無形界の仕事

2章 世界の構造 - 7節 無形界の仕事

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節全体の真実度: 1000
節全体の活動性: 1000

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無形界の仕事とは

  • (1000/1000) 無形界での仕事は、自己を積極的に他者/全体のために役立て、自己/他者の成長を促進する活動に総括されます
    • 個々のおこなう自己/他者の成長を促進する活動が総合されて無形界/有形界の進化を促し、世界全体の進化へとつながります
    • 仕事を誰かに強制されておこなう状況はなく、また、生活のために嫌々ながらおこなう状況もありません
    • すべての仕事は、自己の自由意志に基づいておこなう「愛ある行為」から成り立っています
  • (1000/1000) 自己が仕事の対価として、他者から何かを得ることはなく、何かを要求することもありません
    • 自己のおこなう他者への愛ある行為を通して、自己が他者へ愛を分け与えることのできる喜びを得ます
    • また、仕事への従事を通して、様々な成長への学びを得ることで、自己の成長へつなげています
  • (1000/1000) 無形界には、何らかの収入を得るための職業はありません
    • 地上での「職」は、物的な生活をおこなうために、主に現金収入をともなう行動であり、必ずしも自己/他者の成長につながるとは限りません
    • 無形界での「仕事」には、地上での職業に類似している内容もありますが、程度の違いはあっても、必ず自己/他者の成長につながります
  • (1000/1000) 無形界の仕事は、自己よりも高い成長段階の者から仕事を提案されて引き受ける場合と、自己の携[たずさ]わりたい仕事を申請して許可をもらう場合、の2通りがあります
    • どちらの場合でも、自己の自由意志で仕事に携わることを決め、決して強制はされません
    • 提案される場合は、高い成長段階の者が、現在の自己の成長に必要な学び、仕事への適性、同じ仕事をおこなう者たちの成長へ与える影響、などを考慮して、仕事の内容を提案します
    • 許可をもらう場合も同様に、高い成長段階の者が、充分な考慮のうえで許可を出し、もしも、仕事の内容に、本人の成長を停滞させる可能性があれば、仕事の仕方などに様々な助言をしますが、決して仕事を諦[あきら]めさせる/辞めさせるようなことはしません
    • 仕事を別の内容/役割へ変更したい場合には、高い成長段階の者と話し合いをしたうえで、自由に変更することができます

仕事の意義

  • (1000/1000) 世界の進化の観点から捉えると、無形界のあらゆる仕事は、世界の進化を促進するためにあります
    • それぞれの仕事の内容が有する、世界の進化に影響を与える範囲、与える影響の程度は様々ですが、進化を停滞させる仕事は決してありません
    • あらゆる仕事で得た成果の総合が、これまでに世界を進化させた成果ともいえます
    • 宇宙圏無形界では、有形的宇宙(有形界)と無形的宇宙の「造化」に関わる仕事を担い、一方で、惑星圏無形界では、造化された有形的/無形的宇宙の「育成」に関わる仕事を担い、総合として、世界の進化を促します
(1000/1000) 造化の担当者と担当する範囲
(1000/1000) 造化の担当者と担当する範囲
  • (1000/1000) 霊の成長の観点から捉えると、無形界のあらゆる仕事は、仕事に携わる者(自己)、仕事によって恩恵を受ける者(他者)、共に仕事をおこなう者(仲間)、の3者が、必ず成長へとつなげられるように、相対的に高い成長段階の者によって配慮されています
    • 誰ひとり犠牲にすることなく、誰かへ負担/損害(皺寄[しわよ]せ)を受けさせることなく、仕事へ関与する全員が成長へつなげられるように綿密に配慮されています
    • 自己という個体にとっての仕事の意義は、愛を学び、愛を拡げることに要約されます
(1000/1000) 個々の仕事と全体の成長
(1000/1000) 個々の仕事と全体の成長

仕事の内容

  • (1000/1000) 無形界の仕事は、個々が自身の自由意志で携わる仕事の内容を決めますが、個々が自由に仕事の内容を創り出しているのではなく、秩序ある統制のもとで、無数に細分化された内容の中から選択します
    • 愛を与える行為であれば、考え得る「あらゆる内容」の仕事が存在しており、地上では想像もできないような内容の仕事も多くあります

