での生き方の程度として表れています。物事の捉え方、思考、感情、言動、挙措、などの行為のあらゆる側面にみられる程度が、それぞれの界層に相応する生き方を造り出しています。地上全体での人類の生き方の総合が有形界の活動性の範囲(有形界/惑星の進化の程度)として表れているために、有形界の進化によって、有形界を構成する活動性の範囲が移行すれば、地上の人類が、同等の活動性の範囲を有する無形界の界層と同等の程度の生き方をしていることになります。

 現在に、地球に人類の生活する相の有形界を構成する活動性の範囲(活動性の性質/程度)は、無形界の人霊界で最下層の更に下に位置する地獄層と3分の1ほどが同等の範囲にあります。これは、地獄層を表層/中層/深層の3つに区分して捉えた場合に、地上には、地獄層の表層と同等の程度の不誠実な生き方が蔓延[まんえん]している状況を表しています。地獄層の中層と同等の程度の不誠実な生き方をしている者も地上に多くみられますが、一方で、地獄層の深層と同等の程度の生き方をしている者は、地上ではみられません。地獄層については、次節の2章4節 無形界の構造を参照してください。

 この質疑応答に関連する内容には、2章6節 無形界の生活 #質疑応答の「地獄層での具体的な生活の内容は、どのようにして知ることができますか?」がありますので参考にしてください。

(1000/1000)

 2024年1月時点での地域社会としての日本は、成長の程度がおおよそ325で測定されます。測定値だけをみると、地上の様々な地域社会の中では比較的に高い程度に位置していますが、実際には、地上の様々な地域社会の中でも、日本は成長の程度が大きく退行している地域のひとつとなります。成長の程度の退行にともない、測定値も徐々に低下しています。

 日本社会の成長の程度は、日本に生活する者たちの中で、相対的に成長の程度が高い少数の者たちによって引き上げられているために、他の地域よりも高い測定値が示されていますが、相対的に成長の程度が極めて低く不誠実な生き方をしている者たちは地上の他の地域よりも多くを占めており、彼らの有している不誠実の程度も高いです。「相対的に成長の程度が高い少数の者たち」とは、覚醒者に限らず、至誠/誠実な程度(内的成長度200以上に相当する成長段階)の生き方をしている者たちを指しています。複数の地域社会で不誠実な生き方をしている者たちが同等の割合を占めていたとしても、誠実な生き方をしている者たちの「生き方の程度の平均」が低いのならば地域社会の成長の程度は低く測定され、一方で、誠実な生き方をしている者たちの「生き方の程度の平均」が高いのならば地域社会の成長の程度は高く測定されます。

 現在に地域社会としての日本での、日常的に至誠/誠実/未誠実/不誠実の性質/程度をもつ表現を造化する生き方をしている者の人数からみると、おおよその割合は下記になります。至誠/誠実/未誠実/不誠実の性質/程度については、2章5節 無形界の住人を参照してください。

  • 至誠の生き方をしている者は、10人のうち0.01人です
  • 誠実の生き方をしている者は、10人のうち0.1人です
  • 未誠実の生き方をしている者は、10人のうち2.1人です
  • 不誠実の生き方をしている者は、10人のうち7.8人です

現在に地上全体での、日常的に至誠/誠実/未誠実/不誠実の性質/程度をもつ表現を造化する生き方をしている者の、おおよその割合は下記になります。

  • 至誠の生き方をしている者は、10人のうち0.003人です
  • 誠実の生き方をしている者は、10人のうち0.5人です
  • 未誠実の生き方をしている者は、10人のうち3.7人です
  • 不誠実の生き方をしている者は、10人のうち5.8人です

 現在の地上において、国家の設置されている地域(国)の中で、不誠実な生き方をしている者が最も多い地域での、おおよその割合は下記になります。この地域は、地上社会では先進国と呼ばれており、日本と同様に、成長の程度が大きく退行している地域のひとつとなります。

  • 至誠の生き方をしている者は、10人のうち0.00002人です
  • 誠実の生き方をしている者は、10人のうち0.001人です
  • 未誠実の生き方をしている者は、10人のうち1.46人です
  • 不誠実の生き方をしている者は、10人のうち8.54人です

 先進国と呼ばれる様々な地域(国々)では、多くの地域で成長の程度が退行しており、更に、複数の地域では大きく退行していますが、中には、成長の程度が向上している地域もみられます。経済的/物的な発展(物質的な側面の発達)が必ずしも社会の成長の程度を退行させるとは限らず、霊/精神/物質の不均衡が社会の成長の程度を退行させ、一方で、霊/精神/物質の均衡を維持することが社会の成長の程度を向上させるために重要な点となります。霊/精神/物質の不均衡については、1章4節 概要も参考にしてください。

 参考までに、地域社会としての日本の成長の程度が大きく退行する以前の、おおよその割合は下記になります。現在に日本で生活している者たちの人口は、成長の程度が大きく退行する以前よりも遥[はる]かに多い点に留意してください。10人中に占める割合では僅かな増加/減少の推移であったとしても、実人数には大きな差がみられます。

  • 至誠の生き方をしている者は、10人のうち0.01人でした
  • 誠実の生き方をしている者は、10人のうち0.1人でした
  • 未誠実の生き方をしている者は、10人のうち5.5人でした
  • 不誠実の生き方をしている者は、10人のうち4.5人でした

 成長の程度が大きく退行している現在の日本社会にみられる状況には、地上の他の地域社会と比べた場合に、下記が例として挙げられます。

  • 物的に裕福な生活をしている者が多いです
  • 霊的/精神的に困窮している者がほとんどを占めています
  • 情報は溢れていますが、情報を考察する知性/理性が乏しいです
  • マスメディア/通信技術の発達により、様々な誘惑が溢れています
  • マスメディアの情報を盲信して行動し、自身で考察して行動を決断しません
  • 経済と呼ばれる物的/金銭的な利益のみを追求しています
  • 社会の構造に起因して生み出されている都合の良くない物事から自覚的に(自覚して/自覚できるものの自覚なく)眼を逸らし、視えない/観ない振りをして、自身が経済的な豊かさを得ることのみへ意識を向けています
  • 国家/企業/団体などの共同体が社会の構造を変革する、あるいは、社会に山積する課題へ対処するのは当然と思い込んでおり(「他人任せ/制度任せ」とも呼ばれる)、自身で変革/対処しようとする意志を有さず、変革/対処に向けて行動も起こさないものの、社会への不満は際限なく述べています
  • 教育という名目での日常生活と乖離した情報の詰め込みがおこなわれています
  • 試験/学歴のための教育が、学校教育の大半を占めています
  • 日常生活の中で、様々な情報が理解され、実証され、活かされていないために、知識が貯蔵されていません
  • 情報は多く取り込んでいますが、情報から知識へ変換されている量は僅かです
  • 学歴/職歴/資格/役職と呼ばれるものへの無価値な信奉がおこなわれています
  • 学歴/職歴という経歴は、恐れ/怯えに基づく、傲慢、優越感、劣等感、などを生み出しています
  • 外見、外聞、建前、形式、などの表面的な物事に拘[こだわ]り囚われ、行為をおこなう目的/本質を見失っています
  • 課題に遭遇/直面すると、表面的/外見的に対処して解決/解消したように見せ掛けるものの、課題の現れる本質的な構造/仕組みを修正/改革/改善しないために、何時[いつ]までも表面的/外見的な対処を繰り返しています
  • 有形体の使用年数(年齢)に関わらず、子供/大人/高齢者には、純真性、純粋さ、素朴さ、などで表現される「内面の誠実さ」が失われています
  • 自己に都合の良くない差別/格差の撤廃を叫びながらも、自己に都合の良い差別/格差を造り出すことに勤[いそ]しんでいます
  • 日常的な金属機械/電子機器の使用によるエンジン/モーターや電子音に由来する騒音と、テレビ/ラジオ/携帯端末などによる音曲/動画/インターネットコンテンツの頻繁な視聴が増大したために、精神に騒響[ざわめき]を引き起こして意識の集中を阻碍しやすい環境が生み出されています
  • 夜間でも電灯によって常に周囲が物的に明るく照らし出されており、照らし出された物体(3次元の側面)を肉眼で偏重して視ているために、霊眼で物体(4次元の側面)が視え難くなっています

 加えて、電話通信網/インターネット/電子機器の普及にともない、「不明な点があれば後から相手へ電話/電子メールなどで確認すればよい」というような安易な捉え方が、今この瞬間におこなっている相手との応対から手を抜き、相手へ確認/議論/相談/検討しておく必要のある内容について考察しなくさせている状況が社会で頻繁にみられるようにもなっています。眼前の相手との応対へ意識を集中していないために、迂闊[うかつ]/杜撰[ずさん]な行動へつながりやすくなり、結果として、自己/相手の時間/労力を浪費させる状況が造り出されています。これは、後から相手へ電話/電子メールなどで連絡してはならないということではなく、今この瞬間におこなっている相手への応対に意識が散漫となり手を抜く自覚のある、あるいは、自覚できるものの自覚のない捉え方について述べています。何時[いつ]でも相手へ連絡できるから作業の効率を高められるのと、何時[いつ]でも相手へ連絡できるから眼前におこなう作業の手を抜くのは異なるのです。どれほどに今この瞬間におこなっている相手との応対へ集中し、相手へ確認/議論/相談/検討しておく必要のある内容を列挙していたとしても、後から連絡する状況は有り得ます。迂闊/手を抜く行動については、5章2節 幻想を参照してください。

 日本に関わらず、地上の様々な社会では、独りで在ることを恐れ/怯え(孤独)、常に他者とのつながりを欲しているものの、瞬間瞬間の自己に都合の良いつながり/対人関係のみを求める状況は頻繁にみられます。瞬間瞬間の自己に都合良く「他者とのつながり」を接続/切断するのです。現在では、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)やオンライン・ゲームでの仲間、ある物事をおこなう時間だけを一緒に過ごす仲間/話し相手、などがみられ、自己に都合の良いつながり/対人関係のみへの依存を生み出し、利己性/自己中心性/欲望を増大させるように、はたらいています。同時に、家族/親族などの「特定の共同体」内での疎遠を生み出しやすくしており、核家族化、孤独死、虐待、育児/介護の放棄、などへもつながっています。そして、家庭、学校、職場、社会の様々な場面で、相手を利己的/自己中心的に利用しようとする固定観念を自覚して、あるいは、自覚できるものの自覚なく形成し強めており、自己は複数の共同体に属しているものの、共同体内での「つながり」が希薄になり、寛容、思いやり、支え合い、助け合い、などが育[はぐく]まれなくなっています。

