有形体

3章 人の構造 - 5節 有形体

個々の記述の真実度: 999.2-1000
節全体の真実度: 1000
節全体の活動性: 1000

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有形体とは

  • (1000/1000) 有形体とは、分霊が有形界で、有形的に外環境を認識し、有形的に外環境へ表現するために用いる一時的な体を指しています
    • 分霊は、無形体を通して有形体を用い、地上での物的な生活をおこないます
    • 世界の次元/界層の、どちらから捉えても、無形界では活動できず、有形界でのみ活動できます
    • 有形体では、地上に存在する物体の、肉眼に視える3次元の側面(物質)と、霊眼で視える4次元の側面(4次元の下位の範囲)へ直接的に干渉できますが、霊眼で視える無形体(4次元の中位以上の範囲)には直接的にも間接的にも干渉できません
  • (1000/1000) 有形体は、有形体を用いる分霊が自身で造化した体ではなく、無形界の担当者によって設計/造化された体を、地上で物的に活動するための道具として貸し与えられています
    • 有形体の体内は、物的な構造体であり、無形界の担当者が、有形体の外的な形状も、体内の内的な構造も造化しています
    • 有形体は、体内の活動も、外環境を認識する活動にも、外環境へ表現する活動にも、精霊が分霊の有する生命の活動性を中継/変換し、有形的な作用力(磁気的作用力)として有形体へ作用させることでおこなわれています
    • 有形体を用いている分霊が、体内の活動でも、外環境を認識する活動でも、外環境へ表現する活動でも、直接に有形体へ生命の活動性を加えて活動させることはできません
  • (1000/1000) 有形体は、3次元の範囲と4次元の下位の範囲で構成されており、僅かに4次元の中位の範囲も含みます
    • 分霊の成長の程度に関わらず、有形体を構成する次元は常に一定で変化しません
    • 無形体とは、4次元の中位の範囲の下端付近で、活動性の程度に重なる範囲があり、この範囲内に、無形体と接続するための「涵養の糸」、加えて、有形体を統御する「物質の心」を有しています
(1000/1000) 有形体の構成と次元の範囲
(1000/1000) 有形体の構成と次元の範囲
  • (1000/1000) 有形体は、地上での物的な生活を通して、様々に学び、成⻑するために、⼤霊より貸し与えられた道具です
    • 借りたものはいずれ返却しなければなりません (使⽤期限があります)
    • 道具は適切に最⼤限に使われてこそ⽤を成します (怠惰/安逸は無価値な浪費です)
    • 借りたものは丁寧に扱わなければなりません (体の内も外も清潔に保ちます)
    • 借りたものを乱雑に扱ってはなりません (暴飲暴⾷、喫煙、飲酒、⼊墨、ピアス、無用な酷使、などは避けます)
    • 道具であり⾃⼰ではありません (霊が⾃⼰です)

有形体の形状

  • (1000/1000) 有形体の形状は、人の形体を造化する無形界の担当者によって設計/造化されています
    • 地球人類の用いている有形体は、無形界で造化を担当する者たちによって、あらゆる脊椎動物の形状の中から個体での成長に適した形状が選択され、個体として活動しやすいように進化させた形状が用いられています
    • 有形体の形状は、それぞれの相の有形界によって様々であり、人型の形状が選択されている場合もあれば、異なる形状が選択されている場合もあります
    • 加えて、人型という形状だけでなく、有形界のそれぞれの相の性質に適した有形体の構造が選択されており、この構造は、無形界から地上へ造化されている、あらゆる物事/現象を通して地上で学べるように適した構造でもあり、呼吸、睡眠、食事、などの基本的な有形体の行動を通しても、成長のために学ぶ内容が多く含まれています
    • なお、「人型」と呼ばれる形状は、肉眼に視える有形体の3次元の側面にみられる形状であり、肉眼に視えない有形体の4次元の側面は、人型の形状ではありません
  • (1000/1000) 有形体の4次元の側面にみられる形状は、活動性の程度が下がり、3次元の側面へ近づくほどに、3次元の側面にみられる人型の形状へ徐々に類似していきます
    • 有形体の4次元の側面で有している活動性の範囲の中で、活動性の程度が高くなるほどに人型の形状から遠ざかり、活動性の程度が低くなるほどに人型の形状へ近づきます
    • 有形体の4次元の側面での高い活動性の程度(上位)で起こる変化が、徐々に低い活動性の程度(下位)へ伝わり変化を促し、その後に、3次元の側面での変化として現れています
    • 4次元の側面で上位へ起こる変化のすべてが下位へ反映されているのではなく、上位での変化の一部が下位へ伝わり、下位での変化として現れます
    • 同様に、3次元の側面にみられる変化は、4次元の側面でみられる変化の一部のみが現れており、4次元の側面での変化が、すべて反映されているのではありません
    • 4次元の側面でみられる上位の変化の一部が下位へ伝わり、下位の変化の一部が3次元の側面へ反映される状況は、人型ではない形状から人型の形状へと近づいていく、形状の変化としても現れているのです
(1000/1000) 変化の伝播による形状の移行
(1000/1000) 変化の伝播による形状の移行

有形体の機能系統

  • (1000/1000) 有形体は、地上での外環境への表現、また、地上での外環境の認識と密接に関連する機能を有しており、それぞれの機能が担う役割ごとに、機能系統を構成しています
    • 有形体の4次元の側面には、無形体と接続するための「涵養の糸」、有形体の行動を統御して内的構造で造化した表現を外環境へ表現し、外環境から受け入れた表現を内的構造へと送る「物質の心」、有形体の全体へ原素材を行き渡らせるための「経絡系統」があります
    • 有形体の3次元の側面には、原素材を用いて様々な造化を担い、物的な活動をおこなうための「運動器系、循環器系、神経系、内臓系、感覚器系」があります
    • 有形体の体内は物的/有形的な構造体であり、有形体の機能系統は、4次元の側面にある物質の心、涵養の糸、経絡系統は有形的、また、3次元の側面にある運動器系/循環器系/神経系/内臓系/感覚器系は物的です

涵養の糸

  • (1000/1000) 涵養[かんよう]の糸は、無形体の貯蔵する原素材を、有形体へと供給する紐状の経路です
    • 無形体/有形体を構成する活動性の範囲が重なる4次元の中位の範囲の下端付近で、涵養の糸が、それぞれの体へと接続しています
    • 涵養の糸は、2本の太い主要な経路と、無数の細い経路から構成されています
  • (1000/1000) 太い2本の主要な涵養の糸が、有形体に接続する位置を、それぞれ第7チャクラ/第3チャクラと呼んでいます
    • 有形体の3次元の側面から物的にみると、第7チャクラの位置は松果体、第3チャクラの位置は太陽神経叢(中焦)と、それぞれ密接に関連しています
  • (1000/1000) 第7チャクラに接続する涵養の糸は、有形体が内包する物質の心へ、原素材を供給しています
    • 物質の心は、有形体の各機能系統を統御して、有形体の維持/調整、外環境への表現、外環境の表現を内的構造へと送る役割を担っている有形体の中核です
    • 物質の心は造化された有形的な構造体(実体のある表現)のために、絶え間ない活動性の付与と大量の原素材の供給によって活動が維持されており、物質の心が活動を維持するのに消費する原素材の量は、有形体に貯蔵されている原素材の多くを占めています
  • (1000/1000) 第3チャクラに接続する涵養の糸は、有形体の4次元の側面に張り巡らされている経絡系統へ、原素材を供給しています
    • 供給される原素材は、経絡系統を通して、有形体の全体へ行き渡り、有形体の維持/調整や、有形体を通した外環境の認識と外環境への表現に用いられています
  • (1000/1000) 細い無数の涵養の糸は、有形体の4次元の側面にある経絡系統の中の、十五絡脈に接続しています
    • 有形体の3次元の側面にみられる血管系統での、毛細血管の役割と同様に、有形体の全体へ、隅々[すみずみ]まで原素材を行き渡らせる役割を有しています
  • (1000/1000) 無形体から涵養の糸を通して、有形体へ供給される原素材は、水路に水が流れるように速く供給されているものの、有形体へは原素材が浸透し難く、水が土壌へ滲み込むように、ゆっくりと浸透し貯蔵されます
    • 原素材が、単位時間あたりに有形体へ供給され貯蔵される量は、同調する活動性の程度で示される内的優位性と、有形体の疲労の程度で示される外的優位性によって決まります
    • 同調する活動性の程度が高くなるほどに、無形体から涵養の糸を通して単位時間あたりに供給される量が増大し、一方で、有形体の疲労の程度が高くなるほどに、有形体へ単位時間あたりに浸透する原素材の量が増大します
    • 原素材の供給量については、4章5節 優位性を参照してください

物質の心

  • (1000/1000) 物質の心は、有形体の各機能系統を統御して、有形体の維持/調整、有形体を通して外環境へ表現する、有形体を通して外環境の表現を受け入れる役割を担う有形体の中核であり、その役割には、外的構造としての側面、内的構造としての側面、の2つがあります
    • 外的構造としての側面と、内的構造としての側面が、密接な連携のうえで、協調して「はたらいている」からこそ有形体の様々な活動がおこなえます
  • (1000/1000) 物質の心は造化された有形的な構造体(実体のある表現)のために、自身は⽣命の活動性を有しておらず、分霊の心から付与され続けている⽣命の活動性を中継して、有形体での物的な活動の造化をおこないます
    • 物質の心は有形体とともに、無形界の担当者によって表現として造化されますが、物質の心を造化された表現として維持しているのは、有形体を用いている人霊の有する生命の活動性です
    • 有形体を用いている人霊から生命の活動性が付与されなくなれば、物質の心は実体を維持できなくなり、有形体の活動が停止します
    • 内的構造での「はたらき」から捉えると、物質の心は、分霊の心/大霊の心と同様に「心」へ分類されますが、分霊の心/大霊の心は生命の活動性を有する無形的な存在(実体ではない)なのに対して、物質の心は造化された有形的な存在(表現としての実体)です
  • (1000/1000) 外的構造としての側面の「はたらき」では、有形体の4次元の側⾯にある経絡系統、3次元の側⾯にある運動器系/循環器系/神経系/内臓系/感覚器系の各機能系統を連携させて、物的な活動をおこないます
    • 物的な活動は、有形体の維持/修復、内的構造で造化された有形的な表現を有形体を通して外環境へ表現する、有形体を通して外環境から有形的な表現を受け⼊れ内的構造へ送付する、の3つに⼤別されます
    • 有形体の維持/修復では、分霊の心から付与される誠実な性質の活動性を用い、経絡系統を通して運動器系/循環器系/神経系/内臓系/感覚器系の各機能系統へ、呼吸、心臓の拍動、などの活動で原素材を供給し、また、睡眠、安静、などの活動で有形体へ原素材を貯蔵しており、加えて、食事の活動で食物の有する活動性を取り込み物的な活動の造化を補助し、有形体の修復/調整をおこない、有形体全体の機能の均衡/調和を保っています
    • 内的構造で造化された有形的な表現を有形体を通して外環境へ表現する際には、分霊の心から付与される誠実な性質の活動性を用いて有形体を動かし、話す、書く、腕/脚を動かす、などの動作を通して、内的構造で造化された有形的な表現の内容を外環境へ物的に表現します
    • 有形体を通して外環境から有形的な表現を受け⼊れ内的構造へ送付する際には、外環境の物事/現象/出来事/他者の行動などの有形的な表現を、分霊の心から付与される誠実な性質の活動性を用いて、有形体の3次元の側⾯にある主に感覚器系から、視る、聴く、嗅ぐ、触れる、味わう、などの物的な行動を通して受け⼊れ、内的構造へと送ります
    • これらの外的構造としての側面の「はたらき」は、分霊の心から付与される活動性を物質の心が有形体でおこなう様々な活動へ割り振り中継し、地精が有形的な作用力(磁気的作用力)へ変換して有形体へ作用させることで物的な活動がおこなわれます
    • 地精については、2章5節 無形界の住人 #精霊を参照してください
  • (1000/1000) 内的構造としての側面の「はたらき」では、精神で利己性/自己中心性/欲望の表現の造化をおこないます
    • 物質の心は、有形体の維持に必要とする欲求を満たすために、精神で利己性/自己中心性/欲望を造化して、分霊の心に有形体への対応を求めます
    • 物質の心には、自身で有形体の維持に必要とする欲求を満たすことはできず、分霊の心へ対応を求めることのみができます
    • 分霊の心が個体の中核であり、分霊の心による選択/決定なしには、有形体への対応はされないのです
    • 利己性/自己中心性/欲望の造化には、分霊の心から付与される活動性を用いますが、外的構造としての「はたらき」の場合とは異なり、分霊の心から付与される誠実な性質の活動性を、不誠実な性質へと変質させて造化をおこないます
    • 物質の心が有する獣性/動機の機能特性は、有形体を維持できなくなる状況への恐れ/怯えを土台として機能しており、有形体の均衡/調和が崩れるほどに恐れ/怯えは強くなるために、利己性/自己中心性/欲望の造化を増大させて、分霊の心に有形体への早急/迅速な対応を求めます
    • しかし、物質の心の有する恐れ/怯えが消え去る状況はないために、有形体の均衡/調和が維持されていても、絶え間なく利己性/自己中心性/欲望は造化されています
    • 内的構造としての側面の「はたらき」は、分霊の心から付与される活動性を物質の心が中継し、物質の心が精神で直接に原素材へ活動性を与えて利己性/自己中心性/欲望を造化しており、地精は利己性/自己中心性/欲望の造化へ関与していません
    • 物質の心の有する機能特性については、3章7節 ⼼ #物質の心を参照してください
(1000/1000) 物質の心のはたらき
(1000/1000) 物質の心のはたらき

経絡系統

  • (1000/1000) 経絡系統は、無形体から涵養の糸を通して供給される原素材を、有形体の全体へ行き渡らせるための経路です
    • 経絡系統は、十二正経、奇経八脈、十二経別、十五絡脈、十二経筋、十二皮部、に大別されます
    • それぞれの経路は、密接に連携して有形体全体への原素材の供給を担います
    • 経絡系統についての詳細は、中医学の書物か、6章1節 推薦書物 #無形体の経絡系統に関する書物を参考にしてください
    • 下記には、それぞれの経路の概略を記載します
  • (1000/1000) 十二正経は、主要な供給路で、内臓系と密接な関連を有しています
    • 肺、大腸、胃、脾、心、小腸、膀胱、腎、心包、三焦、胆、肝、からなる、それぞれの内臓と関連する12の経路で構成されています
  • (1000/1000) 奇経八脈は、十二正経のそれぞれの経路に流れる原素材の量を調節する「はたらき」を担い、流量の多い経路から少ない経路へと、八脈を通して原素材を渡します
    • 督、任、衝、帯、陰維、陽維、陰蹻、陽蹻、からなる8つの経路で構成されています
  • (1000/1000) 十二経別は、本流となる十二正経から分かれて、十二正経の経路から離れた範囲へと原素材を供給するための支流です
  • (1000/1000) 十五絡脈は、十二正経、奇経八脈、十二経別、から、更に分岐して、網の目のように細く拡がり、原素材を有形体の隅々[すみずみ]まで行き渡らせるための経路です
    • 4次元の側面での肉眼に視えない十五絡脈の「はたらき」が、3次元の側面での肉眼に視える毛細血管の「はたらき」として現れているともいえます
    • 細い無数の涵養の糸が十五絡脈へ接続し、十五絡脈が有形体の細部にまで至る全体へと原素材を行き渡らせる補助をしています
  • (1000/1000) 十二経筋は、それぞれの経絡から、主に運動器系へと原素材を供給します
    • 内的構造で造化した有形的な表現を、物的な行動を通して外環境へ表現する活動へ、直接に関与しています
  • (1000/1000) 十二皮部は、それぞれの経絡から、主に感覚器系へと原素材を供給します
    • 外環境から有形的な表現を受け入れる活動へ、直接に関与しています
  • (1000/1000) 地上で認知されている経絡系統の詳細な経路は、有形体の4次元の側面の中で最も3次元の側面に近い範囲内での経路のみであり、経絡系統の全体を表しているのではない点に留意してください
    • 有形体の4次元の側面は、3次元の側面にみられるような人型の形状をしていないために、経絡系統の経路も人型の形状へ規定されません
    • 地上で認知されている経絡系統の詳細な経路は、人型の形状へ規定された経路のみが示されています
    • なお、地上からは、人型の形状へ規定されない経絡系統の全体の経路を把握することはできません
(1000/1000) 経絡系統と原素材の流れ
(1000/1000) 経絡系統と原素材の流れ

運動器系/循環器系/神経系/内臓系/感覚器系

  • (1000/1000) 3次元の側⾯にある、運動器系、循環器系、神経系、内臓系、感覚器系は、物質の心の統御によって、相互に連携しながら物的な活動を担っています
    • 4次元の側面での変化の一部が3次元の側面での変化として現れるために、3次元の側面にある運動器系、循環器系、神経系、内臓系、感覚器系は、これらが現れる土台となる4次元の側面でも類似する機能を有していますが、4次元の側面でみられる機能は、3次元の側面でみられる系統とは構造が異なります
    • それぞれの系統の「はたらき」は、4次元の側面での変化が3次元の側面へ伝わり、3次元の側面へ現れた構造と変化が解剖学/生理学の書物に詳しく記述されていますので、それらの書物を参照してください

有形体の輝き

  • (1000/1000) 無形体の内包する分霊の生命の活動性が、無形体を通して、精霊を経由し、有形体の4次元の側面に輝きとして表れます
    • 有形体を用いている分霊の生命の活動性が、有形体の内包する物質の心へ付与され続けており、物質の心が付与される活動性を中継して、有形体での物的な活動の造化をおこなっているために、分霊自身が造化している無形体だけでなく、分霊自身が造化していない(維持している)有形体にも、分霊の生命の活動性が反映されています
    • 無形体と同様に、分霊の有する個性に相応する色彩が、基本となる輝きの色彩としてみられ、更に、精神で造化された無形的な表現の内容に相応する色彩が、部分的な色彩の変化としてみられます
    • 無形体の放つ輝きについては、前節の3章4節 無形体 #無形体の輝きを参照してください
  • (1000/1000) 地上からは、分霊/無形体が放つ、生命の有する活動性の輝きそのものは視えません
    • 地上で、活動性の放つ輝きとして霊眼に視えている色彩の変化は、分霊の有する生命の活動性を精霊が中継して活動性の程度を下げ、有形体へ作用させている有形的な作用力(磁気的作用力)の変化が視えています
    • 有形体の4次元の側面では、地精が作用させる磁気的作用力の輝きにみられる、絶え間ない色彩の変化を捉えることができます
    • 有形体の3次元の側面では、4次元の側面で磁気的作用力の作用を受けて変化した一部が現れているだけのために、輝きを放っていません
    • 磁気的作用力の作用を受けて変化する有形体の4次元の側面は投影機(プロジェクター)、4次元の側面で変化した一部が反映される3次元の側面は投影幕(スクリーン)に譬[たと]えられ、投影機は光を放っていますが、投影幕は投影機によって放たれた光の一部を映し出しているだけであり、投影幕そのものは光を放っていません
    • 磁気的作用力にも活動性の範囲(1-50未満の程度)があり、視る者の成長の程度によって、磁気的作用力の放つ輝きを視える範囲が異なります
(1000/1000) 有形界から視える人の輝き
(1000/1000) 有形界から視える人の輝き

有形体を通した基本的な生活行動

  • (1000/1000) 有形体を通した活動は、内的構造で造化された表現を、分霊の心が有する有形的認識に基づいて、有形体の運動器系から外環境へ有形的に表現し、同様に、有形的認識に基づいて有形体の感覚器系から外環境の表現を有形的に受け入れます
    • 運動器系を物的に活動させることで、内的構造で造化された有形的な表現の内容を、外環境へ有形的に表現でき、同様に、感覚器系を物的に活動させることで、外環境の表現を内的構造へ有形的に受け入れることができます
  • (1000/1000) 有形界では、外環境の有形的な表現を有形的に受け入れ、内的構造で造化した有形的な表現を外環境へ物的に表現できます
    • 有形界を構成する3,4次元の範囲の中で、有形体を通して、外環境の3次元の範囲から有形的な表現を受け入れ、外環境の3,4次元の範囲へ有形的に表現します
    • 有形体には、有形界を構成する次元の範囲に関係なく、外環境の無形的な表現を受け入れることはできず、また、内的構造で造化された無形的な表現を、無形的な表現のまま外環境へ表現することもできません
(1000/1000) 外環境から受け入れる範囲と外環境へ表現する範囲
(1000/1000) 外環境から受け入れる範囲と外環境へ表現する範囲
  • (1000/1000) 有形体を通して外環境を認識する活動、外環境へ表現する活動、有形体を維持する活動では、活動をおこなうために、活動へ作用させる有形的な作用力(磁気的作用力)の量に相応する原素材の量を必要とします
    • おこなう活動の強度、おこなう活動の量によって、必要とする磁気的作用力の量は異なり、活動の強度が高くなるほどに、活動の量が多くなるほどに、多量の磁気的作用力を消費します
    • 消費する磁気的作用力の量が増大するのにともない、消費する原素材の量も増大します
    • おこなう活動の強度/量に相応する磁気的作用力の量と、原素材の量の両方、あるいは、一方が不足しているのならば、その強度/量での活動はおこなえません
    • 原素材が不足している場合には、現在に貯蔵している原素材の量に相応する磁気的作用力の量へ低下させた強度/量で活動がおこなわれます
    • 活動の強度/量に相応する磁気的作用力の量と、原素材の量の両方が充足している場合にのみ、その強度/量での活動がおこなえます
(1000/1000) 活動に必要とする有形的な作用力の量と原素材の量
(1000/1000) 活動に必要とする有形的な作用力の量と原素材の量

外環境の認識

  • (1000/1000) 有形体を通した外環境の認識は、外的構造としての物質の⼼が、主に感覚器系から外環境の有形的な表現を受け⼊れ、内的構造へと送り、分霊の心が有している認識方法に基づいて、内的構造において認識する工程でおこなわれています
    • 有形体は、外環境の有形的な表現のみを受け⼊れることができ、無形的な表現を受け入れることはできません
  • (1000/1000) 相手の造化した無形的な表現としての思考/感情などは、有形的な表現へと変換され、外環境へ物的な活動を通して表現されたうえで、自己が外環境へ表現された有形的な表現の内容を受け⼊れることで認識できるようになります
    • 相⼿の思考/感情などの内容を、自己は直接に読み取れません
    • 無形的な表現を有形的な表現へと変換し、言語での発話、文字での記述、などを通して自己へ伝えられた内容は、相手の伝えたい内容と自己の認識した内容が同じとは限らず、両者の内容が異なる状況も多くみられます
    • 有形体を通して受け入れる情報量は、無形体を通して受け入れる情報量よりも少なく、相手の伝えたい内容と自己の認識した内容に大きな違いを生み出しやすくしています
    • 有形体/無形体を通して受け入れる情報量については、3章4節 無形体 #無形体を通した基本的な生活行動を参照してください
(1000/1000) 外環境の認識
(1000/1000) 外環境の認識

外環境への表現

  • (1000/1000) 有形体を通した外環境への表現は、内的構造によって造化された有形的な表現を、外的構造としての物質の⼼が、主に運動器系を用いた物的な行動を通して、外環境へ表現する工程でおこなわれています
    • 言語での発話、文字での記述、絵画での描写、造形物の造成、有形体の動作、などを用いて、有形的な表現の内容を外環境へ表現します
    • 有形体は、有形的な表現のみを外環境へ表現でき、無形的な表現は外環境へ表現できません
  • (1000/1000) 自己の造化した無形的な表現としての思考/感情などは、有形的な表現へと変換し、外環境へ物的な活動を通して表現したうえで、相手が外環境へ表現された有形的な表現の内容を受け⼊れることで、相手は思考/感情などの内容を認識できるようになります
    • 自己の思考/感情などの内容を、相手は直接に読み取れません
    • 無形的な表現を有形的な表現へと変換し、言語での発話、文字での記述、などを通して相手へ伝えた内容は、自己の伝えたい内容と相手の認識した内容が同じとは限らず、両者の内容が異なる状況も多くみられます
    • 有形体を通して外環境へ表現する際には、内的構造で無形的な表現の内容を必ず有形的な表現へと変換し、更に、有形的な表現の内容を物的な行動で表現しなければ外環境へ表現できないために、外環境へ表現するまでに必要とする工程が多く、表現する過程において、表現の内容に歪み、損失、などが現れやすくなります
(1000/1000) 外環境への表現
(1000/1000) 外環境への表現

