大霊

2章 世界の構造 - 2節 大霊

個々の記述の真実度: 999.3-1000
節全体の真実度: 1000
節全体の活動性: 1000

検索ボタンを押した際に、該当する語がページ内にあれば強調表示
(ハイライト)され、強調表示された直近の語へ自動で移動します。
移動した語の他にも該当する語は強調表示されています。
該当する語がページ内にみつからなかった場合には移動しません。

大霊とは

  • (1000/1000) 大霊とは、あらゆる全ての根源であり、あらゆる全て「そのもの」であり、あらゆる全ての変化の源であり、あらゆる全てを創り出し、あらゆる全てを統率/制御している存在です
    • 正確には、存在とも、非存在とも、存在でもなく非存在でもないとも表され、適切に表現できる語がありません
    • 大霊は、十全性そのものであり、完全性をも有していない不完全な霊(あるいは人)が、十全性そのものである大霊を表現することは不可能です
    • 不完全な霊には、大霊の僅かな側面を不完全に表現することしかできないのです
    • ただし、自己の内的成長にともない、僅かずつ、大霊に気づいていくことができるようになります
  • (1000/1000) 大霊は、「神」とも表現されていますが、「神」という語の定義は様々であり、必ずしも大霊を表しているとは限らない点に留意する必要があります
    • 大霊は様々な語で呼び表されていますが、大霊そのものを表している語は存在していません
    • 「大霊」という語もまた、大霊そのものを適切に表せていない不完全な表現です
  • (1000/1000) 大霊は、個体、個性、形体、肉体、人格、性別、などを有している、1人、あるいは、複数の神々、男神、女神、獣神、などではありません
    • 大霊は、自身の都合で行動することはありません
    • 大霊は、特定の者だけを優遇することはありません
    • 大霊は、怒りや憎しみで争うこともありません
    • 大霊は、生贄を求めることもありません
    • これらは、地上での未熟な成長段階にある者が、自己と同じような卑小な存在を想像したことによる妄想です
  • (1000/1000) 宗教団体の思想や各地域の伝承/神話の中で登場する、人/動物の形状をした神々、名称を有している神々は、大霊を指しているのではありません
    • 人格/性別をもって描かれている様々な神々/天使たち、産土神、氏神、鎮守神、地主神、荒神、加えて、キリスト、佛陀、阿弥陀、如来、菩薩、明王、阿羅漢、などは無形界/地上で生活する分霊の名称を指しています
    • ある名称が特定の分霊を指している場合もあれば、成長の程度/生き方などで分類した名称の場合もあります
    • 神像、仏像、その他の物体(御神体)、などの肉眼/霊眼で視える有形的な偶像も、大霊ではなく、分霊を表しています
  • (1000/1000) 大霊を、不完全ながらも、世界/摂理/法則/原素材/生命/実体/霊の7つの側面から捉えた場合には、下記のようになります
    • 世界とは、変化の場として捉えた大霊
    • 摂理とは、変化の計画として捉えた大霊
    • 法則とは、変化の方向性として捉えた大霊
    • 原素材とは、変化の源として捉えた大霊
    • 生命とは、変化の活動性として捉えた大霊
    • 実体とは、変化により生み出された表現として捉えた大霊
    • 霊とは、変化を担う者として捉えた大霊
    • 上記の7つ以外にも、大霊は無数の側面から捉えることができます
(1000/1000) いくつかの側面からみた大霊
(1000/1000) いくつかの側面からみた大霊
完全性/十全性の違い
  • (1000/1000) 完全性とは、あるひとつの側面において、欠点/不足が無いことであり、局所的で狭い範囲を示しています
  • (1000/1000) 十全性とは、全体が統合/調和した、あらゆる側面においての完全性のことであり、全体的な範囲を示しています
    • 語源として、あらゆる方向(東西南北/天地)において完全である状況を表しています
(1000/1000) 語源としての方向性
(1000) 語源としての方向性
  • (1000/1000) 十全性、全知全能、あらゆる全て、無限、無数、万物、森羅万象、世界、などの語は存在していても、それらの語が示している本質を理解することはできません
    • これらの語は、最終的な到達点/終着点があることを前提として造り出された語であり、語の示す段階へ到達した者にのみ、語の本質を理解できます
    • そのため、到達していない者には、語の本質が理解できないだけでなく、最終的な到達点/終着点があるのか/ないのか、到達した者が存在するのか/しないのか、もわからないのです
    • このサイトでは、これらの語が、知識を表現する際に便利なために、適宜に使用しています

世界

  • (1000/1000) 世界とは、変化の場として捉えた大霊そのものです
    • すべての相の有形的な宇宙(有形界)と、無形的な宇宙(無形界)の総合によって構成されています
    • 次元から捉えると、世界は、あらゆる全てを内包しているために、最も低い3次元から無限に続く、すべての次元で構成されています
  • (1000/1000) 世界は、明確な計画と方向性に基づいた結果として、絶え間なく進化し続けています
    • 進化が停滞する状況はあっても、中断/後退する状況はありません
    • 進化の促進する程度に、速い/遅いがみられるだけです
  • (1000/1000) 進化とは、創造と破壊によって生み出される「絶え間ない変化」のことです
    • 創造/破壊は、どちらか一方だけでは成り立たず、お互いが、お互いを基礎としておこなわれます
    • 創造だけでは進化せず、破壊だけでも進化しません
    • 創造/破壊の調和の程度が、進化の促進/停滞(促進する程度)を決めます
    • 創造/破壊が調和しているのならば、進化は促進し(促進する程度が速い)、一方で、創造/破壊が不調和であるのならば、進化は停滞します(促進する程度が遅い)
    • ただし、進化に後退はありません
(1000/1000) 創造/破壊と調和
(1000/1000) 創造/破壊と調和

無形界/有形界から捉えた世界の進化

  • (1000/1000) 無形界/有形界から捉えた場合に、進化を構成する、創造、破壊、創造/破壊の調和、は下記のようになります
    • 宇宙圏無形界は、物事/現象を造化する界
    • 惑星圏無形界は、造化された物事/現象を育成する界
    • 有形界は、無形界によって物事/現象が造化される界
    • 地上で生活する者にとっての有形界は、造化/育成される物事/現象を通して学ぶ界
    • 「造化」の中には、新たに創り出すこと、既にあるものを壊すこと、既にあるものを改変すること、これらの協調を図[はか]ること、が含まれます
    • 「育成」には、これらの協調を高めること、これらの均衡を保つこと、が含まれます
  • (1000/1000) 物事/現象などの表現の造化と育成が、世界を構成する無形界/有形界の進化を促します
    • 無形界が、有形界を造化/育成し、また、有形界での進化の成果が、無形界へと還元されます
    • 無形界の相対的に高い界層は、相対的に低い界層を造化/育成し、低い界層での進化の成果が、高い界層へと還元されます
    • これらの循環が、世界全体の螺旋を描く進化を促しています
(1000/1000) 造化と創造/破壊/調和のつながり
(1000/1000) 造化と創造/破壊/調和のつながり

個体から捉えた世界の進化

  • (1000/1000) 造化は、地上の自然環境、惑星、宇宙、などの広大な範囲だけでおこなわれているものではなく、個体のおこなう「あらゆる行為」も造化であり、外環境の表現を認識するのも、外環境へ表現するのも、個体の活動を維持しているのも造化です
    • 個体のおこなう行為が造化であるが故に、些細な行為のひとつひとつもまた、世界の進化へ影響を与えているのです
    • あらゆる表現に、有している活動性の程度の違いがみられるのも、造化によって、表現へ生命の活動性が付与されているためです
    • 表現へ付与された活動性の程度については、3章9節 精神 #表現の活動性を参照してください