仕事の組織系統

  • (1000/1000) 無形界の仕事は、無数の分野、無数の部門、無数の専門集団、無数の班、からなる、無限の界層に縦断する組織系統を形成しています
    • 色彩の研究をおこなう分野を例とした場合では下記のようになります
    • 色彩の研究をおこなう分野の中には、それぞれの色彩の有する影響を研究する部門、色彩の組み合わせによる影響を研究する部門、色彩が治療に与える影響を研究する部門、色彩が造化に与える影響を研究する部門、などがあります
    • それぞれの部門の中には、地上への応用を研究する集団、世界の進化に与える影響の強さを研究する集団、他の分野との組み合わせを研究する集団、などが置かれています
    • 更に、それぞれの集団の中には、研究の内容を分担する班があり、各班が連携して研究を進めています
    • これらの部門/集団/班は、各界層ごとにあり、界層に相応する活動性の範囲内での研究をおこなっています
    • 相対的に高い界層の研究成果は、低い界層の研究へと応用され、一方で、低い界層の研究成果は、高い界層へと還元されます
    • 同様に、無形界の各界層での研究成果は、応用されて地上へと伝えられ、そして、地上での発展の成果を、無形界での研究へと還元しています
(1000/1000) 仕事の組織系統
(1000/1000) 仕事の組織系統
  • (1000/1000) あらゆる仕事は、ひとつの分野、あるいは、複数の分野に属しており、何らかの明確な目的に基づいておこなわれています
    • それぞれの仕事の目的は、世界の進化という総合的な目的の中に、細分化された、分野ごとの目的、部門ごとの目的、専門集団ごとの目的、班ごとの目的があります
    • 地上で、スピリチュアリズムと呼ばれている活動も、宇宙全体の調和を促進することを目的とした分野の、地球圏での仕事のひとつです
    • 太陽系内で進化の程度が最も低い段階にある地球の進化を促すことで、太陽系全体の調和を高め、太陽系の調和が高くなることで、天の川銀河の調和が向上し、更に、銀河群へと続く宇宙全体の調和につながります
    • 地球圏でスピリチュアリズムを直接に担当する集団の目的は、地上に生活する人類に対して重点的に成長を促し、地球全体の進化(惑星の進化)を促進させることにあります
    • 更に、スピリチュアリズムを直接に担当する専門集団を構成している各集団の目的として、地球人類の利己的/自己中心的な生き方からの救済、知識の地上への浸透/普及、知識を拡めることによる頑迷な固定観念/既成概念の消散、などがあります
    • スピリチュアリズムを担当する専門集団は、多くの集団から構成されており、このサイトの内容も、その集団のひとつから啓示されています
(1000/1000) 地球でスピリチュアリズムを担当する組織の系統
(1000/1000) 地球でスピリチュアリズムを担当する組織の系統

無形界の各界層での統治

  • (1000/1000) 宇宙圏/惑星圏無形界の各界層では、地上の行政のように、地域の調和/発展を担当する集団が置かれています
    • それぞれの界層に存在する無数の地域ごとに統括者がおり、地域の調和/発展を担う集団をまとめ、地域のあらゆる物事を適切に整理し、他の地域/他の界層との密接な連携に努めています
    • 地域の調和/発展を担う集団には、担当する地域で生活している者たちに関する詳細な情報が逐一に集められ、処理され、生活している者たちへ適切な時期/時機に適切な支援/援助ができるように整理されています
    • 地域で生活している者たちの個々の成長段階に適切な学びの場、適切な仕事、適切な指導者、などを提供/提案し、様々な研修の機会を設けて、様々な学びと成長を促しています
    • 地域の統括者もまた、相対的に高い成長段階の者より任命された、仕事のひとつです
    • 各界層での地域の統括者には、統治する界層の段階よりも相対的に高い成長段階にある者が任命され、その界層での成長の模範となるように配慮されています
  • (1000/1000) 各界層の地域ごとにおこなわれている「統治」は、地域に生活する者たちが成長を促進できるように支援/援助しているのであり、地域に生活する者たちを支配/制御しているのではありません
    • 一方で、地獄層での各界層の地域ごとにみられる支配者は、地域に生活する地獄者/地縛者たちを隷属/制御しており、地域に生活する地獄者/地縛者たちを使役し搾取しています