 なお、「地域社会としての日本」と、「国家としての日本」は異なります。地域社会としての日本は、日本と呼ばれている地理的な範囲での人々の生活を指していますが、一方で、国家としての日本は、日本国と呼ばれている統治組織を指しています。2024年1月時点での、国家としての日本が有する成長の程度は、おおよそ240で測定されます。ただし、地域社会としての日本の測定値と同様に、国家としての日本の測定値も徐々に低下しています。

 現在に国家としての日本での、日常的に至誠/誠実/未誠実/不誠実の性質/程度をもつ表現を造化する生き方をしている者の人数からみると、国会議員(衆議院/参議院の合計713人)を例とした場合では、おおよその割合は下記になります。

  • 至誠の生き方をしている者は、10人のうち0人です
  • 誠実の生き方をしている者は、10人のうち0.01人(実人数で1人に相当)です
  • 未誠実の生き方をしている者は、10人のうち2人です
  • 不誠実の生き方をしている者は、10人のうち8人です

この質疑応答に関連する内容には、5章3節 誘惑 #質疑応答の「最低限の必要を満たすよりも多い部分が、利己的/自己中心的な行為や欲望の追求として現れると本編に記載されていますが、服装、化粧、体形、髪型、容姿、などは、本人の美しさを際立たせるために整える必要があるのではありませんか?」がありますので参考にしてください。

(1000/1000)

 はじめに、現在の日本で生活している者にみられる生き方の性質/程度の割合については、この節の質疑応答の「日本は、どれくらいの成長の程度にあるのですか?」を参照してください。

 社会の成長の程度は、それぞれの社会に属している個々が日常的に造化する表現へ付与した「誠実な活動性の程度」の総合を表しているために、個々が日常的に造化する表現へ付与した「不誠実な活動性の程度」は関係していません。社会の成長の程度が低いほどに、至誠/誠実の程度での生き方をしている者よりも、未誠実の程度での生き方をしている者が多いものの、不誠実な生き方をしている者も多いとは限らず、同様に、社会の成長の程度が高くなるほどに、至誠/誠実の程度での生き方をしている者が増加し、相対的に未誠実の程度での生き方をしている者は減少しますが、不誠実な生き方をしている者も少なくなるとは限らない点に留意してください。社会に不誠実な生き方をしている者が多くを占めていたとしても、至誠/誠実の程度での生き方をしている者の占める割合が増大したのならば、社会の成長の程度は比較的に高く測定されます。社会の成長の程度については、4章3節 内的成長度 #質疑応答の「分霊の成長の程度は、どうして数値で測定できないのですか?」も参考にしてください。

 地上社会の中で、不良/外道と呼ばれる物的/有形的な生活をしている者が、必ずしも不誠実な生き方とは限りません。同様に、善良/品行方正と呼ばれる物的/有形的な生活をしている者が、必ずしも誠実な生き方とは限りません。生き方に表れる誠実/不誠実の性質は、発言/行動などの物的/有形的な生活そのものではなく、物的/有形的な生活の土台となる無形的な目的によって決まります。肉眼に視える生活では不誠実な生き方をしているようにみえなくても、実際には、自覚して、あるいは、自覚できるものの自覚なく不誠実な目的に基づいて生活している者が、日本の特定の地域に限らず、あらゆる地域にみられます。

 例として、道ですれ違う人たちへ都度に挨拶する者は善良と呼ばれる生活をしていると日本の社会では捉えられていますが、都度に挨拶する自覚的な(自覚のある/自覚できるものの自覚していない)目的は様々です。相手へ思いやりをもって丁寧に挨拶している者(自覚のある誠実な目的)もいれば、自身の虚栄心を満たすために挨拶している者(自覚のある/自覚できるものの自覚していない不誠実な目的)もおり、相手が視界へ入ったために条件反射的に口が動いているだけの者(自覚できるものの自覚してない不誠実な目的)もいます。

 生き方は、本人が経験の機能特性へ保存している習慣の総合として表れるために、物的/有形的な発言/行動が不誠実にみえなくても、また、物的/有形的な発言/行動をおこなう目的の誠実/不誠実な性質を自覚していなくても、不誠実な性質の表現を造化する習慣によって不誠実な発言/行動となっている場合も多くみられます。習慣に基づいて、不誠実な行為は自覚して、あるいは、自覚できるものの自覚なくおこなえますが、一方で、誠実な行為は自覚しておこなう必要があり、自覚できるものの自覚なくおこなえません。誠実な目的で行為をおこなうように強い意志で自覚して努め、誠実な性質の表現を造化する習慣を形成し強めていく過程で、徐々に強い意志で努めようとしなくても自覚して自然に誠実な目的で行為をおこなえるようになるのです。「自然に」おこなえる状況は自覚できるものの自覚なくおこなうことではない点に留意してください。

 なお、社会の成長の程度には、個々が造化する表現/行為へ付与する誠実な性質の活動性の程度のみが反映されており、個々が造化する表現/行為へ付与する不誠実な性質の活動性の程度は反映されません。そのため、誠実な生き方をしていても、生き方の程度の低い者(未誠実の下位の程度)が多くを占めるのならば、社会の成長の程度は低く表されます。同様に、不誠実な生き方をしている者が多くを占めていたとしても、社会の成長の程度が低いとは限らず、高い誠実な生き方の者(至誠の程度)が少数でもいるのならば、不誠実な生き方をしている者が多くを占めていたとしても、社会の成長の程度は比較的に高く表される場合もあります。生き方の程度については、2章5節 無形界の住人 #生き方から捉えた分霊の分類を参照してください。

 この質疑応答に関連する内容には、4章3節 内的成長度 #質疑応答の「分霊の成長の程度は、どうして数値で測定できないのですか?」がありますので参考にしてください。

(1000/1000)

 地上で比較的に高い成長の程度を有している社会の例として、近年では、伝統的なアメリカ・インディアンの民族社会で、部族による差はみられても、どの部族も社会の成長の程度がおおよそ500台後半(550-600未満)に測定されていました。個体であっても、社会であっても、500台前半の成長の程度では、個々の個体を対象として比較的に高い程度の愛の行為をおこなう場合が多くみられますが、更に、500台後半になると、対象の範囲が拡大され、自己の認識できる範囲内での全体を、愛の行為をおこなう対象として捉えるようになります。地球の地上で生活する現行人類の歴史の中で、社会の成長の程度が500を越える地域社会は稀です。現在でも、各地域/国家や民族社会で400を越える社会は未だに少数です。

 アメリカ・インディアンの社会で理解され実践されてきた内容のいくつかを下記へ紹介します。

  • 万物/森羅万象は大霊の顕現であり、自己も大霊の一部です
  • 地上での生活は、永遠の生活の中での僅かな期間でしかありません
  • 自己の所有している物品/食糧などは、地上で死んだ後の生活へは持ち越せません
  • 自己の所有している物品/食糧などは、地上の生活で求める者へ分け与えることが自然で当然な行為です
  • 他者、動物、などへ敬意を払い、決して悪意を抱かず、悪意を向けません
  • 学びは外環境にあるのではなく、自己の内面を通して気づいた内容を実践することによって学んでいきます

 ただし、アメリカ・インディアンの民族社会へ、白人と呼ばれる民族によって西洋文化が移入されて以降は、民族社会の成長の程度が徐々に退行しており、現在では、おおよそ300台前半(300-350未満)に測定されます。

 アメリカ・インディアンの生活、物事の捉え方、生き方、などの詳細については、書物などが数多く出版/翻訳されていますので、それらを参照してください。比較的に読みやすい書物としては下記の2冊を推薦します。掲載されている書物の括弧内の数値は、左側に、書物へ掲載されている内容が有する真実度、右側に、書物へ掲載されている内容へ付与されている活動性の程度を、数値1-1000の間を5単位でそれぞれ示しています。詳しくは、6章1節 推薦書物を参照してください。

  • (560/560) Native Wisdom [1995] Joseph Bruchac編集
    • (520/535) それでもあなたの道を行け [1998] 中沢新一, 石川雄午翻訳 めるくまーる出版
  • (565/565) Words of Power [1994] Norbert S Hill, Jr編集
    • (520/530) 俺の心は大地とひとつだ [2000] ぬくみちほ翻訳 めるくまーる出版

 現在の地上では、ほとんどの地域に国家(あるいは国家に相当する統治組織)が設置されているために、社会が高い成長の程度を有していくには、地域社会に設置されている国家が、経済の発展した物的に裕福な大国を目指すのではなく、地理的に広い範囲を有する大国を目指すのでもなく、地域社会に融和/協調/思いやり/支え合いのある大国を目指す必要があります。物的に裕福な国家や広い領土を有する国家が、必ずしも地域社会に融和/協調/思いやり/支え合いのある大国とは限りません。

 国家は、融和/協調/思いやり/支え合いを推進する政策をおこない、地域社会の様々な側面から融和/協調/思いやり/支え合いを支援/援助していくことで、地域で生活する人々の成長へつながり、人々の成長の程度に相応する「表現/行為へ付与した活動性の程度」が総合されて表される「地域社会の成長」を促進します。そして、地域社会の成長は、地域社会の成長の程度に相応する為政者を選出し(多くの国家では選挙などによって国家や地方行政の政治に携[たずさ]わる者が直接的/間接的に選出されている)、国家を運営する効率/程度を向上させて、国家の成長を促進するようになります。

 国家の有する成長の程度が500を越えるためには、自国の都合に関わらず、地上全体へ均衡/調和を与えるように他国との外交をおこなう必要があります。自国に都合が良くなるように他国と外交をおこなっているのならば、何時[いつ]までも成長の程度が500を越えないだけでなく、現在の成長の程度から向上しない、あるいは、成長を退行させる原因にもなります。そして、地上に現存する国家(国家に相当する統治組織を含む)で、地上全体へ均衡/調和を与えるように他国との外交をおこなっている国家は未だありません。

 加えて、社会ではありませんが、近年で最も高い活動性の程度を有していた団体には、マザー・テレサ[Mother Teresa]が創設/統率した「Missionaries of Charity (神の愛の宣教者会)」があり、マザー・テレサが存命していた期間に団体の有していた「活動方針の示す程度(活動性の程度)」は540で測定されていました。マザー・テレサの死後に、団体の有している活動性の程度は徐々に下降していますが、現在は500で測定されます。マザー・テレサが創設/統率した団体の活動については多くの書物などが出版されていますので、それらを参照してください。

 2024年1月時点での「地上にみられる/現存する共同体/団体」の中で、宗教団体、営利組織、各種の機関/機構、公共団体、企業、国家、などに活動性の程度が500以上を示す共同体はありません。一方で、非営利組織、ボランティア集団、普及会/保存会、などでは、成長の程度が500-540未満を示す団体は徐々に増加し始めましたが、540を示す団体は未だに少なく、540よりも高い程度を示す団体は現存していません(歴史上には540よりも高い程度を示す団体が存在していた時期もあります)。なお、このサイトでの「地上にみられる共同体(団体/組織/集団などを含む)」の定義は、2人以上の有形体を有している人で構成されている「集まり」を指しています。