摂理

  • (1000/1000) 摂理とは、世界が進化していくための、変化の計画として捉えた大霊そのものです
    • 摂理は、無限に拡がり、無限に深く、無限に満たされた、無限の強さをもつ、「愛」と「叡智」に大別できます
    • このサイトでは、摂理としての「愛」と「叡智」を、それぞれ「無限の愛」「無限の叡智」と記述しています
  • (1000/1000) 無限の愛には、意図、意志、などが含まれます
    • 無限の愛に含まれる意図は、個々の霊が有する「思いの内容」の総合を表しています
    • 無限の愛に含まれる意志は、個々の霊が有する「思いの強さ/方向性」の総合を表しています
    • 世界という大海の中で、意志が進化の目的地へ向けた羅針盤/推進力となり、意図がこれからの航海の行程を決めることへ譬[たと]えられます
    • ただし、進化の目的(目的地)が何なのかは、完全をも有していない未だ不完全な者には知りようもありません
    • 進化し続けること「そのもの」が、進化の目的(目的地)といえるのかもしれません
  • (1000/1000) 無限の叡智には、知識、情報、経験、などが含まれます
    • 無限の叡智に含まれる知識とは、世界全体の「進化の成果」を表しています
    • 無限の叡智に含まれる情報とは、個々の霊が有する「体験の集積」を表しています
    • 無限の叡智に含まれる経験とは、個々の霊が体験を通して蓄積した「技術/習慣」を表しています
    • 知識がこれまでの航海の成果、情報/経験がこれまでに作成された世界の海図/航海記録を成していることへ譬えられます
  • (1000/1000) 無限の愛/叡智は、互いが互いを補い合うことで、進化のための、変化の計画が出来上がります
    • 愛/叡智のどちらか一方だけでは、計画を建てることはできません
    • 思い(愛)だけでは何もできず、これまでの記録(叡智)だけでは先へ進みません
    • これまでの航海の成果と海図/航海記録を土台に航海の行程を建てて、羅針盤/推進力を用い、目的地へ向け航海していくのです
  • (1000/1000) 摂理は、不変/普遍/敷衍[ふえん]であり、ある時点で変更されることはなく、追加/廃止されることもなく、行き渡っていない範囲もありません
    • 摂理が「ある時点」で変更されることはありません(不変)
    • 摂理は世界全体へ行き渡っており、行き渡っていない範囲はありません(普遍)
    • 摂理は「あらゆる全てのもの」に適応され、適応されないものはありません(敷衍)
  • (1000/1000) 摂理は、世界全体としてだけでなく、個体にも当てはまります
    • 個体の意図/意志が、個体の有する知識/経験を活かして、個体のおこなう行動を決定します
    • 何へ、どのようにして、どの程度に、知識/経験を活かすのかは、意図の内容、意志の方向性/強さが決めることになります

無限の愛

  • (1000/1000) 無限の愛は、あらゆる霊の、自己を自己以外のために役立てたいという「思い」の総体です
    • 自己以外には、他者、動物、植物/鉱物/大地/大気/大海などの自然環境、家族、集団、社会、地域、国家、惑星、銀河、などが含まれます
    • 思いは、思いの内容(意図)、思いの強さ(意志)、思いの方向性(意志)で構成され、その構成の組み合わせによって、無数の表現が造り出されます
    • 愛の無数の表現は、「思い」が与える影響の程度、「思い」の対象となる範囲、などによって、それぞれの特性を有しており、この特性は、精神で造化された表現に付与されている「活動性の程度に相応する特性」としてみられます
    • 愛の表現が有する特性については、3章9節 精神 #表現の活動性を参照してください
(1000/1000) 思いによって造り出される表現
(1000/1000) 思いによって造り出される表現

無限の叡智

  • (1000/1000) 無限の叡智は、刻一刻と増え続ける、あらゆる霊の「すべての記録」の集積です
    • 記録には、知識、情報、経験、に加えて、思考、感情、行動、発言、などの行為と、これらの行為による結果が含まれます
    • これらの記録は、有形界の記録も含めて、無形界の各界層で保管されています
    • 無形界の各界層では、それぞれの界層が担う、世界の進化に影響を与える範囲の拡さに相応する記録が保管されています
(1000/1000) 無限の叡智の仕組み
(1000/1000) 無限の叡智の仕組み
  • (1000/1000) 無限の叡智へ保管されている記録は、自己の同調する活動性の程度を上限とする範囲内で自由に参照できます
    • 自己の記録だけでなく、他者の記録も参照できますが、参照できるのは誠実な性質を有する内容の記録のみとなります
    • 不誠実な性質を有する内容の記録も保管されていますが、参照することで成長を阻碍する可能性があるために、基本的には参照できません
  • (1000/1000) 無形界では、無限の叡智へ貯蔵されている、他者が過去に体験した内容の記録を、文字/映像/音声/印象などとして客観的に参照することもできれば、また、他者が体験した物事の様子を現在に自己が体験しているかのように主観的に参照することもできます
    • 他者が体験した物事の様子を自己が体験しているかのように参照している際には、他者が当時に精神で造化した思考/感情などの内容を自己が造化しているかのように伝わってくる場合もあります
個人/個性/気質/性格/人格/個体/全体の違い
  • (1000/1000) 個人とは、肉眼/霊眼に視える外的な特性のことで、有形体/無形体の形状、行動として表れます
    • 容姿、姿勢、挙措、態度、などが含まれます
  • (1000/1000) 個性とは、肉眼/霊眼に視えない内的な特性のことで、思考、感情、などの表現にみられる方向性/多様性として表れます
    • 人格、性格、気質、などが含まれます
  • (1000/1000) 気質とは、感情にみられる方向性のことで、不誠実な性質を有する習慣と関連しています
  • (1000/1000) 性格とは、気質を土台として現れる言動の傾向のことで、感情という内的な方向性が、外的な言動へ反映されています
  • (1000/1000) 人格とは、体験を通して形成された言動の傾向のことで、誠実な性質を有する習慣と関連しています
    • 人格は、感情を制御し、気質/性格を包み込む役割をあわせもちます
    • 瞬間瞬間の自己に都合の良くない状況へ遭遇すると、性格/気質を包み込んでいる人格が取り払われ、性格/気質による感情的な言動が現れやすくなります
  • (1000/1000) 個体とは、個人と個性の総体です
    • 人を構成する内的構造と外的構造の、両者を総合したものです
  • (1000/1000) 全体とは、いくつもの個体の総体です
    • 全体は、固定された範囲ではなく、全体として認識できる範囲は、個々の成長段階によって異なり、成長にともない、認識できる範囲は拡大していきます
    • 全体の範囲の例として、家族、親族、地域、国家、地上全体、惑星全体、などがあります
(1000/1000) 個人/個性/気質/性格/人格/個体/全体のつながり
(1000) 個人/個性/気質/性格/人格/個体/全体のつながり

法則

  • (1000/1000) 法則とは、世界が進化していくために建てられた変化の計画に基づく、変化の方向性として捉えた大霊そのものです
    • 変化の計画である摂理に基づいて、法則が生み出されています
    • 摂理/法則の関連性は、憲法と法律に譬[たと]えられ、摂理は憲法であり、憲法に基づいて法律(法則)が制定されており、法律に基づいて憲法が創られてはいません
  • (1000/1000) 法則は、摂理と同様に、不変/普遍/敷衍[ふえん]であり、ある時点で変更されることもなく、追加/廃止されることもなく、行き渡っていない範囲もありません
    • 摂理に基づいて法則が生み出された後に、法則が変更されることはありません(不変)
    • 法則よっては、世界全体へ行き渡っている内容の法則もあれば、特定の範囲にのみ行き渡る内容の法則もありますが、一切の法則が行き渡っていない範囲はありません(普遍)
    • 法則よっては、あらゆる全てに適応される内容の法則もあれば、特定の範囲/対象にのみ適応される内容の法則もありますが、一切の法則が適応されないものはありません(敷衍)
  • (1000/1000) 法則は無数にあり、それぞれが一定の規則性/律動性/方向性を有しています
    • それぞれの規則性/律動性/方向性を有する法則が組み合わさることで、更に、いくつもの法則として機能しています
    • 法則には、世界全体の基礎となる法則、有形界にのみ適応される法則、無形界全体に適応される法則、無形界の各界層ごとに適応される法則、霊の成長を規定する法則、などがあります
(1000/1000) 法則の分類と法則の例
(1000/1000) 法則の分類と法則の例
  • (1000/1000) 法則には、特定の活動性の段階でのみ作動している法則と、いくつもの活動性の段階を縦断して作動している法則があります
    • それぞれの活動性の段階で作動する法則は、自己の成長段階に相応する活動性の段階でのみ、気づき、実証することができます
    • 自己の成長段階に相応する活動性の段階で、作動する法則へ気づき実証していくことが、成長段階に相応する「学びの内容」でもあります
    • 自己の成長段階よりも、低い段階の法則は認識できますが、高い段階の法則は認識できません
    • 自己の成長にともない、高い活動性の段階へ移行することによって、その段階での法則に気づくようになります
    • 法則は不変ですが、自己が法則へ気づき実証する際に、自己の法則を「捉える程度」は成長段階によって変化するために、捉える程度が変化したのならば、同じ法則を通して学び得る内容も異なります
(1000/1000) 自己の成長段階と法則の実証
(1000/1000) 自己の成長段階と法則の実証