宇宙圏無形界の仕事

  • (1000/1000) 宇宙圏無形界での仕事に共通する内容は、宇宙の「あらゆるもの」を造化することにあります
    • 霊の成長段階によって、造化を担当する範囲、造化する物事/現象、などが異なり、相対的に高い成長段階の者が、それぞれの範囲でおこなわれる造化の統括/管理をおこないます
    • 摂理に基づく世界の進化の計画を、それぞれの担当者が造化を担う範囲の計画へと細分化して、緊密な連携と統制のもとに、統一された秩序ある造化をおこないます
    • ただし、計画は造化する方向性を示していますが、具体的な造化の方法は担当する者に任されており、担当者の個性によって、ある程度の範囲内での多様性が生み出されています
    • 例として、太陽系の惑星は、どの配置で、どの程度の規模の惑星を造化するのかは、計画として決められていますが、惑星を構成する組成などに関しては、担当者の個性に任されているために、ガス体としての木星、岩石体としての火星、岩石体と水を豊富に有する地球、などの多様な惑星が造り出されています
  • (1000/1000) あらゆる物事/現象には、造化を担当する者がおり、偶然に生み出されるものは何ひとつありません
    • 意識を有する霊たちの生命の付与を原因として、造化という結果が生まれます
    • 無数の原因と結果の流れが、相互に影響を与え合い、複雑にもみえる万物/森羅万象の変化を造り出しています
    • 道端に生える植物1株の発芽、生長、枯死もすべて管理されているのです
    • なお、地上での、雨/台風/雷/竜巻などの気象変化や地震/噴火/津波などは、それらを直接に造化する担当者がいるのではなく、大気/大地/大海での様々な造化、他の惑星との磁気的な相互作用、惑星の自転/公転、などを原因とする総合的な結果として起きています
  • (1000/1000) 造化の仕事には、惑星圏無形界の動物霊界から、動物霊を地上へと送る役割なども含まれています
    • 地上で用いる脊椎動物の種族の有形体を造化して、適切な動物霊を宿らせます
    • また、地上での動物の死後に、動物霊を動物霊界へと送り届ける役割も担います
  • (1000/1000) 人霊が地上へと再授肉するための造化に携わる担当者もいます
    • ただし、動物霊とは異なり、再授肉を望む人霊の自由意志、地上で生活する目的、地上で担う役割、再授肉の許可、地上での生活環境の選定、などの、いくつもの段階を適切に経過したうえで、地上で生活する条件に相応する有形体が造化されます
    • 再授肉については、4章9節 再授肉を参照してください

惑星圏無形界の仕事

  • (1000/1000) 惑星圏無形界の仕事に共通する内容は、宇宙に造化された物事/現象を育成/調和することにあります
    • 今後に成長して、宇宙圏無形界で物事/現象の造化に携わるための訓練ともいえます
    • あらゆる物事/現象は、あらかじめに調和をもって造化されていますが、更に調和を高めて、世界の進化を促進させます
    • 主に、惑星圏無形界の各界層や、地上に関連する内容の仕事となります
    • 例として、人/霊の悩みを解消して成長できるように励ます、地上から戻った人霊が人霊界で生活を始めるための手助け、地獄層から脱出した者への教育/更生、研究成果を地上の適した人物へ閃きとして送る、などがあります
  • (1000/1000) 地上でもみられるような、農耕、園芸、家畜の世話、執筆、作曲、絵画、演劇、裁縫、建築、教師、医療、子供との共同生活、病院での看護、などの仕事もあり、愛があるのならば、それらの活動はすべてが仕事になります