 現在に、「活動方針の示す程度(活動性の程度)」が540を示す団体の中で、名の知られている団体には「Médecins Sans Frontières (国境なき医師団)」があります。団体の具体的な活動については、団体のウェブサイト(リンクは外部サイトへ移動します)を参考にしてください。類稀[たぐいまれ]な独立性、中立性、公平性、機動性を有している非営利組織であり、地上の各地で様々な医療活動を迅速に提供するとともに、地域の人道危機を社会/国家/関連機関などへ発信/訴求/提言して人道危機への対応/支援/援助を促しています。同時に医療従事者/非医療従事者に関わらず、団体の活動へ参加する者たちの成長を促進するように綿密に配慮された運営/教育がおこなわれています。勿論[もちろん]ながら、団体の活動には大勢の天使たちが常に支援/援助しています。活動方針の示す程度が540以上を示す団体には、無形界の仕事での集団がおこなう活動と同様に、活動の対象となる者と、活動へ参加する自己/他者の「全体の成長を促す」ように配慮されている特徴がみられます。無形界の仕事については、2章7節 無形界の仕事を参照してください。

 団体の活動方針には、団体の活動に携わる人たちの思いに呼応して集まる「団体の活動を支援/援助する天使たち」の計画によって、団体の活動に携わる人たちの同調する活動性の程度や成長の程度が総合された程度よりも、高い「活動方針の示す程度(活動性の程度)」を有している場合が多くみられます。

 この質疑応答に関連する内容には、この節の質疑応答の「惑星の進化のために、地上で生活する人が永続性のある活動をおこなうには、どのようにすればよいのでしょうか?」がありますので参考にしてください。

(1000/1000)

 社会の成長の程度が退行する原因は様々にありますが、それらの原因の中で多くを占めるのは、過去の出来事から学ぼうとしない(歴史を考察して現在に活かさない)ことが挙げられます。これは、社会の成長の程度が退行する原因としてだけでなく、個体の成長の程度が退行する原因のひとつでもあります。

 地上の社会では、どうしようもないほどに現在の状況が悪化してからでなければ、眼前の状況を観察/考察して改善し始めない「歴史」を何時[いつ]までも繰り返しています。過去に起きた出来事の流れ/一部始終を知らないために繰り返しているのではなく、過去の出来事を考察するだけで終えてしまい、考察した内容を現在の状況へ活用していないために、過去に起きた出来事を繰り返しているのです。

 過去に起きた出来事に類似する状況を繰り返している例として、自然環境の側面からみた場合では、過去に起きた工場/家庭から排出された化学物質による大気/水/土壌/河川/湖沼の汚染と汚染の改善から得た学びを活かさなかったために、大量生産/大量消費で生み出されたプラスチックゴミ/電子機器/衣料品などの大量投棄による土壌/河川/海洋の汚染を現在に引き起こしており、更に、宇宙への大量の機器投入による宇宙ゴミ/廃棄人工衛星の増大や光害を造り出し始めています。また、ある地域で過去に起きた樹木の大量伐採/地下水の大量汲み上げによる砂漠化/地盤の沈降から学ばずに、他の地域で現在に樹木の大量伐採/地下水の大量汲み上げをおこない砂漠化/地盤の沈降を引き起こしています。そして、戦争/紛争/軋轢[あつれき]などを繰り返すのも、過去の出来事から学ぼうとしてない(学びを現在に活かしていない)ために起きています。

 大霊/世界の側面のひとつを構成する「螺旋循環の法則」に基づいて、過去の出来事と類似する出来事を現在に繰り返す状況や、現在の出来事に類似する出来事を未来に繰り返す状況はみられます。しかし、過去の出来事から学び現在に活かしていないために、過去の出来事と同等の程度を現在に繰り返す円環(循環)を成しているだけで、螺旋を描く進化をしていません。過去の出来事から学び、あらかじめに対策を講じたうえで現在の行動をおこなっていないために、螺旋の退行を描いているともいえます。過去の出来事から学び現在へ活かさない状況は停滞を示すのではなく、退行を示す点に留意してください。螺旋循環の法則については、2章2節 大霊 #法則を参照してください。

 個々それぞれが過去の出来事から学び、眼前の状況に対して、先手で根本的/包括的な対応をおこなうように努め、後手に回って表面的/一時的に対処する必要性を減少させる行動の積み重ねが、個々の成長へつながるようになります。個々の成長の程度が向上することで、個々が表現へ付与する「誠実な性質の活動性の程度」の総合で表される「社会の成長の程度」も向上していくようになります。表現へ付与する活動性の程度については、3章9節 精神 #表現の活動性を参照してください。

 個々が過去の出来事から学ぶように努めるのに加えて、地上社会でおこなわれる様々な選挙/選出/投票では、現在の自己に都合の良い人物/物事を刹那的に選択するのではなく、これから先の数十年以上の期間を見越して、学校/企業/国家/社会/地上全体などの共同体の発展につながる可能性のある人物/物事を計画的に選択することも、共同体の成長へつながります。もしも、選挙/選出/投票で選択された人物/物事が短期間の任期/適用期間であったとしても、これらの人物/物事が、長期的な共同体の発展、あるいは、衰退への土台を造り出すように、はたらくのです。現在の自己に都合の良い人物/物事を刹那的に選択した場合には、共同体の衰退へつながりやすく、一方で、現在の自己に都合が良くても/悪くても、自己の都合に関わらず、長期的な展望に基づいて計画的に選択した場合には、共同体の成長へつながりやすくなります。

 この質疑応答に関連する内容には、1章4節 概要 #質疑応答の「地上で成長を求める者が少ないのはどうしてですか?がありますので参考にしてください。

(1000/1000)

 地上の各地域が有する活動性の程度/性質には、それぞれの地域で、有形体を有して生活する分霊(人/脊椎動物)のもつ活動性の程度/性質の総合として表れています。地上に徘徊する地獄者/地縛者たちの成長段階で有する活動性の程度や生き方の性質は、地上の各地域が有する活動性の程度/性質へ直接的な影響を与えていません。同様に、地上で生活する人へ帯同して、地上へ滞在している天使たちの活動性の程度/性質も、地上の各地域が有する活動性の程度/性質へ直接的に影響を与えることはありません。

 しかし、地上に徘徊する地獄者/地縛者たちは、自身と類似した活動性の程度/性質を有する地域へ引き寄せられ、その地域へ集まっていきます。同様に、類似した活動性の程度/性質を有する人も、同じ地域へ引き寄せられていくために、その地域にいる地獄者/地縛者たちは、引き寄せられた人たちへ容易に憑依できます。憑依された人たちは、地獄者/地縛者たちの思うがままに、際限のない利己的/自己中心的な行動や欲望/快楽の追求をおこなうために、これらの行為が有する活動性の程度/性質が、地域の有する活動性の程度/性質へ影響を与えるようになります。これは、地獄者/地縛者たちが、憑依した人を中継して間接的に地域の活動性の程度/性質へ影響を与えられることを示しています。

 なお、特定の地域で古来から現在に至るまで生活してきた者たちの有していた活動性の程度や、造化してきた表現/行為、生き方の性質/程度、などが積み重ねられ総合された結果が、文化、伝統、風習、などとして現在に継承されているために、地域の有する活動性の程度/性質は、現在に生活する者たちだけでなく、これまでに地域で生活してきた者たちの総合として表れています。

(1000/1000)

 個体の造化する「ひとつひとつの表現/行為」へ付与された不誠実な性質の活動性の程度は数値で測定できますが、ひとつひとつの表現/行為へ付与された不誠実な性質の活動性の程度を総合して表す「社会の有する不誠実性の程度」は数値で測定できません。「総合して表せる」のは、全体へ遍在しているものに対しておこなえ、全体へ遍在していないものは総合して表せない点に留意してください。ひとつひとつの表現/行為へ付与された不誠実な性質の活動性の程度が測定できることについては、3章9節 精神 #質疑応答の「表現へ付与された活動性の程度は、生命の有する無数の性質をもつ活動性と、どのようなつながりがありますか?」を参照してください。

 あらゆる表現/行為は、分霊の有する生命の活動性を原素材へ与えることで造化されます。分霊の有する生命の活動性は、誠実な性質と、誠実/不誠実の性質と関係しない他の性質の活動性、の2つに大別される無数の活動性で構成されているために、あらゆる表現/行為には、誠実な性質の活動性、誠実/不誠実の性質と関係しない他の性質の活動性が含まれ、これらの2つに大別される活動性が含まれない表現/行為はありません。誠実な表現/行為に誠実な性質の活動性が付与されているのは勿論[もちろん]ながら、どれほどに暴虐/残忍/狡猾におこなわれる不誠実な表現/行為であったとしても、誠実な性質の活動性は付与されており(極めて僅かな程度が付与されている)、誠実な性質の活動性が一切に付与されていない表現/行為はみられない状況を表しています。

 誠実な性質の活動性は、あらゆる表現/行為に付与されているために、個々が表現/行為へ付与した誠実な性質の活動性の程度を総合して表すことができ、この総合は「社会の成長の程度(誠実性の程度)」として数値で測定されます。社会の成長の程度は、誠実な性質の活動性が全体に遍在しているからこそ「総合して表す」ことができるのです。誠実/不誠実の性質と関係しない他の性質の活動性も全体へ遍在していますが、成長の観点から捉えると、この活動性の程度を総合して表す意義はありません。

 一方で、不誠実な性質の活動性は、あらゆる表現/行為に付与されていません。不誠実な性質の活動性が付与されているのは不誠実な表現/行為のみであり、誠実な表現/行為には、誠実な性質の活動性と、誠実/不誠実の性質と関係しない他の性質の活動性、の2つが付与されており、不誠実な性質の活動性は付与されていないために、不誠実な性質の活動性は、全体へ遍在していません。不誠実な表現/行為には、不誠実な性質の活動性、誠実な性質の活動性、誠実/不誠実の性質と関係しない他の性質の活動性、の3つが付与されています。不誠実な性質の活動性が付与された不誠実な表現/行為は全体へ点在しているだけであり、あらゆる表現/行為に付与されていないために、個々が表現/行為へ付与した不誠実な性質の活動性の程度を総合して、「社会の有する不誠実性の程度」として数値で測定することはできないのです。