基礎となる法則

  • (1000/1000) 下記に、世界全体の基礎となる法則の一部を紹介します
    • 基礎となる法則も無数にありますが、地上から気づくことのできる法則は僅かに過ぎません
    • また、基礎となる法則も、無限に成長する過程で、自己の成長にともない、法則の捉え方が変化していきます
    • 下記に紹介している法則の内容は、言語/図表で表現できる範囲のみで表されているだけでしかなく、それぞれの法則の全体像を捉えているのではない点に留意してください

万物流転の法則

  • (1000/1000) 万物流転の法則とは、あらゆる物事/現象は、絶え間なく変化し続けていくことを表した法則です
    • 変化は、創造/破壊に集約され、創造/破壊の組み合わせによる表現として、進化、成長、発展、発達、拡大、退行、衰退、減少、などがあります
  • (1000/1000) 変化が滞る状況はなく、一時停止/休止する状況もありません
    • 肉眼に視える停滞/静止が、変化していない状況を表しているのではありません
    • 肉眼には停滞/静止しているように視えたとしても、肉眼に視えない側面では絶え間なく変化し続けています
    • 加えて、肉眼で捉えられる規模では停滞/静止しているように視えたとしても、肉眼で捉えられないほどに微細な規模や広大な規模では絶え間なく変化し続けています
(1000/1000) 絶え間ない創造と破壊
(1000/1000) 絶え間ない創造と破壊

原因と結果の法則

  • (1000/1000) 原因と結果の法則とは、ある原因がその結果を生み、その結果が次の原因となり、原因と結果のつながりが絶え間なく連綿と続いていくことを表した法則です
    • ある原因が結果を生み出さない状況はなく、必ず原因に相応する結果が生み出されます
    • 原因と結果のつながりは不可逆的であり、ある原因によって生み出された結果は、どのような状況であったとしても、結果が生み出されなかった状況に戻ることはありません
(1000/1000) 原因と結果のつながり
(1000/1000) 原因と結果のつながり
  • (1000/1000) 原因と結果の法則は、他の法則と組み合わさることで、更に多くの法則として機能しています
    • 例として、成長の法則と組み合わさることで、行為の記録などの法則となり、また、自由意志の法則と組み合わさることで、運命の法則として機能します
  • (1000/1000) いくつもの原因と結果の流れが、相互につながり、更に大きな流れを形成しています
    • 無数の小川が、合流を繰り返し、徐々に大きな河川を形成することに譬[たと]えられます
  • (1000/1000) 有形界/地上で肉眼に視える原因が、肉眼に視える結果を直接に生み出しているとは限りません
    • 肉眼に視えない原因/結果の流れがあり、寧[むし]ろ、肉眼に視える流れは、全体の流れの中の、ごく僅かでしかありません
(1000/1000) 原因/結果の肉眼に視えないつながり
(1000/1000) 原因/結果の肉眼に視えないつながり

螺旋循環の法則

  • (1000/1000) 螺旋循環の法則とは、ある規則性をもつ循環を繰り返しながら、徐々に螺旋を描いて進化していくことを表した法則です
    • 有形界での例としては下記があります
    • 自然環境では、四季、昼夜、月の満ち欠け、潮の満ち引き、など
    • 社会では、政治、経済、歴史、での類似する状況の隆盛/衰退など
    • 個人、集団、国家、などの行動にみられる定期的な反復も含まれます
    • これらの推移/遷移の循環によって、以前と全く同じ状況へ戻ることはなく、類似して観える状況がみられるようになるだけで、全く同じ状況がみられることは決してありません
(1000/1000) 循環と螺旋
(1000/1000) 循環と螺旋

原素材

  • (1000/1000) 原素材とは、造化/変化の源として捉えた大霊そのものです
    • 原素材は、あらゆる造化の源であり、大霊は原素材の唯一の源です
    • 大霊以外に、原素材の源はありません
  • (1000/1000) 原素材そのものは、活動性を有していませんが、生命が原素材に活動性を与え、原素材を実体として造化します
    • 水面そのものには、水面に波を立てられませんが、水面は揺らされれば、波を立てられるようになることへ譬[たと]えられます

生命

  • (1000/1000) 生命とは、造化/変化の活動性として捉えた大霊そのものです
    • 生命は、霊の有する意志の強さであり、霊を霊として存在させている根源であり、意志の絶え間ない振動が、活動性そのものといえます
  • (1000/1000) 生命の活動性が原動力となり、原素材に活動性を与え、原素材を変化させて、実体を造り出します
    • 生命によって与えられた活動性の程度が、実体の有する活動性の程度として表れます
  • (1000/1000) 世界を構成する活動性には、無数の性質があり、それぞれの性質には無限の段階があります
    • 活動性の性質は、誠実な性質、不誠実な性質、誠実/不誠実と関係しない性質(その他の性質)、の3つに大別され、それぞれの性質の中に、更に無数の性質が含まれる無限の入れ子構造を成しています
    • 3つに大別される活動性の中で、分霊の有する生命の活動性は、誠実な性質、誠実/不誠実と関係しない性質、の2つを有しています
    • 本来では、不誠実な性質の活動性は存在していませんでしたが、誠実な性質の活動性が変質して、不誠実な性質の活動性を生じるようになりました
    • 活動性の外的な例として、電波は、無数の性質の活動性のひとつであり、電波の周波数には無限の段階があります
    • 活動性の内的な例として、無形体の機能系統(感受系/無象系/有象系)は、それぞれ異なる性質の活動性を有しており、分霊の成長にともない、それぞれの機能系統は無限の段階に変化していきます
    • 無形体については、3章4節 無形体を参照してください
(1000/1000) 活動性の性質と段階
(1000/1000) 活動性の性質と段階
  • (1000/1000) 無形界において、生命の活動性は、無形界の各界層を順次に下降することで、活動性の程度を下げ、有形界の段階まで下がると、物体へ作用を加えるための有形的な作用力(磁気的作用力)となります
    • 磁気的作用力は、引き合う/反発する、の相反した2つの性質を示します
  • (1000/1000) 生命は、4次元に属する磁気的作用力の活動性の段階から、更に活動性を下げることで、物体の3次元の側面を示す「物質」となります
    • 物質そのものには、作用力を示すほどの活動性の程度がありません
    • 4次元に属する磁気的作用力を液体の「水」に譬[たと]えると、3次元に属する物質は固体の「氷」に相当します
    • 肉眼に視えない4次元の磁気的作用力が、物体の4次元の側面へ、はたらきかけ、物体が変化することで、変化した中の3次元の側面が肉眼で視えるようになります
  • (1000/1000) 生命の活動性が、各界層を順次に上昇して、活動性の程度を上げる状況はありません
    • 上流から下流に向けて流れるのみであり、逆流することはないのです
(1000/1000) 活動性の程度の移行
(1000/1000) 活動性の程度の移行
  • (1000/1000) 生命の活動性の程度は、肉眼には視えない無形的な輝きの程度として現れます
    • 活動性が高いほどに輝きは強くなり、逆に、活動性が低くなるにつれて、輝きは弱く暗くなります
    • 無形的な輝きは、霊眼(無形体を通して視るという認識)で視ることができます
    • 無形的な輝きの例として、無形界の各界層の輝きの程度、霊の成長の程度による無形体の輝き、鉱物/植物の放つ輝きの程度、文字/図表へ付与された活動性の程度による輝き、などがあります
  • (1000/1000) 活動性は、下げた程度の大きさに相応して、作用させることのできる量/範囲が増大していきます
    • ある活動性の程度で構成される界層で、界層に相応する活動性の程度を作用させるよりも、ある活動性の程度を相対的に低い界層で作用させるほどに、作用させることのできる量/範囲が増大します
    • 数値で譬[たと]えると、活動性の程度を下げずに作用させる量/範囲を1とした場合に、下記のようになります
    • 活動性の程度を1下げた場合では、作用させる量/範囲は101(10の1乗)増大します
    • 活動性の程度を100下げた場合では、作用させる量/範囲は10100(10の100乗)増大します
    • 活動性は、程度を下げずに作用させた際の影響力と、程度を下げて作用させた際の総合的な影響力が、同等の大きさを有しています
(1000/1000) 活動性の程度と作用させることのできる量/範囲
(1000/1000) 活動性の程度と作用させることのできる量/範囲