地上へのはたらきかけ

  • (1000/1000) 無形界から地上へは、物事/現象の造化だけでなく、人への絶え間ない支援/援助がおこなわれています
    • 支援/援助の例として下記があります
    • 悩み、悲しみ、嘆き、などの感情を造化している者には、喜び/落ち着きと表現されるような性質の活動性を送り届けて、苦しみを和らげ、勇気を与え、立ち直れるように、はたらきかけます
    • 発明、芸術、学問、などに勤[いそ]しむ者には、無形界の研究成果を応用して伝え、地上社会の発展に貢献できるように、はたらきかけます
    • 個々の人が、地上での生活の中で、眼前の体験を通して学び、少しでも成長を促せるように、励まし、積極性を与え、勇気を奮い立たせるような、生命の活動性/印象を送り続けています
    • なお、地上への「はたらきかけ」は、宇宙圏無形界で生活する人霊/天霊と、惑星圏無形界の人霊界で生活する人霊がおこない、天霊界で生活する天霊はおこないません
  • (1000/1000) 地上への「はたらきかけ」には、各界層からおこなう方法と、地上へ直接に移動しておこなう方法があります
    • 各界層には、地上へ「はたらきかける」専門の集団が部門ごとに設置されており、地上から送られてくる様々な内容の、祈り、願い、思考、感情、などを分析し、集団ごとに割り当てられている内容に対して、それぞれに必要な支援/援助を検討します
    • 必要な支援/援助を検討し、それぞれの状況へ適切な「はたらきかけ」の方法を採用します
  • (1000/1000) 各界層からおこなう支援/援助は、特定の性質をもつ活動性、特定の内容を有する印象、などを、地上の該当する人へ送り届ける形式でおこなわれます
    • 各界層での生活の中でおこなえる、地上全体の人々へ同時に広範囲におこなうことのできる支援/援助の方法であり、大規模で効率が良く、負担の少ない方法です
    • その反面、個々の人への細やかな対応は難しく、また、活動性を送り届けるまでに、地上を徘徊する地獄者/地縛者たちが妨害して、地上の該当する人へ適切に届けられない場合もあります
  • (1000/1000) 地上へ直接に移動しておこなう支援/援助は、地上で生活する個々の人へ帯同して、細やかな指導、傍[かたわら]からの励まし、などをおこないます
    • 特定の性質をもつ活動性、特定の内容を有する印象、などを傍から送ります
    • 地上で生活する人が、利己性/自己中心性/欲望で構成される地獄の性質(不誠実の性質)へ同調しようとしない限り、地獄者/地縛者たちから受ける妨害を直接的に防ぐことができ、個々の人へ、適切な時期/時機に、適切な支援/援助を、逐一におこなえます
    • その反面、地上へと移動するためには、自己の有する活動性の程度を有形界に相応する活動性の範囲にまで下げなければならず、おこなう支援/援助は、有形界の活動性の範囲から制約も受けるために、非常に負担の大きい方法です
    • 地上へ移動しての支援/援助は、天使の役割による「指導の任務」として拝命する状況がほとんどですが、高い成長段階の者から任務を授けられるのは、輝きのある界層から輝きのない地上へ移動する状況を厭[いと]わないほどに、光栄なことでもあります
    • 天使については、4章10節 天使を参照してください
(1000/1000) 地上への移動
(1000/1000) 地上への移動
  • (1000/1000) 無形界からおこなわれる支援/援助は、地上で生活する者たちの成長を促すためにおこなわれているのであり、楽しく、苦難のない、平穏/安寧な生活を送れるようにするためではありません
    • 苦難へと立ち向かい乗り越えられるように、勇気を与え、励まし、支えますが、成長に不可欠な困難/危機/課題を取り除いてしまうようなことはしません
    • 地上という、痛み/苦しみを通して学ぶ物的な教育の場を、台無しにしてしまうような内容の支援/援助をすることは大霊より許可されないのです
    • 地上での成長については、4章2節 有形界での成長を参照してください
  • (1000/1000) 地上への「はたらきかけ」には、有形体を有して生活する人に対してだけでなく、死んだことに気づかず地上を徘徊している人霊や、人へ憑依している地獄者/地縛者たちの救済も含まれます
    • これらの霊たちが、地上で生活する人に様々な影響を与えており、自覚して、あるいは、自覚できるものの自覚なく憑依して、有形体の各種の痛み、精神病、多重人格、鬱[うつ]病、アルコール中毒、過食症、夢遊病、失踪、殺人、強盗、暴行、戦争/紛争、差別、迫害、などを引き起こしている状況も多くみられます
    • これらの霊たちを説得し、人霊界で誠実な生き方へ努められるように手助けをする活動が、地上で人の成長を阻碍/退行させる無用な原因を取り除くことへもつながるのです