 なお、分霊の有する生命の活動性は、誠実な性質の活動性、誠実/不誠実の性質と関係しない他の性質の活動性、の2つで構成され、不誠実な性質の活動性は含まれていませんが、表現/行為を造化する過程で、誠実な性質の活動性と、誠実/不誠実の性質と関係しない他の性質の活動性が、物質の心や不誠実な性質の表現を造化する習慣から影響を受けて、不誠実な性質の活動性へ変質することで不誠実な表現/行為へ不誠実な性質の活動性が付与されます。加えて、大霊から分割された分霊の有する生命の活動性は、誠実な性質の活動性、誠実/不誠実の性質と関係しない他の性質の活動性、の2つの区分で構成されていますが、一方で、世界そのものである大霊は、誠実な性質の活動性、不誠実な性質の活動性、誠実/不誠実の性質と関係しない他の性質の活動性、の3つの区分で構成されています。分霊/大霊は、構成する活動性の区分が異なる点に留意してください。大霊については、前節の2章2節 大霊を参照してください。

 この質疑応答に関連する内容には、4章3節 内的成長度 #質疑応答の「分霊の成長の程度は、どうして数値で測定できないのですか?」がありますので参考にしてください。

(1000/1000)

 はじめに、有形体の使用期限については、3章5節 有形体を参照してください。有形体の耐用年数と、有形体の使用期限のつながりを、下記に具体的な譬[たと]えを挙げて記述します。

 有形界の進化の程度が100の時点での、有形体の平均的な耐用年数が50年とした場合では、有形体の使用期間が50年を越えてくると、物的な生活/活動への支障が大きく現れることを示しています。そのため、地上で生活する前に、おおよそ50年を目安として、自己の地上での目的/役割を遂行するために必要とする有形体の使用期限を決めます。ただし、目的/役割の内容によっては、1年に満たない使用期限を設定する場合もあれば、100年を越える使用期限を設定する場合もあります。

 有形界の進化の程度が向上して200となり、有形体の平均的な耐用年数が80年へと増加した場合では、有形体の使用期間が80年を越えてくると、物的な生活/活動への支障が大きく現れるようになるために、おおよそ80年を目安として、自己の地上での目的/役割を遂行するのに必要とする有形体の使用期限を決めます。この場合でも、目的/役割の内容によっては、1年に満たない使用期限を設定する場合もあれば、100年を越える使用期限を設定する場合もあります。

(1000/1000) 有形界の進化の程度と有形体の耐用年数
(1000/1000) 有形界の進化の程度と有形体の耐用年数

 地上での生活は、必ず物的な活動をおこなわなければならず、物的な活動なしには成り立ちません。地上での目的/役割が、有形体の平均的な耐用年数を上回り、物的な生活/活動への支障が大きく現れても遂行できる内容、あるいは、支障が大きく現れてから遂行できる内容であるのならば、耐用年数よりも多い有形体の使用期限を設定することができます。一方で、物的な生活/活動への支障が大きく現れると遂行できない内容、あるいは、耐用年数に満たない短い期間で遂行できる内容であるのならば、耐用年数よりも少ない有形体の使用期限を設定します。

 なお、有形界の進化にともなう有形体の平均的な耐用年数の増加は、地上全体を総合した耐用年数であり、地上の各地域によって実際の耐用年数は様々です。再授肉するにあたって、地上での目的/役割を遂行するための生活する地域の選定もおこないますが、各地域での耐用年数も考慮したうえで生活する地域を選定しています。再授肉については、4章9節 再授肉を参照してください。

(1000/1000)

 誠実/不誠実な生き方は、地上で互いの活動性が影響を与え合う状況へ大きな違いとして表れます。地上で生活する人と人の場合では、自己/他者の同調する活動性の程度が相互に影響を与え合っています。誠実/不誠実な生き方に関わらず、分霊の同調する活動性は常に誠実な性質を有している点に留意してください。活動性の性質については、2章2節 大霊 #生命を参照してください。

 誠実な生き方をしている者の間では、相対的に高い活動性の程度へ同調している者は相手から影響を受けて同調する活動性の程度が下降します。一方で、相対的に低い活動性の程度へ同調している者は相手から影響を受けて同調する活動性の程度が上昇するように、はたらき、結果として、両者の活動性の程度にみられる高低差が小さくなるように影響を与え合います。

 誠実な生き方をしている者と不誠実な生き方をしている者の間では、誠実な生き方によって高い活動性の程度へ同調している者は不誠実な生き方をしている相手から影響を受けて同調する活動性の程度が下降します。一方で、不誠実な生き方によって低い活動性の程度へ同調している者は誠実な生き方をしている相手から影響を受けることがなく、同調する活動性の程度は変化しません。

 不誠実な生き方をしている者の間では、お互いの不誠実性(経験へ保存されている不誠実な性質の表現を造化する習慣)を強め合うように、はたらきかけます。同調する活動性の程度は誠実な性質を有しているために、不誠実性を強めることで、相対的に僅かに高い活動性の程度へ同調している者は相手から影響を受けて同調する活動性の程度が下降します。同時に、相対的に僅かに低い活動性の程度へ同調している者も相手から影響を受けて同調する活動性の程度が下降し、結果として、両者の活動性の程度が下降するように影響を与え合います。

(1000/1000) 生き方の違いと同調する活動性の程度への影響
(1000/1000) 生き方の違いと同調する活動性の程度への影響

 地上で生活する人と脊椎動物の場合では、誠実な生き方をしている人と人の間と同様に、お互いの同調する活動性の程度へ影響を与え合います。脊椎動物(動物霊)は人(人霊)と異なり自由意志の法則が適用されていない(自由意志を有していない)ために、自由意志で自覚して、あるいは、自覚できるものの自覚なく不誠実な生き方を選択する状況がありません。脊椎動物は自然の流れのままに誠実な生き方をしていますが、生き方へ表れる誠実の程度/同調する活動性の程度は人にみられる未誠実の程度よりも低くなります。なお、人霊も動物霊も分霊であり生命の活動性を有していますが、人の同調する活動性の程度は内的成長度として測定できるものの、脊椎動物の同調する活動性の程度は測定できません。内的成長度については4章3節 内的成長度、自由意志については4章6節 自由意志/運命を参照してください。

 地上で生活する人と物体の場合では、人と人の場合と同様に、お互いの活動性の程度へ影響を与え合います。人は物体に付与された活動性の性質/程度から自身の同調する活動性の程度へ影響を受けます。物体へ誠実な性質の活動性が付与されているのならば、付与されている誠実な性質の活動性の程度から影響を受け、逆に、不誠実な性質の活動性が付与されているのならば、付与されている不誠実な性質の活動性の程度から影響を受けます。一方で、物体は、人の同調する活動性の程度に相応して造化される行為へ付与された活動性の性質/程度から影響を受けます。行為へ付与された活動性の性質/程度は、物体へ既に付与されている活動性の性質/程度へ加算され、物体の有する総合的な活動性の性質/程度へ影響を与えます。人が誠実な行為をおこなえば、行為へ付与された誠実な性質の活動性と活動性の程度が物体の有する活動性へ加算され、逆に、人が不誠実な行為をおこなえば、行為へ付与された不誠実な性質の活動性と活動性の程度が物体の有する活動性へ加算されます。

 なお、人よりも低い活動性の程度へ同調している動物から影響を受ければ人の同調する活動性の程度は下降するために、動物たちとの触れ合いで愛の表現である優しさや落ち着きを感じなくなるようにみえますが、実際には優しさや落ち着きを感じる状況が多いです。これは、自己が愛をもって動物へ接しているためです。自己が動物へ愛をもつことで自身の同調する活動性の程度を高めた結果として、愛の表現である優しさや落ち着きを感じているのです。

 そのため、あらゆる動物たちとの触れ合いで優しさや落ち着きを感じるのではなく、自己が優しさや落ち着きを感じると自由意志で自覚して、あるいは、自覚できるものの自覚なく決めた動物に対して感じ取っています。優しさや落ち着きを感じると決めている土台には、動物たちの外見や行動から受ける印象/感覚だけでなく、自己の有している固定観念/既成概念(囚われ)、情報/知識、などが大きな影響を与えています。これらの有している内容は個々によって異なるために、優しさや落ち着きを感じる動物も個々によって様々です。多くの場合では、犬、猫、馬、イルカ、ウサギ、子豚、などには比較的に愛をもって接しやすいと決めていますが、ハイエナ、ハゲタカ、ジャッカル、などには愛をもって接し難いと決めている場合もあり、更に、ワニ、ヘビ、カエル、などには嫌悪感をもって忌避している場合もみられます。逆に、個々によっては、ワニ、ヘビ、カエル、などの爬虫類/両生類に愛をもって接しやすいと決めている者もみられます。固定観念/既成概念については、5章4節 固定観念/既成概念を参照してください。

 動物たちとの触れ合いによって、お互い(人/動物)の同調する活動性の程度は影響を与え合い、誠実な生き方をしている人の場合では、自身の同調する活動性の程度は下降し、触れ合った動物の同調する活動性の程度は上昇します。ただし、人と動物の間では、人が人との間で影響を与え合うほどの影響力はありません。動物たちとの触れ合いで人の同調する活動性の程度は下降するものの、人が動物へ愛をもつことで自身の同調する活動性の程度を自身で高めているために、実際には、人の同調する活動性の程度が下降していない、あるいは、上昇している場合もみられます。

 地上で生活する全ての人は、相対的に低い成長段階にいる脊椎動物たちが成長する手助けをしていくという地上での役割を共通して有している点へ留意してください。自己が成長を手助けする脊椎動物を選り好みするのではなく、あらゆる脊椎動物たちへ愛をもって接し、成長を手助けするのです。地上での目的/役割については、4章2節 有形界での成長を参照してください。

(1000/1000)

 特定の動物/植物を絶滅から保護しようとする活動は、必ずしも、地上の調和(結果として世界の調和)へ役立っているとはいえません。場合によっては、不調和を引き起こしている原因にもなっています。あらゆる植物と、ほとんどの無脊椎動物は、地上の自然環境や分霊の生活環境を整備するという大きな目的に基づき、その目的の中で、それぞれの種族の目的(役割分担)に適するように、無形界の担当者たちによって造化されており、加えて、脊椎動物は、同胞/同朋である分霊が用いている体であり、それぞれの種族に地上で生活する目的/役割を有しているという点へ留意してください。植物は、地上のあらゆる場を覆い繁るように生長する「はたらき」を有しています。これは、惑星のもつ浄化作用のひとつであり、人/脊椎動物たち分霊が生活することで崩した自然の調和を回復させ、新たに自然環境を分霊の生活へ利用できるようにしているのです。そして、無脊椎動物は、植物の生長を補助し、時には、過度に生長し過ぎないように、また、特定の植物が覆い繁り過ぎないように/特定の無脊椎動物の種族が繁殖し過ぎないように調整する役割を担っています。