実体

  • (1000/1000) 実体とは、造化/変化により⽣み出された、表現として捉えた⼤霊そのものです
    • 原素材へ生命(活動性)が与えられることで、実体が造り出されます
    • 実体には、物体、物体の変化、などの、肉眼に視える表現と、肉眼には視えない表現があります
    • 肉眼に視えない表現の中には、無形界の外環境の物事/現象、外的構造の有形的な形状の無形体、などの霊眼で視える表現と、思考、感情、知識、などの霊眼では視えない内的構造で造化される表現があります
  • (1000/1000) 生命の活動性と、原素材は、実体を造化するためにあり、実体を造化する以外の用途はありません
    • 物体を造り出すのも、物体を活動させるのも、精神で表現を造化するのも、有形体を維持/動作/発話させるのも、無形体の形状を変化させるのも、外環境へ表現するのも、全て造化です
(1000/1000) 実体の分類
(1000/1000) 実体の分類

  • (1000/1000) 霊とは、あらゆる造化/変化を担う者として捉えた大霊そのものです
    • 霊のみに、原素材へ生命の活動性を与えて、実体を造り出すことができます
    • 無形界で生活する霊だけでなく、人/脊椎動物も地上で生活している霊です
  • (1000/1000) 霊は、大霊から分割された個々の分霊でもあり、また、全ての分霊の総体が、大霊のひとつの側面としての霊でもあります
    • 分霊は、個体にとっての「自己そのもの」であり、成長の対象です
    • 大霊は、あらゆる全てを内包する世界のために、すべての次元から構成されており、この構成には3次元の範囲を含みますが、一方で、大霊から分割された分霊は、4次元以上の範囲で構成されています
    • 個体としての意識を有する分霊の総体を、「大霊の心」と呼んでおり、個体のおこなう活動へ影響を与えます
    • 大霊の心は、個体としての意識を有する分霊の総体を表しているために、分霊と同様に、4次元以上の範囲で構成されており、3次元の範囲は含まれていません
    • 分霊については、3章3節 分霊を参照してください
(1000/1000) 造化にみる大霊の側面のつながり
(1000/1000) 造化にみる大霊の側面のつながり

至言の紹介

(1000/1000)「瀞沁」 
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
世界とは
箱庭を作っている枠のことではありません
誰かが箱庭の外から庭の様子を眺めて
微笑んでいるのでもありません
世界は、枠という境界線のない
どこまでも広がる庭そのものなのです

ですが、庭は誰にとっても同じ庭ではありません
広大な庭の片隅に立つ自己の眼前に映るものが
明確な実体のある今の自己の庭です
自己が成長すれば、自己の庭もまた
果てしなく拡がり続けていくのです

そして、ある時に
自己も庭の一部であると気づくのです
(1000/1000)「瀞沁」
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
真実も、愛も、叡智も
何処[どこ]か遠くにあるのではありません
何処か特別な場所にあるのでもありません
あらゆる場にあるのです
あらゆる時にあるのです
自己を通して自己が体現することで
眼前に拡がっているのです
(1000/1000)「瀞沁」
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
目的地が遥か彼方[かなた]にあったとしても
進行方向の確認と歩き続ける意志があるのならば
歩む速さに関わらず
いずれは目的地へ辿り着けます

進行方向の確認を怠れば道に迷い
歩き続ける意志が無ければ先へ進みません
どちらも常におこなうからこそ
目的地へ向かえるのです

何かを成し遂げるのも同様です
成長を求め実践するのも同様です
絶え間ない強い意志で
適切な過程を通り続けるからこそ
着実に成されるのです

質疑応答

  • それぞれの質問文を押すと、応答文が表示/非表示されます
    • すべての応答文を一括して開くには、「すべての質疑応答を開く」ボタンを押してください
    • すべての応答文を一括して閉じるには、「すべての質疑応答を閉じる」ボタンを押してください

大霊全般について

(1000/1000)

 地上で生活する人の成長段階で認識できる範囲の中から、ごく僅かな部分を強引に抜き出して表現するのならば、万物/森羅万象に感じる「美しさ」として表される輝きが、大霊の顕現といえます。万物/森羅万象に美しさを感じ取るように努めていくことで、徐々に大霊を実感できるようになります。ただし、美しさは、大霊の僅かな側面を表しているだけに過ぎない点に留意してください。

 大霊の顕現の中には、美しさとして表れている万物/森羅万象の放つ輝きと、自己が輝きを美しいと感じ取る認識の両者が含まれます。そのため、万物/森羅万象は常に様々な強さの輝きを放っていますが、利己的/自己中心的な生き方や、物的な物事へ偏重する生活をしていると、万物/森羅万象の放つ輝きを美しいと感じ取れない場合もあります。美しさは、今この瞬間瞬間に意識を集中していくことで、一層に強く感じ取れるようになります。一瞬よりも前の過去ではなく、一瞬よりも先の未来でもなく、移り行く今の瞬間瞬間に意識を集中します。

 なお、地上から肉眼で認識できる万物/森羅万象には、大気/大地/大海/湖/山/渓谷などの自然の造形や、植物/鉱物だけでなく、地上で生活する人、動物、人の造り出した様々なもの、なども含まれます。万物/森羅万象は、輝きという生命の活動性を有する霊(人を含む)と、霊によって付与された活動性を有する表現の総体なのです。表現へ付与された活動性については、3章9節 精神 #表現の活動性を参照してください。

 地上で生活する人の間でも、無形界で生活する霊の間でも、双方の成長段階に乖離[かいり]が拡がるほどに、相対的に低い成長段階の者には、高い成長段階の者が造化する物事を認識/理解/実感できなくなります。一方で、双方の成長段階に乖離が狭くなるほどに、相対的に低い成長段階の者にも、高い成長段階の者が造化する物事を認識/理解/実感しやすくなります。地上で生活している人は、成長の程度に関わらず基本的に誰もが、大地、大気、大海、地殻内部、鉱物、植物、無脊椎動物、などの「無形界の担当者たちが有形界/地上へ造化している物事/表現」の物的な側面を、有形体を通して認識/理解/実感できます。そして、成長の程度が向上するほどに、これらの物事/表現の無形的な側面(美しさ/輝き)を、無形体を通して認識しやすくなり、また、理解/実感できるようになります。

 この質疑応答に関連する内容には、3章3節 分霊 #質疑応答の「自己の属する次元と、つながりのある次元は、どのような違いがあるのですか?」がありますので参考にしてください。

進化

(1000/1000)

 世界の進化とは、相対的に高い活動性の範囲での、拡い多様性を有する表現の造化を増大させていくことを表しています。相対的に高い活動性の範囲で造化される表現の量を増大させ、同時に、表現の質として表れる「表現の内容が有する多様性」を拡げることが、世界の進化を促進させます。

 表現の量から捉えた場合では、大霊(世界)としての全体からみれば、大霊を構成する無数の性質の活動性は常に無限の程度を有していますが、無限の活動性の程度が均等に造化した表現へ付与されて、不変/普遍の外環境へ表現されているのではありません。不変/普遍の外環境へ表現されている表現に付与された活動性の程度には、多くの表現へ付与されている活動性の範囲や、少ない表現へ付与されている活動性の範囲がみられ、活動性の範囲ごとに表現されている表現の量には偏りがみられます。あらゆる分霊によって不変/普遍の外環境へ表現されている、相対的に高い活動性の範囲で造化される表現を増大させ、相対的に低い活動性の範囲で造化される表現を減少させて、造化される表現の量を高い活動性の範囲へ偏らせていく状況が、世界の進化が促進していることを表しています。

 一方で、相対的に高い活動性の範囲で造化される表現が増大せずに(造化される表現が減少することはありません)、相対的に低い活動性の範囲で造化される表現が増大して、造化される表現が高い活動性の範囲へ偏らせ難くなる状況が、世界の進化が停滞していることを表しています。世界を構成する大部分は高い活動性の程度を有している宇宙圏無形界であり、相対的に高い活動性の範囲で造化される表現の量が減少する状況はないために、世界の進化が退行することはありませんが、相対的に低い活動性の程度を有している惑星圏無形界/地上での、低い活動性の範囲で造化される表現の量が増大すると、造化される表現を高い活動性の範囲へ偏らせ難くするように、はたらきます。

 表現の質から捉えた場合では、表現の内容に表れる多様性は、世界の進化へ影響を与える範囲の拡さを示すことになります。様々な活動性の程度を縦(垂直)の範囲として表した場合に、この多様性による範囲は横(水平)の範囲として表すことができます。表現の内容に表れる多様性が狭いのならば、どれほどに高い活動性の範囲で造化される表現の量が増大したとしても、類似した表現ばかりが増大するだけであり、発展/発達がみられません。これは、ある音階での単一の音が鳴り続けている状況へ譬[たと]えられ、鳴る音が低い音階から高い音階へ移行したとしても、単一の音が鳴り続けているだけになります。一方で、表現の内容に表れる多様性が拡がれば、造化される表現の量が増大するのにあわせて、相互につながりのある様々な内容の表現が増大し、発展/発達を示すようになります。これは、様々な音階での複数の音が組み合わさり交響曲を奏でることへ譬えられます。