呼吸

  • (1000/1000) 呼吸は、有形体へ原素材を行き渡らせるためにおこなう行動です
    • 有形体は無形界の担当者によって造化された体であり、自己の有する生命の活動性を用いて造化している体ではないために、自己(分霊)の原素材が無形体/涵養の糸を通して有形体へ供給されても、自然に全体へ行き渡りません
    • 呼気/吸気が交互におこなわれる律動を通して、有形体の全体に原素材を行き渡らせています
    • 呼気あるいは吸気の、どちらかで有形体へ原素材を行き渡らせているのではなく、呼気/吸気の律動が、原素材を行き渡らせている点に留意してください
    • 肉眼に視える3次元の側面での呼吸という行動は、大気から気体を取り込み、体内/体外で気体交換をするためにおこなわれているように捉えられますが、体内/体外で気体交換をしているのではなく、気体交換をする必要性もありません
    • 霊眼に視える4次元の側面での呼吸という行動は、大気の有する様々な活動性の性質と、それぞれの性質がもつ活動性の程度を有形体へ取り込んでいますが、活動性を取り込むのは分霊の生命の活動性を補助するためでしかなく、呼吸の主要な目的ではありません
    • 呼吸を通して大気から活動性を取り込み、有形体で変換される磁気的作用力の量は、食事を通して取り込んだ活動性から変換される磁気的作用力の量よりも多いです
    • 心臓の拍動(収縮/拡張の律動)も、呼吸と同様に、有形体へ原素材を行き渡らせるためにおこなう行動です
    • 3次元の側面に現れる呼吸の律動も、心臓の拍動も、4次元の側面では「原素材を行き渡らせる」という同じ活動であり、「原素材を行き渡らせる」活動の一部が3次元の側面へ反映されて、呼吸の律動と心臓の拍動として別々に視えているに過ぎません
  • (1000/1000) 有形体を用いた活動の程度が高くなるほどに原素材の消費量が増大し、原素材を多く行き渡らせる必要があるために、呼吸が速くなります
    • 座っている状況に比べると、走る、重い物を運ぶ、階段を登る、などは活動の程度(強度/量)が高いために、これらの活動を継続していると呼吸も速くなります
    • 呼吸が速くなるのと同時に、心臓の拍動も速くなります
  • (1000/1000) 内的構造において、意識に与える物質の心の影響力が増大している状況でも、呼吸は速くなりますが、有形体へ原素材を行き渡らせる活動とは関係ありません
    • 内的構造で、物質の心が意識へ与える影響の大きさは、利己性/自己中心性/欲望、興奮、情動、騒響[ざわめき]、などの強さとして表れます
    • 物質の心が担う内的構造/外的構造としての「はたらき」は不可分のために、内的構造での影響力の増大が、外的構造での呼吸の速さとして表現されているのです
  • (1000/1000) 自覚しておこなわれる呼吸では、速い呼吸は、外的構造で有形体へ原素材を行き渡らせるためにおこなわれ、一方で、ゆっくりとした呼吸は、内的構造で分霊の心によって物質の心の影響を制御するためにおこなわれます
    • 分霊の同調する活動性の程度を高める場合や、精神での騒響[ざわめき]を鎮静する場合などでは、呼吸はゆっくりとなります
  • (1000/1000) 大気へ付与されている不誠実な性質の活動性から変換された磁気的作用力は、有形体の均衡/調和を崩しやすくなります
    • 大気から呼吸を通して取り込む活動性の性質には誠実/不誠実の性質が混在しており、大気を取り込む地域/場所によって、誠実/不誠実の性質を有する活動性の割合や活動性の程度は様々です
    • 大気へ付与されている不誠実な性質を有する活動性の割合が多くを占める地域/場所ほどに、気分/気持ちが悪くなる、体調不良を起こしやすい、などがみられるようになります

睡眠

  • (1000/1000) 睡眠は、有形体を通した活動の大部分を休止させて、原素材の消費を抑え、無形体から供給される原素材を貯蔵するための行動です
    • 同時に、有形体が活発に活動している間にはできない、有形体の修復/調整をおこないます
    • 有形体が活発に活動している間でも、睡眠中でも、無形体から供給される原素材の量は基本的に同等ですが、睡眠によって活動の大部分を休止させ、原素材の消費量を少なくすることで、有形体への貯蔵量を増大させます
  • (1000/1000) 睡眠中は、物質の心が意識から一時的に切り離され、有形体の修復/調整にのみ、はたらくようになります
    • 意識は、分霊の心を中核として、大霊の心/物質の心から受ける影響の総合で構成されていますが、物質の心が意識から切り離されることで、有形体を通した外環境の認識と、外環境への表現ができなくなるために、無形体を通してのみ外環境を認識し、外環境へ表現するようになります
    • 睡眠で有形体の活動が休止していても、無形体での活動には影響を受けないために、睡眠中に、無形体で地上を自由に動き回っている場合もあれば、無形界へ移動して無形界で様々な体験をしている場合もあります
    • 物質の心が意識から切り離されても、無形体と有形体は涵養の糸で接続したままであり、無形体の移動にあわせて涵養の糸は無限に伸長し、有形体へ原素材を供給し続けています
    • 睡眠中にみられる汗出(寝汗)は、睡眠中におこなわれる有形体の修復/調整による体温の上昇に起因して現れており、修復/調整が活発におこなわれるほどに体温が上昇しやすくなります
    • 意識については、3章8節 意識を参照してください
  • (1000/1000) 地上での学びへ意識を集中させるために、睡眠中の無形体を通した体験は、地上での学びに必要とならない限り思い出せないように、大霊によって配慮されています
    • 思い出す必要がある場合には、適切な時機に、適切な状況で、天使たちの援助を受けて思い出せるようになりますが、有形的な体験の内容そのものを思い出すのではなく、体験を通して得た無形的な印象の内容として思い出します
    • ただし、自己が再授肉する前に決めた地上での目的/役割に、「睡眠中の有形的な体験の内容を地上で生活する人へ伝え、成長への学びを得られるように促す」という役割を有している場合は、体験の内容を思い出せるように援助されます
    • 再授肉については、4章9節 再授肉を参照してください

食事

  • (1000/1000) 食事は、食物の有する様々な活動性の性質と、それぞれの性質がもつ活動性の程度を有形体へ取り込む行動です
    • 食事は、原素材の貯蔵や、原素材を有形体の全体へ行き渡らせる、などの行動とは関係ありません
    • 食物は、生命の活動性を付与され原素材から造化された実体(表現)のために、活動性を有していますが、原素材を有しておらず、食物を摂取しても、食物から原素材を取り込むことはできません
    • 食物の有する活動性には、無数の性質があり、それぞれの性質がもつ活動性の程度も様々ですが、ひとつの食物には、複数の性質の活動性が含まれています
  • (1000/1000) 食事を通して、食物の有する活動性を取り込み、分霊の生命の活動性を用いておこなう有形体での造化を補助しています
    • 有形体の維持や活動には、大量の磁気的作用力と、大量の原素材を必要としており、分霊の有する生命の活動性の程度(同調する活動性の程度)が低いほどに、有形体で変換される磁気的作用力の量は少ないために、有形体の維持/活動を持続しておこなうには磁気的作用力が不足しやすくなります
    • 有形体の貯蔵する原素材は分霊からのみ供給されますが、磁気的作用力は、活動性を付与され造化されている外環境の物体(食物)から変換して補うことができます
    • ただし、取り込んだ活動性の性質と程度によっては、分霊のおこなう特定の機能/活動を亢進させる場合もあり、「毒」といわれる作用などが相当します
    • 自己の意志で、特定の性質を有した毒に相当する活動性を取り込み、有形体の調整をおこなうこともでき、これらの毒の多くは「薬」と呼ばれています
  • (1000/1000) 食物の有する活動性の程度が高いほどに、取り込んだ食物から有形体で変換される磁気的作用力の量は増大します
    • 同じ種類の食物であっても、付与されている活動性の性質/程度は様々であり、食物を有形体へ取り込むまでに関与した者たちの付与した活動性の性質/程度の総合が、有形体へ取り込んだ食物の有する活動性の性質/程度を表します
    • 活動性の程度と変換される磁気的作用力の量については、2章2節 大霊 #生命を参照してください
  • (1000/1000) 食物へ付与されている不誠実な性質の活動性から変換された磁気的作用力は、有形体の均衡/調和を崩しやすくなります
    • 食物から食事を通して取り込む活動性の性質には誠実/不誠実の性質が混在しており、食物を有形体へ取り込むまでに関与した者たちが付与する活動性の性質/程度によって、それぞれの食物へ付与されている誠実/不誠実の性質を有する活動性の割合や活動性の程度は様々です
    • 食物へ関与した者たちとは、ひとつひとつの食物の、栽培、収穫、加工、調理、販売、輸送、保管、などへ関わった者たちと、食事で食物を摂取する本人が含まれます
    • なお、不誠実な性質の活動性から変換された磁気的作用力は、「毒」といわれる作用を有しているのではありません
    • 「毒」といわれる作用は、誠実な性質の活動性から変換された磁気的作用力の中にみられます
(1000/1000) 活動性の性質と変換される磁気的作用力
(1000/1000) 活動性の性質と変換される磁気的作用力
  • (1000/1000) 食事は、食物を消化して活動性を取り込み、磁気的作用力へと変換するまでに、多くの工程を必要としており、その工程の中で、大量の原素材を消費します
    • 食物の有する活動性を取り込む工程で、消化に必要な大量の原素材と、大量の磁気的作用力を消費するために、結果として、食事から得られる磁気的作用力の量は僅かであり、加えて、原素材の大量の消費は、有形体の疲労へとつながります
    • 無形体の活動に比べると、有形体のおこなう「どのような活動」も効率は低いですが、その中でも、食事は非常に効率の低い行動のひとつです

疲労

  • (1000/1000) 有形体の疲労とは、有形体に貯蔵されている原素材の量が減少したことを自覚する状況を指しています
    • 有形体の活動で原素材を消費し、消費量が、涵養の糸を通して無形体から供給される原素材の供給量(有形体への浸透量を含む)を上回ることで、有形体に貯蔵されている原素材の量が減少するために疲労を自覚し始め、貯蔵量が減少するほどに、強く疲労を自覚するようになります
    • 地上の生活では、有形体の疲労を感じ取る状況が肉体疲労とも呼ばれています
    • 有形体のおこなう活動量が多いほどに、また、活動の強度が高いほどに、原素材を大量に消費します
    • 有形体を通した外環境の認識や、外環境への表現だけでなく、食事による食物の消化、汗出、出血、怪我、疾病、発熱、などの、有形体の内部での活動も、それぞれの活動量/活動の強度に相応する原素材を消費します
  • (1000/1000) 有形体の貯蔵する原素材の量が減少し、疲労を感じ取ると、無形体から供給される原素材を有形体へ浸透させやすくなります
    • 有形体は無形界の担当者によって造化された体であり、自己の有する生命の活動性を用いて造化している体ではないために、自己(分霊)の原素材が無形体/涵養の糸を通して有形体へ供給されても有形体へ浸透し難く、ゆっくりと滲み込むように有形体へ貯蔵されていきます
    • 有形体の疲労によって、無形体から供給される原素材が有形体へ浸透しやすくなり、有形体の疲労を強く感じ取るほどに、速く浸透するようになります
    • この有形体の疲労によって原素材の浸透する速さが変化する状況は外的優位性として表され、同調する活動性の程度によって原素材の供給量が変化する状況を表す内的優位性とともに、単位時間あたりの原素材の供給量/貯蔵量に影響を与えています
    • 外的/内的優位性については、4章5節 優位性を参照してください
  • (1000/1000) 有形体の活動を控え、原素材の消費量を減少させることで、有形体に貯蔵されている原素材の量が回復するために、疲労を解消できます
    • 睡眠は、有形体のおこなう活動の、ほとんどを休止させて原素材の消費を減少させるために、短期間で有形体の貯蔵する原素材の量を回復させる、最も効率の高い行動です
    • 有形体の貯蔵する原素材の量が回復していくほどに、疲労を感じ取らなくなるために、有形体へ原素材が浸透する速さも、徐々にゆっくりへと戻ります
(1000/1000) 疲労の自覚と解消
(1000/1000) 疲労の自覚と解消
  • (1000/1000) 物質の⼼は、有形体の貯蔵する原素材の量が少なくなる(疲労が強くなる)ほどに、有形体を維持するために、不誠実な性質を有する活動性を内的構造へと送る頻度を高めて、内的構造での「利己性/自己中心性/欲望」の造化を増大させます
    • 物質の⼼が内的構造へと送る不誠実な性質の活動性は、分霊の有する⽣命の「誠実な性質の活動性」を変質させたものですが、 生命の活動性の程度(同調する活動性の程度)とは無関係に、一定の活動性の程度を有しています
    • 一定の活動性の程度が付与された利己性/自己中心性/欲望は、疲労が強くなるほどに、高い頻度で造化されるようになり、単位時間あたりに造化される利己性/自己中心性/欲望の総量が増大します
    • 利己性/自己中心性/欲望の造化を増大させることで、有形体を維持するための利己的/自己中心的な行為や欲望の追求をおこなわせるように、分霊の⼼へ、はたらきかけています
    • 疲労が強くなるほどに、造化する頻度を高めて利己性/自己中心性/欲望を増大させるのは、分霊の心に、有形体への早急/迅速な対応を求めているのです
    • 利己性/自己中心性/欲望については、3章9節 精神 #利己性/自己中心性/欲望を参照してください
  • (1000/1000) 有形体の疲労が、分霊の同調する活動性の程度へ、直接に影響を与える状況はありません
    • ただし、疲労によって、物質の心が不誠実な性質の活動性を内的構造へと送る頻度を高めて、利己性/自己中心性/欲望の造化を増大させ、同時に、分霊の心による「物質の心が造化する表現への制御(克己による相殺)」が緩むと、意識へ与える物質の心の影響が増大し、相対的に、大霊の心の意識へ与える影響が減少するために、間接的に、分霊の同調する活動性の程度が下降するようになります
    • 分霊の同調する活動性の程度が低くなると、分霊から無形体へ供給される原素材の量が減少し、無形体の貯蔵量が少なくなれば、無形体から有形体へ供給される量も減少するために、有形体の貯蔵する原素材の量を回復し難くなり、疲労を強める循環を形成しやすくなります
    • 克己については3章9節 精神 #克己、意識については3章8節 意識を参照してください
(1000/1000) 疲労を強める循環
(1000/1000) 疲労を強める循環
  • (1000/1000) 熱/発熱は、有形体の貯蔵する原素材を持続して大量に消費するために、疲労を強めやすくなります
    • 有形体内の熱には、有形体の活動、疾病、怪我、大食、過食、熱の性質をもつ食物の飲食、などによる、熱の発生があります
    • 外環境の熱には、直射日光、夏季の気温の上昇、湯浴、などがあり、有形体の温度(体温)へ影響を与えます
    • 熱は有形体の活動に必要な反面、有形体の均衡/調和を大きく崩しやすく、均衡/調和が崩れるほどに、物質の心は有形体を維持するために意識へ与える影響を増大させます
    • 現在に地球で生活している人類の有形体は、直接に熱を生成することはできても、直接に冷やすことはできないために、物質の心は、熱の上昇に対して強く反応し、意識へ与える影響を増大させます
    • 有形体を冷やすには、汗出、冷浴、冷やした食事、などの間接的な手段しかありません
    • 熱は、有形体の活動量/活動の強度に関わらず、熱を生成するために常時に大量の原素材/磁気的作用力を消費し、更に、熱によって引き起こされる、日焼け、火傷、汗出、出血、それらの状況からの回復、などへも、大量の原素材を消費するために、疲労を起こしやすく、また、疲労を強めやすくなります
    • 強い熱/疲労は、意識を有形体と有形体の周囲へ偏重させるように「はたらき」、また、意識を一点へ集中させ難くします
    • なお、外環境の気温や室温に関わらず、有形体の熱が上昇したのならば意識は「暑さ」として感じ取るために、外環境の気温や室温が低くても「暑さ」を感じ取る状況はあり、逆に、外環境の気温や室温が高くても「暑さ」を感じ取らない状況があります
    • 意識の偏重については、3章8節 意識を参照してください
  • (1000/1000) 有形体の貯蔵する原素材の量が減少するほどに、物質の心は、有形体の活動量/活動の強度を低下させるように分霊の心へ、はたらきかけます
    • 分霊の心が、自由意志で「活動する/活動したい」と選択していても、有形体の倦怠感、身重感/頭重感、眩暈[めまい]、などによって活動し難くなり、安静にさせようとします
    • 疲労によって安静が必要と感じ取るのは、怠惰[たいだ]とは異なります
    • 怠惰は、自由意志で「活動しない/活動したくない」と自覚的に(自覚して/自覚できるものの自覚なく)選択している状況を指しています
    • 強い疲労によって安静にさせようと物質の心から「はたらきかけ」られている場合には、精神での興奮/騒響[ざわめき]が弱い状況であれば、眠気が現れやすくなり、睡眠によって活動量/活動の強度を大幅に低下させると同時に、原素材の貯蔵量を回復させようとします
    • ただし、精神に強い興奮/騒響があると、強い疲労を感じていても眠気は現れなくなります
  • (1000/1000) 疲労の自覚は苦しみを生み出す原因のひとつとなります
    • 物的な活動をおこなうという意志の方向性と、疲労によって活動し難いという方向性の違いに苦しみを感じ取ります
    • 無形体の疲労(精神疲労)も苦しみとして感じ取りますが、有形体の疲労(肉体疲労)は、比較的に強い苦しみとして感じ取ります
    • ただし、活動を控え安静にするという意志の方向性を有している状況、あるいは、怠惰/安逸な状況では、活動していくという意志を有していないために、疲労によって苦しみを感じ取りません

健康

  • (1000/1000) 有形体の健康とは、有形体の体内で作用する磁気的作用力の、それぞれの性質の量に均衡が維持されている、それぞれの性質の活動性の程度にも均衡が維持されている、更に、原素材が有形体の全体へと行き渡る量が調和している、全体へ行き渡る速さも調和している、これらの4つの状況の総合で表されます
    • 磁気的作用力の特定の性質が、他の性質よりも、多すぎず、少なすぎず、量の均衡を維持している必要があります
    • 磁気的作用力の特定の性質が有する活動性の程度が、他の性質よりも、強すぎず(高すぎず)、弱すぎず(低すぎず)、強さの均衡を維持している必要があります
    • 特定の部位へ供給される原素材の量が、他の部位よりも、多すぎず、少なすぎず、量の調和を維持している必要があります
    • 特定の部位へ供給される原素材の速さが、他の部位よりも、速すぎず、遅すぎず、速さの調和を維持している必要があります
  • (1000/1000) 内的構造で、物質の心によって造化された利己性/自己中心性/欲望の干渉を受けて、あるいは、分霊の心の有する経験の機能特性に保存されている「不誠実な性質の表現を造化する習慣」に基づいて、造化した不誠実な性質の活動性が付与されている感情/思考/直観などは、有形体の活動に影響を与え、不健康/病を生み出します
    • 分霊の心が造化した不誠実な性質を有する感情、思考、直観、利己性/自己中心性/欲望、などは、磁気的作用力の均衡や原素材の調和を崩して運動器系/循環器系/神経系/内臓系/感覚器系に様々な機能障碍を引き起こし、有形体の活動を阻碍します
    • 磁気的作用力の不均衡や原素材の不調和は、地上で精神疾患/認知障碍などと呼ばれている、有形体内での外環境を認識する経路や、外環境へ表現する経路にも影響を与え、有形体を通して外環境から受け入れた情報を正常に内的構造へ送れなくなり、また、内的構造で造化した表現を正常に有形体を通して外環境へ表現できなくなります
    • 造化する様々な表現の中でも、感情は、均衡/調和を大きく崩します
    • なお、物質の心によって造化された利己性/自己中心性/欲望は、磁気的作用力の均衡や原素材の調和を崩しませんが、一方で、経験の機能特性に保存されている「不誠実な性質の表現を造化する習慣」に基づいて分霊の心が造化した利己性/自己中心性/欲望は、磁気的作用力の均衡や原素材の調和を崩します
    • 不健康/病は、物質の心が有形体の不均衡/不調和を解消するために、不誠実な性質の活動性を内的構造へと送る頻度を高めて利己性/自己中心性/欲望の造化を増大させ、分霊の心へ不誠実な性質を有する感情/思考/直観などを造化させるように強要し、不誠実な性質の表現を造化することで有形体の不均衡/不調和を強める、不健康/病を助長する循環を形成します
    • 内的構造で造化される表現の種類については、3章9節 精神 #表現の種類を参照してください
(1000/1000) 不誠実性に由来する不健康/病の循環
(1000/1000) 不誠実性に由来する不健康/病の循環
  • (1000/1000) 先天性疾患、 虚弱体質、 特定の疾病、特定の体質、特定の障碍、などは、地上へ再授肉して生活する前に、それらを通して学び、成長へつなげることを、自己が「地上での目的/役割」として事前に決めています
    • 地上での生活を始めると忘れている場合がほとんどですが、誰かに強制されたのではなく、自己が決めて、無形界の人の形体を造化する担当者に、相応する有形体を造化してもらっているのです
    • 再授肉については4章9節 再授肉、地上での目的/役割については4章2節 有形界での成長 #有形界での目的/役割を参照してください
  • (1000/1000) ある種の疾患/症状は、内的構造で造化した表現が、有形体の活動として造化されるために起こります
    • 内的構造での、不誠実な目的に基づいて造化された表現、あるいは、固定観念/既成概念などの囚われによって造化された表現が、有形体での物的な活動として表現されています
    • 不誠実な目的に基づいて造化された表現の例として、感情(精神的なストレス)から眼を逸らすための過食/大食、欲望に基づく美食の追求、利己性/自己中心性に基づく怠惰/安逸な生活、などが、糖尿病、肥満、高血圧、動脈硬化、肝/腎臓障碍、筋/関節/神経痛、などを引き起こす原因となっています
    • 精神の囚われによって造化された表現の例として、鍵の締め忘れ、物品の⽚付け忘れ、 周囲への無関⼼、などの外環境の物事を確認しようとしなくなる内的な状況が 、⾁眼の視野狭窄/緑内障/⽩内障などの外的な状況を引き起こす原因となっており、また、相手の発言の内容を聴こうとしない内的な意志の方向性が、外的に難聴などとして現れています
    • ただし、糖尿病、肥満、高血圧、動脈硬化、肝/腎臓障碍、筋/関節/神経痛、などが、必ず感情や利己性/自己中心性/欲望のみに基づいているのではなく、⾁眼の視野狭窄/緑内障/⽩内障などが外環境の物事を確認しようとしなくなる内的な状況によってのみ引き起こされているのでもなく、難聴が相手の発言の内容を聴こうとしない内的な意志の方向性によってのみ現れているのでもなく、地上での目的/役割や他の内的な状況によって有形体へ現れている場合もあります
  • (1000/1000) 有形体へ現れる病/不調は、どれほどに有形体へ物的に治療をおこなっても、治療を通して内面を変化させない限り改善しません
    • 川の上流(内面)が汚れているのならば、どれほどに下流(有形体)を掃除したとしても、下流は清くならないことへ譬[たと]えられ、川の上流を清くすれば下流は自然に清くなります
    • 内面の利己性/自己中心性/欲望、固定観念/既成概念、偏狭な情報/知識、などに基づいて精神で造化される、誠実の程度が低い偏向した思考や不誠実な思考/感情が、有形体へ多くの病/不調を引き起こし、また、治癒を阻碍しているのです
    • 内面に有する利己性/自己中心性/欲望、固定観念/既成概念、偏狭な情報/知識、などを除去/解消していくことで、病/不調を引き起こす表現が精神で造化されなくなり、徐々に有形体の状況は改善していきます
  • (1000/1000) 物質の心は、それぞれの季節へ有形体を適応させるために、季節の移行する時期に有形体の再構築をおこないます
    • 再構築とは、比較的に規模の大きな調整を指しており、定期的におこなわれるか(定期点検/オーバーホール)、有形体の均衡/調和が日常の睡眠時におこなわれる調整では戻せないほどに大きく崩れるとおこなわれ(緊急点検)、日常にはおこなわれません
    • 有形体という構造体は、粗雑で均衡/調和が崩れやすいために、それぞれの季節(外環境の周期)にみられる気温、湿度/乾燥度、風の方向/強さ、降水量、などの変化から影響を受けやすく、物質の心が、均衡/調和の崩れを最小限に抑えようとして再構築をおこないます
    • 前の季節の特性から受けた影響によって有形体へ蓄積した老廃物を除去し、次の季節の特性へ有形体を対応させるために、季節の変わり目に再構築をおこない、これらの再構築は、花粉症、感冒、などとして知られています
    • 再構築には大量の原素材を消費するために、再構築がおこなわれている期間は、疲れやすい、倦怠感を感じやすい、眠くなりやすい、などがみられるようになります