至言の紹介

(1000/1000)「瀞沁」
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地上のあらゆる形体のあるものは
地上で生活する者のために与えられた
愛と叡智の贈り物なのです
足元の石ころも、道端の草も、自身の肉体も
全てが世界の計画に基づいて創られ
必ず、何らかの価値と意義が与えられています
無駄なもの、無価値なものはないのです
その贈り物をどのようにして用いるのか?
それだけが本人へ委ねられているのです

意義あるものにするのも、価値あるものにするのも
無駄にするのも、無価値にするのも
本人の用い方で決まります
(1000/1000)「瀞沁」
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マスメディアに報道される中にだけ
邪悪な行為がみられるのではありません
愛の行為がみられるのではありません
眼に視えて重大な結果をもたらした行為が
報道されているだけなのです

日常の繰り返される些細な行為は
眼に視えるうえでは軽微な結果かもしれませんが
甚大な邪悪の為されていることがあるのです
絶大な愛の成されていることがあるのです

行為の眼に視えない結果の大きさは
眼に視える大きさで測れるものではないのです
そして、どのような行為を選択するのも
本人次第なのです

質疑応答

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(1000/1000)

 無形界の各界層の地域でおこなわれる統治は、地上にみられる国家/都道府県/市区町村の行政のように、相対的に拡い範囲を統治する組織が、相対的に狭い範囲を統治する組織への命令/指示系統を有する階層的な構造(ヒエラルキー)や、入れ子構造を成していません。同じ界層の各地域に設置されている無数の統治組織も、相対的に高い界層の各地域に設置されている無数の統治組織も、相対的に低い界層の各地域に設置されている無数の統治組織も、地域の拡さや統治組織の規模に関わらず、すべての統治組織が対等です。このサイトで用いている「界層」と「階層」は定義が異なる点に留意してください。界層は任意の区切りであり、上層/下層の違いは指示系統を表していませんが、一方で、階層では上層/下層の違いは指示系統を表しており、上層は下層へ指示する方向性を有しています。界層については、2章1節 世界全体の構造を参照してください。

 無形界の各界層に無数に造り出されている「それぞれの地域」に設置されている統治組織は、それぞれが独立した自立/自律の「自治」であり、相対的に高い界層や他地域から助言/支援などは受けているものの、命令/指示は受けていません。同様に、相対的に低い界層や他地域へ助言/支援などはおこなうものの、命令/指示は与えません。対等な相互資生による統治が、思いやり、支え合い、配慮を生み出し、協調/調和を促進するのです。無形界の「それぞれの地域」でおこなわれている対等な相互資生による統治は、地上社会では、インドでスワラージと呼ばれる「無数の村ごとの自給自足/自治による自立/自律」や「無数の村どおしでの交易/扶助による相互の発展」の思想と類似する方向性を有しています。

 加えて、西アフリカのブルキナファソでトーマス・サンカラが実践を試みた「国家が地域へ役人を配置するのではなく、それぞれの地域で生活する住民が地域の役人を雇用して、地域に必要とする道路/医療/保健/水道/交通機関/各種施設などの公共サービスを実施していく自主管理政策」の思想にも類似する側面がみられます。この思想では、国内の政治の主体は「それぞれの地域」にあり、国家は、それぞれの地域へ助言する役割や、それぞれの地域と他国との外交を橋渡しする役割を担っています。実際には、この政策の実施が試みられたものの、物質の心から受ける誘惑(利己性/自己中心性/欲望)の影響によって多くの弊害も生じており、地上の生活で個々の人々が物質の心から受ける影響へ打ち克つことの困難さを窺[うかが]わせています。