 表現の内容に表れる多様性の拡がり(水平方向の範囲)は、分霊が有する知識の貯蔵量や経験へ保存される習慣の多さと関連していますが、知識/経験を活用できる程度は、分霊の成長の程度や同調する活動性の程度(垂直方向の範囲)に影響を受けます。分霊の成長の程度/同調する活動性の程度が相対的に低ければ、どれほどに多くの知識/経験を貯蔵/保存していたとしても、知識/経験を様々に組み合わせて表現の造化へ活かすことができず、表現の内容に表れる多様性は狭くなります。分霊の成長の程度/同調する活動性の程度が高くなるほどに、知識/経験を様々に組み合わせて表現の造化へ活用できるようになり、表現の内容に表れる多様性は拡大していきます。

(1000/1000) 世界の進化と表現の活動性/多様性
(1000/1000) 世界の進化と表現の活動性/多様性

 上述の内容を言い換えると、低い成長の程度では、造化した表現へ付与する活動性の程度は低く、表現へ表れる多様性も狭いために、世界の進化を促進させ難いですが、一方で、成長の程度が高くなるほどに、造化した表現へ付与する活動性の程度は高く、表現へ表れる多様性も拡くなるために、世界の進化を促進させやすくなります。個体の観点からみると、同調する活動性の程度を高め、成長の程度を向上させて、拡い多様性のある表現を造化していくことは、周囲の様々な状況を包括して認識できる状況や、周囲へ配慮ある適切な発言/行動をおこなえるようになる状況とも密接に関連しています。外環境を認識する際にも、外環境へ表現する際にも、常に表現(行為)を造化しているためです。

 なお、世界の進化を表す無限の活動性の範囲は、誠実の性質に区分される活動性によって示されており、不誠実の性質に区分される活動性や、誠実/不誠実の性質と関係しない他の性質の活動性では示されていません。誠実/不誠実の性質と関係しない他の性質の活動性は、表現へ付与される際には、常に、誠実の性質の活動性、あるいは、不誠実の性質の活動性と組み合わせて付与されています。不誠実の性質の活動性が付与されるような不誠実な表現では、誠実の性質の活動性が同時に付与されていたとしても、誠実の性質の活動性が有する程度は極めて低いために、世界の進化を強く停滞させるように、はたらきます。表現に付与された活動性の性質については、3章9節 精神 #質疑応答の「表現へ付与された活動性の程度は、生命の有する無数の性質をもつ活動性と、どのようなつながりがありますか?」も参考にしてください。

 加えて、世界の進化とは、不完全性から完全性へ、また、完全性から十全性へ向けて発展していくことを表しているのでもありません。世界そのものは常に十全性であり、不完全性/完全性を有していません。世界の進化とは、十全性に基づいて、十全性が、十全性のままに変化する状況を指しています。世界が有している十全性とは、不完全性という出発点に対する到達点を指しているのではなく、「あらゆるもの」の不変/普遍の土台/骨格を表しています。大霊の十全性を有する法則に基づいておこなわれる、あらゆる分霊の絶え間ない表現の造化によって、十全性を有する世界へ表現(造化)されている無数の表現が変化していくのです。分霊の絶え間ない表現の造化が、世界の肉付けであり、変化(世界の進化)を表しています。

 なお、世界(大霊)は常に十全性を有していますが、大霊より分割された分霊は不完全性を有しており、この不完全性という出発点から無限に成長し続け、十全性という到達点を目指すことになります。分霊については、3章3節 分霊を参照してください。

(1000/1000)

 はじめに、不変/普遍の外環境(世界)にみられる進化/発展/発達については、この節の質疑応答の「世界の進化とは、何を表しているのですか?」を参照してください。

 不変/普遍の外環境と、不変/普遍の外環境へ可変/偏重して造化されている無数の表現(情報/物事/現象/出来事)は同じではありません。両者を混同しないように留意する必要があります。不変/普遍の外環境は、大霊の摂理に基づいて構成されている無数の法則そのものであり、不変/普遍で敷衍[ふえん]しています。無数の法則は、不変/普遍の外環境の土台であり「骨格」に相当しますが、造化された表現(実体)ではありません。法則の「はたらき」が変化することはなく、常に一定の規則性/律動性/方向性で作動しています。また、外環境の全体へ作動する法則もあれば、特定の範囲/対象のみへ作動する法則もありますが、作動する範囲/対象が変化することもありません。

 一方で、不変/普遍の外環境へ造化されている無数の表現は、無数の法則を土台として造化された実体であり、不変/普遍の外環境の「肉付け」に相当します。無数の表現は、造化によって付与された活動性の程度や表現の内容が様々に変化し、ある活動性の範囲へ偏重して造化されます。この造化される範囲の偏重や、表現の内容が様々に変化する多様性が進化/発展/発達としてみられます。

(1000/1000)

 進化は、万物/森羅万象の中の、極小のものから極大のものまで、「あらゆるもの」の中でおこなわれています。進化は入れ子構造を成しており、小さな範囲の中で、創造/破壊と、創造/破壊の調和があり、これらが徐々に大きな範囲の創造/破壊と創造/破壊の調和へと統合されていきます。

(1000/1000) 進化の入れ子構造
(1000/1000) 進化の入れ子構造

 

 肉体と呼ばれている有形体の3次元の側面を例とした場合では、肉体を構成する細胞のひとつひとつの中で、創造/破壊/調和があり、細胞と細胞の間にも創造/破壊/調和があります。そして、いくつもの細胞が集まり形成された組織、組織が集まり形成された機能系統にも、それぞれの創造/破壊/調和があります。それぞれの創造/破壊/調和からなる進化が統合されて、有形体の成長、物理機能の発達、構造体としての維持、などの有形体の進化を現すようになります。

 なお、創造が善、破壊が悪というわけではありません。大切なのは、創造/破壊の均衡(調和)です。肉体と呼ばれている有形体の3次元の側面を例とした場合では、体内でのガン細胞の増殖は「創造」になり、免疫細胞によるガン細胞の捕食は「破壊」に相当します。創造のみであれば、ガン細胞は際限なく増殖し続けることになり、一方で、破壊のみであれば、免疫細胞がガン細胞以外の正常な細胞まで捕食し続けて、他の異常を誘発することになります。創造/破壊の均衡(調和)がとれているからこそ、正常な肉体が維持されているのです。

 地上社会で物的にみられる典型的な破壊の例には「戦争」、典型的な創造の例には「高層ビル/住宅/建築物の乱立」が挙げられ、どちらも社会の成長(物的な発展ではなく霊的な成長を指しています)を阻碍/退行させるように、はたらいています。ただし、物的な規模が小さければ、あるいは、戦争による破壊と高層ビル/住宅/建築物の造化(創造)に均衡/調和があれば、戦争や高層ビル/住宅/建築物の乱立が社会の成長を促進させるということではありません。物的な規模が小さかったとしても、戦争や高層ビル/住宅/建築物の乱立という「物事そのもの」が社会の均衡/調和を崩しており、社会の成長を阻碍/退行させている点に留意してください。

 戦争、高層ビル/住宅/建築物の乱立、資源と呼ばれる様々な鉱物/植物/化石燃料の大量採掘/大量消費、河川/湖沼/海/土壌の汚染、他国/他地域からの搾取/掠奪、特定の民族/人種/部族/氏族の差別/迫害/虐殺、対立/紛争の助長/激化、陰口/中傷の拡散、暴動/騒乱の煽動、などの物的な物事を造り出している土台となる「有形的/無形的な物事(行為の目的を含む)」が創造/破壊の不均衡/不調和を有しているために、これらを土台に造り出された「物的な物事」も、物的な規模に関わらず、創造/破壊の不均衡/不調和を有しているのです。行為の目的については、5章1節 修養の生活 #質疑応答の「行為をおこなう際の「行為の目的」とは何を表しているのですか?」を参照してください。

摂理

(1000/1000)

 「愛」と「恋愛」の語で明確に区別できるわけではありませんが、両者は異なります。

 愛は、自己を自己以外へ役立てたいという思いを表しており、自己が行為をおこなうことで、自己を役立てられる喜びを得ますが、一切の見返り、期待、報酬、などを求めません。愛を自己に与えてもらいたいと他者/自己以外へ催促/要求する状況はなく、常に自己が他者/自己以外へ与えます。

 恋愛は、自己以外(他者)を自己へ役立てたいという思いを表しており、自己が行為をおこなうことで、他者からの見返り、期待、報酬、などが得られる状況を求めており、それらが得られなければ、怒り、悲しみ、落胆、などの感情を生み出させます。これは、自己に利益を与えてもらいたいと他者/自己以外へ催促/要求しているのです。