老化

  • (1000/1000) 有形体は、無形界の人の用いる形体を造化する担当者によって造化された形体であり、造化された時点から、徐々に劣化(老化)していきます
    • 日々の生活では、有形体を使用する分霊が、有形体を維持するための造化をおこなっていますが、維持しているだけであり、形体そのものを造化しているのではありません
    • 例として、有形体を使用する分霊には、腕を動かす、腕の怪我を修復する、などの造化はできても、腕を欠損したから新しく腕を造化し直すことはできません
  • (1000/1000) 有形体の劣化が進行する程度は、有形体を使用する分霊の⽣活状況によって決まり、加えて、⽣活環境からも影響を受けます
    • 思考、 感情、固定観念/既成概念、⾷⽣活、 性⽣活、 有形体の活動の程度(強度/量)、 などの⽣活状況と、⼤気/⽔質の汚染、 喧騒/騒⾳、 経済状況、 家庭/職場/生活地域の状況、などの⽣活環境に影響を受けます
    • 生活環境は生活状況へ影響を与え、生活状況が劣化の進行の程度を直接に決定します
    • 生活環境が直接に劣化の進行の程度へ影響を与えることはありません
    • 生活状況の中でも、有形体の活動の程度(日常の活動量/活動の強度の総合)が劣化の進行の程度へ最も大きな影響を与えています
    • 自己の生活状況によって、劣化を速めることも、遅延することもできますが、特定の食物、特定の化粧品、特定の運動、などが、劣化を遅延することはなく、劣化の程度を巻き戻す(若返らせる)こともできません
    • なお、劣化の進行が悪いのではなく、有形体という道具を適切に用いていれば相応する程度に劣化が進行するのは自然です
(1000/1000) 有形体の劣化へ影響を与える原因
(1000/1000) 有形体の劣化へ影響を与える原因
  • (1000/1000) 不誠実な表現や、ある種の固定観念/既成概念は、自覚しておこなう有形体の活動量/活動の強度に関わらず、劣化を促進するように、はたらきかけます
    • 不誠実な表現は有形体の均衡/調和を崩すために、自覚的に(自覚して/自覚できるものの自覚なく)おこなう有形体の活動とは別に、物質の心が均衡/調和を回復させようとして、無自覚的に(自覚なく)おこなわれる有形体の活動(有形体の調整)が増大し、結果的に、有形体の劣化を進行させます
    • 年齢が増加するほどに老化するのが当然である、などの固定観念/既成概念を有している場合には、思い込みに基づいて有形体の活動(有形体の劣化)が造化されるために、有形体の劣化を進行させます
    • 思い込みによって劣化の程度が高くなると、更に、有形体の使用年数の増加が劣化を進行させるという思い込み(固定観念/既成概念)を強める循環を形成します
    • この思い込みは、老化/死への恐れ/怯えを喚起しやすくなり、利己的/自己中心的な行動をおこなわせる要因にもなっています
    • 加えて、年齢の増加によって老化が進行すると思い込んでいる者の中には、年齢が高くなるほどに老化が進行して活動し難くなるのは当然と捉えて、劣化の程度に関係なく、自身の怠惰/安逸な生活を正当化している場合も多くみられます
    • 固定観念/既成概念については、5章4節 固定観念/既成概念を参照してください
  • (1000/1000) 有形体は、劣化の進行にともない、有形体でおこなう造化の効率が徐々に低下していきます
    • 有形体の劣化によって、原素材を実体へと造化する効率が低下するために、ある活動量/活動の強度を有する活動をおこなっても、劣化の程度が低い頃に比べて多くの原素材を消費するようになります
    • 劣化によって原素材の消費量が増大しても、供給量は変化していないために、劣化の進行は「疲れやすさ」として自覚します
    • 有形体の劣化は、活動性を磁気的作用力へ変換する程度/量には関係しません
(1000/1000) 有形体の劣化と原素材の利用効率
(1000/1000) 有形体の劣化と原素材の利用効率

  • (1000/1000) 人の用いる有形体は、無形界の人の用いる形体を造化する担当者によって造化された形体のために、造化された時点で、使用期限(死)が決まっています
    • 有形体の使用期限は、地上での生活を始めてから決まる状況はなく、また、延長することもできません
    • 食品に譬[たと]えると、食品は製造された時点で、消費期限/賞味期限が決められており、後から期限が決まったり、延長されることはありません
    • 有形体が使用期限へ到達したのならば、自己が「死にたくない」と望んでいたとしても、運命の流れに相応する内容(老衰、疾病、事故/怪我、他殺、など)で必ず死を迎えます
    • ただし、有形体の使用期限に関係なく、地上での生活を「自殺」によって、使用期限へ到達する前に終えることはできます
    • なお、動物霊が用いる脊椎動物の有形体は、種族によって、おおよその耐用年数が定められているものの、個々の用いる有形体ごとに使用期限は設定されていないために、いくつもの運命の流れの中で死の時期が決まります
  • (1000/1000) 「死」という現象は、有形体という道具の使用期限であって、道具を使用する分霊には、全く関係ありません
    • 死とは、有形体を捨て去るだけに過ぎません
    • 地上の生活で培[つちか]った、人格、気質、思考の方向性、物事の捉え方、習慣、知識、技術、固定観念/既成概念、生き方、などは分霊が有しているために、何ひとつ失われることなく、そのまま無形界での生活へ受け継がれます
  • (1000/1000) 死の過程は、有形体が使用期限へ到達した時点で、臨終が始まり、無形体/有形体を接続している涵養の糸が、すべて切断されて有形体への原素材の供給が途絶え、有形体の貯蔵する原素材が涸渇するために有形体でおこなわれていた造化が停止し、有形体のすべての活動が終了することで完了します
    • 臨終は、「臨終を迎えた者」が自身で涵養の糸を切断し始める段階を指しており、個々のこれまでの生き方、死への恐怖、霊や世界の実相/生命の真相に関する知識の有無、分霊の成長段階、などが、涵養の糸を切断する状況へ影響を与えます
    • 涵養の糸を、鉈[なた]で、すっぱりと断ち切られるように切断していくと、安らぎのみを感じ取りますが、逆に、鋸[のこぎり]で、徐々に切られるように切断していくと、痛み/苦しみをともないます
    • 臨終が始まると、無形界で生活している「臨終を迎えた者」の縁者が、地上の「臨終を迎えた者」の傍[かたわ]らに集まり、涵養の糸の切断を補助してくれますが、「臨終を迎えた者」が有する死への恐怖は「切断したくないのに切断しなければならない」という葛藤を生み出すために最も切断を難航させ、痛み/苦しみをともなうようになります
    • 涵養の糸は、一度でも切断されたのならば、二度と接続し直すことはできません
  • (1000/1000) 死が完了して、有形体を捨て去った後は、地上で生活していた際に支援/援助してくれていた天使たちが、無形界へと連れて帰り、無形界での生活を円滑に始められるように、様々な手助けをしてくれます
    • ただし、突然の事故/急性疾患などで死んだことに気づかない者、地上への強い妄執/囚われをもつ者(地縛者)、利己的/自己中心的な生き方をしてきたために極めて低い活動性の程度へ同調している者(地獄者)、などは、自身の傍[かたわ]らにいる天使たちに気づくことができず、無形界へ移動しないままに、地上を徘徊し続けている場合も多くみられます
    • 死が完了した後に、無形界での生活を始めるまでの流れは千差万別で、死の直後で不安定な無形体の調整が必要な場合には無形界の病院で休眠/養生し、死んだことに気づいていない場合には既に無形界で生活している縁者たちが説得(死んだことを自覚させる)にあたり、本人の状況にあわせて、徐々に無形界での生活環境に慣れさせていきます
    • 多くの場合では、臨終に際して一時的に「死の眠り」へと就き、その後に、無形界で目覚め、支援を受けながら無形界での生活へ慣れていきます
  • (1000/1000) 死んだ者の中には、自己が死んだことに気づかず、外環境の変化に違和感を感じながらも、有形体を有したままだと思い込んで地上で生活し続けている者が多くみられます
    • 霊に関する知識や、世界の実相/生命の真相に関する知識を有していない者、唯物主義者、利己的/自己中心的に地上の欲望/快楽を追求してきた者、などにみられ、地上で生活する人へ大きな影響を与えています
    • 彼らは、同調している活動性の程度も低く、物的な捉え方しかできないために、自身の周囲にいる天使たちを認識することができず、また、天使たちも認識してもらえるように努めていますが、彼らに認識されないために、彼らへ支援/援助することができません

至言の紹介

(1000/998.3)「シルバーバーチ」
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地上においては、霊は肉体を通して
自己を表現するしかありません
そのため、肉体の質が高ければ高いほどに
霊の表現の程度も拡がるようになります
肉体を汚すもの、不調和な刺激を与えるものは
いかなるものであっても霊にとっては障碍となり
霊の表現を損なうようになります
食事の理想は大地からの産物のみに
限ることが適切といえます
(1000/1000)「瀞沁」
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「年齢」と呼ばれる体の使用年数は
自動的に増えるものであり
囚われることに全く価値はありません
寧[むし]ろ
「寿命」と呼ばれる体の使用期限までの
年数を知ることに大きな意義があります

最も後悔するのは
地上で体験する必要のあった物事を体験しないままに
地上で学ぶ必要のあった内容を学ばないままに
地上で遂行すると決めた役割を遂行しないままに
地上の生活を終えてしまうことだからです

質疑応答

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有形体の造化

(1000/1000)

 自己が、自己の用いる有形体を造化したくても、地上で生活する成長段階の者には、人の有形体を造化できるほどに有形体の機能/構造を理解できないために造化できません。地上で生活する者の成長の程度(認識の程度)では、人の有形体を造化できる段階に至っていないのです。人が用いる有形体の造化を担当する霊たちは、おおよそ9次元以上に属していますが、地上で生活する者が属することのできる上限は7次元です。

 地上での学びの修了資格を得る成長段階が、5次元以上に相当するために、特殊な事情を除けば、5次元以上に属する者が地上へ再授肉する状況はありません。そのため、再授肉して、地上での生活を開始する「ほぼ全て」の者は4次元に属していることになり、再授肉に際して、4次元の成長段階で用いる有形体を再授肉する本人が造化するのは不可能といえます。再授肉については、4章9節 再授肉を参照してください。

 人霊が地上での生活に用いる有形体の造化に9次元以上の認識の程度を必要とするのは、有形的/無形的に広範囲に渡る内容の相互のつながりを把握したうえで有形体を設計するためです。相互のつながりを把握する内容の例として、再授肉する人霊が地上で生活をするために決めた成長の目的となる学びの内容と他者(自己以外)の成長を促すための役割の遂行に必要な有形体の使用期間、目的/役割の遂行に適切な有形体の性別、体質、先天性疾患、原素材の貯蔵量の上限、有形体の物的な製造へ関与する両親の有形体の体質、再授肉する人霊の地上での生活の計画に基づく生活地域、家庭環境、気候、風土、社会情勢、国家の状況、惑星の状況、これらのそれぞれが有しているおおよその運命の流れ、それぞれの運命の流れが総合された大きな運命のおおよその流れ、惑星の進化の程度、近隣の惑星から受ける影響、などが挙げられます。これらの内容の多くは、有形体の基本的な体質、いくつもの体質が相互に影響を与え/受けて起きる体質の変化、経年によって起きる体質の変化、などを計画するために考慮する材料として用いられます。

(1000/1000)

 地球と呼ばれている惑星で生活する現行人類の有形体は、地上の生活環境が直近の寒冷期(氷河期)の終了した時点から、徐々に温暖期へと移行する期間へ適応するように、基礎となる体質が設計されています。寒冷期が終了した時点での低い気温の環境では、生活するのに熱を生成する必要性は高いものの、冷やす必要性が低いために、直接に熱を生成できても直接に冷やせないのです。

 有形体の体質は、地上での生活を通して学ぶのに適した方向性が選択されています。基礎となる体質は、同じ時期(数万年ほどの期間)に生活する現行人類が共通して有しており、地上の生活環境で学ぶ最低限に必要とする方向性となります。この基礎となる体質に加えて、個々それぞれが用いる有形体ごとに、個々の成長に必要とする内容を学ぶのに適した方向性の体質を、地上での生活を始める前に自身で選択しています。

 もしも、地上の生活環境が温暖期を迎え、現行人類の用いる「直接に熱を生成できても直接に冷やせない」有形体の体質で適応できなくなったのならば、温暖期に適応する「直接に熱を生成できないものの直接に冷やせる」有形体の体質を有する人類が現れるようになります。現行人類が新しい生活環境へ適応できなくなり死滅し、新しい生活環境へ適応する人類へ移行したとしても、霊の成長には全く関係ありません、霊の成長のために用いる道具(有形体)の性質が変化するだけに過ぎないのです。

 この質疑応答に関連する内容には、2章3節 有形界の構造 #質疑応答の「地球温暖化は人類の生活の変化によって起きているのですか?」がありますので参考にしてください。

(1000/1000)

 有形体の体質には、活動へ用いる原素材の利用効率、原素材を貯蔵できる上限量、磁気的作用力の利用効率、大気/食物の活動性の程度を取り込む効率、などの造化に関連する内容や、肌の色/質、眼(虹彩)の色、髪の色/質/形状、身長、体格、容姿の形状、体温(熱)が高い/低い、肌のが強い/弱い、五官(感覚器)の機能障碍(視力/聴力などを含む)、肢体の機能不全、内臓機能の強い/弱い、罹患しやすい疾病(地上での目的/役割として事前に罹患すると決めている疾病を含む)、各種のアレルギー、などの外的に現れる方向性と、外環境の情報を認識する過程/外環境へ表現する過程の経路にみられる、視覚/聴覚の機能障碍、認知機能、精神障碍/疾患、などと呼ばれている内的な方向性があります。外的な方向性として現れる僅かな部分は、体質の違いを肉眼で容易に観察できますが、外的な方向性の大部分と内的な方向性は肉眼で観察し難い(外見からは判断し難い)です。

 現在に有形体へ物的/有形的に発現している体質は、有形体が保有する「様々な体質」の僅かな一部であり、現在に発現していない体質が今後に発現する場合もみられます。逆に、現在に発現している体質が今後に発現しなくなる場合もみられます。発現する/発現しなくなる体質は、地上での生活を始める前に計画的に設定している内容と、地上での生活を始めた後の生き方/生活習慣によって決まる内容があります。同様に、両親の用いている有形体へ物的/有形的に発現している体質は、両親の有形体が保有する「様々な体質」の僅かな一部に過ぎないために、子供の用いている有形体に、両親に発現しているのと同じ体質が物的/有形的に現れる場合もあれば、一方で、両親は保有しているものの両親には発現していない体質が物的/有形的に現れる場合もあります。ただし、子供に、両親と同じ物事の捉え方や発言/行動/挙措/態度がみられる場合もあるのは、両親から継承した体質が発現しているではなく、子供が両親の有する習慣や行為の目的を模倣したことで現れています。子供が両親の有する習慣や行為の目的を模倣することについては、4章2節 有形界での成長 #質疑応答の「有形界へ誕生した者(子供)の成長を促すためには、どのようにすればよいのでしょうか?」を参照してください。

 なお、内的な方向性の体質には、「認知、精神、など」の語が含まれていますが、内的構造の「はたらき」とは関係ありません。内的な方向性の体質とは、有形体を通して受け入れた外環境の情報を内的構造へ送る有形体内の経路と、内的構造で造化した表現に基づき有形体を通して外環境へ表現する有形体内の経路にみられる「情報/表現の伝達に関連する性質」を表しています。内的構造については、次節の3章6節 内的構造を参照してください。

 地上の各地域で発展した伝統医学では、体質にみられる外的/内的な方向性を、それぞれの観点から観察/考察して体系化し、有形体の体質として分類を試みています。拡く認知されている、中医学(中国伝統医学)、ユナニ医学(ギリシャ/アラビア医学)、インド伝統医学(アーユルヴェーダ)では、それぞれの医学で体系化した有形体の体質の分類を相互に取り入れながら発展させ、独自の哲学理論に基づく観点で、いくつもの分類が成されています。例として、中医学では、陰陽分類法(太陰/少陰/太陽/少陽/陰陽和平の五分法、また、陽旺陰虚/陰盛陽虚/陰陽倶盛/陰陽両弱の四分法)、五行分類方法(木型/火型/土型/金型/水型)、臓腑分類法(肝心脾肺腎の五臓それぞれにみられる形体/機能の強弱による分類法)、気血津液分類法(気虚型/血虚型/多痰型/多湿型)、などの分類がみられ、これらの他にも様々な分類が生み出されています。

 加えて、中医学/アーユルヴェーダなどの医学と土台となる概念を共有している、モンゴル医学、チベット医学、日本漢方、シッダ医学(南インド医学)、などでも、それぞれの地域風土に適した体質の分類法が模索されており、それぞれの地域風土にみられる「外環境の様々な周期」の特徴が、「有形体の周期」と組み合わさることでみられる様々な特性を分類しています。伝統医学にみられる体質の分類は膨大なために、詳細はそれぞれの伝統医学の書物を参照してください。

 体質を考察する際には、考察の土台となる「有形体/外環境の様々な周期」とともに、伝統医学での捉え方を学び、自己の体験を通して気づいた内容と総合して考察することが理解を深めてくれます。有形的認識/無形的認識に基づいて、できる限り多くの内容にみられる相互のつながりを詳細に把握するように努めることで、体質の適切な考察を可能とします。同時に、伝統医学で体系化されている分類の捉え方へ囚われずに、拡く考察する必要もあります。

(1000/1000)

 磁気的作用力の利用効率が低い体質では、有形体のおこなう様々な活動へ単位時間あたりに作用させる磁気的作用力の量が不足しやすくなるために、様々な欠乏症状を引き起こしやすくなります。具体的には、活動を継続しておこない難い(頻繁な休息を必要とする)、倦怠感、虚脱、脱力、筋の痙攣[けいれん]、痺[しび]れ、脳の霧(ブレイン・フォグ)、頭重感、眩暈[めまい]、視力低下、眼の霞[かす]み、耳鳴り、消化不良/遅滞、などの「貯蔵する原素材の減少(疲労)によって現れる症状と類似する症状がみられます。ただし、活動に用いる原素材の不足によって現れる症状(疲労による症状)と、磁気的作用力の不足によって現れる症状を、明確に識別することはできません。原素材の不足も、磁気的作用力の不足も、どちらか一方が不足すれば有形体の活動を停滞させるためです。有形体の活動が停滞したのならば、停滞した部位/機能に相応する症状が現れます。

 有形体の体質として有している磁気的作用力の利用効率は、地精が生命の活動性や食事/大気/太陽光から取り込んだ活動性を磁気的作用力へ変換した後に、磁気的作用力を有形体の活動へ作用させる際に影響を与えます。磁気的作用力の利用効率は、有形体の磁気的作用力に対する感受性、反応性、反応する閾値、などを表しているとも言い換えられます。磁気的作用力の利用効率が低い場合には、磁気的作用力への感受性が低い、磁気的作用力を受けて起きる反応が遅鈍、反応する閾値が高い、などの状況といえるために、一定の作用を与えて活動おこなうのに、一度に多くの磁気的作用力の量が必要となります。

(1000/1000) 磁気的作用力への変換/利用の過程
(1000/1000) 磁気的作用力への変換/利用の過程

 体質として有している磁気的作用力の利用効率は、地精が活動性を磁気的作用力へ変換する効率を指しているのではない点に留意してください。地精が活動性を磁気的作用力へ変換する単位時間あたりの速さ(単位時間あたりの量)は一定であり、有形体の体質には影響を受けません。なお、有形体の劣化は、活動へ用いる原素材の利用効率へ影響を与えますが、磁気的作用力の利用効率とは関係がありません。同様に、表現/行為への活動性の程度の付与と、磁気的作用力の利用効率にも関係がありません。

 活動に用いる原素材の不足によって現れる症状と、磁気的作用力の不足によって現れる症状を、現れる症状からは明確に識別できませんが、原素材が不足している場合には睡眠を摂りたくなる傾向がみられ、一方で、磁気的作用力が不足している場合には太陽光へ当たりたくなる傾向がみられます。

 この質疑応答に関連する内容には、この節の質疑応答の「生命の活動性から磁気的作用力を造り出せるのであれば、有形体に現れる欠乏症は、どうして起きるのですか?」がありますので参考にしてください。

(1000/1000)

 はじめに、男女の性別の違いは有形体に固有の特性であり、霊に性別はないという点へ留意してください。「性別がない」とは、男性でも女性でもない中性、あるいは、男性でも女性でもある両性を指しているのではなく、「性別という軸線上での捉え方」そのものがない無性別を指しています。有形体の有する性別の違いは、分霊の成長の方向性(個性の方向性/方向性の強さ)へ影響を与えていますが、分霊の成長の程度へは影響を与えていません。どちらの性別であっても、成長を求める意志の有無と、意志に基づく行為の積み重ねが、分霊の成長の程度(成長の促進/退行)へ影響を与えています。

 有形体が有する物的/有形的な男女の性別の違いは、物質の心が外環境から取り込む情報の方向性の違いを表しています。情報の方向性の違いとは、外環境の同じ物事であっても、物事から取り込む情報が同じではないことを示しており、外環境の同じ物事から、女性は情緒的な側面の情報を取り込みやすく、一方で、男性は論理的な側面の情報を取り込みやすい傾向(方向性)がみられます。取り込んだ情報の方向性の違いは、物事の捉え方、思考の方向性、形成される習慣の内容、などへ影響を与え、更に、物事の捉え方、思考の方向性、などが様々な内容/方向性の習慣を強め/弱めるように「はたらき」、分霊の成長の方向性(個性の方向性)へ影響を与えるようになります。

 なお、性別による、取り込む情報の方向性の違いに優劣はありません。地上へ再授肉するにあたって、これからの数千年以上の成長を考慮した自己の長期的な成長の方向性へ適するように有形体の性別を選択するために、再授肉の都度に性別を変える場合もあれば、同じ性別を連続して選択する場合もあります。再授肉を繰り返し、再授肉ごとに選択した性別での生活を通して僅かずつ成長の方向性を修正し、あらかじめに計画している長期的な成長の方向性へと、自己の個性の方向性を向けていくのです。また、再授肉の際には、自己の成長の方向性だけでなく、地上での目的/役割に適した性別を選択する場合もあります。これは、物的/有形的な性別の違いが、地上社会の中で担う役割分担を表している側面もあるためです。男性は子を産めず、女性のみに産めるのも、社会の役割分担のひとつなのです。ただし、女性は必ず子を産まねばならないということではなく、子を産みたくても産めない苦しみを通して成長への学びを得ると無形界で事前に決めて女性という性別を選択している場合もあれば、性別で序列/優劣/格差を決めている男性優位な地上社会の在り方へ改革をもたらすために女性という性別を選択している場合もあります。