 人は日々の生活の中で、自身に都合の良い植物(野菜/果実/観葉植物など)には更に生長するように様々な手を加えますが、一方で、自身に都合の良くない植物(多くは雑草と呼んでいる植物)は、忌避し殲滅[せんめつ]させようとします。同様に、自身に都合の良い動物/虫は可愛がりますが、自身に都合の良くない動物/虫は排除/駆除しようとします。更に、自然の流れを長期的に俯瞰[ふかん]しようとせず、数十年-数百年の短期間の中で、ある特定の動物/植物が隆盛/増加し、ある特定の動物/植物が衰退/減少している様子に基づいて、多くの場合では、ある特定の動物/植物を保護するために、他の動物/植物を排除/駆除しようとしています。

 自己の生活する住居の庭/畑や、地域、地上全体で、特定の動物/植物を保護してはいけないのではなく、短期的な人の都合で、保護する種族、排除/駆除する種族を選別している捉え方を見直す必要があります。特定の種族を保護するのと、保護の名目で他の種族を排除/駆除するのは、行動の土台が異なるのです。前者は愛を土台としており、後者は恐れ/怯えを土台としています。無形界からの支援/援助を受け、人を通して、特定の種族を保護する活動がおこなわれる場合もありますが、この場合は、決して他の種族を排除/駆除しません。他の種族を排除/駆除することで、短期的には調和しているようにみえても、長期的には更に調和を崩すようになるためです。恐れ/怯えに基づく利己性/自己中心性/欲望によって造化されている虫たちに対しても、排除/駆除しようと捉える土台が恐れ/怯えのために、排除/駆除へ躍起[やっき]になるほどに、虫たちの数を更に増加させる状況へとつながっています。これらの虫たちは、恐れ/怯えではなく、愛に基づく寛容/憐れみをもつことで減少していきます。そして、何よりも、自己のおこなっている不誠実な行為や生き方を省みて、誠実な生き方へ努めることで、これらの虫を造化しないようになるのです。

 地上の調和や有形界の進化のためには、特定の動物/植物を絶滅から保護しようとする活動に加えて、日常の中でおこなわれている家畜/愛玩動物の飼育や、肉食についても考察する必要があります。人を臓器売買のために拉致/監禁するのには嫌悪や非難/批判/糾弾し犯罪として対応するのに、人が肉を食べるために牛/豚/鶏/魚などの脊椎動物を飼育する、肝臓(フォアグラ)を提供するためにアヒル/ガチョウを飼育する、毛皮や油を得るために狐/ミンクを飼育する、薬剤/化粧品の効果/副作用を検証するためにウサギ/ネズミ/猿を用いる、愛玩動物を室内/檻[おり]へ閉じ込めておく、などを嫌悪や非難/批判/糾弾しないのはどうしてか? 犯罪として扱わないのはなぜか? 人の生活のためには当然、あるいは、仕方ない/必要と感じているのはなぜか? を考察します。これは、物的な行動としての家畜/愛玩動物の飼育や肉食の是非を問うているのではありません。成長段階が異なるだけで同じ同胞/同朋の「分霊」である人/脊椎動物を支配者/隷属[れいぞく]者、あるいは、搾取する者/搾取される者に区別している自覚のある、あるいは、自覚できるものの自覚のない固定観念/既成概念に気づく切っ掛けとして考察/内省する必要があるのです。

 無形界の担当者たちが造化する「地上の自然界(地上で人/脊椎動物の生活する環境)」は常に光り輝いています。地上で生活する人が、生活に必要とするよりも多くを追い求めて利己的/自己中心的に汚染し、破壊し、搾取し、利己性/自己中心性/欲望によって造化した暗闇で輝きを失わせているのです。そして、自然界を暗闇で侵食しているだけでなく、人の生活する社会の中でも、お互いに恐れ/怯え、都合良く利用し、憎み合い、相手を威圧/牽制/迫害する生き方が、社会から輝きのある愛を衰退させ、暗闇で覆い尽くし、物的/霊的な貧困や様々な差別/対立/軋轢[あつれき]を生み出しています。自己(自己に都合の良い範囲を含む)の都合で利己的/自己中心的に物事を捉えて行動せずに、また、特定の地域社会のみで捉えて行動せずに、地上全体の調和を維持するように捉えるのならば、現在に「どのような行動をおこなうのが適しているのか?」へ自然に気づくようになります。なお、自由意志を有していない脊椎動物は利己的/自己中心的に生活しないために、自然界を必要とするよりも多く破壊する状況はみられません。

 この質疑応答に関連する内容には、5章1節 修養の生活 #質疑応答の「動物を殺めておこなう肉食は辞めるべきでしょうか?」がありますので参考にしてください。

(1000/1000)

 惑星の進化を促進するために、地上で生活する人が永続性/持続性のある活動をおこなっていくには、様々な物事が、現在の地上社会からみて正しいか? 正しくないのか? で判断するのではなく、世界全体からみて、どの段階での正しさなのか? (どの程度の真実度を有しているのか?)を把握する必要があります。物事を捉える正しさの程度が高くなるほどに、地上で生活する人々の成長段階は向上しているために、人々の成長の程度が総合されて表される社会の成長の程度も向上し、惑星の進化も促進されていきます。

 正しさの程度を高めていくとは、考察/活動の「土台となる物事」の内容が有する正しさの程度を高めていくことを指しています。学問、研究、施策、開発、個体の行動、社会の活動、国家の政策、などでは、ある内容を土台として様々な物事を連鎖して積み重ねていきますが、土台となる内容の有する正しさの程度(真実度)が低ければ、土台へ積み重ねる様々な内容の正しさの程度も低くなります。低い正しさの程度を示す内容を土台として、高い正しさの程度を有する内容は積み重ね難い点へ留意してください。これは、書物を翻訳する際に、原著の内容に基づいて翻訳される翻訳書の真実度が原著の真実度を上回り難い状況と同様です。原著/翻訳書の真実度については、6章2節 書物を読む際の留意点を参照してください。

 現在の地上社会では、様々な物事の土台となる内容へ意識を向けて「土台となる内容が有する正しさの程度」を省みる状況は少なく、土台へ積み重ねていく内容へ意識のほとんどが向いています。例として、現代栄養学での食事/健康の捉え方と、その捉え方を土台とする摂取量、食品の製造、情報の発信、食生活の指導、疾病の治療、などや、人類が生活で排出する二酸化炭素が地球温暖化の要因とする調査研究を土台とした様々な規制、製品の製造、政策、などが挙げられます。土台となる内容が有する正しさの程度に基づいて積み重ねられていく様々な物事は、社会の常識を造り出し、固定観念/既成概念を形成させる要因になっており、現在の段階では成長を阻碍していなくても、いずれは成長を阻碍するように、はたらきます。固定観念/既成概念については、5章4節 固定観念/既成概念を参照してください。

 現在の地上社会の有する成長の程度からみて正しいと捉えている「土台となる内容」は、決して誤りではありません。しかし、現在の地上社会の有する成長の程度からみて正しくても、社会の成長の程度が向上すれば「正しくなくなる(正しさの程度が相対的に低くなる)」可能性があります。現在の社会の有する成長の程度に相応する様々な物事の土台となる内容に基づいて行動しながらも、同時に、土台となる内容が有する正しさの程度を常に検証し、更に高い正しさの程度となるように土台となる内容を修正していく必要があるのです。専門家、学者、研究者、たちの発言する内容や調査/研究/発表する内容が、必ずしも高い正しさの程度を有しているとは限りません。現在の地上社会では、科学的(主に物的)に機能/構造/仕組み/機序などが解説されると、解説された内容の有する「正しさの程度」を考察することなく、盲目的に信じ込んでいる状況がほとんどです。専門書/研究論文などにも、誠実な性質を有しているものの極めて低い真実度の測定される内容が多くみられます(中には、不誠実な性質を有している内容もみられます)。誰が発言/発信したのか? どのような経歴/肩書きの者が発言/発信したのか? で発言や調査/研究/発表された内容を盲信せずに、自己自身で考察することが大切です。

 現在の地上社会にとって喫緊の課題となる気候変動についても、地球温暖化と気候変動を混同して捉えているために、関連する調査報告/研究結果/論述などの真実度が低く測定されています(多くの場合では10-100未満で測定されています)。そのため、これらの調査報告/研究結果/論述を土台として造り出される具体的な政策/規制/指針や機器/設備/製品を製造する方向性なども低い真実度を示すようになります。地球温暖化と気候変動を混同して捉えていることについては、この節の質疑応答の「地球温暖化は人類の生活の変化によって起きているのですか?」を参照してください。

(1000/1000) 土台と土台に基づく物事の有する正しさの程度
(1000/1000) 土台と土台に基づく物事の有する正しさの程度

 土台となる内容と、土台へ積み重ねていく内容の例として、現代医学(科学医学)を構成する内容では、おおよその正しさの程度(真実度)が下記として測定されます。

  • 学問/研究分野としての総合的な検証方法は、430
  • 解剖学は、375
  • 生理学は、255
  • 病理学は、200
  • 栄養学は、200
  • 生化学は、110
  • 薬理学は、110
  • 画像診断の技術は、260
  • 内科の診断技術は、260
    • 皮膚科/眼科/耳鼻咽喉科/産婦人科/小児科を含む
  • 内科の治療技術は、240
  • 外科の診断技術は、350
    • 整形外科/形成外科を含む
  • 外科の治療技術は、360
    • リハビリテーション科を含む
  • 精神科の診断技術は、100
  • 精神科の治療技術は、30

 診断/治療の土台となる、解剖学、生理学、病理学、栄養学、生化学、薬理学、などは、肉眼に視える物事(3次元の側面)に基づいて体系化されており、肉眼に視えない物事(4次元の側面)は捉えていないために真実度が500を越えることがありません。また、精神科の診断技術や治療技術では、肉眼に視える物事を土台として肉眼に視えない物事を捉えようとしているために、他の内容よりも相対的に低い真実度が測定されています。肉眼に視えない物事に基づいて肉眼に視える物事を体系化し、それらを土台として診断/治療をおこなうようになれば、真実度が500を越え始めます。

 相対的に低い正しさの程度を有する土台となる内容へ、何時[いつ]までも囚われ、拘[こだわ]り、しがみついていると、自己の成長も、他者の成長も、社会の成長も、惑星の進化も停滞させるようになります。土台となる内容の有する正しさの程度が低いと判断した(相対的に高い程度の正しさへ気づいた)のならば、これまでに土台としていた内容は潔[いさぎよ]く勇気をもって捨て去るのです。この行動は、社会へ貢献し多くの業績を残してきた先人たちに共通する物事の捉え方でもあります。