 恋愛や、好き/嫌いの判断は、快/不快の感情と密接に関連しており、瞬間瞬間の自己の都合で判断基準が変化します。そのため、相手の応対/反応によって、ある時には「好き」と判断したものが、別の時には「嫌い」と判断するようになるのです。快/不快の感情については、3章9節 精神 #感情を参照してください。

 一方で、愛は、全体(大霊)の判断基準を土台としているために不変です。相手の応対/反応によって好き/嫌いを判断する状況はなく、「好き/嫌いの軸線上」で物事を捉えません。軸線上での捉え方については、4章4節 覚醒 #質疑応答の「覚醒者が認識の表現に用いる非二元性とは何ですか?」を参照してください。

 なお、このサイトでは、愛と恋愛を「行為の目的」で区別しています。欧米諸国では、アガペー(全体愛)、エロース(性愛/愛欲)、フィリア(隣人愛/友愛)、ストルゲー(家族愛)、などが認知されていますが、これらは「行動の対象」で区別されています。

(1000/1000)

 愛は、有する活動性の程度によって様々な特性がみられ、それぞれの特性ごとに意識の受ける感覚は異なりますが、それらの感覚の中で、それぞれの特性に共通する感覚には、「静かで限りない力強さをもつ無限の可能性」として感じ取る感覚があります。「静かで限りない力強さをもつ無限の可能性」として感じ取る感覚は、記述からは「どのような感覚なのか?」を実感し難いですが、自己の体験を通して実感することができます。意識の受ける感覚については3章8節 意識、愛の様々な特性については3章9節 精神 #表現の活動性を参照してください。

 愛に共通してみられる「静かで限りない力強さをもつ無限の可能性」として感じ取る感覚は、それぞれの特性から受ける感覚の土台となる感覚であり、それぞれの特性から受ける感覚を包み込むような感覚として感じ取ることができます。そのため、それぞれの特性から受ける感覚は、表現へ生命の活動性を付与する個々の分霊を表している感覚といえますが、一方で、「静かで限りない力強さをもつ無限の可能性」として感じ取る感覚は、大霊そのものを表している感覚ともいえます。

(1000/1000)

 無形界に「無限の叡智」という特定の構造物としての保管庫があるのではなく、分霊そのものが保管庫を成しています。個々の分霊が、これまでのあらゆる自身の体験、行為(思考/感情/発言/行動)、知識、経験、などを保管しており、分霊の総体が大霊でもあるために、個々の分霊が保管している内容の総体が無限の叡智となります。なお、個々の分霊が得た体験や、おこなった行為(思考/感情/発言/行動)は情報に相当し、知識とともに、個々の分霊の有する記録の機能特性へ貯蔵されています。

 分霊は、これまでに同調してきた活動性の程度までの、すべての活動性の範囲とつながりを有しているために、自己が様々な成長の程度で、様々な活動性の程度を付与して造化してきた表現が、それぞれの活動性の程度に相応する界層へ保管されていることになります。保管される記録は誠実な内容だけでなく、不誠実な内容も保管されます。不誠実な内容の記録は、人霊界の最も低い界層(誠実な性質を有する界層)に保管され、地獄層(不誠実な性質を有する界層)では管理されません。分霊については、3章3節 分霊を参照してください。

(1000/1000) 無限の叡智と分霊の有する記録
(1000/1000) 無限の叡智と分霊の有する記録

 分霊は大霊から分割されただけであり、大霊から独立した存在ではないために、あらゆる分霊は常に相互のつながりを有しています。このつながりによって、他の分霊が保管している内容を参照することができます。ただし、他者の記録を参照できる範囲は、自己の成長段階に相応する活動性の範囲までの記録となり、自己の成長段階よりも高い活動性の範囲の記録は参照できません。

 同様に、ある活動性の範囲を有する界層からは、分霊の有する記録の中で、界層の活動性の程度よりも相対的に低い活動性の範囲にある記録は参照できますが、界層の活動性の程度よりも高い範囲にある記録は参照できません。

(1000/1000) 無限の叡智と分霊の有する記録の参照
(1000/1000) 無限の叡智と分霊の有する記録の参照

 なお、無限の叡智へ貯蔵/保管される記録は刻一刻と増大し続けていますが、無限の叡智という貯蔵庫/保管庫の構造は不変です。無限の叡智へ貯蔵/保管される記録と、無限の叡智という貯蔵庫/保管庫そのものは、異なるものを指しているという点に留意してください。これは、倉庫と、倉庫に保管されている荷物へ譬[たと]えられ、どれほどに倉庫から荷物を出し入れ(変化)しても、倉庫そのものは荷物の出し入れによって変化することはありません(不変)。無限の叡智という貯蔵庫/保管庫の構造が、刻一刻と増大する記録を一定の規則に基づいて整理/分類し貯蔵/保管するように、はたらいています。ある時点で、整理/分類する規則(構造)が変更されることはないために、これまでの無窮[むきゅう]の期間に貯蔵/保管されてきた膨大な記録を、現在でも即時に参照することができるのです。

(1000/1000)

 地獄層や地上では、無限の叡智が管理されていません。地獄層で生活する地獄者/地縛者の成長段階は極めて低いために、地獄者/地縛者の記録は、人霊界の最も低い界層で保管/管理されます。無限の叡智には、自身の自由意志で行為をおこなっている、あらゆる分霊の記録が例外なく保管されており、地上で生活する人、無形界の天霊界で生活する天霊、人霊界で生活する人霊、だけでなく、地獄層で生活する人霊(地獄者/地縛者)の記録も保管されています。地獄層については2章4節 無形界の構造、地獄層で生活している地獄者/地縛者については2章6節 無形界の生活を参照してください。

 地獄層で生活する地獄者/地縛者の記録が地獄層で管理されないのは、地獄層は本来では人霊界に存在していない界層であり、惑星の進化の程度(地上社会の成長の程度)が向上していくことで、いずれは存在しなくなる可能性もあるためです。また、惑星の進化の程度(地上社会の成長の程度)が下降することで、一旦は存在しなくなった地獄層が再度に形成される可能性もあり、界層の存在が不安定で、永続して記録を保管できないのです。地上での利己的/自己中心的で不誠実な生き方へ囚われた者たちが有形体の使用期限を迎えた後に無形界へ戻って地獄層を造り出したのであり、すべての人が地上で誠実な生き方をするようになれば地獄層は造り出されません。逆に、多くの人が地上で不誠実な生き方をするようになれば、地獄層が造り出されるようになります。

 地獄層と同様に、地上で生活する人の記録が地上で保管されないのは、地上(有形界)は無形界のように様々な活動性の程度が界層によって区分されることなく同じ場に混在しており、様々な記録へ付与されている活動性の程度ごとに記録を分類/管理できないためです。付与されている活動性の程度によって記録を分類/管理しておくことで、分霊が、それぞれの成長段階(同調する活動性の程度)に相応する記録を検索/参照できるのです。

 無限の叡智へ保管されている、あらゆる記録は、自身の同調する活動性の程度に相応する範囲内で自由に検索/参照できますが、人霊界の最も低い界層に保管されている地獄層で生活する地獄者/地縛者の記録、加えて、地上で利己的/自己中心的な生き方をしている人の記録は、本人以外には検索/参照できません。これは、地獄層で生活する地獄者/地縛者の記録や、地上で利己的/自己中心的な生き方をしている人の記録が不誠実な性質を有しているのと関連しており、不誠実な記録の内容は参照/閲覧することで成長を阻碍する可能性があるためです。地獄者/地縛者が地獄層を脱出し誠実な生き方へ努めるようになれば、これまでの生き方を内省して自身の成長へとつなげるために、自身の地獄層での記録は検索/参照できるようになります。

 なお、動物霊も分霊ですが、動物霊には自由意志の法則が適用されておらず、自身の意志で行為をおこなっている(表現を造化している)のではないために、無限の叡智には記録されていません。自身の自由意志による自覚的/無自覚的な選択に基づいて行為をおこなっている人霊(人)/天霊の記録が無限の叡智へ保管されています。自由意志の法則については、4章6節 自由意志/運命を参照してください。

 この質疑応答に関連する内容には、2章6節 無形界の生活 #質疑応答の「誠実な生き方へ努めている人霊界からのみ再授肉するのであれば、地上で不誠実な生き方をした後に無形界へ戻ると人霊界での記憶を思い出すために、地獄層で生活しようとはしないのではありませんか?」がありますので参考にしてください。

法則

(1000/1000)