 この質疑応答に関連する内容には、3章4節 無形体 #質疑応答の「無形体にも、有形体と同様に性別があるのでしょうか?」がありますので参考にしてください。

機能系統について

(1000/1000)

 「チャクラ」と呼ばれている位置は有形体の様々な部位にみられますが、有形体の正中線にある主要な第1-7チャクラの位置は、涵養の糸を通して原素材が供給される状況に加えて、内的構造の状況や有形体の状況が概括されて表れる位置を示しています。これは、足底反射区、耳反射区、など(足ツボ/耳ツボ/リフレクソロジーなどとも呼ばれている)が、有形体の全身の状況を概括して表しているのと同様です。足底反射区/耳反射区などについては、伝統医学の書物を参照してください。なお、チャクラは有形体の4次元の側面にあり、3次元の側面とは直接的な関係がありません。

 有形体の正中線にある第1-7チャクラの位置が示す内容は下記となります

  • 第7チャクラは、太い主要な涵養の糸が接続する位置であり、物質の心へ原素材が供給されている状況が表れます
  • 第6チャクラは、内的構造で分霊の心がおこなう、濾過、抽出、認識、理解、表現の造化、などの処理の状況が表れます
  • 第5チャクラは、物質の心が統御しておこなう、有形体の均衡/調和の状況が表れます
  • 第4チャクラは、内的構造で分霊の心がおこなう処理へ、大霊の心が与える影響の状況が表れます
  • 第3チャクラは、太い主要な涵養の糸が接続する位置であり、有形体の活動へ用いられる原素材の供給されている状況が表れます
  • 第2チャクラは、内的構造で分霊の心がおこなう処理へ、物質の心が与える影響の状況が表れます
  • 第1チャクラは、物質の心が統御しておこなう、有形体を通した活動(外環境の認識/外環境への表現)の状況が表れます

 ただし、チャクラは、原素材が供給される状況、内的構造での状況、有形体の状況が概括されて表れているだけであり、有形体との構造的な関係性はありません。例として、第4チャクラの位置は大霊の心が分霊の心のおこなう処理へ与える影響の状況と関連があり、祈り、瞑想、愛の行為、などで大霊の心が与える影響力が増大すると、第4チャクラの位置に暖かさを感じ取る場合もありますが、第4チャクラの位置に相当する有形体の胸部で熱(体温)が上昇しているのではありません。

(1000/1000) チャクラと関連する表現
(1000) チャクラと関連する表現

(1000/1000)

 はじめに、社会で長期に伝えられてきた内容、あるいは、拡く知られている内容が常に正しい(正しさの程度が高い)とは限らない点に留意してください。成長を求め実践し、様々に学んでいく意志を有しているのであれば、既存の情報や常識に囚われることなく考察する必要があります。有形体に限らず、あらゆる物体の3次元の側面は、4次元の側面での変化の一部が反映されているだけに過ぎず、4次元の側面での構造/状況/変化などが、3次元の側面へ全て反映されているのではありません。物的な3次元の側面から4次元の側面を捉えるのではなく、4次元の側面から3次元の側面を捉える必要があります。

 現在の地上では、有形体の3次元の側面にある「特定の部位」と対になる部位が4次元の側面にもある、あるいは、有形体の3次元の側面と4次元の側面は同じ形状/構造をしているという内容は拡く認知されていますが、これは4次元の認識の程度(4次元に属する成長段階)から有形体の4次元の側面を捉えているために起きる誤認です。有形体の4次元の側面よりも高い5次元以上の認識の程度から捉えると、肉眼に視えない有形体の4次元の側面は、肉眼に視える有形体の3次元の側面と異なる形状/構造をしています。有形体の3次元の側面にある部位と対になる部位が4次元の側面にも存在しているのではないのです。有形体の4次元の側面と3次元の側面が異なる形状/構造をしているために、両者のつながりを「物的な構造」から捉えようとすれば様々な誤認を招きやすくなります。そのため、有形体の4次元の側面と3次元の側面とのつながりは、「有形的な機能」から捉えることで適切に認識できるようになります。物的につながりを捉えることができるのは、同じ3次元の側面にある部位と部位の場合となります。

 有形体の4次元の側面で第6チャクラと呼ばれている位置は、有形体の3次元の側面と4次元の側面が同じ形状/構造をしていると物的に捉えた場合には、有形体の3次元の側面で松果体の位置に相当しています。ただし、第6チャクラと呼ばれている位置と松果体が、機能的にも密接に関連しているのではありません。機能的には、太い涵養の糸が接続する第7チャクラと呼ばれている位置と松果体が密接に関連しています。これは、第7チャクラへ接続する涵養の糸が物質の心へ原素材を供給し、また、物質の心の「はたらき」が松果体の機能と密接に関連しているためです。なお、機能的には物質の心と松果体は密接な関連を有しているものの、松果体は物質の心が内在する物的な部位を指しているのではありません。

 この質疑応答に関連する内容には、1章1節 サイトを読むにあたって #質疑応答の「サイトの内容を理解していくうえで、最も留意する必要があるのは何ですか?」がありますので参考にしてください。

(1000/1000)

 本人の自覚のある、あるいは、自覚できるものの自覚のない同意(自由意志による選択)なしに、本人の涵養の糸を、本人以外が切断することはできません。「涵養の糸を切断する」という行為を含め、あらゆる行為は、必ず、行為をおこなう者の自由意志の選択に基づいておこなわれ、自由意志による選択なしにおこなわれる行為はないのです。そのため、どれほどに地獄者/地縛者が自殺を唆[そそのか]し、他者が強い悪意/呪詛を送り付けてきたとしても、本人が自覚的に(自覚して/自覚できるものの自覚なく)自由意志で死を選択しない限り、涵養の糸が切断され死に至る状況はありません。

 なお、臨終に際して、臨終に立ち会う霊たちが、死を迎える者が有する涵養の糸の切断を手助けする場合に、霊たちが直接に涵養の糸を切断しているのではなく、死を迎える本人の「死に対する恐れ/怯え」を緩和し、涵養の糸を切断する意志(勇気)を奮い立たせているのです。涵養の糸を直接に切断できるのは、死を迎える本人のみです。

 加えて、突然の事故などで有形体の使用期限を迎える場合は、本人が有形体の使用期限を自覚できるものの自覚なく認識し、自由意志による自覚できるものの自覚のない選択として涵養の糸を切断しています。本人に「涵養の糸を切断する選択」をした自覚がないために、成長の程度、有している知識の内容/程度、固定観念/既成概念、などによっては、死んだことに気づかず、有形体(肉体)を有していると信じ込んだまま地上を彷徨[さまよ]い続けている者も多くみられます。

呼吸

(1000/1000)

 有形体は、無形体のように、自己(分霊)の有する生命の活動性を付与して造化している形体ではないために、自己が自由に直接的に有形体の全体へ原素材を行き渡らせることができません。そのため、呼吸の律動や心臓の拍動という間接的な方法を用いて原素材を行き渡らせています。なお、有形体の3次元の側面にみられる呼吸の律動や心臓の拍動は、4次元の側面で有形体の全体へ「原素材を行き渡らせる」活動が3次元の側面へ反映されて現れています。3次元の側面での呼吸の律動や心臓の拍動を通して、4次元の側面で有形体の全体へ原素材を行き渡らせているのではない点へ留意してください。

 有形体は原素材が流れ難い構造体であり、無形体から涵養の糸を通して供給される原素材を有形体へ浸透させるのにも、有形体へ貯蔵されている原素材を有形体の全体へ行き渡らせるのにも、ゆっくりとおこなわれます。しかし、有形体のおこなう、あらゆる活動には常に原素材を用いるために、ゆっくりと原素材が有形体の全体へ行き渡るのを待っていては活動が遅滞してしまいます。そのため、有形体へ「揺さぶり」を与えて原素材を行き渡らせようとします。もしも、有形体のおこなう活動量が増大し、また、活動の強度が高くなっても、揺さぶりを与える頻度を調整する(頻度を高める)ことで、単位時間あたりに原素材を行き渡らせる量が増大するために、活動を維持できるようになります。有形体の4次元の側面でおこなわれる「揺さぶり」が、3次元の側面で「呼吸の律動」や「心臓の拍動」として表現されているのです。呼吸の律動や心臓の拍動は、有形体の全体へ原素材を行き渡らせて全身での継続的な造化をおこない、有形体を維持するために必須の行動であり、他の行動で原素材を行き渡らせることはできません。

 有形体は原素材が流れ難い構造体のために、原素材の流量が増大するほどに、原素材を流れさせるのに構造体へ大きな負荷を与え、構造体の劣化を進行させます。活動の強度/量が増大し、原素材を全体へ行き渡らせる「揺さぶり」の頻度を高めると、活動は維持できるようになるものの、有形体の劣化を進行させるようになります。「揺さぶり」の頻度の調整と同様に、無形体から供給される原素材を常に有形体へ浸透させやすいのならば、構造体の劣化を急速に進行させてしまうために、有形体は、有形体の貯蔵する原素材の量に基づいて、単位時間あたりに有形体へ浸透する原素材の量を調節し、劣化をできる限り遅延させるように、無形界の担当者によって設計されています。

(1000/1000)

 大気から取り込む活動性は4次元の範囲にあり、活動性を取り込むために、有形体の3次元の側面にみられる肺の部位へ限定される必要はなく、有形体の全身を通して取り込んでいます。

 有形体の全身を通して活動性を取り込む状況は、物的な3次元の側面から捉えると、皮膚呼吸と呼ばれている行動に相当しているともいえます。ただし、有形体の3次元の側面にある肉眼に視える皮膚を通して活動性を取り込んでいるのではなく、大気の4次元の側面にある活動性を皮膚に相当する有形体の4次元の側面から取り込んでいます。

 呼気/吸気という相反する活動で構成される呼吸は有形体の3次元の側面にみえる行動ですが、4次元の側面からみると、上昇/下降、また、発散/収束の相反する方向性で構成される行動です。どちらか一方の方向性だけでは活動性を取り込むことはできず、相反する方向性が交互に切り替わる律動を利用して、大気から活動性を取り込みます。

 有形体の活動は、4次元の側面での変化が3次元の側面へ変化として現れるために、4次元の側面で相反する方向性(上昇/下降、発散/収束)を利用して大気から活動性が取り込まれると同時に、3次元の側面では物的な大気が肺へ取り込まれますが、大気を肺へ取り込むのが目的ではなく、肺(鼻腔)へ気体を流して外環境の香り/匂いを感じ取るためであり、結果として肺へ大気が取り込まれているのです。

 香り/匂いは、美(美しさ)の感受と密接に関連していますが、呼吸をしなければ、外環境の香り/匂いを感じ取ることはできません。例として、咲いている花の美しさを観賞するためには、周囲へ漂う花の香りから、花が咲いている状況へ気づく必要があります。もしも、有形体が呼吸をしない構造で香りを感じ取ることができなかったのならば、咲いている花へ気づかず通り過ぎてしまい、僅かな期間にのみ観られる生命の輝く美しさを見逃してしまっていたかもしれません。なお、有形体は外環境の香り/匂いを感覚器の鼻(嗅覚)を通して物的に受け入れていますが、同時に、無形体は外環境の香り/匂いが有する輝き(香り立つ輝き)を感じ取っています。

 なお、呼吸から活動性を取り込む場合とは異なり、食事を通して食物から取り込む活動性は、3次元において食物を消化する様々な工程の中で、3次元の側面では内臓系(消化器系)として現れている4次元の側面での活動を通して徐々に取り込まれます。食事をした際に、有形体の全身を通して食物から活動性を取り込むのではありません。

(1000/1000)

 大気を構成する主に窒素/酸素と呼ばれている物体に付与されている活動性から変換される磁気的作用力は、有形体の維持に必須です。これらの磁気的作用力は、生命の活動性からも変換されますが、生命の活動性から単位時間あたりに変換される量は比較的に少ないために、多くの状況では外環境から活動性を取り込んで変換する必要性が高いです。これらの磁気的作用力を単位時間あたりに必要とする量は、脊椎動物では種族ごとに異なり、人の種族では有形体の体質、活動の量/強度によって変化します。有形体の体質によって単位時間あたりに必要とする基本的な量が決まり、有形体を用いた活動量が多くなるほどに、また、活動の強度が高くなるほどに、単位時間あたりに必要とする量は増大します。生活環境への適応や、特定の修練を積んだ者の中には、単位時間あたりに変換される磁気的作用力の量が少なくても有形体の活動を維持できるようになり、標高の高い地域で生活できる、水中で長く活動できる、などを可能としています。

 窒素/酸素と呼ばれている物体に付与されている活動性から変換される磁気的作用力は、量が多いほどに有形体を維持できるのではなく、窒素/酸素から変換される磁気的作用力の「おおよそ8:2」の割合が有形体の維持に必要となります。酸素のみから変換される磁気的作用力のみが有形体の維持に必要なのではありません。窒素から変換される磁気的作用力の量が多くても、少なくても、また、酸素から変換される磁気的作用力の量が多くても、少なくても、有形体を維持できなくなる点に留意してください。大気を造化する無形界の担当者も、地上付近の大気を構成する窒素/酸素が「おおよそ8:2」の割合となるように造化しています。

 ただし、有形体の維持には窒素/酸素から変換される磁気的作用力の「おおよそ8:2」の割合を必要としていますが、同じ性質の磁気的作用力が生命の活動性から単位時間あたりに変換される割合は8:2ではありません。有形体を用いた活動量が多くなるほどに、活動の強度が高くなるほどに、窒素から変換された磁気的作用力の量よりも、酸素から変換された磁気的作用力の量が不足して「おおよそ8:2」の均衡が崩れるために、酸素吸入などで大気中に占める酸素の割合を増大させる(相対的に窒素の占める割合は減少する)ことで、酸素から変換される磁気的作用力の量が増大し、「おおよそ8:2」の均衡を維持できるようになるのです。潜水時にみられる場合もある窒素中毒や酸素中毒も、窒素/酸素から変換される磁気的作用力の「おおよそ8:2」の均衡が崩れるために現れています。

(1000/1000) 変換される磁気的作用力の割合と活動の量/強度
(1000/1000) 変換される磁気的作用力の割合と活動の量/強度

 人の用いている有形体を含む陸上生物も、水中生物も、窒素/酸素から変換される磁気的作用力の量は「おおよそ8:2」の割合を有形体の維持に必要としています。陸上生物は有形体の特性として、大気中の窒素/酸素へ付与された活動性を取り込めますが、水中の窒素/酸素からは活動性を取り込めません。一方で、水中生物は有形体の特性として、水中の窒素/酸素へ付与された活動性を取り込めますが、大気中の窒素/酸素からは活動性を取り込めません。

 なお、気圧/水圧は単位体積あたりの大気中/水中に含まれる窒素/酸素の割合を変化させますが、窒素/酸素へ付与されている活動性を有形体へ取り込む程度(取り込みやすい/取り込み難い)には関係していません。取り込む活動性を量的に捉えた場合に、大気中/水中に含まれる窒素/酸素の割合が変化することで、窒素/酸素へ付与されている活動性を単位時間あたりに有形体へ取り込める上限量が変化するために、窒素から取り込んだ活動性から変換される磁気的作用力の上限量や、酸素から取り込んだ活動性から変換される磁気的作用力の上限量が、気圧/水圧から影響を受けることになります。

(1000/1000) 種族と活動性を取り込める環境
(1000/1000) 種族と活動性を取り込める環境

(1000/1000)

 大気から取り込む活動性の程度と食事から取り込む活動性の程度は、どちらが高い/低いということはなく、双方ともに様々な活動性の性質/程度を有しています。

 大気も、多くの食物(加工品を含む)の元となっている植物も、これらの土台は無形界の造化の担当者によって地上/惑星へ造化されている表現です。その土台のうえに、地上で生活する人によって誠実/不誠実の性質や様々な程度の活動性が加えられ、大気/食物には誠実/不誠実の性質を有する様々な程度の活動性が混在するようになります。

 大気には、3次元の側面からみると無数の無色透明な気体(酸素/二酸化炭素/窒素など)だけでなく、水蒸気、乗り物の排気ガス、煙草/焚き火の煙、料理の湯気、呼気によって肺から排出される気体、花の香り、などの様々なもので構成されています。これらを地上の生活で様々な目的に基づき自覚して、あるいは、自覚できるものの自覚なく排出している者たちが逐一に活動性を付与しており、排出されたガス/煙/気体などは目的に相応する誠実/不誠実の性質と活動性の程度を有するようになります。なお、4次元の側面からみると、精神で造化される表現や発言/行動/態度などに付随して造化され外環境へ表現される「活動性の性質の表現(静謐、輝き、騒擾[そうじょう]、暗闇)」も大気を構成しています。活動性の性質の表現については、3章9節 精神 #活動性の性質の表現を参照してください。

 誠実/不誠実の性質を有する様々な程度の活動性が混在している大気を地域ごとに捉えれば、それぞれの地域で生活する人たちの生き方の総合が、その地域の大気の活動性が有する性質/程度を決定しているといえます。都市部、繁華街、歓楽街、田園地帯、企業/学校/家庭などの共同体、従業員/利用客を総合した商業施設、自宅の自室、自宅の台所、などで、それぞれの性質/程度の活動性を有する大気があります。

 呼吸を通して、生活している場から誠実/不誠実の性質を有する様々な程度の活動性を有形体へ取り込んでいますが、呼吸/食事から同等の活動性の程度を取り込んだとしても、呼吸/食事では変換される磁気的作用力の量が異なります。呼吸という行動をおこなうために消費する磁気的作用力の量は僅かであり、呼吸を通して取り込んだ活動性から変換される磁気的作用力の、ほとんど量を呼吸以外の活動へ用いることができます。一方で、食事という行動は、食物の消化と活動性の取り込みへ大量の磁気的作用力を消費するために、結果として、食事を通して取り込んだ活動性から変換される磁気的作用力の量は僅かとなります。

(1000/1000) 呼吸/食事から得た磁気的作用力の量と消費する量
(1000/1000) 呼吸/食事から得た磁気的作用力の量と消費する量

 なお、大気/食物から取り込んだ活動性は全て磁気的作用力へ変換され、有形体のおこなう活動へ作用させる(物的な作用を与え物的に変化させる)ために用いられます。大気/食物から取り込んだ活動性を磁気的作用力へ変換せずに、有形体のおこなう活動の内容へ活動性を付与する(物的な作用を与え物的に変化させるのではない)ために用いられる状況はありません。活動の内容へ付与する活動性は分霊の有する生命の活動性のみです。物的に変化する活動そのものと、活動の内容は、同じひとつの活動を表していますが、両者は指し示しているものが異なる点へ留意してください。物的に変化する活動そのものと、活動の内容の違いについては、2章3節 有形界の構造 #有形界の造化を参照してください。

(1000/1000)

 はじめに、物事への熱中と、行為への集中の違いについては、5章6節 愛の行為 #質疑応答の「意識の集中と、物事への熱中は同じですか?」を参照してください。

 物事への熱中は、物質の心による誘惑に由来しており、興奮性で、呼吸を速く荒くし、同調する活動性の程度を下降させます。物質の心を内包する有形体の状況や、有形体を通して認識する外環境の状況へ意識が向くほどに、物事へ熱中しやすくなるともいえます。物事への熱中は、意識が、ひとつひとつの行為に対して散漫となり、行為は粗雑/乱雑で騒がしくおこなわれるようになります。

 一方で、行為への集中は、大霊の心に由来しており、静謐で、呼吸をしていないと感じるほどに細くゆっくりとなり、同調する活動性の程度を上昇させます。有形体の状況から意識が離れ無形体へ意識が向くほどに、また、無形体を通して外環境の状況を認識するほどに、行為へ集中しやすくなるともいえます。意識が、ひとつひとつの行為へ強く集中していくほどに、呼吸はゆっくりと穏やかになり、行為は丁寧におこなわれるようになります。

 意識の集中と呼吸との関連は、祈り/瞑想で高い活動性へ同調するほどに呼吸は細くゆっくりと穏やかになっていく状況を示しており、呼吸の速さ/荒さは、焦り、急ぎ、力[りき]み、緊張、興奮、などがあり、高い活動性への同調を阻碍している状況を表しているともいえます。呼吸を細くゆっくりとおこなっていくように努める(焦り/急ぎ/力みなどを消し去るように努める)ことで、意識を一点へ集中でき、高い活動性へ同調しやすくなります。ただし、祈り/瞑想をおこなう際には、呼吸は補助であり、呼吸へ意識を集中するのではなく、活動性から受ける感覚へ意識を集中していくようにします。祈り/瞑想については、5章5節 祈り/瞑想を参照してください。

睡眠

(1000/1000)

 睡眠は、食事と同様に、有形体にとって必須の行動ではありません。ただし、多くの場合では必要な行動となります。必須と必要の違いについては、1章1節 サイトを読むにあたって #質疑応答の「適切と必要は、どのように違うのですか?」を参考にしてください。

 睡眠の必要性は、現在に有形体へ貯蔵されている原素材の量(疲労の程度)、有形体に貯蔵できる原素材の上限量(地上での目的/役割)、単位時間あたりに無形体から有形体へ供給される原素材の量(同調する活動性の程度)、生活の活動量/活動の強度(原素材の消費量)、有形体の劣化の程度(原素材の利用効率)、などの総合で決まり、これらは現在に必要とする睡眠の量にも影響を与えています。睡眠の量は、安静にする程度と安静にする時間の長さとの乗算で表され、安静にする程度は「睡眠の深さ」とも呼ばれています。睡眠が深いほどに安静にする程度が高くなります。

(1000/1000) 安静にする程度と原素材の消費量/供給量
(1000/1000) 安静にする程度と原素材の消費量/供給量

 地上の社会では、成長の程度/同調する活動性の程度が高くなるほどに睡眠は不要になると認知されている側面もみられますが、上述の通り、必ずしも睡眠を必要としなくなるとは限らない点に留意してください。睡眠を摂らなくなる、あるいは、睡眠時間の減少が成長の程度を表す指標にはならないのです。

 睡眠の必要性や睡眠の量へ影響を与える原素材の供給量/消費量については、4章5節 優位性も参考にしてください。

(1000/1000)

 睡眠中も、目覚めている際と同様に、同調する活動性の程度は上昇/下降します。同調する活動性の程度は分霊(無形体)と関係があり、有形体とは関係ありません。睡眠中には、有形体は静止していますが、無形体では活動している点へ留意してください。

 睡眠中は、有形体の内包する物質の心が意識から一時的に切り離されているために、物質の心から誘惑の影響を受けて同調する活動性の程度が自覚できるものの自覚なく下降する状況はみられません。睡眠中に同調する活動性の程度が上昇/下降するのは自覚しておこなわれています。誘惑については5章3節 誘惑を参照してください。

 なお、目覚めていても、睡眠中でも、自覚なく、あるいは、自覚できるものの自覚なく同調する活動性の程度が上昇する状況はみられません。同調する活動性の程度は、常に自覚してのみ高めることができます。同調する活動性の程度にみられる上昇/下降と自覚の有無については、4章3節 内的成長度を参照してください。

(1000/1000)

 睡眠中の体験を思い出せないようにすることが大霊の配慮になるのは、大霊は愛であり、愛は決して分霊の成長を阻碍するような行動はせず、常に成長を促すように、はたらきかけているためです。

 睡眠は有形体の活動の大部分を休止させる行動のために、睡眠中の体験は、有形体を用いた活動ではなく、無形体を用いた活動であり、有形体を用いて活動する地上での生活の本質ではありません。有形体の内包する物質の心から受ける影響や、有形体が受ける物的な痛みを通して学び成長へとつなげることが地上での生活の本質であって、睡眠中の体験は地上での成長には直接的につながっていません。そして、地上で生活できる僅かな期間を、地上での成長へ直接的につながらない無形体を用いた睡眠中の体験へ意識を向けることなく、地上での成長へ直接的につながる有形体を用いた体験へ意識を集中するために、大霊によって睡眠中の体験を思い出せないようにされているのです。地上での成長については、4章2節 有形界での成長を参照してください。