 地上では、現在でも、歴史上でも、領土の拡大という一方的な併合で支配/隷属[れいぞく]の関係性を造り出して地域を統治する状況は多くみられます。支配/隷属の関係性には、他国/他地域からの搾取、自国での人口の密集する都市部のために農村/過疎地域へ負担を強いる状況も含まれます。支配/隷属による統治は、恐れ/怯えや利己性/自己中心性/欲望の増大を生み出し、対立/不調和を助長させ、一時的/外見的には繁栄しているようにみえたとしても、必ず破綻[はたん]/衰退/滅亡します。

(1000/1000) 無形界の統治構造
(1000/1000) 無形界の統治構造

 無形界の「それぞれの地域」での自立/自律した「自治」は、個々が成長を求め実践する自立/自律した「修養の生活」と関連しています。共同体としての地域がおこなう、他地域/他国/他組織へ依存しない、隷属しない、支配を受けない自立/自律した「自地域の統治」は、個体がおこなう、他者へ依存しない、服従しない、強制/誘導を受けない自立/自律した「自己の統治」を促進し、同時に、自立/自律した「自己の統治」は自立/自律した「自地域の統治」を促進する循環を形成します。地域の発展と、個体の成長の促進は表裏一体なのです。

 社会は、自己ではない「誰か」や、国家が変革/発展させてくれるのではありません。個々が修養の生活を実践し、自身の生き方を修正していく過程で、個々の生き方が総合されて、社会を変革/発展させていくのです。有形体の状況、物的な生活環境、地上での目的/役割によっては、自己の物的な生活を他者/共同体へ依存する場合や、依存せざるを得ない場合もあります。しかし、自己の自由意志による選択や生き方は決して他者/共同体へ依存せずに、自立/自律した「自己の内面の統治」をおこなう必要があります。修養の生活については5章1節 修養の生活、地上での目的/役割については4章2節 有形界での成長を参照してください。

 この質疑応答に関連する内容には、5章1節 修養の生活 #質疑応答の「成長の過程を表現する際に用いられる自尊心とは何ですか?」がありますので参考にしてください。

(1000/1000)

 地上で個々の人へ帯同している方々(天使たち)は、常に傍[かたわ]らにいらっしゃいます。地上で有形体を用いて生活する人とは異なり、天使たちに物的な距離は関係しないために、精神的な距離が帯同する人の傍らへ常にあります。加えて、天使たちには物的な空間も関係しませんので、物的に狭い空間であったとしても、大勢の天使たちが同時に存在することもできます。

 天使たちは、有形体を有して地上へ来られているのではないために、肉眼では視えませんが、霊眼では視える場合もあり、また、周囲に存在(気配)を感じる場合もあります。個々の人が有する成長の程度、個性の方向性、地上での目的/役割、などによっては、霊耳で声を聴き、霊口を通して会話できる場合もあります。天使については、4章10節 天使を参照してください。

 何よりも、常に自己へ支援/援助してくださっている状況を自覚すれば、自[おの]ずと天使たちの存在へ気づくようになります。そして、日常の些細な思考、取るに足らない発言、何気なくおこなった行動、などの行為に至るまで、多くの支援/援助が成されていることに驚嘆と感謝をせずにはいられなくなります。

(1000/1000)

 地上へ帯同しておこなう支援/援助に際して、有形界の活動性の範囲から受ける制約は様々にあります。様々に受ける制約の土台となっているのは、無形界/有形界では、界を構成する活動性の範囲が異なる点にあります。また、有形界では様々な活動性の程度が混在して同じ場に存在していることも、大きな制約を与えています。

 有形界を構成する活動性の範囲(次元の範囲)は、世界の中で最も低い段階にあり、精細で変化しやすい高い段階では容易にできる内容であっても、同じ内容を、粗雑で変化し難い低い段階でおこなうのは難度が高くなります。これは、地上(大気の中)では容易に走り回れても、水中では立って歩くのも難しくなる状況へ譬[たと]えられます。例として、帯同する人へ、ある内容の印象を送る場合では、有形界の中では、同じ内容の印象であっても、無形界で造化する印象と同等の活動性の程度が付与された印象を造化するのに多大な労力を必要とします。更に、印象を人へ送る際に、有形界では様々な活動性の程度が混在して同じ場に存在しているために送信し難く、また、送られた印象を人が受信し難くもさせています。人へ思うように印象を送れず、印象を送れたとしても、有形体を有している人は送られた印象へ気づき難いために、様々な手間と工程を経て、人へ適切に送れるように、人が印象へ気づきやすい内容となるように、工夫しなければなりません。