 上位の活動性の段階(上位の界層)で適用される法則を、相対的に下位の活動性の段階(下位の界層)で作用させることはできます。作用させることができるのは、いくつもの活動性の段階を縦断している法則に限ります。それぞれの活動性の段階(各界層)ごとに適用されている法則には当てはまりません。

(1000/1000) 上位の段階での作用を下位の段階へ適用させる
(1000/1000) 上位の段階での作用を下位の段階へ適用させる

 いくつもの活動性の段階を縦断している法則では、上位の界層に相応する段階での作用を下位の界層で作用させようとした場合に、下位の界層に相応する段階での作用よりも、上位の界層に相応する段階での作用が優先して適用されるようになります。ただし、上位の界層に相応する段階での作用は、下位の界層に相応する段階ではみられない作用(下位の界層に相応する作用を超えた作用)を与えるために、無制限におこなえるのではありません。作用させる下位の界層で、どの程度の影響を、どれくらいの範囲へ与えることになるのかを詳細に検討し、周到に準備したうえで作用させます。物理法則を例とした場合では、有形界の活動性の範囲よりも高い活動性の範囲にある無形界の界層に相応する法則の段階を有形界(地上)へ適用することで、有形界に相応する段階で現れる物理法則の作用を超える「地上では検証不可能な物理作用」を発現させます。この発現方法は、スピリチュアリズムとして無形界から地上へ「はたらきかけ」がおこなわれた初期にも用いられています。具体的な内容は、1章5節 宗教/スピリチュアリズム #質疑応答の「スピリチュアリズムでは、地上へどのようなはたらきかけがおこなわれてきたのですか?」を参考にしてください。

 なお、地上で生活する人の中には、有形界に相応する物理法則の段階を超える物的/有形的な現象(社会では超常現象/超能力とも呼ばれている)を顕現させることのできる者もいますが、有形界に相応する物理法則の段階を超える物的/有形的な現象を顕現させることが高い成長の程度を示しているのではなく、また、成長するほどに有形界に相応する物理法則の段階を超える物的/有形的な現象を顕現できるようになるのでもありません。人が有形界に相応する物理法則の段階を超える物的/有形的な現象を顕現させるのは、本人の有している地上での役割に基づいており、多くは天使たちの多大な支援/援助によっておこなわれています。地上での役割については、4章2節 有形界での成長を参照してください。

(1000/1000)

 万物流転も、諸行無常も、語の示す方向性が異なるだけで、「変化し続ける」という同様の内容を表しています。ただし、万物流転や諸行無常は、「世界には不変が存在しない」ことを表しているのではありません。

 流転は、滞留することなく流れ続ける様子を指しており、一方で、無常は、停止することなく動き続ける様子を指しています。そして、万物や諸行が指しているのは、世界を構成する枠組み/構造を土台/骨格として存在する「肉付け」の部分であり、世界を構成する枠組み/構造や、世界そのものを指しているのではない点に留意してください。肉付けの部分は絶え間なく変化し続けていますが、枠組み/構造は不変です。

 世界を構成する枠組み/構造には、下記が例に挙げられます。これら以外にも、世界には無数の枠組み/構造があります。

  • 無限の叡智、無限の愛、の摂理そのものは不変です
  • 自由意志、運命、行為の記録、教導系譜、有形界の物理法則、などの法則が有する律動性/規則性は不変です
  • 分霊、心、意識、精神、などの無形的な構造そのものは不変です
  • 表現、行為、物体、物事、現象、無形体の機能系統、有形体の機能系統、などの物的/有形的/無形的な「造化されたもの」の構造そのものは不変です

 世界を構成する枠組み/構造を土台/骨格として存在する「肉付け」の部分には、下記が例に挙げられます。上段に土台/骨格となる不変の枠組み/構造の名称、下段に変化する肉付けの内容を記載しています。

  • 無限の叡智
    • 保管される記録の量/程度が変化します
  • 無限の愛
    • 自己を自己以外のために役立てたいという「思い」の内容、思いの強さ/方向性、対象とする範囲が変化します
  • 法則
    • 法則に基づいて生み出される内容が変化します
  • 分霊
    • 同調する活動性の程度、成長の程度が変化します
    • 機能特性の活性の程度が変化します
  • 意識
    • 認識する範囲、認識/理解する程度が変化します
  • 精神
    • 表現を並列/並行して造化する速さ、表現を並列/並行して造化する量、造化する表現の程度が変化します
  • 表現、行為、物体、物事、現象、無形体の機能系統、有形体の機能系統、などの「造化されたもの」
    • 造化される量、造化される内容、造化される物的/有形的/無形的な形状、付与される活動性の程度、世界の進化へ与える影響の大きさ、などが変化します

 肉付けとなる内容の範囲、程度、量、速さ、強さ、大きさ、などが変化しても、枠組み/構造そのものへ影響を与える状況は一切なく、枠組み/構造そのものが変化することはありません。枠組み/構造そのものが変化しないからこそ、肉付けの部分が秩序をもって変化できるのです。

(1000/1000) 世界を構成する変化と不変
(1000/1000) 世界を構成する変化と不変

(1000/1000)

 有形的認識に基づいて捉えると、変化と不変は相反しているようにみえるために、不変は存在しないようにみえますが、一方で、無形的認識に基づいて捉えれば、絶え間ない変化の中に不変があり、不変の中に絶え間ない変化があることへ気づくようになります。これは、大霊の法則は不変でありながら、法則に基づいて生み出される、あらゆる物事/表現は絶え間なく変化している状況を指しています。しかし、法則へ直接に気づくことはできません。絶え間なく変化する物事/表現を通して、不変の法則へ気づくようになるのです。

 変化(物事/表現)と、不変(法則)のつながりは、川の流れを遠くから視ると静止してみえますが、近くから視ると決して留まることなく流れ続けている状況に譬[たと]えられます。常に変化/不変は表裏一体であり、自己が物事を捉える認識の範囲を変えれば、変化を捉えることも、不変を捉えることもできるようになります。また、人の構造での例として、自己の有する意識は、常に自己と認識しており、どれほどに成長の程度が高くなっても自己以外の認識へ変わることはないために、自己と認識する意識は不変ですが、意識を構成する分霊の心、物質の心、大霊の心の割合は絶え間なく変化し続けています。意識については、3章8節 意識を参照してください。

(1000/1000)

 原因と結果の法則に基づいて、特定の原因が、常に特定の結果を生み出すとは限りません。その時その時の状況によって、特定の原因から様々な結果が生み出されます。同様に、特定の結果を生み出す原因も、その時その時の状況によって異なります。

 原因と結果の「つながり」の基本は、原因から捉えると、ある無形的な内容が、特定の物的な内容として現れるとは限らず、その時その時の状況によって様々な内容の物的な物事を生み出します。また、複数の無形的な内容が相互に影響を与え合い、特定の物的な内容を生み出します。逆に、結果から捉えると、ある物的な内容の原因が、特定の無形的な内容とは限らず、様々な内容の無形的な物事を原因として生み出されています。また、ある物的な内容の原因には、複数の無形的な内容があり、ひとつの無形的な内容が原因とは限りません。

(1000/1000) 複数の原因が生み出す複数の結果
(1000/1000) 複数の原因が生み出す複数の結果

 上記の「原因/結果のつながり」は、物事/現象/出来事を考察する際や、自己の行為/内面を内省する際に、眼前に現れている「ひとつの結果となる内容」を通して、結果を生み出した「複数の原因となる内容」を辿[たど]り、「それぞれの原因となる内容」と結果との関連性(つながりの強さ)を把握していくうえで重要な点となります。「原因/結果のつながり」を記述として読むと複雑で難解に感じられますが、実際に生活の中で考察/内省する際には、比較的に難解ではありません(容易ともいえません)。関連性については、1章1節 サイトを読むにあたって #質疑応答の「関係性と関連性は、どのように違うのですか?」を参照してください。

 この質疑応答に関連する内容には、5章1節 修養の生活 #質疑応答の「考察/内省は、どのようにおこなうのですか?」がありますので参考にしてください。

(1000/1000)

 書物などで、原因/結果の流れは存在しないと記載されている場合もみられるのは、肉眼に視える、あるひとつの物的な原因が、ひとつの物的な結果を造り出しているのではないということを指しています。原因と結果の法則は、肉眼に視える物的な原因だけでなく、肉眼に視えない有形的/無形的な原因や、無数の有形的/無形的な原因と結果のつながりが相互に組み合わさり影響を与えあって、ひとつの肉眼に視える物的な結果として現れています。