 睡眠中の体験そのものは鮮明に明確に思い出せませんが、体験を通して学んだ内容は分霊の心が有する経験/記録の機能特性へ保存/貯蔵されており、地上での成長へ活かされています。もしも、睡眠中に体験した特定の体験そのものの内容が地上での成長や、地上での目的/役割に必要な場合には、天使たちの援助によって思い出せるようになります。

 なお、睡眠中の体験を、睡眠から目覚めた後に、断片を不鮮明に覚えている状況もみられますが、この内容が有形界/無形界で体験した内容とは限らず、夢と混同している場合もあります。夢とは、精神で造り出した想像の産物(造化した図像的思考のひとつ)であり、現実に起こり得たように製作された仮想現実へ譬[たと]えられ、外環境を認識した現実の体験ではありません。夢の内容には、精神に滞留している思考や、感情(不安、心配、怒り/苛立ち、恐れ/怯え、悲しみ/悲しみ、楽しさ/嬉しさ、など)、悩み、直近に有形体を通して体験した思い出、利己性/自己中心性/欲望、などが強く影響を与えています。

 何としてでも睡眠中の体験を思い出したいと望む者も見受けられますが、「なぜ睡眠中の体験を思い出したいのか?」という自己の目的を誠実に内省すれば、成長のためではなく、興味本位などによる成長を阻碍する利己的な内容が含まれている状況へ気づくようになります。地上での学びに必要でもないのに、自己の都合で睡眠中の体験を思い出そうとするのは、自己が地上で学ぶと決めて再授肉した自由意志による選択を蔑[ないがし]ろにしているともいえる行為であり、地上での学びや役割を放棄して自殺を選ぶ状況と何ら変わりがないという点へ留意する必要があります。

(1000/1000)

 日中や食後に強烈な眠気を感じる多くの場合は強い疲労によって起きています。日中/食後の眠気と疲労のつながりについては、この節の質疑応答の「食後に眠くなるのも、疲労と関係がありますか?」を参照してください。下記では、日中に活動し夜間に就寝する生活に基づいて記述しています。夜間に活動し日中に就寝する生活の場合には適宜に読み替えてください。

 強い疲労を感じ取っていなくても、日中や食後に強烈な眠気を感じる場合はあります。日中/食後に抗[あらが]い難[がた]い強烈な眠気によって数分-数十分間の睡眠へ落ちる際や白昼夢と呼ばれる状況では、無形体で地上や無形界の特定の場所へ訪れている場合もみられ、特定の時機に特定の場所へ訪れて体験を得るために天使たちが誘導してくれているのです。天使たちの誘導による眠気と強い疲労による眠気は、眠気が現れた段階では識別できません。天使たちの誘導による眠気は、現在の地上での生活(眼前の状況)に必要とする体験を得るために、夜間の就寝時ではなく日中の活動時におこなわれているために、目覚めた後にも睡眠時の体験を覚えている場合がほとんどです。この「体験そのもの」の有形的な内容や、体験から学んだ無形的な内容が、地上の生活での眼前の状況へ必要とされています。

 なお、無形体での活動は精神的な時間の経過を感じ取るために、強烈な眠気による睡眠が地上での人工的な時間で数分の経過であったとしても、無形体で訪れている際には数時間-数日が経過しているように感じる場合もあります。

(1000/1000)

 睡眠中に体験した内容は、必ずしも自己が直接に体験したとは限りません。無形体を通した外環境の認識では、他者の体験を自己が体験しているかのように感じ取ることもできるためです。地上で生活する人が睡眠中に無形体で人霊界や地獄層へ赴[おもむ]いた際には、自身で様々な物事を体験するだけでなく、また、他者が現在に体験している物事の様子を自己が客観的に観察しているだけでなく、他者が現在に体験している物事の様子を自己が体験しているかのように主観的に観察している場合もみられます。そして、他者が現在に体験している物事の様子を自己が体験しているかのように観察している際には、他者が他者の有する物事の捉え方に基づき精神で造化している思考/感情などの内容を、自己が造化しているかのように伝わってくる場合もあります。

 そのため、睡眠中に体験した内容を地上の生活で思い出したとしても、睡眠中に体験している内容のすべてが、自己の直接に体験した内容とは限らない点に留意してください。基本的に、自己の直接的に体験した内容と、他者の体験を間接的に体験した内容との判別はできませんが、体験の中で、自己が地上生活で日常的におこなわないような物事の捉え方を、常におこなって行動している場合などは判別も可能です。物事の捉え方は、習慣を形成して経験の機能特性へ保存されており、習慣を瞬時に変えることはできないために、自己が地上生活で日常的におこなわないような物事の捉え方を、無形界でのみしている状況はみられないのです。

 ただし、思い出した睡眠中の体験が自己の直接的に体験した内容であったとしても、他者の体験を間接的に体験した内容であったとしても、地上での生活の中で思い出すのは、体験の内容や体験を通して学んだ内容が、現在の地上での生活(眼前の状況)に必要としているためです。体験の内容を必要でもないのに思い出す状況はありません。体験の内容を思い出したのならば、眼前の外環境の状況や自己の内面の状況とあわせて、丁寧に詳細に考察することで、眼前の状況の改善/修正や成長の学びへつながるようになります。

 なお、睡眠中に、他者が現在に体験している物事の様子を自己が体験しているかのように主観的に観察している場合には、他者の体験に登場する場所/人物などを、自己の記憶にある場所/人物に置き換えて認識している状況もみられます。自己が未だに知らない場所/人物は、自己は無形的には認識できるものの、有形的には認識できないために、自己の知る「他者の体験している状況に類似する場所/人物」を組み合わせて有形的に認識しているのです。ただし、他者のおこなっている発言/行動や、物事の捉え方、精神で造化している思考/感情、などは置き換えることなく認識しています。

 この質疑応答に関連する内容には、2章6節 無形界の生活 #質疑応答の「地獄層での具体的な生活の内容は、どのようにして知ることができますか?」がありますので参考にしてください。

(1000/1000)

 睡眠は不足しても、摂り過ぎても、意識へ与える物質の心の影響は増大します。物質の心は、有形体の様々な均衡/調和が崩れるほどに誘惑の影響を強め、均衡/調和が保たれているほどに誘惑の影響は弱くなります。なお、均衡/調和が保たれ誘惑の影響が弱くなっても、誘惑の影響が無くなる(影響を受けなくなる)状況はありません。

 あらゆる物事には、ひとつひとつの状況に適切な量/程度(適量/適度)があります。現在の状況での睡眠の適切な量/程度は、日常の生活での「活動の程度(活動量と活動の強度の乗算)と安静の量/程度」の均衡が保たれている量/程度となります。ただし、活動した時間に対して、同等の安静(睡眠)の時間を摂れば均衡が保たれるのではない点に留意してください。均衡が保たれているとは、活動の程度の総合と、安静の量/程度の総合が均衡を保っている状況を表しています。

 現在の状況に必要とする睡眠の量に対して、睡眠が不足すると、有形体の貯蔵する原素材の量が日常の活動へ必要とする段階にまで回復しないために、日常の生活での、活動の程度が安静の量/程度を上回る状況となります。活動/安静の均衡が崩れるために物質の心は誘惑の影響を強めます。一方で、現在の状況に必要とする睡眠の量に対して、睡眠が過剰になると、有形体の貯蔵する原素材の量は日常の活動へ必要とする段階にまで回復しているものの、日常の生活での、安静の量/程度が活動の程度を上回る状況となります。この場合でも、活動/安静の均衡が崩れるために物質の心は誘惑の影響を強めます。

 現在の状況に必要とする睡眠は、常に自己の内面を内省するように努めていれば、おおよその必要な量を感じ取ることはできますが、睡眠を摂る前に必要とする明確な量は把握できません。また、筋反射検査を用いた測定で、事前に必要とする明確な量を知ることもできません。睡眠を摂った後に、物質の心から受ける誘惑の影響や有形体の状況を内省(観察)し、摂った睡眠の量とのつながりを考察して、睡眠の量を調整していく必要があります。

 疲労へ直接に関連する有形体の原素材の貯蔵量は現在の状況に必要とする睡眠の量へ最も大きな影響を与えていますが、加えて、有形体/外環境の様々な周期の組み合わせも睡眠の量に影響を与えています。有形体/外環境の様々な周期の組み合わせは、現在の状況に必要な睡眠の量を決定する、活動の程度の総合と安静の量/程度の総合との均衡を保つ基準を変化させます。これは、天秤(天秤ばかり)の基準点が移動することへ譬[たと]えられ、基準点が中央から側端へ移動して何も載せていない天秤が一方へ傾いているために、同等の重量では天秤の釣り合いがとれず、一方の重量が他方の重量より大きくても(小さくても)天秤が釣り合う状況を表しています。なお、夏季の高い気温や汗出の増大などによって、秋季に有形体の貯蔵する原素材の量が極めて少なくなっており、数日/数週間の睡眠で回復できなかったとしても、現在の状況に必要とする睡眠の量/程度を上回れば、睡眠は過剰となります。

 この質疑応答に関連する内容には、4章5節 優位性 #質疑応答の「夏季に減少した原素材の貯蔵量が短期間で回復せずに、冬季にゆっくりと回復していくのはどうしてですか?」がありますので参考にしてください。

(1000/1000) 基準点の変化する天秤の譬え
(1000/1000) 基準点の変化する天秤の譬え

食事

(1000/1000)

 大量に原素材を消費する「食事の行動」をおこなうのは、食事(食物の消化)によって原素材を大量に消費してでも、食事を通して活動性を取り込む必要があるためです。分霊の同調する活動性の程度が低いと、分霊の有する生命の活動性を有形体で磁気的作用力へ変換して作用させることのできる量は少なく、単位時間あたりに変換される磁気的作用力の量が有形体の活動に必要とする量よりも不足していれば、有形体の活動を維持するだけの充分な造化をおこなえなくなります。そのため、有形体に貯蔵されている原素材を大量に消費してでも、食事を通して活動性を取り込み、取り込んだ活動性を変換して磁気的作用力を補充し、有形体の活動が滞りなくおこなえるようにしているのです。

 有形体の活動が滞りなくできる程度の磁気的作用力を補充する食事の摂取量であれば、食事(食物の消化)による原素材の消費量を抑えられます。一方で、過食/大食は磁気的作用力を多く補うことはできても、同時に、大量の原素材を消費する(有形体の疲労を強める)ために、結局のところ、有形体の活動を維持するのに必要とするだけの原素材の量が不足し、充分な活動をおこなえなくなります。

 磁気的作用力を補充するために、どの程度の食事量を必要とするのかは、同調する活動性の程度、有形体の体質、有形体が原素材を貯蔵できる上限量、日常の活動量/活動の強度、などの総合によって決まるために個々によって様々であり、また、日々の生活状況によっても変化し一定ではありません。高い活動性の程度へ同調すれば、生命の活動性のみから、有形体の活動を維持するだけの磁気的作用力の量を充分に確保できるとは限らない点に留意してください。同様に、比較的に低い活動性の程度へ同調していても、生命の活動性のみから、有形体の活動を維持するだけの磁気的作用力の量を充分に確保できる場合もみられます。

(1000/1000)

 食事から取り込む活動性(磁気的作用力)は、分霊の有する生命の活動性を用いた有形体での造化を補助しているだけであり、食事から取り込む活動性は必須ではないために、食事を辞めることも選択できます。ただし、食事を辞めても、有形体で滞りなく造化がおこなえるだけの磁気的作用力の量が生命の活動性によって確保でき、更に、有形体の活動を維持できるだけの原素材の量が供給されている場合に限ります。

 分霊が高い活動性の程度へ同調するようになると、分霊から無形体へ供給される原素材の量が増大し、有形体の疲労の程度(外的優位性)とは別に、無形体から有形体への基本的な原素材の供給量も増大します(外的優位性によって単位時間あたりに有形体へ浸透する量も増大します)。そして、分霊の有する生命の高い活動性は、有形体の活動に必要とするだけの充分な磁気的作用力の量を生み出して、有形体での様々な造化を遅滞なくおこなえるようになるために、食事から活動性を取り込まなくても、有形体の活動を維持できるようになります。重要なのは、有形体の活動を維持するのに必要とするだけの充分な磁気的作用力の量と原素材の量が確保できていなければならないという点です。どちらか一方が充分に確保できていても、他方が不足していれば、有形体の活動を維持するための造化はおこなえなくなります。外的優位性については、4章5節 優位性を参照してください。

 同調する活動性の程度が高くなるほどに、食事の必要性が低くなる傾向はみられますが、有形体の体質、日常の活動量/活動の強度、熱/疲労の有無/程度、生活の状況、地上での目的/役割、などによっては、高い活動性の程度へ同調していても食事を必要とする場合があります。一方で、同調する活動性の程度が200ほどであったとしても食事を辞められる場合もあります。食事は、食物を消化し、食物から活動性を取り込むのに、多くの造化の工程(消化/吸収)を必要とするために、その過程で大量の原素材と磁気的作用力を消費します。同調する活動性の程度、有形体の体質、日常の活動量/活動の強度、熱/疲労の有無/程度、などを総合し、有形体の活動に必要とするだけの充分な磁気的作用力の量と原素材の量が確保できているのならば、食事を辞める(断食)ことで、有形体での原素材の消費を減らし、磁気的作用力も節約できるようになります。食事を辞めることで原素材の消費量を大幅に抑えられるために、原素材の貯蔵量を回復させる「睡眠の行動」に必要とする時間を短縮させる傾向がみられます。

 食事を辞めた者たちは、現在でも地上に多く存命しています。食事を辞めるという行動は、個々の有する地上での目的/役割に基づいておこなわれている場合が多く、食事を辞める行動の内容も地上での目的/役割の内容によって様々であり、特定の単品目(固形物)のみを僅かに食べる者、食べる行動を辞め液体のみを摂る者、特定の液体品目のみを摂る者、水のみを摂る者、一切の飲食物を摂らない者、などがみられます。これらは、本人たちの地上での目的/役割に対する自覚の有無に関わらず、「食事は有形体の維持に必ずしも必要ではない」という実証をして周囲の者へ示し、周囲の者たちに対して、「食事はしなければならない」という囚われ(固定観念/既成概念)へ気づく切っ掛けとなるようにおこなわれているのであり、食事を辞めることが成長するために必要な条件ではありません。また、食事を辞めることが優れていて、食事を摂ることが劣っているのでもありません。決して安易に模倣して、食事を辞めないようにしてください。もしも、食事を辞める必要があれば、適切な時機に天使たちが導いてくださいます。

 ある行動が有形体/有形界の3次元の側面では超常的に捉えられたとしても、4次元の側面から捉えたのならば、誰にでも日常的に起こり得る行動です。食事を辞める、土中/水中で物的な呼吸を止めて生活する、眠らない、極寒の中を薄着/半裸で生活する、などの超常的と呼ばれる「現在の社会の常識から逸脱する」行動へ意識を向けて、行動を称賛/奨励/追求するのではなく、それらの行動がおこなわれている目的へ意識を向けるように努める必要があります。超常的と呼ばれる同じ行動であったとしても、おこなう目的は個々によって様々です。誠実な目的の場合もあれば、不誠実な目的の場合もあり、自己という個体のためにおこなっている場合もあれば、他者/社会/全体のためにおこなっている場合もあります。

(1000/1000)

 はじめに、有形体に現れる欠乏症は、特定の性質を有する磁気的作用力が短期間で大量に消費される、あるいは、特定の性質を有する磁気的作用力が長期に渡り補充されない場合に、有形体の活動に用いる磁気的作用力の均衡が崩れ、運動器系/循環器系/神経系/内臓系/感覚器系の連携が維持できなくなるために起きています。また、有形体の活動へ作用させる全ての磁気的作用力は、地精が活動性から変換しており、地精以外が活動性から変換する状況や、外環境から直接に磁気的作用力として取り込む状況はありません。地精が磁気的作用力へ変換する活動性には、生命の活動性に加えて、食物、大気、太陽光から取り込んだ活動性があります。生命/太陽光の有する活動性は、性質に偏りがみられませんが、一方で、食物/大気の有する活動性は、食物/大気の内容によって性質に偏りがみられます。食物/大気/太陽光の有する活動性については、この節の質疑応答の「有形体を太陽光へ当てていれば食事を必要としなくなっていくといわれているのは、どうしてですか?」を参照してください。

 食事を通して食物から、あるいは、大気から活動性を取り込んでいるにも関わらず欠乏症が現れる場合では、食物/大気から変換される磁気的作用力の性質に偏りがあるために、特定の性質を有する磁気的作用力が不足して起きています。食物/大気へ付与された活動性の性質は、あらゆる性質の活動性が付与されているのではなく、特定の性質のみが付与されているために、有形体へ取り込み磁気的作用力へ変換しても、特定の性質を有する磁気的作用力へ変換され、あらゆる性質の磁気的作用力へは変換されません。食事/大気の内容によっては、ある性質の磁気的作用力は得られても、他の性質の磁気的作用力は得られない状況があります。

 一方で、分霊の有する生命の活動性や、太陽光から取り込んだ活動性は、無数の性質を有する活動性で構成されているために、無数の性質を有する磁気的作用力へ変換できます。そのため、高い活動性の程度へ同調し、また、生命/太陽光の活動性から有形体の活動に必要とする充分な量の、無数の性質を有する磁気的作用力を生み出せるにも関わらず、有形体に欠乏症として現れる状況は、大きく2つに分けられます。

 1つ目は、特定の性質を有する磁気的作用力を、固定観念/既成概念(囚われ/習慣)に基づいて、自由意志で自覚して、あるいは、自覚できるものの自覚なく造り出さないように選択している状況です。社会の常識に影響を受けて、「ビタミン、ミネラル、必須アミノ酸、必須脂肪酸、などは、有形体内では合成/生成できないために、食事によって食物(有形体の外部)から摂取しなければならない」と信じて(囚われて)いれば、その内容の通りに、有形体内では合成/生成されないようになります。地精が、囚われの内容に基づいて、生命/太陽光の活動性を、特定の性質を有する磁気的作用力へ変換しなくなるために、いくつもの性質を有する磁気的作用力の組み合わせによって3次元の側面へ現れる、ビタミン、ミネラル、必須アミノ酸、必須脂肪酸、なども合成/生成されなくなり、欠乏症として現れるようになります。

 2つ目は、地精が有形体内で、生命/太陽光(加えて、食物/大気)の活動性から、それぞれの性質を有する磁気的作用力へ、単位時間あたり変換できる速さは一定のために、単位時間あたりに造り出される磁気的作用力の量を上回る消費が続き有形体の活動へ必要とする量が不足すると、有形体内での造化の工程が不完全となり、欠乏症として現れます。地精が生命/太陽光の活動性を、それぞれの性質を有する磁気的作用力へ変換する、おおよその割合は決まっており、単位時間あたりに多く生み出される性質の磁気的作用力もあれば、少ない性質の磁気的作用力もあります。また、有形体を通した特定の行動や活動量/活動の強度だけでなく、個々の用いている有形体の体質や、熱/疲労などの有形体の状況によっても、消費しやすい磁気的作用力の性質や消費する量は異なります。

 生命の活動性から磁気的作用力へ変換される過程を例とした場合では、地精は一定の速さで、一定の性質の割合で、活動性から磁気的作用力へ変換するために、同調する活動性の程度(生命の活動性の程度)が高くなるほどに、単位時間あたりに変換される磁気的作用力の総量は多くなります。同調する活動性の程度が低いのならば、単位時間あたりに変換される磁気的作用力の「性質の割合」は同等ですが、変換される総量は少なくなります。

(1000/1000) 同調する活動性の程度と変換される磁気的作用力の量
(1000/1000) 同調する活動性の程度と変換される磁気的作用力の量

 生命の活動性から磁気的作用力へ変換される場合と同様に、食物/大気/太陽光から取り込んだ活動性の程度も高いほどに、単位時間あたりに変換される磁気的作用力の総量は多くなります。ただし、太陽光から取り込んだ活動性は性質に偏りがないために、一定の性質の割合で磁気的作用力へ変換されることで、一定の割合の磁気的作用力を得られますが、一方で、食物/大気から取り込んだ活動性は性質に偏りあるために、一定の性質の割合で磁気的作用力へ変換されたとしても、一定の割合の磁気的作用力を得られるとは限りません。

 なお、新生児/乳児の欠乏症/栄養失調は、本人の同調する活動性の程度によって有形体の活動に必要とする磁気的作用力を充分に賄[まかな]えていない場合に加えて、親/大人の固定観念/既成概念や、今回以前の地上の生活で形成した固定観念/既成概念が影響を与えている場合もあります。親/大人の固定観念/既成概念が影響を与えている場合では、産まれた以降だけでなく、胎児の期間にも、胎内から親/大人たちのおこなう行為を観察/考察しているために、産まれた時点で親/大人の有している固定観念/既成概念を模倣して形成している状況もみられ、固定観念/既成概念に基づいて、生命/太陽光の活動性を、有形体内で特定の性質を有する磁気的作用力へ変換しなくなっているのです。今回以前の地上の生活で形成した固定観念/既成概念が影響を与えている場合では、固定観念/既成概念は経験へ保存されている習慣であり、習慣は有形体の有無や生活の場(有形界/無形界)に関わらず持ち越されるために、今回以前の地上の生活で固定観念/既成概念を形成し、その後に、無形界の生活で固定観念/既成概念を解消しないままに今回に地上へ再授肉したことで、再授肉した時点から固定観念/既成概念に基づいて、生命/太陽光の活動性を、有形体内で特定の性質を有する磁気的作用力へ変換しなくなっています。今回以前の地上の生活で形成した固定観念/既成概念が影響を与えている場合については、5章4節 固定観念/既成概念 #質疑応答の「地上で最も強く有する固定観念/既成概念には、どのような内容がありますか?」も参考にしてください。

(1000/1000)

 食物は物体(造化された実体)のために、必ず活動性が付与されており、活動性が付与されているのならば、活動性は有形体内で磁気的作用力に変換されます。

 熱量(カロリー)は、地上での栄養学に基づく捉え方という点に留意してください。3次元の側面で熱量と呼ばれているものは、4次元の側面では複数の特定の性質を有する磁気的作用力を指しています。熱量のない食物には、熱量と呼ばれる「特定の性質を有する磁気的作用力」へ変換される性質の活動性が付与されていないだけであり、他の性質を有する活動性は付与されています。

 例として、水は熱量を有していませんが、水という実体へ付与されている活動性から変換される複数の性質を有する磁気的作用力は、有形体の維持に必須です。この性質の磁気的作用力は有形体を用いている分霊の生命の活動性からも変換されますが、変換される磁気的作用力の量は多くの人には有形体の維持に不足するために、外環境から水として摂取する必要があります。なお、水には、水と呼ばれる液体だけでなく、様々な食物へ含まれる水分、大気に含まれる水蒸気も相当します。

(1000/1000)

 有形体を太陽光へ当てていれば食事を必要としなくなると古来より地上の様々な地域で伝えられているのは、太陽光から活動性を取り込んで有形体の活動へ用いることで、食事を通して食物から活動性を取り込む必要性が低くなるためです。外環境から活動性を取り込める対象には、太陽光、大気、食物、の3つがあります。3つの中でも、太陽光から活動性を取り込む行動は、有形体の貯蔵する原素材を消費しないために、最も高い効率で活動性から磁気的作用力を得られます。

 太陽光は、大気を取り込む場合と同様に、有形体の全身を通して体内へ活動性を取り込み、磁気的作用力へ変換して、有形体の活動へ用います。大気を取り込む場合には、呼吸の行動を通しておこなわれますが、一方で、太陽光を有形体へ取り込むのに、有形体を通した特定の行動はありません。「太陽光へ有形体を当てている」という自覚が、太陽光から活動性を取り込むように有形体へ「はたらき」かけ、また、自覚の程度が、活動性を取り込める程度を決定します。