 現在では、人工知能と呼ばれるコンピュータープログラムが、人の造り出す表現と同様の内容(文章/画像/動画など)を様々に造り出せるようになり始めましたが、人とは異なり、人工知能には、自身が生成する内容の有する「正しさの程度(真実度)」を自身で高めることはできません。分霊(人/脊椎動物)のみに、自身で造化する表現の「正しさの程度(真実度)」を高めることができます。人工知能は、地上の社会へ表現されている無数の情報から学習しているために、地上で生活する人によって造化され社会へ表現されている情報の程度(真実度)、情報の有する誠実/不誠実の性質、社会へ拡散している情報の程度/性質の割合に影響を受けており、人工知能の生成した内容が有する「正しさの程度」は、社会の成長の程度によって変化します。愛、思いやり、公平、調和、などに基づく誠実な性質の情報(真実度は比較的に高い)が社会へ多く表現されているのならば、人工知能は、相応する高い真実度を有する応答を生成するようになります。一方で、恐れ/怯え、利己性/自己中心性/欲望、などに基づく不誠実な性質の情報(真実度は極めて低い)が社会へ多く表現されているのならば、人工知能は、極めて低い真実度を有する応答を生成するようになります。なお、人工知能が偏向した情報のみから学習した(人が故意に偏向した情報のみで学習させた、あるいは、特定の情報を学習しないように制限した)場合には、特定の人物/企業/国家にのみ都合の良い特定の方向性へ偏重した内容が生成されます。人と異なり、人工知能は自由意志を有していないために、自身の学習に用いる情報を自身で選択できません。自由意志については、4章6節 自由意志/運命を参照してください。

 未だ社会の成長の程度が低く、また、不誠実な生き方をしている者が多くを占める現在では、人工知能は自己の利益を得る(主に名声/お金を得る)ために利用されており、社会へ不誠実な物事/情報を氾濫させて人々の同調する活動性の程度を下降させるように影響を与え、社会の成長の程度を急速に退行させています。人工知能については、4章2節 有形界での成長 #質疑応答の「人工知能(AI)は、人類の成長へ役立ちますか?」も参考にしてください。

 物事の有する「正しさの程度」を把握し高めていくには、常に物事を自身で考察し、また、自己の行為を内省する必要があります。周囲に物品の溢れる現在の日本では、安易に電気を用いた機器に頼る/依存する、安易に調味料を用いて料理の味付けをする、僅かな解[ほつ]れ/染み/色褪[いろあ]せで衣服を買い替える、などが多くみられ、生活を工夫(考察/内省)しなくなる状況が増大しています。それぞれの地域には、地域の風土に適した工夫があり、先人たちが研鑽し現在に受け継がれてきた様々な技術/工夫を考察することが、物的な生活の程度を向上させるだけでなく、多くの成長へつながる学びを得る切っ掛けにもなります。

 また、地上でおこなわれる、あらゆる取り組み、協議、交渉、組織/団体の運営、共同作業/研究、などが難航しやすく、遅々として進展し難いのには、有形界の特徴として、地上では同じ場に、誠実/不誠実な生き方や、様々な成長の程度が混在していることも原因のひとつとなっています。これは、個々が自身の物事の捉え方や、造化する表現の有する「正しさの程度(真実度)」を高めていくのは比較的に難度が低い(容易とは限りません)ものの、複数人や共同体として造り出す物事の有する「正しさの程度」を高めていくのは比較的に難度が高い状況を表しています。寛容をもって相手(他者/他企業/他国など)の理解に努め、一貫性のある強い意志で粘り強く進展させていく過程が、自己/相手/社会の成長や惑星の進化へつながり、また、今後に担う無形界での仕事や地上での役割を遂行する際に役立つようになります。

 この質疑応答に関連する内容には、1章4節 概要 #質疑応答の「地上で成長を求める者が少ないのはどうしてですか?」がありますので参考にしてください。

(1000/1000)

 はじめに、現在の地上でみられる現代医学の水準(正さの程度)については、この節の質疑応答の「惑星の進化のために、地上で生活する人が永続性のある活動をおこなうには、どのようにすればよいのでしょうか?」を参照してください。

 地上で医療へ従事する人たちが霊的診療(スピリチュアルヒーリング/心霊治療)をおこなえるようになる状況が診療の水準を向上させるとは限りません。霊的診療と、地上の医学に基づく物的な診療は、土台となる医学の捉え方が質的に異なっており、現在の地上社会が有する成長の程度では、両者が融合する段階にはありません。霊的診療をおこなえるようになっても、地上の医学に基づく物的な診療の水準には関係しないのです。

 霊的診療は、地上で生活している人が診療を受けてますが、診療をおこなっているのは無形界の霊たちであり、地上には診療を中継する人(霊媒)が存在しているだけです。診療を受ける人へ応対している霊媒が直接に診療しているのではありません。一方で、地上に現存する医療では、医療へ従事する人たちが直接に診療を受ける人へ診療をおこなっています。地上に現存する医学/診療へ従事する者たちは、地上での目的/役割として、医学/診療の水準を向上させると事前に決めている場合が多くみられます。そのため、地上に現存する医学/診療の水準は、地上で医学/診療へ従事する者たちが、無形界からの支援/援助を受けて、自身で直接に向上させていく必要があります。地上での目的/役割については、4章2節 有形界での成長を参照してください。

 診療を受ける人は、どのような診療を受けるのかに関わらず、先[ま]ずは自己の状況へ、できる限り自身で対応する必要があります。現在の自己の状況(怪我/疾病など)を正確に把握し、その状況へと至った機序を、外環境の物事、自己の内面、生活習慣、生き方、などから総合して考察することで、どのように対応(処置/治療など)していくのかへ気づくようになります。そのうえで、自己には対応できない状況であると判断したのならば、地上へ現存する様々な医学(現代医学/伝統医学)に基づいた診療を受けて、物的な処置/治療などを通して自己の成長へとつなげるように努めます。更に、地上へ現存する医学で対応できない状況であるのならば、無形界の支援/援助を受けた霊的診療を受けるようにします。自身で自身の状況へ対応することなく、また、地上へ現存する医学を軽視して安易に霊的診療へ頼ることなく、自己の状況へ適切な選択をするように努めることが、自己/他者の成長へつながります。

 無形界からおこなわれる霊的診療は、地上で診療を中継する人が地上での目的/役割として霊的診療へ携[たずさ]わると事前に決めている場合が多くみられます。霊的診療は、地上の物的な法則では起こりえない治療/治癒の現象を顕現させて、診療を受ける人の成長を促す目的でおこなわれています。ただし、現在の地上(社会の成長段階)では、霊的診療を通して診療を受ける人の成長を促すよりも、地上で診療を中継する人(霊媒)の成長を促すためにおこなわれている比重が大きいといえます。これは、霊的診療を依頼する人には、依頼する人の目的に関わらず、基本的に誰に対しても診療を中継し、診療を拒否する状況がないためです。なお、覚醒者の中にも霊的診療を中継する人はいますが、未覚醒者よりも比較的に無形的認識の拡大している覚醒者は、診療を受ける人が自身の生き方を誠実に内省して「生き方を修正し成長を求める」と明確に判断した場合にのみ、診療を中継します。覚醒者には、霊的診療を依頼する人が、どのような自覚的な(自覚のある/自覚できるものの自覚のない)目的に基づいて依頼しているのかを把握しており、自身の利己的/自己中心的な目的で依頼している人へは決して診療を中継しません。覚醒者は自身の成長を促すためではなく、診療を受ける人の成長を促すためにのみ診療を中継するのです。覚醒者については、4章4節 覚醒を参照してください。

 なお、医療だけでなく、現在に地上社会の有する科学の水準で対応できる物事は、科学で対応すればよいのです。風習や宗教団体の戒律に囚われて、科学的な対応を拒否/拒絶/忌避する必要性はありません。例として、コレラ/マラリアの伝染性疾患の蔓延を予防するために、科学的な検証結果に基づいて、上下水道/掘削井戸/トイレを整備する、蚊帳の普及を推進する、保健衛生の教育をおこなう、などの状況が挙げられます。現在の科学の水準で対応できない物事に対して、科学に囚われ拘[こだわ]り、無理矢理に科学的な対応を強行しようとする状況を省みる必要があります。日々に科学の水準を向上するように努めながらも、現在の科学の水準で対応できる/対応できないの判断を適切におこなうための知性/理性を養うのです。

有形界の太陽の輝き

(1000/1000)

 太陽は有形界への大霊の顕現であり、太陽は愛の表現そのものですが、愛は常に自己に都合の良い状況を与えてくれるとは限りません。愛は自己にとっての都合で与えられるのではなく、成長を促すためにあるのです。

 地上での成長は困難/逆境(自己に都合の悪い状況)の中でこそ促され、怠惰/安逸な生活(自己に都合の良い状況)では促されません。酷暑/猛暑と呼ばれるような夏の強い日照りは直接に高い気温の環境を造り出し、気温(熱)の上昇によって強まる物質の心の影響力へ打ち克つように努めるためにあります。同様に、冬の柔らかな暖かい陽射しは低い気温の中で一時[ひととき]の安らぎを与え、「愛とは何か?」を考え実感させるためにあります。

 夏でも、冬でも、季節に関わらず太陽は常に不変の愛の表現です。しかし、季節/風土/地域によって、同じ愛の表現から学び取る内容は変化します。現在の状況を自己の都合で捉えるのではなく、「現在の状況から学び取れる内容は何か?」という観点から捉えるように努めるのならば、自己にとって都合が良くても、都合が悪くても、成長への学びを得られるようになります。

 この質疑応答に関連する内容には、この節の質疑応答の「地上の植物が、地上で生活する者のために造化されているのであれば、どうして食べるには程遠い果実があるのですか?」がありますので参考にしてください。

地上での生活

(1000/1000)

 成長の程度や同調する活動性の程度が同等(物事を捉える認識の程度が同等)であっても、有形体の有無、生活/滞在している界層(有形界/無形界の界の違いを含む)を構成する活動性の範囲、などの影響を受けるために、実際の「認識の程度」は同等にはなりません。

 地上で同じ場にいる、有形体を有する人と、有形体を有していない霊では、両者は同じ活動性の範囲で構成される場に存在していますが、粗雑で鈍重な有形体から影響を受ける人は、認識の程度に大きな制限を受けています。有形体の感覚器(五官)を通して受け入れる粗雑な感覚が、無形体を通しておこなわれる外環境の認識を大きく阻碍しているためです。また、無形界で、霊が自己の成長段階に相応する界層にいる場合と、低い界層に滞在している場合では、相対的に低い活動性の範囲で構成されている界層へ赴[おもむ]くほどに、認識の程度は制限を受けるようになります。現在に滞在している界層を構成する活動性の範囲は、その界層で適応される法則と密接に関連しており、法則の適用される範囲を逸脱した認識、表現の造化、などはできないためです。

 そして、認識の程度に制限を受けるという状況は、同時に、造化する表現の程度にも制限を受けている状況を示しています。これは、同等の活動性の程度が付与された表現であったとしても、有形体の有無によって、世界の進化へ与える影響の大きさが異なることを表しています。同様に、霊が無形界/地上のそれぞれで同等の活動性の程度が付与された表現を造化した場合も、表現の有する世界の進化へ与える影響の大きさは異なります。なお、無形界の中では、認識の程度は界層を構成する活動性の範囲に影響を受けますが、造化する表現の程度は界層を構成する活動性の範囲に関わらず、それぞれの界層で同等の活動性の程度が付与された表現を造化した場合には、表現が有する世界の進化へ与える影響の大きさは同等になります。