 あるひとつの物的な結果を造り出す無数の有形的/無形的な原因は、それらを造り出す無数の有形的/無形的な他の原因が相互に組み合わさり影響を与え合った結果であり、この一連の流れは連綿と連なっています。もしも、連綿と連なる流れを全て遡[さかのぼ]って把握していくことができたとすれば、必ず大霊としての無限の世界全体を把握することへつながります。方向性を逆にして捉えると、どれほどに些細な結果であったとしても、その結果は、世界全体を構成する無数の原因が相互に組み合わさり影響を与えあったことで現れているのです。そして、些細な結果もまた、世界全体へ影響を与えています。なお、あるひとつの物的な結果を造り出す原因となる、相互に組み合わさり影響を与え合っている無数の有形的/無形的な原因の全てを把握することは、どれほどに成長の程度が高くなったとしても不可能です。大霊としての無限の世界全体を把握できるのは、無限に成長していく先に終着点があった場合だけであり、終着点があるのならば、大霊は無限ではなく、有限であったということになります。

 原因と結果の法則を日常生活の観点からみると、眼前に現れる物事/現象の肉眼に視える側面のみを観察/考察している状況は、「最低限の現実」が捉えられていないともいえます。肉眼に視える側面とあわせて肉眼に視えない側面も観察し、双方の側面から観察した内容を総合して考察することが、「最低限の現実」を捉えている状況となります。肉眼に視えない側面には、外環境へ表現されている霊眼に視える4次元の範囲だけでなく、肉眼/霊眼に視えない思考/感情/習慣/囚われなどの内面の状況も含まれます。どの程度に肉眼に視えない側面を観察し、どれくらいに肉眼に視える側面と総合して考察するのかは、成長の程度によって異なりますが、この観察/考察へ努めることが成長へとつながるようになります。

(1000/1000)

 個体の行動にみられる螺旋循環の法則のひとつには、ある状況に対しておこなう行為の決断に、自由意志によって選択した選択肢を起点として、性質の相反する循環を形成しやすくなり、更に、循環を繰り返すことで、螺旋の方向性を造り出す状況が挙げられます。個体の行動にみられる循環の形成と、螺旋の方向性への進行は、習慣の形成と、習慣の強さ(強める/弱める)とも密接に関連しています。成長を促進する習慣の循環を形成すると、促進は更なる促進(成長を促進する習慣を強め、成長を阻碍する習慣を弱める)を生みやすくなります。逆に、成長を阻碍する習慣の循環を形成すると、阻碍は更なる阻碍(成長を阻碍する習慣を強め、成長を促進する習慣を弱める)を生みやすくなり、成長の退行へとつながります。重要なのは、個体であっても、社会/家庭/企業/団体/国家などの共同体であっても、螺旋の方向性を、成長の促進や進展/発達/発展の方向性へ進めるのか、あるいは、成長の退行や衰退/退廃/滅亡の方向性へ進めるのかは、どの時点からでも自由意志で選択できる点にあります。このサイト内の複数の節でも、いくつかの相反する循環の形成について紹介していますので参考にしてください。

 そして、螺旋の方向性は、ある方向性へ進行するほどに、反対の方向性へ逆戻りさせるのは困難となっていきます。もしも、成長を阻碍する循環を繰り返し、螺旋の方向性が成長を退行させる方向性へ進行しているのならば、成長を阻碍する循環を断ち切るには、強い意志と、多大な労力、長い期間を必要とします。形成されている成長を阻碍する負の循環に対して、循環を形成する複数の要因の中で、ひとつの要因を辞めるように努めても、循環から抜け出し難く、徒労に終わる場合も多くみられますが、循環を形成する複数の要因を同時に辞めるように努めることで、循環を断ち切り抜け出しやすくなります。同様に、成長を促進する正の循環は、循環を形成する複数の要因の中で、ひとつの要因を生活へ取り入れるように努めていても循環を形成し難く、循環を形成する多くの要因へ同時に努めるようにすることで循環を形成しやすくなり、成長への螺旋を描き強めるようになります。

(1000/1000) 正/負の循環と螺旋
(1000/1000) 正/負の循環と螺旋

 自己が形成している、いくつもの行為から構成される循環は、自己の生活(生活習慣)を詳細に内省し、ある行為と他の行為とのつながり(因果関係/関係性/関連性)を考察することで把握できるようになります。循環を把握すれば、同時に、循環を形成している要因(行為)も把握できているために、促進したい循環であれば、要因の多くを同時に自覚しておこなうように努め、逆に、断ち切りたい循環であれば、要因の多くを同時に自覚して辞めるように努めるだけです。

 循環の例として、強い疲労があり(要因1)、疲労を外環境から何らかを得て解決しようとする固定観念/既成概念によって食事量が増え(要因2)、食事量が増えることによって有形体の熱が上昇し(要因3)、熱の上昇によって原素材が消耗し疲労が更に強くなる(要因4)循環が形成されます。この循環の場合では、睡眠を多く摂り疲労を回復させる、食事量が増えないように制限する、湯浴などによる有形体の無用な熱の上昇を控える、汗出/活動量を抑制して原素材の消費を減少させる、などへ同時に努めることで、循環を断ち切りやすくなります。

(1000/1000) 個体の行為による循環の例
(1000/1000) 個体の行為による循環の例

(1000/1000)

 「類似する性質をもつ物事/人は互いに引き寄せ集まる(類は類を呼ぶ)」という大霊の法則とは、自己の造化する思考/感情の内容/方向性や誠実/不誠実の性質、囚われの内容/方向性、同調する活動性の程度、個性の方向性、生き方の性質/程度、などが、内容/方向性/性質/程度に類似する物事/他者(人/霊)を引き寄せることを表しています。

 引き寄せ集まる例として、無形界の各界層に同等の成長段階の者たちが集まり生活する、各界層の中で類似した個性の方向性をもつ者たちが集まり地域を形成する、同じ目的や類似した囚われを有する者たちが集まり集団を形成する、などがあります。これらは地上でも同様にみられ、更に、怒り苛立っている人には怒り憤り続けている地獄者/地縛者を引き寄せ憑依させる、飲酒に溺れている人には飲酒へ囚われている地獄者/地縛者が群れ集まり憑依する、ある”宗教”団体の教義に縛られている人には同じ教義へ縛られている人/霊が引き寄せられる、他者のために自己を役立てようと願う人には同じ目的をもつ人/天使たちを惹[ひ]きつける、自己と類似する側面をもつ者を友人に選ぶ、などもみられます。

 自己は、自己の有する習慣/囚われの内容/方向性に基づいて、特定の内容/方向性の思考/感情を造化しやすいために、特定の内容/方向性の思考/感情を造化することで、特定の方向性へ向かう運命の流れを形成するようになります。特定の方向性へ向かう運命の流れは、類似する性質をもつ物事/人は互いに引き寄せ集まる法則によって、基本的には、類似する方向性の物事/他者を引き寄せるように、はたらきます。運命の流れについては、4章6節 自由意志/運命を参照してください。

原素材

(1000/1000)

 大霊の原素材を有形的認識に基づいて量的にみると涸渇する/涸渇しない、あるいは、どのように補充されているのか?、という捉え方になりますが、無形的認識に基づいて捉えると大霊の原素材は無限の世界に遍満している無限のものとなります。ただし、世界に遍満している原素材を個体の活動へ直接に用いることはできず、大霊(世界)から分割され、大霊を構成している分霊を通して無形体/有形体へ貯蔵したうえで用いる必要があります。譬[たと]えると、大海の中へ潜っていても、個体の周囲を満たしている大海の水は個体の血液/体液として直接に用いられませんが、個体が水を飲むと血液/体液として用いられるようになります。

 世界全体に遍満している原素材は有形的認識に基づいて量的に捉えると理解し難いですが、逆に、個体の無形体/有形体へ貯蔵されている原素材は有形的認識に基づく量的な増大/減少として捉えると理解しやすくなります。量的な増大/減少として捉えた個体の無形体/有形体へ貯蔵されている原素材については、4章5節 優位性を参照してください。

 なお、個体が原素材へ活動性を与えて造化した実体(表現/行為/活動)は、絶え間なく活動性が付与されている間は実体を維持しており、活動性が付与されなくなると実体は消え去りますが、活動性の付与が途絶えて実体を維持できなくなり消え去っても、実体が原素材には戻りません。原素材から実体への変化は不可逆的で、個体の用いた原素材は使用後に世界全体の原素材へと還元されません。地上では、人の用いた水は大地へ浸透し、大海へ流れ込み、蒸散して大気となり、雨として降り、人が用いるようになる循環を形成していますが、原素材は個体/世界全体の間で循環していない点に留意してください。

ご質問の送信