 有形界に恒星として存在している太陽は、無形界の恒星を造化する担当者たちによって造化された表現であり、太陽光へ付与されている活動性の程度は1000で測定されます。実際には、1000を遥[はる]かに上回る活動性の程度が太陽/太陽光へ付与されていますが、有形界で表現できる上限を1000と規定して測定するために、1000として測定されています。恒星の造化については、2章3節 有形界の構造 #有形界の太陽の輝きを参照してください。

(1000/1000) 外環境から取り込める活動性
(1000/1000) 外環境から取り込める活動性

 太陽光の活動性は有形体の4次元の側面から取り込みますが、肉眼に視える3次元の側面で、間接光よりも直射光、衣服越しよりも直接に肌へ当たるほうが、太陽光へ当たっているという自覚の程度は高くなる傾向がみられます。加えて、日本の多くの地域では、太陽光の輝きが強く感じ取れる、冬よりも夏、陽射しの陰る雨天/曇天よりも晴天では、太陽光から活動性を取り込みやすくなり、食事から活動性を取り込む必要性が低くなるために、食事をしたくなくなる、食事の量が減少する、などがみられるようになります。勿論[もちろん]ながら、食事をしたくなくなる、食事の量が減少する、などは、太陽光の強さだけでなく、気温の高さ/低さ、湿度の高さ/低さ、有形体の有する熱の強さ、疲労の程度、なども影響を与えています。なお、陽焼け/肌の染[し]みなどを嫌い、太陽光を忌避していては、太陽光から活動性は取り込まれません。

(1000/1000)

 菜食/肉食で明確に区別することはできませんが、菜食/肉食では食物の有している活動性の性質/程度が異なります。

 塩などの鉱物、野菜、果実、虫、貝、などの植物/無脊椎動物は、無形界の6次元以上に属している造化を担当する者の生命の活動性が付与されています。一方で、獣、魚、などの脊椎動物に由来する肉、卵、乳、などは、脊椎動物の有形体を用いている4次元の低い段階に属する分霊(動物霊)の生命の活動性が付与されています。どちらも、食事として取り込む際には、食物の有している活動性の性質/程度に加えて、食物の生産、輸送、販売、保管、加工、調理、などに関与した者の生命の活動性の程度や関与している目的の性質が影響を与え、更に、食物を摂る際の食事への内面の在り方も、摂取する食物の活動性の性質/程度へと影響を与えます。

 食物に付与されている活動性の程度から捉えると、菜食によって取り込める活動性の程度は、肉食よりも大幅に高いといえます。ただし、有している活動性の性質は、菜食/肉食で全く同じではなく、菜食からのみ得られる性質、肉食からのみ得られる性質もあります。

(1000/1000) 食物の有している活動性の程度
(1000) 食物の有している活動性の程度

 なお、肉食動物と呼ばれる脊椎動物の種族や、人と呼ばれる種族は、無形界の造化の担当者たちが種族の用いる有形体の構造/形状を設計し、種族として確立させた当初から、肉食をおこなうように設計されていたのではありません。同じ種族の有形体を用いて何世代にも渡って地上での生活をおこなう過程で、有形体の内包する物質の心から受ける誘惑の影響によって経験の機能特性に保存された「残忍性」に基づいて、徐々に、同胞/同朋の分霊が地上での生活に用いる有形体(人/脊椎動物)を殺害して、肉食をおこなわせるようになりました。そして、同じ種族に肉食が拡まることで既成概念を形成するようになり、現在に至っています。脊椎動物の場合では、地上の生活で形成した「肉食をおこなう既成概念」は、無形界の動物霊界へ戻った後に種族の集合精神で他の動物霊と共有され、種族として肉食を継続させています。集合精神については、4章1節 分霊の成長を参照してください。

 脊椎動物は、それぞれの種族ごとに地上で担う役割を有していますが、肉食をおこなうようになった脊椎動物の種族は、肉食をおこなうようになった後に、様々な脊椎動物の種族(主に草食動物と呼ばれる種族)の個体数を調整して自然界の均衡/調和を維持する役割を新たに担うようになりました。一方で、人は自身の自由意志で肉食をおこなう/おこなわないを選択できるために、人のおこなう肉食は、様々な脊椎動物の種族の個体数を調整する役割とは関係ありません。寧[むし]ろ、人のおこなう肉食は、脊椎動物の中で、特定の種族の個体数を激減させ、特定の種族の個体数を激増させ、自然界の均衡/調和を崩すように、はたらいています。

(1000/1000)

 はじめに、下記では、個体が自身のために、食事(料理)に対する味の追求などをおこなう場合について記述しています。家庭や職業として「他者のため」に、食事(料理)に対する味の追求などをおこなう場合ではない点に留意してください。

 食事は最も物的な行動のひとつであり、霊の成長という無形的な観点から捉えると、食事(料理)に対する追求に価値は見い出せません。食事の内容、量、味、作り方、嗜好、などへの囚われ/拘[こだわ]り/追求は、誘惑に起因する他の物的な囚われ/拘りを呼び込みやすくなります。これは、物事の原因と結果は絶え間なく連鎖しているために、ある物事への囚われは、他の物事の囚われにも結びつくためです。

 食事(料理)の美味しさとは何か? なぜ美味しさを求めるのか? どうして食事をするのか? 摂取する食物を選別するのはどうしてか? 現在に特定の食物/食品/味付けが食べたくなるのはなぜか? などの、これらの目的を明確に省みる必要があります。行動の価値は、行動をおこなう目的によって決まるために、食事が必要/不要という安易な判断をおこなうのではなく、個々にとって食事が有する意義を詳細に考察する必要があるのです。考察する際には、外環境の周期、有形体の周期、疲労の程度、生活環境、精神の状況、固定観念/既成概念、なども総合したうえでおこなうようにします。

 加えて、断食/少食によって、誘惑に起因する多くの行動を消し去ることができるようにもなりますが、断食/少食という行動をおこなうだけでは無価値であり、断食/少食を辞めた時点で反動のように過食をおこない、同時に、多くの誘惑に起因する行動を呼び込む状況につながります。断食/少食という行動をおこなう誠実な目的を明確に自覚し、常に目的を一貫して通す強い意志を保持することで、誘惑に起因する多くの行動を消し去れるようになります。なお、減量と呼ばれる「有形体の形体を細くする(痩身)」ためにおこなわれる断食/少食は、ありのままの自己に恐れ/怯えて自己に都合の良いように他者からみられたいという、虚栄心を満たすための不誠実な目的/行動です。そのため、この断食/少食によって誘惑に起因する他の行動を消し去ることはできないだけでなく、更に多くの恐れ/怯えに基づく行動を呼び込むようになります。

(1000/1000)

 食物に感じ取る美味しさは、食物へ付与されている活動性の程度と、自己の同調する活動性の程度との差によって変化します。これは、同じ食物、同じ味付けのされた料理であっても、感じ取る美味しさが変化する状況を表しています。勿論[もちろん]ながら、自己の有する個性の方向性も、食物/料理から感じ取る美味しさ(味の嗜好)へ影響を与えています。

 食物/料理へ付与されている活動性の程度が同調する活動性の程度よりも相対的に高い場合では、食物/料理へ美味しさを感じ取りやすくなります。ただし、食物/料理へ付与されている活動性の程度と同調する活動性の程度との差が大きくなるほどに、美味しさを強く感じ取るようになるとは限りません。一方で、食物/料理へ付与されている活動性の程度が同調する活動性の程度よりも相対的に低い場合では、食物/料理へ美味しさを感じ取り難くなります。そして、食物/料理へ付与されている活動性の程度と同調する活動性の程度との差が大きくなるほどに美味しさは感じなくなります。

 例として、獣肉には脊椎動物の有形体を用いている分霊(動物霊)の有する生命の活動性が付与されていますが、その活動性の程度は人の有形体を用いている人霊の有する生命の活動性の程度よりも基本的に低いです。自己の同調する活動性の程度が低ければ、獣肉へ付与されている活動性の程度との差が小さいために美味しさを感じやすく、獣肉を好んで食べるようにもなります。一方で、自己の同調する活動性の程度が高くなるほどに獣肉へ付与されている活動性の程度との差が大きくなるために美味しさを感じなくなり、獣肉を食べないようになります。ただし、獣肉には食べるまでの過程(飼育/屠殺(とさつ)/加工/輸送/販売/調理など)に関わった人々が様々な性質/程度の活動性を更に付与しているために、脊椎動物の有形体を用いていた動物霊の付与した活動性の程度のみが関与しているのではない点に留意してください。また、自己の同調する活動性の程度や獣肉へ付与されている総合的な活動性の程度とは別に、自己の用いる有形体に熱/疲労があると獣肉(動物性食物)の食事へ惹[ひ]かれる場合もあります。これは、熱/疲労によって意識に占める物質の心の影響が増大している状況と関連しており、熱/疲労を解消すると獣肉の食事へ惹かれなくなります。

 なお、調理の際に、美味しくなるように念じながら作られた料理へ、必ずしも誠実な性質を有する高い活動性の程度が付与されるとは限りません。美味しくなるように念じる目的と意志の強さが料理へ付与される活動性の性質/程度を決めます。料理を食べてもらう他の誰かへ喜んでもらえるように美味しさを求めているのであれば、愛の行為となる場合もあり、誠実な性質を有する高い活動性の程度を付与できる可能性があります。一方で、欲望に基づいて美味しさを追求しているのであれば、料理へ不誠実な性質の活動性を付与することになり、誠実な性質の活動性が同時に付与されていたとしても、極めて低い程度となります。

(1000/1000)

 はじめに、同調する活動性の程度(成長の程度)が高くなるほどに肉食を好まなくなることについては、この節の質疑応答の「食物に感じ取る美味しさは、食物へ付与されている活動性の程度と関係がありますか?」を参照してください。

 ヴィーガン/ベジタリアンという語は、自己の決めた食事の方向性、あるいは、他者/外環境(社会)から強制された食事の方向性として用いられている場合と、食事の状況を指している場合があり、地上社会では両者の定義が混在して用いられています。食事の方向性として用いられている場合は、菜食主義とも言い換えられます。食事の状況を指している場合は、動物性の食物が食事へ含まれていないことを表しています。両者は同じではない点に留意してください。菜食主義は自己へ食事で摂る食物の種別を自覚して、あるいは、自覚できるものの自覚なく強制しており、強制した結果として、動物性の食物を食事へ含まない状況がみられるようになります。一方で、菜食主義として強制することなく自然に動物性の食物が食事へ含まれなくなった状況もあります。

 ベジタリアンやヴィーガンと呼ばれる生き方が高い成長の程度を表しているのではなく、また、ベジタリアンやヴィーガンと呼ばれる生き方をおこなうことが、成長を促進するのでもありません。物的に動物性の食物/材料を食べる/使用する、食べない/使用しない、どのように調理する/使用する/加工する、という点に囚われて、無形的な学びを得る機会を潰してしまわないように留意する必要があります。物的な行動ではなく、行動の目的を明確に自覚して、行動の目的が成長を阻碍しないように努める、あるいは、行動の目的が成長を促進するように努めるのです。

 同調する活動性の程度/成長の程度が向上するほどに、脊椎動物(動物霊)に由来するものを自然に用いない/食べないようになる傾向はみられますが、必ずしも脊椎動物に由来するものを用いない/食べないように移行していくとは限りません。地上での目的/役割によっては、脊椎動物の殺傷/屠殺[とさつ]/肉食などを通して愛へ気づき愛を学ぶために、比較的に成長の程度が高くても、動物性の食物/材料を食べる/使用する場合もみられます。そして、脊椎動物に由来するものを用いない/食べないようになるのは自然に移行するのであり、倫理感、健康の阻碍、などの様々な理由をつけて用いない/食べないように自己へ強制するのではありません。何時[いつ]の段階/時期に、どの品目/種別を、どの程度に削減し辞めていくのかも自然に気づき実行します。自然に移行しているのならば、日常的には動物性の食物を摂らなくても、必要と感じた際には動物性の食物を摂る場合もあります。

 地上社会では、食事の観点から捉えただけでも、ベジタリアニズム(ベジタリアン/菜食主義)、ヴィーガニズム(ヴィーガン)、仏教/道教の禁葷食[きんくんしょく](三厭五葷[さんえんごくん])、ヒンドゥー/ジャイナのアヒンサー(非暴力/不殺生)、イスラムのハラール(ノンハラーム)、ユダヤのカシュルート、などの様々な主義/思想/規律/戒律があります。これらを、社会/他者などの自己以外から強制されることなく、自己が自身へ強制することもなく、言われるがままに盲目的におこなうこともなく、自己が自身で内容を丁寧に考察し理解/納得したうえで、自覚して積極的におこなう状況に成長への学びがあり、成長へもつながるようになります。

 加えて、ベジタリアニズム、ヴィーガニズム、三厭五葷、アヒンサー、ハラール、カシュルート、などの区分、区分の名称、区分の範囲/定義、区分の有する規則/規定、などに拘[こだわ]り囚われている状況も多くみられますが、特定の区分/主義への帰属を求める土台には、恐れ/怯えがあります。主義を掲げ自己へ特定の内容を強制する、特定の区分へ属する自己に陶酔して虚栄心を満たす、区分の範囲/定義(区分へ含まれる品目/項目など)の議論/論争へ熱中する、他の区分へ属する者を非難/批判/糾弾する、などは成長を阻碍/退行させているだけで、成長の促進にはつながっていないと気づく必要があります。

 外環境へ表現されている情報や、あらゆる物事を、自己が成長を求める過程で様々な考察をするために区分/分類する状況はあっても、思考の方向性や行動を区分/分類に囚われ強制されてはならないのです。成長を求めるのならば、常に、内的/外的に自由であるように努める必要があります。これは、このサイトに掲載されている内容に囚われないことも含まれます。自由ついては、5章4節 固定観念/既成概念 #自由とはを参照してください。

 なお、農薬/大量の肥料を使用する慣行農業で栽培された野菜を辞め無農薬/有機栽培の野菜を選択する、精白穀物を辞め全粒穀物を摂る、動物性食物/加工食品を摂らない、などの食事に関連する行動や、運動の量/強度/頻度、食事の内容/量/頻度/摂取する時間、睡眠時間、余暇、などの生活習慣を改善して健康へ努めているとしても、健康を求める目的の土台に自覚のある、あるいは、自覚できるものの自覚していない恐れ/怯えがあるのならば、結果として、成長を阻碍するだけでなく、健康を害するようにもなります。内面に有している無形的な恐れ/怯えが、有形体の状況へ物的/有形的に反映されるのです。

 この質疑応答に関連する内容には、この節の質疑応答の「精神で造化する表現が有形体の状況へ現れるのであれば、疾病や怪我も強い意志で治癒を願えば治療の効果を高めますか?」がありますので参考にしてください。

(1000/1000)

 はじめに、同調する活動性の程度が低いほどに肉食を好みやすくなることについては、この節の質疑応答の「食物に感じ取る美味しさは、食物へ付与されている活動性の程度と関係がありますか?」を参照してください。

 動物性食物(肉食)を辞めて植物性の代替肉を使用しても、同調する活動性の程度は向上しません。獣肉を辞める替わりに、植物性食物で造られた「獣肉にみえる代替肉」を用いる目的は何か? を内省する必要があります。獣肉の食事は辞めるものの、獣肉にみえる代替肉を用いようとするのは、自己の内面に自覚のある、あるいは、自覚できるものの自覚していない「動物性食物(獣肉)を食べたい」という欲望があるためです。物的には動物性食物の食事を辞めても、自己の内面で動物性食物を食べたいという欲望が継続しているために、動物性食物(代替肉)を食べる生き方が辞められないのです。成長の観点から捉えると、代替肉を用いる状況に意義はみられず、自己の内面にある「動物性食物を食べたい」という欲望へ向き合うことなく、欲望から眼を逸らし逃げ回っているともいえます。代替肉の食事を通して様々な体験や学びは得られたとしても、自己の内面では肉食への欲望が消え去っていない、あるいは、肉食への欲望が強められています。ただし、地上社会での食糧供給量などの観点から捉えるのならば、肉食を辞め、代替肉を用いることには意義があるともいえます。

 生き方を修正していくには、有している習慣、物事の捉え方、精神で造化する表現(欲望を含む)、などの自己の内面を変える必要があります。物的な状況を変えても、自己の内面が変わっていないのならば、成長の促進(同調する活動性の程度の向上)へはつながりません。ある内容の欲望を辞めるために、代替となる他の欲望を造り出しているのでは、総合としての欲望は何時[いつ]までも減少しない/消え去らない点へ留意してください。総合としての欲望そのものを減少/消去していく(内面を変えていく)からこそ、成長が促進されるのです。

 加えて、ある内容の欲望への我慢は、自己の内面で欲望を抑えつけているだけであり、欲望は減少していません。我慢の状況は、欲望へ意識が向き続けているために欲望は維持され強められており、更に、ある内容の欲望が強まれば、他の内容の欲望も強めるように、はたらきます。欲望を我慢せずに欲望を減少させていくには、欲望の内容へ意識を向けないように努める必要があり、欲望へ意識が向かなくなれば、欲望は徐々に弱まり消え去っていきます。なお、抑えつけて(我慢して)いる欲望への圧力を減少させるために欲望を満たしたのならば、急激に欲望が強まります。

 この質疑応答に関連する内容には、5章1節 修養の生活 #質疑応答の「行為へ意識を向けないように努めるほどに、行為へ意識が向いてしまうのですが、どうすれば意識を向けないようにできますか?」がありますので参考にしてください。

(1000/1000)

 食事という行動そのものが同調する活動性の程度を下降させる状況はなく、食事という行動をおこなう目的によっては、同調する活動性の程度を下降させる場合もあります。食事は、食物という粗雑な物体を有形体内へ取り込む行動のために、食物を取り込むことで、意識に混濁/粗雑/有重の感覚を生じさせやすくなり、高い活動性の程度から受ける透明/精細/無重の感覚を認識し難くさせます。意識が混濁/粗雑/有重の感覚を強く受けるほどに、これらの感覚へ相当する活動性の程度へ同調しやすくなり、自己の同調する活動性の程度を下降させる原因になります。意識が受ける活動性の感覚については、5章5節 祈り/瞑想を参照してください。

 食事によって意識が受ける混濁/粗雑/有重の感覚の程度は、食物へ付与されている活動性の程度によって異なります。食事によって有形体内へ取り入れる、食物へ付与されている活動性の程度が低いほどに、あるいは、不誠実の性質を有していれば、意識が受ける混濁/粗雑/有重の感覚の程度は強く、自己の同調する活動性の程度を下降させるように、はたらきやすくなります。一方で、食物へ付与されている活動性の程度が高いほどに、意識が受ける混濁/粗雑/有重の感覚の程度は弱く、自己の同調する活動性の程度を下降させるように、はたらき難くなります。ただし、食物へ付与されている活動性の程度が高くても、自己の同調する活動性の程度を上昇させるように、はたらく状況はありません。

 食物へ付与されている活動性の程度は、その食物へ関わった「すべての者たち」によって付与された活動性の総合(合計)として表されます。食物へ最後に活動性を付与するのは食べる本人であり、食物の有する活動性の程度へ大きな影響を与えます。食物を食べる本人が、食事を通して食物へ付与する活動性の程度は、食事をおこなう目的によって異なり、食物に関わったすべての者たちへの感謝/愛をもって食べるのならば、食事によって食物へ付与される活動性の程度は高くなります。一方で、苛立ち/悲しみなどの感情から眼を逸らすために食べる食事(自棄[やけ]食い)や、美食への欲望を満たすための食事、すべきではないと認識しながらもしてしまう過食、などは、食事で付与される活動性の程度は低いか、あるいは、不誠実な性質を有する活動性を付与するようになります。

(1000/1000)

 はじめに、自己は霊であり、有形体は自己が地上で物的な活動をおこなうための道具であって、有形体が自己ではありません。しかし、地上の生活では、常に有形体を通して活動しているために、有形体を自己と誤認している状況が多くみられます。有形体を自己と誤認する程度は、成長の程度、意識に占める心の割合、痛み、熱、疲労、利己性/自己中心性、貯蔵している情報/知識の内容/程度、固定観念/既成概念の内容/強さ、有形的認識の内容/程度、内面の状況、などによって絶え間なく変化しています。有形体を自己と誤認するのは、経験へ保存されている「誠実/不誠実と関係しない習慣」のひとつであり、有形体を自己と誤認することそのものに誠実/不誠実の性質はありません。経験へ保存されている習慣については、3章7節 心を参照してください。

 食事は最も物的な行動のひとつであるために、食事を摂る習慣によって、有形体を自己と誤認させる程度を強めやすくなります。食事を摂る習慣によって、有形体を自己と誤認させる程度が強くなるのは、食物の消化/吸収は有形体の内包する物質の心が統御しており、食物の消化/吸収へ物質の心が活発に「はたらく」ようになると、同時に、意識への物質の心の影響も増大するためです。食物の消化/吸収という外的な物質の心の「はたらき」と、意識へ影響を与える内的な物質の心の「はたらき」は不可分のために、外的に活発となれば、内的にも活発となり、意識に占める物質の心の割合が増大するほどに、有形体を自己と誤認する程度は強くなっていきます。

 加えて、食事は、外環境から何らかを得て眼前の状況を解決しようとする物質の心に特有の性質(幻想の捉え方と密接に関連する特徴)を強めるように、はたらき、この性質は、習慣として分霊の心が有する経験の機能特性へ保存されています。ストレス、苛立ち、悩み、退屈、暇[ひま]、時間を持て余す、などの精神の状況を解決するために食べる行動が誘発されやすくなり、食事をおこなうことで、食事を摂る習慣を強めていくようになります。幻想の捉え方については、5章2節 幻想を参照してください。

 逆に、食事を辞めることで、有形体を自己と誤認する程度は非常に薄くなり、有形体を通して外環境を認識するよりも、無形体を通して外環境を認識するのに意識が向きやすくなるために、霊視、霊聴、霊感、などと呼ばれる認識が鮮明になります。ただし、有形体を自己と誤認する程度を弱めるために、安易に食事を辞めようとしてはなりません。食事を辞める必要があれば、適切な時機に天使たちが導いてくださいます。食事を辞めなくても、適切な食事量、適切な食事の内容で、修養の生活へ努めていれば、有形体を自己と誤認する程度は徐々に弱くなっていきます。修養の生活については、5章1節 修養の生活を参照してください。

 この質疑応答に関連する内容には、3章8節 意識 #質疑応答の「意識の偏重している程度と、有形体を自己と誤認する程度には、どのようなつながりがありますか?」がありますので参考にしてください。

(1000/1000)

 はじめに、活力(エネルギー/パワー/元気/精力などを含む)という語の定義は曖昧であり、原素材の貯蔵量(疲労の程度)を指している場合もあれば、心身が活発に「はたらく」状況、活動の持久力/持続力がある状況、などを指している場合もある点に留意してください。

 肉類を食べると活力がつくといわれているのは、肉食によって有形体の熱が有形体の維持に必要とするよりも上昇することで、物質の心が熱の上昇へ敏感に反応して意識に占める物質の心の影響を増大させ、誘惑を強め精神へ騒響[ざわめき]を起こし興奮させている状況を指しています。肉食は、活力を増強させているのではなく、興奮している状況を活力があると錯覚しているのです。

 肉類を食べると活力がつくと社会で認知されているのは、この錯覚している状況を壮健旺盛で活力が漲[みなぎ]っていると思い込む既成概念を形成しているためであり、既成概念に基づいて、活力をつけるためには肉類を食べなければならないと医学/栄養学/運動学/健康科学などの学問分野でも基本概念として扱われるようになってしまっています。そして、学問分野で基本概念として扱われているために、扱われている内容を考察することなく盲信して、更に既成概念を強める循環を形成しているのです。既成概念については、5章4節 固定観念/既成概念を参照してください。