 この質疑応答に関連する内容には、2章3節 有形界の構造 #質疑応答の「同じ活動性の程度へ同調し、同じ認識の次元で物事を捉えていても、無形界の霊と、地上の人では、認識の程度に差がみられますか?」がありますので参考にしてください。

(1000/1000)

 スピリチュアリズムと呼ばれている「はたらきかけ」は、地上へ帯同しておこなう「はたらきかけ」、各界層からの「はたらきかけ」、のどちらもおこなわれています。スピリチュアリズムの「はたらきかけ」は、宇宙圏無形界からの指導により、人霊界の全体で協調しておこなわれているために、必要とする支援/援助の内容にあわせて、地上へ帯同する場合もあれば、各界層からおこなわれる場合もあります。

 また、スピリチュアリズムでの「はたらきかけ」として認知されている、無形界からの直接通信による方法だけでなく、日常的な閃き(印象の送信)も、はたらきかけによる間接的な通信なのです。通信方法には、それぞれの特徴があり、必要に応じて使い分けられています。

 間接通信は、日常的な閃きの内容とは別に、地上の覚醒者を通して、知識を伝える場合にも用いられています。地上で未覚醒者に比べると、覚醒者は相対的に同調する活動性の程度が高いために、間接通信の霊媒として用いるのに適しているのです。覚醒者については、4章4節 覚醒を参照してください。

 この質疑応答に関連する内容には、1章5節 宗教/スピリチュアリズム #質疑応答の「スピリチュアリズムでは、地上へどのようなはたらきかけがおこなわれてきたのですか?」がありますので参考にしてください。

(1000/1000) 無形界からの通信方法
(1000/1000) 無形界からの通信方法

(1000/1000)

 地獄者たちが、天使たちの活動を妨害する手口は様々です。地獄者たち自身の無形体を用いて直接的に天使たちの活動を妨害する(肉弾戦をおこなう)場合もあれば、自身が憑依した人を用いて間接的に妨害する(策略を巡[めぐ]らす)場合もあります。

 地獄者たちが、天使たちの支援/援助を間接的に妨害する例として、地上の人が天使たちと同調し、天使たちから送信される印象(閃き)を受けて執筆/制作などの愛の行為へ意識を集中している際を常に狙って、憑依している他者を用い、訪問させ、取るに足らない利己的/自己中心的な内容を喋[しゃべ]りかけさせて、集中が途切れるように仕向け、天使たちから印象の受信ができなくなるように、はたらきかけます。もしも、集中を途切れさたのならば、天使たちがどれほどに印象を送信し続けているとしても、印象が送信されていることへ気づけなくなってしまいます。

 この例で重要な点は、他者は地獄者に憑依され思うがままに操られているだけであり、自身が悪意をもって相手へ喋りかけているのではないために、相手の行為を妨害している自覚はなく、天使たちの支援/援助を妨害している自覚もなく、地獄者たちに憑依されている自覚もないことです。ただし、相手が行為へ集中している状況を認識したうえで、相手へ喋りかけるという利己性/自己中心性/欲望に基づく自覚のある、あるいは、自覚できるものの自覚のない行動をおこなっています。他者を利用した妨害の手口については、2章5節 無形界の住人 #質疑応答「地獄者は、どのような手口を用いて干渉してくるのですか?」を参照してください。

 他者を利用した妨害の手口は、自己の成長の程度が他者/地獄者たちよりも高い次元(高い認識の程度)に属していれば、相対的に低い次元(低い認識の程度)の捉え方(幻想による捉え方を含む)でおこなわれる他者/地獄者たちの自覚のある、あるいは、自覚できるものの自覚のない行為や、行為の自覚的/無自覚的な目的、などが観察/考察を通して理解できるために、肉眼に視える「人」たちの行為と肉眼に視えない「地獄者」たちの行為のつながりも把握できるようになります。属する次元の違いによる、相手の行為に対する理解については、3章3節 分霊 #質疑応答「自己の属する次元と、つながりのある次元は、どのような違いがあるのですか?」を参照してください。