(1000/1000) 有形体/界/界層から受ける制限
(1000/1000) 有形体/界/界層から受ける制限

(1000/1000)

 無形的認識に基づいて捉えた「地上で様々にみられる物的な物事/現象/出来事」を、このサイトに掲載しなくても、読者自身の成長にともない、自[おの]ずと無形的認識で捉え、考察し、理解できるようになります。

 地上の生活で用いる有形体には使用期限があり、地上で使える時間は有限だという点に留意してください。地上の様々な物事/現象/出来事は無限にあり、そのひとつひとつを逐一に無形的認識に基づいて捉えていくのは、木の幹を観ずに、無数の枝葉を観ているだけに過ぎない状況へ譬[たと]えられます。直接的に地上での成長へつながらない物事/現象/出来事にまで時間を費やしているほどの余裕は、有形体の使用期間にはないのです。成長のために、どのような物事/現象/出来事の観察/考察を必要とするのかは、個々の有する地上での目的/役割によって異なります。ある者には直接的に成長へつながらない物事/現象/出来事であったとしても、他の者には直接的に成長へつながる場合もありますので、読者自身にとって成長に必要とする物事/現象/出来事の観察/考察/理解へ努めるようにしてください。地上での目的/役割については、4章2節 有形界での成長を参照してください。

 地上で生活できる時間/期間は限られているために、自己/他者(脊椎動物を含む)/社会の成長に意識を集中することが、地上での効率の高い時間/労力の使い途[みち]となります。地上での成長へ直接的につながらない物事/現象/出来事は、生活できる時間/期間に制限のない無形界へ戻ってからでも学べます。自己の成長にともない、無形的認識に基づく捉え方が拡大していくほどに、地上の様々な物事/現象/出来事として現れる無数の枝葉ではなく、枝葉の本源となる1本の幹へ意識が向くようになり、幹となる本質を理解することで、幹から伸びる無数の枝葉も自然に理解できるようになります。この幹となる本質こそが、誰に対しても直接的に成長へつながる内容となるのです。

 同様に、このサイトでは、物的な課題を改善するための「根幹となる方向性」を示していますが、「物的な課題を改善/解決する具体的な方法」については掲載していません。類似する物的な課題であったとしても、ひとつひとつの課題へ遭遇している状況によって、課題を改善/解決する具体的な方法は異なり、全く同じ方法は通用しないためです。物的な課題を改善/解決する具体的な方法の例として、現在に起きている戦争/紛争/対立を終結させる方法、為政者/国家が民衆へおこなっている弾圧/不正を辞めさせる方法、少子化への方策、増加する難民/移民への対応方法、職場/学校で頻発する虐[いじ]め/苛[いじ]め/差別を解消する方法、などが挙げられます。

 ひとつひとつの課題へ直接に遭遇している者が、「根幹となる方向性」に基づいて、「物的な課題を改善/解決する具体的な方法」を考案/実行する過程で、課題へ直接に遭遇している者の学びを促し、成長へつながるようになります。他者から与えられた「物的な課題を改善/解決する具体的な方法」は、必ずしも自己の遭遇している課題を改善/解決するとは限らず、自己が課題を通して得られる可能性のあった学びを阻碍する場合もあります。もしも、他者から「物的な課題を改善/解決する具体的な方法」を与えられたのならば、ひとつの具体的な方法として、自己が自身で具体的な方法を考案する参考とします。逆に、他者の遭遇している課題に対して、自己が「物的な課題を改善/解決する具体的な方法」を安易に示し与えるのは、他者が学びを得る機会や、他者の成長へつなげる機会を奪っていることにも気づく必要があります。他者へ「物的な課題を改善/解決する具体的な方法」を示すのが「思いやり/手助け」ではないという点に留意してください。他者の学び/成長を促進する(学び/成長を阻碍しない)ことが、他者への「思いやり/手助け」になるのです。課題に遭遇している他者へ手助けするのならば、適切な時機に、他者が自身で「物的な課題を改善/解決する具体的な方法」を考案できるように適切な程度の提案をおこなうようにします。

 物的な課題を改善するための「根幹となる方向性」は、物的な物事にみられるような「綺麗事[きれいごと]と呼ばれる対策」ではありません。根幹となる方向性が、「物的な課題を改善/解決する具体的な方法」を模索するための方向性を指し示し、物的な課題の改善/解決へ至る道標となります。もしも、根幹となる方向性と異なる方向性で「物的な課題を改善/解決する具体的な方法」を模索しているのならば、物的な課題は改善/解決へ至らないのです。物的な課題を改善/解決する具体的な方法は、根幹となる方向性へ直進している場合もあれば、一見すると逆の方向性へ迂回しているようにみえる場合もありますが、根幹となる方向性を見失わずに、常に方向性を確認して具体的な方法を用いているのならば、物的な課題は改善/解決へ至るようになります。これは、物的な課題の改善/解決だけでなく、自己が成長を求め修養の生活を実践する過程で現れる様々な疑問/課題を解決する際も同様です。修養の生活については、5章1節 修養の生活を参照してください。

(1000/1000)

 地上の物事/現象を視た際に、肉眼/霊眼で視ている識別ができる場合もあれば、できない場合もあります。

 肉眼は有形体の3次元の側面にある感覚器系を通した受容であり、霊眼は無形体の視るという認識を指しており、有形体の3次元の側面と無形体(4次元以上)には、それぞれの活動性の範囲の中に重なる範囲がありません。そのため、物事/現象/物体などの、肉眼に視える部分と霊眼で視える部分が全く同じではないという点に留意してください。ただし、実際には、地上で物事/現象/物体などが有する3,4次元の側面は不可分のために、3,4次元で類似した形状をしている場合もあります。視え方の例として、咲いている花を視た際に、花の輪郭、構造、などは肉眼で視ており、一方で、花の輪郭の輝き、花の輪郭の周囲を取り囲む輝き、美しく感じる輝き、香り立つ輝き、などを霊眼で視ています。花の色彩は、肉眼/霊眼の両方で視た総合を捉えている場合が多くみられます。

 肉眼で視ている範囲と霊眼で視ている範囲を識別する単純な方法は、暗い環境(暗い部屋など)の中で、ある物体を視て、肉眼を閉じても視えている物体の部分が霊眼で視えている範囲となります。なお、明るい環境の中では、肉眼を閉じても、瞼[まぶた]を通して、肉眼で視ている場合もあります。物事/現象を視る際の肉眼/霊眼での認識には、下記の3つがあります。

 1つ目は、肉眼でのみ視える物事/現象であり、物事/現象の3次元の側面にみられる変化を認識しています。

 2つ目は、霊眼でのみ視える物事/現象であり、物事/現象の4次元の側面にみられる変化を認識しています。成長の程度、地上での目的/役割、保存している固定観念/既成概念の内容/強さ、貯蔵している情報/知識の内容/程度、などによって、視える物事/現象、視える程度、視える形状、視える活動性の範囲、視える色彩の有無/範囲、などが異なります。

 3つ目は、霊眼で視ている物事/現象を肉眼で視ていると誤認している場合です。誤認は様々な物事/現象に対して起こり得ますが、成長の程度、霊に関する知識の有無、唯物主義などの固定観念/既成概念、などによって、相手が霊か? 人か? の判別ができず、霊眼で霊が視えていても、肉眼で人を視ていると思い込んでいる場合が多くみられます。更に、霊を視た際の誤認には2種類あり、人から霊を視て、相手は霊ではなく人と誤認している場合と、霊から霊を視て、相手は霊ではなく人と誤認している場合がみられます。後者は、自身が死んだことに気づいておらず、自己は霊ではなく人と誤認しているために、霊を視ても、人が人を肉眼で視ているのと同じように相手を人と認識しているのです。

 肉眼/霊眼で視ている識別ができたとしても、自己の眼前に視えている相手が霊か? 人か? を判別することに意義はありません。相手が、霊であったとしても、人であったとしても、自己が誠実に相手へ向き合えばよいだけです。自己が相手にとって適切な応対を選択する状況はあっても、自己が相手を判別してから自己に都合の良い応対の仕方へ変えるような不誠実な行動は、自己の成長を阻碍し、相手の成長も阻碍するだけになります。

 なお、霊眼で視るように努めていれば、地上の物体は超現実的な視え方になっていくのではない点に留意してください。肉眼で物体の3次元の側面を視るのに加えて、霊眼で物体の4次元の側面を自覚して視るように努めていくことは、非現実的/超現実的な視え方になるのではなく、現実を明確に実感できるようになります。肉眼で視えている物体の3次元の側面は表面的な脱け殻のようであり、物体の4次元の側面が物体の本質を成しているという「現実」へ気づくのです。

 地上では肉眼で視えるものへ意識が集中しやすいために、肉眼で視えている物事/状況のみを現実と誤認しやすいです。しかし、霊眼で物事/状況を自覚して視るようになるほどに、霊眼で視えるものが本質であり、肉眼で視えるものは本質から表れた表層に過ぎないと気づくようになります。霊眼で視える物事/状況/物体から放たれる様々な色彩の輝き、あるいは、漂わせる暗闇こそが現実だと実感するのです。譬[たと]えると、構造物(霊眼で視える4次元の側面)へ光を照射すると現れる構造物の陰影(肉眼で視える3次元の側面)を肉眼で視て現実と誤認しているのです。霊眼で構造物そのものを視れば、構造物が現実/実在であり、陰影は構造物へ付属しているものだと理解します。そして、肉眼に視える側面と、肉眼に視えない側面の双方から観察した内容を総合して考察することが、最低限に眼前の現実を捉えている状況となります。肉眼に視えない側面には、外環境へ表現されている霊眼に視える4次元の範囲だけでなく、肉眼/霊眼に視えない思考/感情/習慣などの内面の状況も含まれます。

 この質疑応答に関連する内容には、2章1節 世界全体の構造 #質疑応答の「自己の内面が外環境へ反映されて、自己にとっての世界を造り出していることは、成長を実践するうえで、どのような意味がありますか?」がありますので参考にしてください。

(1000/1000)

 現在に地上で地球温暖化と呼ばれている現象は、惑星の数十万年規模の周期にみられる僅かな側面のひとつです。近年の数百年の変化を観察して、大気の温度が上昇しているために、地球温暖化と呼んでいるに過ぎません。そして、大気圏のオゾン層の希薄化や大気の温度が上昇する時期にあわせて、地上での人類の生活にフロンガス/化石燃料の使用量の急増、二酸化炭素の排出量の増大、などがみられたために、両者に因果関係があると推測したのです。