 この質疑応答に関連する内容には、2章3節 有形界の構造 #質疑応答の「惑星の進化のために、地上で生活する人が永続性のある活動をおこなうには、どのようにすればよいのでしょうか?」がありますので参考にしてください。

(1000/1000)

 感情、悩み、有形体の熱/疲労などによる物質の心が与える影響力(誘惑)の増大、習慣、固定観念/既成概念、などの自己の内面の状況以外で、食事を摂りたくなる環境や摂りたくならない環境があるのは、環境/場の大気が有している活動性の性質/程度と関連しています。大気の有している活動性の程度については、この節の質疑応答の「呼吸で大気から取り込む活動性の程度は、食事から取り込む活動性の程度と違いがありますか?」を参照してください。

 呼吸を通して大気から取り込める活動性の程度が低く、活動性から変換された磁気的作用力の量が有形体の活動を維持するのに不足する場合には、不足を補うために食物から活動性を取り込もうとして食事を摂りたくなります。逆に、大気から取り込める活動性の程度が高ければ、活動性から変換された磁気的作用力の量で有形体の活動を維持でき、食物から活動性を取り込む必要性がないために食事を摂りたくなりません。環境/場の大気が有する活動性の性質/程度からみると、誠実な愛(輝き/静謐)に満ちた環境/場の中では空腹を感じ難く食事を摂りたくならず、愛に満ち溢れているほどに食事の必要性は低くなります。一方で、不誠実な利己性/自己中心性/欲望(暗闇/騒擾[そうじょう])の漂う環境/場の中では空腹を感じやすく食事を摂りたくなり、利己性/自己中心性/欲望が濃く漂うほどに食事の必要性は高くなります。

 ただし、有形体の活動を維持するために必要とする磁気的作用力の量は、個々の用いている有形体の体質、劣化(老化)の程度、同調する活動性の程度、日常の活動量/活動の強度、熱/疲労/怪我/疾病の状況、などに大きな影響を受けているために、環境/場の大気が有する活動性の程度だけで食事の必要性が決まるのではない点に留意してください。

 この質疑応答に関連する内容には、4章5節 優位性 #質疑応答の「日常生活の様々な活動と原素材の供給量/消費量には、どのようなつながりがありますか?」がありますので参考にしてください。

(1000/1000)

 食品添加物は物体に過ぎず、食品添加物そのものが、必ずしも有形体の活動を阻碍する(造化を阻碍する/悪影響を与える)とは限りません。食品添加物が有形体の活動へ与える影響は、食品添加物の品目そのものが有している磁気的作用力の性質/性質の強さだけでなく、食物へ食品添加物を加える目的や、食事として有形体へ取り込むまでに関与した者たちが自覚的に(自覚して/自覚できるものの自覚なく)付与している活動性の性質/程度の総合として決まります。

 食品添加物そのものが有する性質の中には、毒と呼ばれるような磁気的作用力の性質(特定の活動を亢進させる作用)を含んでいる品目もありますが、不誠実な性質の活動性を有している品目はありません。しかし、食品添加物を用いる目的や食事として有形体へ取り込むまでに関与した者たちが付与している活動性の中には誠実な性質だけでなく、不誠実な性質もあり、有形体内で不誠実な性質の活動性から変換された磁気的作用力は、有形体の活動を阻碍するような「はたらき」をおこなうようになります。なお、不誠実な性質の活動性から変換された磁気的作用力が有形体の活動を阻碍するように「はたらく」のは、食事として食物を取り込む際だけでなく、自身が精神で造化した感情や利己的/自己中心的な思考などに付与した不誠実な性質をもつ活動性によっても有形体の活動を阻碍するように「はたらき」、多くの疾病や不調の原因となっています。

(1000/1000) 付与された活動性の性質と有形体への作用
(1000/1000) 付与された活動性の性質と有形体への作用

 食品添加物には、凝固剤、増粘剤、保存料、香料、着色料、発色剤、甘味料、酸味料、化学合成調味料、など様々にありますが、天然抽出物/化学合成物に関係なく、食物へ食品添加物を加える目的に基づいて付与された活動性の性質/程度が、活動性から変換される磁気的作用力の性質/強さへ大きな影響を与えている点に留意してください。例として、保存料や着色料を加える場合に、店頭で長期間に陳列でき食品の外見を良くみせて買ってもらうため(企業が利益/売上を得るため)に加えるのか、あるいは、購入後に使用者が保管しやすくするために加えるのかでは、両者の目的が有する性質は異なります。前者は利己的/自己中心的な目的を含んでおり不誠実な性質の活動性が付与されていますが、一方で、後者は愛に基づいており誠実な性質の活動性が付与されています。

 食物へ食品添加物を加える目的と同様に、大量の肥料を用いた栽培、収穫量を増大させるための品種改良、人工光/栄養液/空調管理などによる工場内での野菜/果樹の栽培、食品生産工程の機械化/自動化、などをおこなう目的についても、ひとつひとつの状況を詳細に考察する必要があります。加えて、コーヒー、小麦、酒、肉、揚げ菓子、レトルト食品、インスタントラーメン、甘い食べ物、飽和脂肪酸を多く含む食品、などの特定の品目/成分は健康を害するとして忌避する思考/感情(不誠実な性質の活動性が付与されている表現)が、それらの品目を食べる/食べないに関わらず、有形体の活動を阻碍するように「はたらいて」いる点にも留意する必要があります。

(1000/1000)

 どのような加工食品であったとしても、加工食品そのものが有形体内での磁気的作用力の均衡/調和を崩して疾病を引き起こしやすくする状況はみられません。それぞれの加工食品/食材を「好んで飲食する意志の方向性」に基づいて造り出される感情/思考などの表現や生き方が、有形体内での磁気的作用力の均衡/調和を崩し、疾病を引き起こす原因となっています。そして、肉眼に視えない無形的な生き方が、肉眼に視える物的な生活習慣を造り出しています。

 加工食品という語の示す範囲は拡く、加工する目的は様々であり、加工される程度も様々です。食物を総合して捉えるのならば、特定の工程を経た食物が加工食品と呼ばれるだけでなく、自然環境から直接に採取したままで飲食する状況以外は、何らかの加工が成されている食品/食材といえます。包丁で小さく切り揃える、擦り下ろす、冷蔵庫で冷やす、冷凍する、湯通し、塩揉み、火で炒める、煮る、なども加工の工程に含まれます。

 加工する目的からみた例には下記が挙げられます。複数の目的で加工されている食品/食材もあります。

  • 可食部/不可食部の選別 (米/麦の脱穀/研磨、蔕[へた]/種の取り払い、など)
  • 長期に保存する (乾物類、缶詰、瓶詰、漬物、燻製[くんせい]、塩蔵類、チーズ、など)
  • 毒抜き/渋抜き/苦み抜き (干柿、梅干、筍[たけのこ]のアク抜き、など)
  • 調理の効率を高める (小麦粉/米粉への製粉、冷凍食材、下処理済の食材、などの調理材料)
  • 即席で食す (即席麺、冷凍食品、レトルト食品、調理パン/ピザ、などの調理済み食品)
  • 嗜好品として食す (茶、珈琲、菓子/デザート類、酒類、ジュース類、など)
  • 調味料として用いる (塩、砂糖、味噌、醤油、酢、油、マヨネーズ、ケチャップ、など)

 有形体が必要とする最低限よりも多くを求める利己性/自己中心性/欲望、特定の情報を盲信して形成した固定観念/既成概念、都合の良くない状況から眼を逸らす恐れ/怯え、などが特定の加工食品/食材を選択して飲食するように「はたらきかける」ために、特定の加工食品/食材を飲食する量が増大します。特に、超加工食品とも呼ばれている、調理済み食品、ポテトチップス、フライドポテト、ケーキ、飴、ガム、アイスクリーム、チョコレート、ドーナツ、揚げ菓子、ハンバーガー、マーガリン、菓子パン、ソーセージ、ハム、ベーコン、炭酸飲料、カクテル、などの「加工の工程の多い食品」は、脂質/糖質/塩分が高く、合成保存料/着色料/人工甘味料を用いている状況も多くみられ、油脂の食感や塩辛さ/甘味を求める意志の方向性、調理したくないという怠惰、自棄[やけ]食いによるストレスの発散、などの利己性/自己中心性/欲望や恐れ/怯えに起因して、これらの食品を選択しやすい傾向がみられます。

 特定の加工食品/食材を飲食する量が増大した結果として、地上でおこなわれている様々な調査研究で、特定の加工食品/食材を飲食する者に、肥満、糖尿病、高血圧症、高脂血症、鬱[うつ]病、悪性腫瘍、精神疾患、心血管疾患、などを引き起こしやすくなるという報告がみられるようになるのです。そして、これらの調査研究の報告を知ることで、「特定の加工食品/食材が疾病を引き起こしやすくなる」という固定観念/既成概念を形成し、固定観念/既成概念が特定の加工食品/食材を忌避させる、あるいは、特定の加工食品/食材に恐れ/怯えを感じ取らせるようになります。固定観念/既成概念や恐れ/怯えが、特定の加工食品/食材を摂取する/摂取しないに関わらず、有形体内での磁気的作用力の均衡/調和を崩すように、はたらきます。

(1000/1000) 疾病を引き起こす原因と飲食する食品の選択
(1000/1000) 疾病を引き起こす原因と飲食する食品の選択

 自己の内面の状況、外環境の状況、有形体の状況、などを逐一に内省して、どのような状況で何を食べたくなるのか? を把握し、地上社会で知られている飲食と疾病の関係性/関連性と総合して考察することで、有形体へ疾病を引き起こす「本質的な原因」に気づくようになります。

 なお、超加工食品と呼ばれている食品/食材は、加工の工程が多いのに加えて、手軽に飲食できる、付加価値を加えやすい、消費者への広告での訴求効果が高い、販売者/生産者の収益性が高い、などの経済的な側面をあわせもっています。特定の食品/食材の品目が超加工食品へ分類されるのではなく、飲食の目的や利益の側面を総合したうえで分類されています。超加工食品には、食物を自然に加工する過程では現れない添加された不自然に濃い味付けや、不自然に造り出された食感が多くみられ、これらの味/食感を通して「強い快感(強い爽快感/刺激などを含む)」を得やすくなります。快感は受け続けているほどに感じ取りに難くなり、更に強い快感を求めるようになるために、強い快感を得られる超加工食品には、際限なく食べ続けるようになる依存性がみられます。

(1000/1000)

 香辛料、肉、油、小麦、砂糖、酒、などの食物が有する「熱性」とは、有形的に熱を生成しやすい磁気的作用力の性質を表しており、性質のもつ強さによって熱を生成する程度が異なります。

 伝統医学のひとつである中医学では、食物が有する物的/有形的に熱を生成しやすい、あるいは、熱を冷ましやすい磁気的作用力の性質の強さを「寒熱」という軸線上で捉え、おおまかに寒性、涼性、平性、温性、熱性に分類して表しています。様々な伝統医学の中では、それぞれの風土に相応する分類方法が模索され体系化されており、磁気的作用力の組み合わさによって表れる性質を考察する参考となります。中医学の書物については、6章1節 推薦書物 #無形体の経絡系統に関する書物も参考にしてください。

 食物の有する磁気的作用力の性質/強さは、それぞれの品目に特有の性質/強さ、生育環境/風土によって付与された活動性の性質/程度、食事として有形体へ取り込むまでに関わった者たちが付与した活動性の性質/程度、などの総合となります。付与された活動性の性質/程度は、有形体内で磁気的作用力へと変換された際に、磁気的作用力の性質/強さとして表れます。同じ植物の品種であっても栽培された地域の土や水などの有する性質によって、全く同じ磁気的作用力の性質/強さを示すことはなく、また、同じ食物から料理を作ったとしても料理に関わった者が料理へ付与した活動性の性質/程度によって、料理の有する磁気的作用力の性質/強さは異なります。同じ食物を食べれば同等の栄養成分(磁気的作用力の性質/強さ)を得られるのではない点に留意しておく必要があるのです。

 なお、食物/料理の温度(温める/冷やす)は、有形体への食物/料理の受け入れやすさに影響を与えています。日本の季節を例とした場合では、気温の低い冬季には、冷たい(温度の低い)食物/料理よりも、温かい(温度の高い)食物/料理を受け入れやすく感じます。逆に、気温の高い夏季には、温かい(温度の高い)食物/料理よりも、冷たい(温度の低い)食物/料理を受け入れやすく感じます。食物の温度は、飲食直後の短時間のみ有形体の温度(体温)へ影響を与えますが、その後は、摂取した食物の有する寒性/涼性/平性/温性/熱性などの性質が有形体の温度へ影響を与えます。有形体を統御する物質の心は有形体の熱の上昇に強く反応するために、有形体の温度は、物質の心から受ける誘惑の影響力と密接に関連しています。

(1000/1000)

 人が甘味を好み求めるのには、食物から甘味(甘さ)として受ける感覚が、様々な苦しみを緩和させたように錯覚するためです。甘味には、砂糖、蜂蜜、などの糖類だけでなく、米、小麦、米/小麦の加工製品/菓子類、などの穀類、果物、糖分を多く含む食物、も含まれます。苦しみについては、4章2節 有形界での成長 #質疑応答の「苦しみとは何ですか?」を参照してください。

 甘味を摂ると苦しみが緩和したように感じるために、物的な痛み、気温の高い/低い(暑い/寒い)、苛立ち(ストレス)、悩み、精神の騒響[ざわめき]、疲労、自己に都合の悪い状況への遭遇、などを通して自覚して、あるいは、自覚できるものの自覚なく苦しみを感じ取ると甘味を求めやすくなります。ただし、食物の甘味という物的な物事が、内的構造へ表れる苦しみへ直接に影響を与える状況はありません。実際には、甘味によって苦しみは緩和していないために、甘味を求めることで苦しみの原因から眼を逸らし、原因へ向き合わず、食べる行動へ意識を向けさせやすくする可能性もあります。そのため、甘味は他の味覚に比べ、甘味を際限なく求める欲望を強めやすく、酒、煙草、賭け事、ビデオゲーム、などと同様に依存性がみられます。

 これは、甘味を食べてはならないということではありません。自己の行為を常に内省し、甘味を求めやすくなっている状況に気づいたのならば、甘味を求めている原因を考察し対応していくことで、成長への学びにつながります。食べる行動へ意識を向け続けて、甘味を求めている原因から眼を逸らさないようにする必要があるのです。加えて、甘味と同様に、飲酒、喫煙、賭け事/ビデオゲームへの熱中、テレビ番組/映画/音曲の視聴への没頭、なども苦しみから眼を逸らすためにおこなわれている状況が頻繁にみられます。

 この質疑応答に関連する内容には、5章3節 誘惑 #質疑応答の「飲酒、喫煙、などの行動は不誠実なのですか?」がありますので参考にしてください。

疲労

(1000/1000)

 疲労とは、貯蔵されている原素材の減少を自覚して感じ取る状況を指していますが、有形体の様々な周期、外環境の様々な周期、生活の状況、などによっては、原素材の貯蔵量が大幅に減少していても自覚し難くなる(強い疲労を感じ取り難い)場合があります。疲労を自覚し難くなる要因の中核は、物質の心の活動が亢進/亢盛している状況にあります。有形体の周期、外環境の周期、生活の状況、などが組み合わさり、物質の心の外的な側面での活動を亢進/亢盛させ、外的な側面での亢進/亢盛が、物質の心の内的な側面での意識へ与える影響を増大させています。強い疲労は、自覚していたとしても、自覚できるものの自覚していなかったとしても、様々な行為をおこなう/継続するのに嫌厭[けんえん]を感じさせるようになります。また、強い疲労によって体温の上昇(発熱)がみられる場合もあります。

 物質の心の活動へ影響を与える有形体の様々な周期は、個々の用いている有形体の体質などによっても異なるために、一概に物質の心の影響力を増大させる内容を挙げることはできません。個々の体験を通して考察する必要があります。外環境の様々な周期では、最も身近に感じられる内容に、1年の周期による四季の気温の変化と、約1ヶ月の周期による月の満ち欠けとしてみることのできる地球/月/太陽から受ける重力の変化が挙げられます。これらの周期については、5章4節 優位性 #質疑応答の「外環境の周期が原素材の貯蔵量へ、どのように影響を与えていますか?」も参考にしてください。

 外環境の気温が上昇するのにともない、有形体の熱(体温)も上昇するために、物質の心は熱の上昇へ敏感に反応して影響力を増大させます。日本の夏季は、気温/湿度がともに高く、汗出が多くなり原素材の消費を増大させますが、睡眠も浅くなり原素材の貯蔵量は増大し難くなります。そして、高い気温が有形体の熱も上昇させ、物質の心の活動を亢進/亢盛させるために、強い疲労を自覚し難くなります。疲労を自覚し難くても、疲労によって物質の心の影響力は更に増大し、同時に、熱/疲労によって高い活動性の程度から受ける感覚が不鮮明になりやすく、意識を一点へ集中し難くもなるために、自覚できるものの自覚のないままに同調する活動性の程度を急激に下降させている状況も多くみられます。加えて、エアコンなどを用いて不自然に室温/湿度を下げると、有形体内の様々な調和/均衡を崩しやすくなり、物質の心の影響力を更に増大させる状況へつながります。夏季の自覚できるものの自覚していない強い疲労は、秋季に入ると自覚するようになり、睡眠を多く摂っても疲労感が残る、食事量が急に増える、倦怠感があり活動したくなくなる、などがみられるようになります。

 なお、気温が高くなれば汗出が増大するのは自然であり、エアコンを使用する、液体の摂取量を極度に控える、外出しない、などによって汗出を抑えようとするのは不自然です。汗出の増大によって、原素材が大量に消耗される状況を考慮して、生活を整える必要があります。汗出は原素材を大量に消耗しますが、一方で、有形体内の老廃物/代謝産物の排出にも大きな役割を担っており、夏季は、1年の周期でみられる有形体の中期的な調整/再構築の時期ともいえます。季節の移行する都度におこなわれる短期的な再構築とは異なり、夏季の期間を通しておこなわれる調整/再構築は、ゆっくりとおこなわれ、冬季に蓄積された老廃物/代謝産物を徐々に排出します。有形体/外環境の様々な周期は、有形界/地上にみられる大霊の法則の一部であり、これらの周期へ自己を適応させていくことが自然の流れです。不自然な行動は、不変/普遍/敷衍[ふえん]する法則から逸脱しようと試みているのであり、大きな代償を負わねばならなくなります。現在の成長段階で眼前に現れている大霊の法則を、自己の体験を通して学ぶ過程が分霊の成長の計画に沿っているために、地上でみられる有形体/外環境の周期を観察/考察していくことで、世界の実相/生命の真相を学べ、成長へとつなげられるようになります。

 月の満ち欠けにみられる、地球/月/太陽から受ける重力の変化は、直接的に感覚として感じ取り難いですが、物質の心に大きな影響を与えています。望月(満月)に近いほどに、物質の心の影響力は増大するために、自覚のない、あるいは、自覚できるものの自覚していない興奮性によって睡眠時間が短くなり、睡眠中に頻繁に目が覚めやすい、早い時間に目が覚める、などがみられ、疲労を自覚し難くなる反面、原素材の貯蔵量を増大(回復)させ難くもなります。そして、下弦あたりになると、これまで自覚し難かった強い疲労を急に自覚するようになります。

 物質の心の活動へ影響を与える生活の状況で多くみられる内容には、食習慣、物事への熱中、が挙げられます。食習慣は、熱性食物、カフェインの摂取、過食、大食、などによって有形体の熱が上昇し、熱の上昇へ敏感に反応して、物質の心が影響力を増大させます。物事への熱中は、熱中することそのものが、物質の心の影響力が増大している状況を表しており、外環境に対して興奮性を強めるために、際限なく物質の心の影響力を増大させていきます。

 修養の生活を実践する中では、祈り/瞑想をおこなう際に、疲労は活動性から受ける感覚を鈍く不鮮明にさせるために、低い活動性の程度から受ける相対的に粗雑な感覚を、高い活動性の程度から受ける相対的に精細な感覚と誤認しやすくなる場合もみられます。特に、有形体が強い疲労を有している状況では、物質の心の影響力が大幅に増大しており、物質の心を内包する有形体の輪郭(粗雑な感覚)を鮮明に感じ取りやすいために、祈り/瞑想で意識を拡大させようとして、意識の範囲ではなく有形体の輪郭を拡大させようと試みやすくなりますが、有形体の輪郭は拡大しません。強い疲労があっても、強い疲労を自覚できるものの自覚していない状況では、活動性の程度から受ける感覚の誤認によって、高い活動性の程度へ同調しているつもりでも、実際には、低い活動性の程度への同調を促進している場合もある点に留意する必要があります。また、物質の心の影響力が増大することで認識に占める有形的認識の割合が優勢となりやすく、相対的に無形的認識の占める割合は減少します。物質の心の影響力と意識に占める有形的/無形的認識のつながりについては、3章8節 意識 #質疑応答の「意識の偏重している程度と、有形体を自己と誤認する程度には、どのようなつながりがありますか?」を参考にしてください。

 この質疑応答に関連する内容には、5章5節 祈り/瞑想 #質疑応答の「誠実な目的で高い活動性の程度から受ける感覚を捉えて瞑想した後に、内的成長度を測定すると同調する活動性の程度が下降していたのですが、どうしてでしょうか?」がありますので参考にしてください。

(1000/1000)

 疲労の程度は筋反射検査を用いて、おおまかに疲労が強い/弱いという測定ができ、特に、強い疲労があっても「自覚できるものの自覚していない」と推測される状況で疲労の程度を知る有効な手段となります。筋反射検査で用いる宣言文の例としては「現在に◯◯(自己/他者の名称)の用いている有形体は強い/弱い疲労を有しています。」あるいは「過去△△の時点での◯◯(自己/他者の名称)の用いている有形体は強い/弱い疲労を有していました。」となります。過去△△の時点は、明確に定義するほどに適切な検査結果が得られます。筋反射検査については、1章3節 筋反射検査を参照してください。

 ただし、真実度/内的成長度/活動性の程度などのように、疲労の程度は数値での測定ができません。数値で測定するためには、必ず数値の上限と下限を規定する必要があり、上限/下限を規定することで数値1単位あたりの大きさ(1単位の幅)が決まります。疲労の程度として表される原素材の貯蔵量の中で、個々の用いている有形体ごとに原素材を貯蔵できる上限は規定できますが、原素材の涸渇する状況としての下限を規定できません。下限を規定できないのは、有形体は絶え間なく原素材を消費して活動を造化しており、同時に、絶え間なく原素材も供給されているために、活動を継続しておこなっている(有形体が生きている)期間には原素材の涸渇する状況が実際には起こり得ないためです。

 原素材の涸渇する状況が実際にみられるのは、涵養の糸が切断されて有形体への原素材の供給が途絶え、有形体の貯蔵する原素材を使い切り涸渇し、有形体での造化が停止した「死の完了」の時点のみです。加えて、有形体に原素材を貯蔵できる上限量も、個々の有する地上での目的/役割によって異なり、誰もが同等の量を貯蔵できるのではありません。

(1000/1000)

 疲労によって、有形体の均衡/調和が崩れる状況もみられます。疲労により引き起こされる有形体の均衡/調和の崩れは、日常的な疲労ではみられず、強い疲労が継続している「過労」の状況でみられます。

 疲労は、有形体の貯蔵する原素材の量が減少することで自覚しますが、原素材の貯蔵量が少なくなると、有形体のおこなう様々な活動へ原素材を充分に分配できなくなり、原素材を優先して分配する活動(優先度の高い活動)と、分配を後回しにされる活動(優先度の低い活動)が現れます。そして、原素材の貯蔵量が少なくなるほどに、原素材を優先して分配する活動と、分配の後回しにされる活動との差が拡がり、優先度の高い活動のみがおこなわれ、優先度の低い活動は遅滞するようになります。ある活動の優先度が高くても、他の活動の優先度が低くても、有形体のおこなう様々な活動は相互に密接な連携を維持しているために、遅滞する活動が現れたのならば、有形体の均衡/調和を崩すように、はたらきます。