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 地獄層で地獄者/地縛者の救済をおこなっている霊たちは、霊たちが特定の目的のために危害を加えられる状況を望まない限りは、地獄者/地縛者たちに危害を加えられて行動できなくなる状況はありません。誠実な生き方へ努めている霊たちの性質は「輝き」です。一方で、不誠実な生き方をしている地獄者/地縛者たちの性質は「暗闇」です。この輝き/暗闇は、日常的に精神で造化し、外環境へ表現している「活動性の性質の表現」を指しています。活動性の性質の表現については、3章9節 精神を参照してください。

 輝きは暗闇を照らし出して駆逐できますが、暗闇には輝きを包み込み消失させることはできません。暗闇の中で生活する地獄者/地縛者にとって輝きは激痛をともなう閃光であり、灼熱であり、強烈な電撃でもあるために、霊たちが許可しない限りは、輝きを放つ霊たちへ近づくことはできず、触れることもできないのです。輝きの強さは意志の強さが外環境へと表れており、意志が強いほどに輝きは増大します(強い輝きが造化されます)。そして、強い意志に基づいておこなわれる行為は、正しさの程度(真実度)が高く、理不尽さ/曖昧[あいまい]さが低いために、相対的に意志の弱い者には抗[あらが]うことができません。ただし、成長の程度が向上し、強い意志を有するようになるほどに、他者へ強制/命令しなくなり、助言/提案するようになるために、相対的に意志の弱い者を自身へ従わせるような行為はおこなわないのです。

 この状況は地上で生活している人の場合も同様です。地上で生活している人は有形体を有しているために、有形体へ物的に危害を加えることはできますが、強い意志で伝えられた発言や、おこなわれた行動を、相対的に意志の弱い者には抵抗できません。強い意志(高い活動性の程度)による強烈な輝きは、弱い意志(低い活動性の程度)による淡い輝きや、不誠実な生き方による暗闇を凌駕[りょうが]するのです。

 なお、霊たちが特定の目的のために危害を加えられる状況を望む場合とは、地獄者/地縛者たちが霊へ危害を加えることで、地獄者/地縛者たち自身がおこなった行為を内省する切っ掛けとなる状況を指しています。地獄者/地縛者に誠実な生き方へ努めるように促す目的のためには、霊たちは自身が害されることも厭[いと]わない愛の行為なのです。

 天使たちが地獄層/地上でおこなっている地獄者/地縛者の救済/更生の活動を、地上で人がおこなっている類似する活動に譬[たと]えると、ギャング、テロリスト、武装集団、などの過激な行動や暴力行動で物事を進行させようとする集団からの脱退を支援し、過激な/暴力的な物事の捉え方からの脱却を促し、社会への復帰を後押しする活動といえます。そして、社会への復帰を果たした彼ら自身が活動へ参画/協力して、彼らが活動を進展させていけるように手助けをおこないます。

 参考までに、現在に地上で「地獄者/地縛者の救済/更生に類似する活動」をおこなっている、名の知られている団体には「特定非営利活動(NPO)法人アクセプト・インターナショナル (Accept International)」があり、団体の「活動方針の示す程度(活動性の程度)」は530を示します。団体の具体的な活動については、団体のウェブサイト(リンクは外部サイトへ移動します)、あるいは、団体の代表者による下記の著書を参考にしてください。

  • (200/200) 紛争地で「働く」私の生き方 [2023] 永井陽右 小学館
    • この書物の、ひとつひとつの記述(文ごと/図表ごと)の真実度は、20-205の間で構成されています
    • 書物に掲載されている活動の内容は、著者が有する「地上での役割」のひとつであり、役割として遂行する愛の行為の例となります

 この質疑応答に関連する内容には、2章3節 有形界の構造 #質疑応答の「地上で、高い成長の程度を有している社会はありますか?」がありますので参考にしてください。

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