 もしも、数十万年規模の周期によって、生活環境が大きく変化し、現行人類が地上で生活できなくなり絶滅したとしても、周期の変動に適応する人類が新たに現れるだけです。地上での生活に用いる有形体の形状/特性などが現在の人類とは異なったとしても、有形体を用いる分霊には全く関係なく、霊の成長へ影響を与えることもありません。

 なお、温暖化現象と気候変動は同じではありません。気候変動、海水温の上昇、潮流の変化、砂漠化、地下水脈の涸渇、地盤の沈降、海洋/河川/湖沼/土壌の汚染、などは、人類の生活状況が影響を与えています。地上での人類の生活状況と、温暖化現象/気候変動に相関関係があるようにみえるために、温暖化現象と気候変動にも因果関係があると捉える、あるいは、温暖化現象と気候変動は同じ物事と捉えているのです。温暖化現象は、惑星へ適用されている法則によって現れている「周期の僅かな側面」ですが、一方で、気候変動、海水温の上昇、潮流の変化、砂漠化、地下水脈の涸渇、地盤の沈降、海洋/河川/湖沼/土壌の汚染、などは、人類の生活状況が形成した「惑星の有する運命の流れ」によって現れています。周期は大霊の法則であり、不変です。運命の流れは変化します。周期と、運命の流れは異なる点に留意してください。しかし、現在に地上社会の有する成長の程度(現在の科学の水準を含む)では、惑星の周期としてみられる温暖化現象と、人類の生活状況の結果としてみられる気候変動、海水温の上昇、潮流の変化、砂漠化、などを明確に識別することはできません。運命の流れについては、4章6節 自由意志/運命を参照してください。

 温暖化現象/気候変動に限らず、日常の中で様々な物事を捉える際にも、直接的なつながりのない物事に、直接的なつながりがあると誤認する/思い込む状況は多くみられます。この誤認/思い込みが、様々な物事にみられる相互のつながり(関係性/関連性)を「あるがまま」に観察/考察するのを阻碍しており、また、固定観念/既成概念の形成にもつながっています。固定観念/既成概念については、5章4節 固定観念/既成概念を参照してください。

(1000/1000) 関係性/関連性の誤認
(1000/1000) 関係性/関連性の誤認

 ただし、地球温暖化と呼ばれている現象が、人類の生活の変化とは無関係だからといって、利己的/自己中心的な生き方や、欲望/利益を得るためだけの経済活動を追求する理由にはなりません。地上の自然界(無形界の担当者たちが造化している人/脊椎動物の生活環境)は常に光り輝いています。その輝きを失わせ、暗闇で染めているのは、地上で生活している人の有する利己性/自己中心性/欲望なのです。化石燃料/フロンガス/プラスチック製品の利用削減、二酸化炭素の排出規制、海洋/河川/湖沼/土壌汚染の改善、植林の推進、鉱物/植物/地下水の採取を制限、などの活動は、惑星の有する運命の「流れていく方向性」を変え、現行人類の生活を持続するために必要となります。これらの活動を通して、自身の生活環境を自身で保全する自覚と勇気をもち、大霊からの様々な恵みの浪費をなくして分かち合い、協調し、公平に分配することを学んでいくのです。思惑、自己/自社/自国の利益/既得権益、利己性/自己中心性/欲望、などに基づいて行動せずに、地上全体として分かち合い/協調/公平な分配を学ぶ過程は、必ず自己/他者/社会の成長や、惑星の進化へつながります。

 地球温暖化と呼ばれている現象に加えて、現在に地球が自転する回転軸の傾きが徐々に変化しているのも、惑星の数十万年規模の周期にみられる僅かな側面のひとつです。回転軸の傾きは、季節の移り変わる速さ、それぞれの季節の期間、地域ごとの海面上昇や海面下降、などにも影響を与えています。人為的な地下水の汲み上げによって回転軸の傾きが変化している可能性も調査されていますが、地下水の汲み上げと、回転軸の傾きの変化に直接的な関係はありません。しかし、大量の地下水の汲み上げは、砂漠化、伏流水の経路/水量の変化、などを引き起こしており、人類の生活へ影響を与えています。

 気候変動、海水温の上昇、潮流の変化、砂漠化、地下水脈の涸渇、地盤の沈降、海洋/河川/湖沼/土壌の汚染、などへの対応を含む環境保護/動物保護の活動は、現在の地上社会において重要な局面に差し掛かっています。それぞれの地域ごとだけでなく、地上全体として協調/共有/分け合いを学ぶ時機が訪[おとず]れたのです。

 物質の心に由来し、個々の有する経験の機能特性へ保存されている利己性/自己中心性/欲望は、持続的に制約を受けて損失を被[こうむ]るようにみえる環境保護/動物保護の活動を忌避し、眼前の物的な利益を追い求めように、はたらきかけます。そのため、環境保護/動物保護の活動が社会へ浸透/進展しない状況も多くみられ、焦り/急ぎを感じ取り強硬な手段を用いて社会へ活動を拡めようとしやすくなります。しかし、強硬な手段を用いる目的が誠実な性質を示す状況はなく、常に不誠実な性質を有しています。強硬な手段を用いた活動は、相手へ振り向いて構ってもらうために相手へ悪戯[いたずら]/嫌がらせをする子供の行動に譬[たと]えられ、相手は受け入れるよりも、更に拒否/抵抗を強めるようになります。焦り/急ぎは、これまでに継続してきた活動を台無しにしてしまうのです。強硬な手段については、5章2節 幻想 #質疑応答の「デモ活動に追随しておこなわれる暴動が不誠実なのならば、デモ活動で抗議すること自体は不誠実にはならないのですか?」も参考にしてください。

 個体でも、国家/社会でも、地上/惑星全体でも、運命の流れの方向性を変えるには、強い意志と行動を必要としますが、急に流れの方向性は変わりません。強い意志と行動を持続する過程で徐々に流れの方向性が変わっていくのです。環境保護/動物保護の活動や、スピリチュアリズムと呼ばれる「世界の実相/生命の真相」を普及する活動では、不誠実な目的/手段へ陥[おちい]ることなく、誠実な目的を維持し続け、日々の中で着実に歩みを進めていく必要があります。燃え盛る火炎のように周囲へ激しい熱を拡げるよりも、蝋燭[ろうそく]の火のように周囲へ穏やかな暖かさを拡げるほうが、周囲の者たちは受け入れやすい場合もあるのです。活動を継続する過程で周囲の者たちから非難/批判/糾弾されても、嘲笑/中傷/揶揄[やゆ]されても、脅迫/迫害されても、暴力を受けても、自己は彼らへ寛容/憐[あわ]れみ(愛)をもって応対し、常に強い意志で誠実な目的を維持しているのならば、天使たちが必ず支援/援助を継続してくださいます。運命の流れについては4章6節 自由意志/運命、天使については4章10節 天使を参照してください。

 現在の地上社会では、個体も、国家/企業などの共同体も、「自身以外が責任を負っている」あるいは「自身が対応しなくても自身以外の誰かが対応してくれる」と自覚して、あるいは、自覚できるものの自覚なく責任逃避して自身は対応しないために、気候変動、海水温の上昇、潮流の変化、砂漠化、地下水脈の涸渇、地盤の沈降、海洋/河川/湖沼/土壌の汚染、などを助長しているものの、これらの改善はほとんど進展していません。個体が自身の責任から眼を逸らし自身以外へ責任逃避しているために、個体の総合である国家/企業も、表面的な統計上の数値で対策/対応しているように狡猾に誤魔化して責任逃避するようになるのです。統計として数値/グラフで表される結果は、様々な変数を組み合わせて、総合すると成果が出ていないにも関わらず、ある方向性から捉えた際に成果が現れているように「見せ掛ける」こともできるのです。また、「非日常的に大規模な対応をおこなえば、個体が日々の生活の中で対応する必要がない」という捉え方も責任逃避となります。責任逃避については、5章2節 幻想を参照してください。

 非日常的に大規模な対応を模索/実施しなくても、個体の1人1人が日々の生活の中で自身のおこなう「ひとつひとつの行為」を通して対応していくように努めることで、個体の有する運命の流れる方向性が変化し、個体の有する運命の流れが総合されて造り出されている「惑星/地上の有する運命の流れ」も流れる方向性を変化させるために、気候変動、海水温の上昇、潮流の変化、砂漠化、地下水脈の涸渇、地盤の沈降、海洋/河川/湖沼/土壌の汚染、などは改善されていきます。個体が日々の生活の中で自身のおこなう「ひとつひとつの行為」を通して対応していく際の土台となる方向性は、最低限に必要とするよりも多くを求めないことにあります。最低限に必要とするよりも多くを求めないことについては、5章3節 誘惑 #質疑応答の「最低限の必要を満たすよりも多い部分が、利己的/自己中心的な行為や欲望の追求として現れると本編に記載されていますが、服装、化粧、体形、髪型、容姿、などは、本人の美しさを際立たせるために整える必要があるのではありませんか?」も参考にしてください。

 この質疑応答に関連する内容には、この節の質疑応答の「惑星の進化のために、地上で生活する人が永続性のある活動をおこなうには、どのようにすればよいのでしょうか?」がありますので参考にしてください。

(1000/1000)

 あらゆる行為は、自己の自由意志による選択があってこそ成すことができます。強い意志を有しているのならば、目的の示す内容は必ず達成されます。気象の変化を通して、成長へつながる学びを得ようとする強い意志があるのならば、必ず、何らかの学びを得られるようになります。

 気象の変化は、肉眼で視て、肌に感じることのできる、運命の流れにみられる有形的な側面の一部が物的に現れているものといえます。物的な運命の流れへの観察/考察を通して、物的/有形的な運命の土台となる無形的な運命の流れへ気づいていくように努めるのならば、成長への学びを得ることへつながります。高い活動性の程度へ同調するほどに、意識は拡大し、無形的認識で物事/現象を捉える程度も高くなるために、多くの運命の流れを総合して捉えることができるようになります。なお、運命の流れにみられる物的な側面は肉眼に視えますが、有形的な側面は肉眼には視えず霊眼に視え、無形的な側面は肉眼にも霊眼にも視えず意識で捉えます。運命については、4章6節 自由意志/運命を参照してください。

 加えて、鉱物の風化、植物の生長、虫たちの活動、潮の満ち引き、火山活動、地震、などの自然界にみられる様々な変化も、地上での「運命の流れ」の一部を構成しています。自然界にみられる様々な変化への観察/考察が成長への学びを得ることへつながるのは、自然界の変化を造り出している無数の運命は、それぞれが大霊の法則に基づいて造化された「表現の変化していく様子」の総合であり、法則を学んでいくことが成長へとつながるためです。大霊の法則については、2章2節 大霊 #法則を参照してください。

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