 ただし、原素材の貯蔵量が減少して、原素材の分配される優先度の高い活動と、優先度の低い活動が現れたとしても、即時に有形体の均衡/調和が崩れる状況はありません。疲労の強さに関わらず、日常にみられる原素材の貯蔵量の減少は、数日の期間で貯蔵量を回復できるために、有形体の不均衡/不調和を引き起こすほどではないのです。原素材の貯蔵量が大幅に減少し、強い疲労を自覚する状況が長期に継続することで、優先度の高い活動のみがおこなわれ続け、優先度の低い活動は遅滞し続けるために、有形体の均衡/調和を崩すようになります。

(1000/1000) 原素材の貯蔵量と有形体の均衡/調和
(1000/1000) 原素材の貯蔵量と有形体の均衡/調和

 有形体の均衡/調和を崩す最も大きな原因は、精神で造化する感情や不誠実な思考に由来していますが、強い疲労が長期に継続する「過労」は、過労によって増大している物質の心から受ける誘惑の影響を克己で制御して干渉を防ぎ、精神で感情や不誠実な思考を造化していなくても、有形体の不均衡/不調和を引き起こすために、物資の心は、睡眠中におこなわれる日常の調整では戻せないほどに大きく崩れた段階で、有形体の再構築をおこなうようになります。過労による再構築では、季節の移行にともなう再構築とは異なり、突然に倒れ有形体で活動できなくなり寝込み、高熱が数日-数週間に渡り現れるなどの、比較的に強い程度の再構築がみられます。また、過労の引き起こす有形体の不均衡/不調和や、過労による活動へ用いる原素材の不足は、季節の移行にともなう再構築を長引かせる原因のひとつにもなっています。

 有形体は原素材が流れ難い構造体のために、有形体内での原素材の流量が増大するほどに、原素材を流れさせるのに構造体へ大きな負荷を与えます。これは、大量の水が急速に流れる激流であるほどに、河川の河底や河岸が削られ変形しやすくなる状況へ譬[たと]えられます。疲労は、単位時間あたりに有形体へ浸透する原素材の量を増大させますが、浸透する量が増大するほどに、有形体の活動へ用いる原素材の量は確保できるものの、有形体内での原素材の流量も増大するために、有形体の劣化を進行させるように、はたらきます。特に、強い疲労の継続する「過労」は、単位時間あたりに有形体へ浸透する原素材の流量を増大させた状況(外的優位性の高い状況)が長期に持続するために、有形体の劣化を急激に進行させやすくなります。外的優位性については、4章5節 優位性を参照してください。

 意識は様々な感覚を絶え間なく受けており、この感覚の中には、有形体内で原素材の流れる状況(原素材の浸透する流量)から受けている感覚も含まれます。有形体の貯蔵する原素材の量が減少するほどに、有形体へ原素材が浸透しやすくなる(外的優位性が高くなる)ために、有形体内で原素材の流量が増大します。流量が増大するほどに、原素材の流れる状況から受けている感覚も変化するために、受ける感覚の違いから疲労の程度を推察することも可能です。ただし、原素材は有形体内を絶え間なく流れ続けているために、日常的には、流量が多少に変化しても、受ける感覚の違いを把握し難いです。ある程度に疲労が強くなった(有形体の貯蔵する原素材の量が大幅に少なくなった)状況で把握します。特に、強い疲労の継続する「過労」の状況では、原素材の流量の増大によって生み出される感覚を鮮明に把握しやすいです。

 有形体内での原素材の流れから受ける感覚だけでなく、無形体内(内的構造を含む)での原素材の流れからも意識は感覚として感じ取っていますが、有形体は原素材の流れ難い構造体のために原素材の流れる際に生み出される比較的に粗雑な感覚を自覚できますが、一方で、原素材の流れやすい無形体/内的構造から原素材の流れる際に生み出される感覚は微細(極めて精細)なために自覚できません。なお、世界に遍満する原素材から意識が感覚を感じ取ることはできません。海中で生活している魚に海水を感じ取れない、あるいは、陸上で生活している人に大気を感じ取れないのと同様です。

(1000/1000)

 疲労を感じている際に食事をしたくなるのは、固定観念/既成概念による「囚われの習慣」に起因しています。疲労を自覚し始めると、物質の心が内的構造へと不誠実な性質の活動性を送る頻度を高めて、分霊の心へ有形体の疲労を解消するように要求します。物質の心が内的構造で造化する誘惑(利己性/自己中心性/欲望)の特徴は、外環境から何らかを得て解決しようとすることにあり、有形体内の原素材の不足は「有形体に食物を取り込む行動(食事)で解消できる」と誤認してしまうのです。その結果、食事は疲労を解消できるという固定観念を形成し、更に、常識として拡まり、社会の既成概念を形成しています。外環境から何らかを得て解決しようとするのは、疲労を感じている際に湯浴をおこなうと、疲労が解消されたように感じ取る状況にも表れています。実際には、湯浴にともなう熱/汗出によって原素材を大量に消費し疲労を強めているのですが、固定観念/既成概念によって疲労を解消したと思い込んでいます。固定観念/既成概念については、5章4節 固定観念/既成概念を参照してください。

 食事は、食物から活動性を取り込む行動であり、原素材の供給とは無関係の行動です。寧[むし]ろ、食事によって食物の消化に大量の原素材を消費し、有形体の原素材の貯蔵量を減少させ、疲労を強めるようになります。有形体の原素材の貯蔵量が大幅に減少し、疲労が極度に強くなれば、固定観念/既成概念に基づいて食事をするよりも、原素材の貯蔵量を増やすために睡眠を選択します。これは、食事では、有形体の原素材の貯蔵量を増大させ疲労を解消できないことを、自覚できるものの自覚なく認識しているための行動といえます。

 日々の中で疲労を感じている際に食事をしたくなる状況だけでなく、1年の中でも特定の時期に食事の量/頻度が増大する状況もみられます。日本の場合では、1年の中でも秋季に食欲の湧いてくる傾向がみられ、気温/湿度が夏季に比べて低くなり有形体が食物を受け入れやすくなる(消化しやすくなる)だけでなく、夏季に起こした強い疲労と「食事で疲労を解消できる」という固定観念/既成概念によって、疲労を回復させるために食べたくなっています。

(1000/1000)

 食後に眠くなる状況がみられるのは、食物の消化へ有形体の貯蔵している原素材が優先して大量に消費されるために、他の有形体の活動へ原素材が供給/分配され難くなり、有形体の活動(造化)が抑制されることで起きています。

 食後に眠くなる状況は、有形体の原素材の貯蔵量が比較的に少ない(疲労が比較的に強い)場合に多くみられます。逆に、有形体の原素材の貯蔵量が比較的に多い(疲労が比較的に弱い)場合には、食物の消化へ原素材が優先して大量に消費されても、原素材の貯蔵量に余裕があり、他の有形体の活動へも原素材を供給/分配できるために、眠くなり難いです。

 食事の内容(消化しやすい/消化し難い)によって、食物の消化へ必要とする原素材の量は異なり、また、食事量が多いほどに、食物の消化へ必要とする原素材の量は増大するために、必ずしも疲労の程度だけで食後に眠くなる/眠くならないが決まるのではありません。食物が消化し難いほどに、食事量が多いほどに、あわせて、疲労の程度が強いほどに、食後に眠くなる状況がみられるようになります。

健康/病

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 感冒(風邪)は、有形体の調整/再構築のためにおこなわれる活動であり、利己性/自己中心性/欲望によって引き起こされている疾病ではありません。

 有形体へのウイルスの侵⼊/増殖を利⽤して、 有形体の機能系統を⼀時的に亢盛させて、主に、磁気的作用力が有する強さ/量の均衡と、原素材を行き渡らせる量/速さのそれぞれが調和するように再調整します。この際に利用されるウイルスは、利己性/自己中心性/欲望の不誠実な性質の活動性によって造化された伝染性病原体ではなく、無形界において無脊椎動物を造化する担当者の誠実な性質を有する生命の活動性によって造化された地上の自然界の均衡を調整する役割(有機物の分解/合成などに関与)を担うウイルス/細菌の一部です。不誠実な性質の活動性によって造化された無脊椎動物と、無形界の造化の担当者によって造化された無脊椎動物の違いについては、2章3節 有形界の構造 #有形界の造化を参照してください。

 外環境の「もの(物体)」を利用しておこなう有形体の調整/再構築は、花粉症と呼ばれている状況にもみられ、花粉だけでなく、埃[ほこり]、粉塵、煙、車の排気ガス、香水/洗剤などの強い香り、などを外的な切っ掛けに利用しています。調整/再構築をおこなうために物的な切っ掛けが必要なだけであり、切っ掛けとなる物体は何でも構わないのです。切っ掛けとして、過食/大食、喫煙、飲酒、などの行動や、油脂の多い食物、甘い食物、辛い食物、などの特定の品目を食べたくなる場合もみられます。

 ただし、日常の睡眠中におこなわれる有形体の調整では間に合わず、感冒という大掛かりな調整/再構築を必要とするほどに有形体での均衡/調和が崩れているのは、物質の心から受ける誘惑(利己性/自己中心性/欲望)や、経験の機能特性へ保存されている不誠実な性質の表現を造化する習慣に基づいておこなわれる不誠実な性質の行為が影響しています。なお、有形体の調整/再構築を嫌厭[けんえん]し、感冒/花粉症(ウイルス/花粉)などを忌避/嫌悪する思考/感情が、有形体の均衡/調和を更に崩すように、はたらいています。感冒/花粉症などとして有形体の調整/再構築が始まったのならば、調整/再構築を拒否/抵抗せずに積極的に受け入れ、調整/再構築を促進するように努めることが大切です。誘惑については5章3節 誘惑、誘惑や習慣に基づく表現の造化については3章9節 精神を参照してください。

 また、季節の移行(変わり目)による有形体の再構築や、適宜に感冒などによっておこなわれる有形体の調整に加えて、疲労の蓄積(過労)によっても、有形体の再構築がおこなわれる場合もあります。過労による再構築では、突然に有形体で活動できなくなり、立ち上がることもできないほどの高熱が数日-数週間に渡り現れるなどの、比較的に強い程度の再構築がみられます。なお、再構築とは、比較的に規模の大きい調整を指しており、日常におこなわれることはなく、定期的におこなわれるか(定期点検/オーバーホール)、有形体の均衡が日常の調整では戻せないほどに大きく崩れる(緊急点検)とおこなわれます。季節の変わり目にみられる有形体の再構築については、この節の質疑応答の「季節の変わり目に体調を崩しやすいのは、有形体/外環境の周期と関係があるのですか?」を参照してください。

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 日本の風土では、季節の移行にともない、次の季節へ適応するために、季節の変わり目で有形体の再構築がおこなわれます。

 季節の変わり目に、感冒(風邪)を引きやすい、体調を崩しやすい、熱がある、咳嗽/鼻水がでる、倦怠感を感じる、睡眠時間が長くなる/短くなる、夜間に目が覚めやすい、食事量が急に増える、味覚が変わる、浮腫[むくみ]がでる、関節や腰に痛みがでる、古傷が痛む、などが有形体の再構築によってみられるようになり、どれくらいの規模で、どれくらいの期間の再構築を必要とするのかは、自己の有する日常生活の様々な習慣(生き方)によって決まります。習慣の中でも、過食/大食、肉食、飲酒、喫煙、運動不足、感情を造化しやすい生き方、利己的/自己中心的な生活、欲望の追求、などは有形体の均衡/調和を大きく崩しやすいために、大きな規模での再構築を必要とし、再構築によって現れる症状が比較的に重く、再構築に長い期間を必要とする場合もみられます。有形体の均衡/調和の崩れている程度や、再構築の進捗状況によっては、季節が移行しても再構築が続いている場合もあります。

 有形体の再構築による様々な症状は、特に、冬季から春季への移行(気温が低く汗出もなく有形体に老廃物が蓄積しやすい季節から、気温が暖かくなり有形体に蓄積された老廃物が排出されやすくなる季節への移行)では顕著に現れ、このひとつの側面は花粉症とも呼ばれています。春に飛散しやすい花粉、強い春風に舞う埃[ほこり]、などを切っ掛けとして有形体の再構築へ用いているのです。1年の中でも、冬季から春季へ移行する際の再構築は強く現れる傾向がみられます。春季へ移行する際の再構築によって物質の心の活動が急激に亢盛し、誘惑の影響を強めるために、利己性/自己中心性/欲望に基づく発言/行動が増加しやすくなる状況は、エイプリルフールと呼ばれている現象の由来を表してもいます。

(1000/1000) 熱の観点からみた季節と有形体への影響の例
(1000/1000) 熱の観点からみた季節と有形体への影響の例

 有している生活習慣によっては、ほとんど再構築を必要としない場合もあり、花粉症/感冒/体調不良などとして現れない場合もあります。加えて、個々の用いている有形体の体質によっても、それぞれの季節から受ける影響は様々であり、受ける影響の程度も様々です。同じ内容の同等の程度で構成される生活習慣を有していても、有形体の体質の違いによって、冬季から春季への移行時に重い症状が現れ、他の季節には症状へ気づかない程度の場合もあれば、梅雨の時期にのみ現れる場合もあり、各季節の移行ごとに重い症状が現れる場合もあります。

 地上の様々な地域では、気温の変化だけで捉えても、夏季が短く冬季が長い、夏季が長く冬季が短い、夏季が冷涼で冬季が酷寒、夏季が炎暑で冬季が温暖、などの違いがあり、地上での生活を始める前に、自己の成長へ適した気候の地域を生活する場として選択しています。そのため、自己の生活する地域の様々な自然環境の変化と、それらの変化が有形体/物質の心へ与える影響を詳細に観察/考察することが成長の学びを得やすくし、また、自己の成長へとつながりやすくなります。

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 不治の病と呼ばれる範囲は広大なために、すべての不治の病が該当するのではありませんが、一部は、自己が地上へ再授肉する前に決めた病(有形体の体質のひとつ)であり、一部は、不誠実な行為に基づいて現れる病です。「不治」とは、「治せない」のではなく、「未だ治っていない」だけであり、自己が自由意志で自覚的に(自覚して/自覚できるものの自覚なく)治さないように選択しているという点に留意する必要があります。なお、物的には同じ症状、診断名、疾患名、などであったとしても、有形的/無形的な機序は様々です。ある症状/診断名/疾患名の状況が、事前に決めた地上での目的/役割に基づいて現れているのではなく、他の症状/診断名/疾患名の状況が、地上での不誠実な行為に基づいて現れているのでもありません。同じ症状/診断名/疾患名の状況に、事前に決めた地上での目的/役割に基づいて現れている場合と、地上での不誠実な行為に基づいて現れている場合が混在しています。

 自己が地上へ再授肉する前に決めた病の場合では、その病(有形体の体質)を通して、地上で何らかを学ぶ必要があるために選んでいます。同じ病を選択していたとしても、地上で学ぶ必要のある内容は個々によって様々ですが、必要とする内容を学び終えたのならば、病は不要になるために、治癒/寛解していきます。ただし、発病/損傷後に、疾病/損傷の状況(後遺症を含む)を有形体の使用期間中に回復させることなく、有形体の使用期限まで継続させて学ぶと事前に決めている場合もあります。例として、四肢切断、内臓切除、脊椎損傷、脳卒中による後遺症、などが挙げられます。大切なのは、疾病/損傷が治癒/寛解するのか? 治癒/寛解しないのか? ではなく、疾病/損傷を通して成長への学びを得ることにあります。治癒/寛解させるために成長への学びを得るのではない点に留意してください。再授肉する前に決める内容については、4章9節 再授肉を参照してください。

 不誠実な行為に基づいて現れる病の場合では、感情、欲望/快楽/快感の追求、利己的/自己中心的な行為、などが、有形体の磁気的作用力が有する強さ/量の均衡や、原素材を行き渡らせる量/速さの調和を崩し、不均衡/不調和となることで発症/発病します。これは、精神で造化する不誠実な性質の表現が、疾病として有形体の状況へ反映されているといえます。自己の生き方を誠実に内省して、日常生活の中でおこなっている不誠実な行為と不誠実な行為の土台となる習慣を自覚し、土台となる習慣を修正し弱めていくことで不誠実な行為をおこなわないようになるために、徐々に有形体内の均衡/調和が回復するようになり、病は治癒/寛解していきます。

 どちらの場合でも、治癒/寛解するためには、自己の成長や成長への学びが不可欠であり、成長を促進すれば病は治り、成長の停滞している間は病が治らず、成長を阻碍/退行している間は病が悪化します。

 自己に都合の悪い物事/状況を嫌厭[けんえん]し眼を逸らしていては何も気づけず、学びも得られず、成長へもつながりません。生活に現れる物的な怠惰や、観察/考察/内省しない有形的/無形的な怠惰が、学びを阻碍する大きな原因となっています。学びを得て成長へつなげていくには、あらゆる状況を通して学びを得ようとする意志を常に有し続けることが大切です。怪我/疾病/障碍を負ったからこそ気づき考察/内省できる内容もあります。有形体の劣化(老化)が進行しているからこそ気づき考察/内省できる内容もあります。ミス/間違いをしたからこそ気づき考察/内省できる内容もあります。マスメディアの報道で様々な物事を知ることはできたとしても、自己が自身で体験しなければ気づき実感できない内容は多くあります。

 この質疑応答に関連する内容には、1章4節 概要 #質疑応答の「地上で成長を求める者が少ないのはどうしてですか?」がありますので参考にしてください。

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 はじめに、疾病を通して成長へ必要とする内容を学び終えれば疾病が治癒/寛解することについては、この節の質疑応答の「不治の病を患うことは、自己が地上で生活する前に、事前に決めたのですか?」を参照してください。

 地上で知られている診断名(疾病名)は、鑑別診断をおこなったうえで、物的な状況(症状)や物的な機序(病機)が合致すれば同じ診断名が与えられています。同じ診断名であっても、物的な状況や物的な機序として現れている「無形的な状況」も同じとは限らない点に留意してください。同じ診断名であっても、利己的/自己中心的な生活に基づく有形体の不均衡/不調和を表している場合もあれば、表していない場合もあり、また、地上で相応する学びを得ることで治癒/寛解する状況もあれば、学びを得ても治癒/寛解しない(有形体の使用期限を迎える方法として事前に決めている)状況も比較的に少数ながらあります。

 進行し死へ至る特定の難病(診断名)は、多くの場合では、地上での生活を始める前に、事前に有形体の使用期限を迎える方向性を明確に決めている具体例となります。難病を通して学び、難病で有形体の使用期限を迎えると決めているといえます。これらの難病であっても、必ず同じ程度に進行するとは限らず、進行が比較的に遅延する場合もあれば、大幅に遅延する場合もあり、逆に、進行が促進される場合もみられ、結果として、有形体の使用期限を迎えています。病状の進行にみられる遅延/促進の程度に、自己の成長の促進/退行とのつながりがあり、難病を通して学び成長を促進すれば病状の進行に遅延がみられ、一方で、利己的/自己中心的に生活して成長を退行させれば病状の進行が促進されています。有形体の使用期限は事前に決まっていますが、有形体の使用期限となる期日までに、どの程度に病状が進行した状況で、どれくらいの期間を生活することになるのかは、自身で決められるのです。

 なお、進行し死へ至る特定の難病を罹患することが、すべて有形体の使用期限を迎える方法として事前に決めているとは限りません。同じ物的な状況や物的な機序として現れていても、土台となる無形的な状況は様々です。ただし、どのような無形的な状況であったとしても、眼前の状況(難病)を通して自己の内面へ勇気をもって向き合い内省し、成長へ必要とする学びを得るように努め、成長へとつなげることに専心する体験が、今後の無形界での生活(加えて、今後の地上での生活)に必ず役立ちます。地上での生活/体験は期間限定ですが、無形界での生活は永遠です。地上での生活へしがみつくことなく、地上での生活を諦めることなく、地上での生活を研修/修行の場として存分に活用していくのです。

 疾病/障碍に限らず、どのような状況/境遇も自身が体験しなければ、それらを通して感じ取る苦しみ/愛などは明確に理解できません。そして、自身で体験するからこそ、貴重な学びを得られる点に留意してください。このサイトの著者も、28回目の地上での生活(今回の地上での生活は37回目)の中で、現在に筋萎縮性側索硬化症と呼ばれている状況になり、有形体を用いた行動のできなくなった時期がありました。この体験からは、自身の内面にある葛藤/苦悩や恐れ/怯えと向き合い続ける意志を学び、同時に、他者から受ける思いやり/手助けへの感謝と愛への気づきを習得しました。サイトの著者については、サイト管理者を参照してください。

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 地上の各地域で体系化されている、中医学、アーユルヴェーダ、ユナニ医学、などの伝統医学では、経験的検証(主観的)を通して、有形体の機能と磁気的作用力のつながりが、それぞれの観点から記述されています。一方で、現代医学では、科学的検証(客観的)を基礎として体系化されています。

 現代医学と伝統医学では、有形体の機能と磁気的作用力の捉え方が異なり、真実度では、現在医学の総合的な検証方法は、おおよそ400台の特性を有しており、一方で、伝統医学の総合的な検証方法では、おおよそ300台の特性を有しています。ただし、各科の診断方法や治療方法などが示す真実度は様々です。現代医学/伝統医学が検証ではなく実証のみが可能となる真実度500以上を示さない大きな理由として、現代医学/伝統医学ともに、物的な有形体に生命(命の源)を捉えようとする誤謬[ごびゅう]が観られることにあります。生命(命の源)は無形的な霊にのみあり、霊が物的/有形的な有形体を活動させているのです。真実度と検証/実証の関連については、1章2節 真実度 #真実度と表現内容の証明を参照してください。

 中医学を例として、磁気的作用力の性質、活動性の程度、原素材の流れ、などの均衡/調和をみると、磁気的作用力の量を、有形体の4次元の側面にある磁気的作用力として「精/気」、3次元の側面にある磁気的作用力が作用して変化したものを「血/津液」として捉え、磁気的作用力のもつ強さ(活動性の程度)の均衡/調和を、陰陽、五行(木火土金水)から捉えています。原素材の流れは、精/気/血/津液が全身で利用される運行状況として表されています。更に、治療手段のひとつとしての「中薬」では、いくつかの磁気的作用力の性質にみられる分類を組み合わせて、中薬単体での薬性を表現しています。この薬性には、四気として熱/温/涼/寒、五味(七味)として甘/苦/酸/辛/鹹 (塩辛)/淡/渋、帰経として十二正経の各経を通して作用する強さ、作用する方向性として昇/降/浮/沈に分類され、これらの分類を総合した薬性が有形体への効能として示されています。加えて、中薬単体の薬性を組み合わせることで、有形体への全体的/総合的な効能を決める「方剤」も調合されます。

 なお、現代医学だけでなく、科学的な調査/研究という検証方法/枠組みは真実度400台を示す場合が多くみられるものの、必ずしも科学的な調査/研究の内容も同等の真実度を示すとは限りません。調査/研究の中には、個体の名声/昇給/昇格、企業の利益、国家の権威、などのために、歪曲/捏造された不誠実な性質を示す内容も溢れています。様々な物事/情報を「科学的な調査/研究に基づいている」からと盲目的に受け入れるのではなく、自己が自身で科学的な調査/研究の内容を考察する必要があります。自己が自身で内容を考察する参考として、筋反射検査を用いて調査/研究の内容が示す真実度の測定や、誠実/不誠実の性質の検査をおこなうのも有効です。筋反射検査については、1章3節 筋反射検査を参照してください。

 この質疑応答に関連する内容には、2章3節 有形界の構造 #質疑応答の「惑星の進化のために、地上で生活する人が永続性のある活動をおこなうには、どのようにすればよいのでしょうか?」がありますので参考にしてください。

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 食物アレルギーの多くも、様々な疾病と同様に、利己性/自己中心性/欲望、感情、不誠実な思考、物事を考察しない怠惰、向上心のない安逸、固定観念/既成概念などの囚われ、などの無形的な側面の生活状況が、有形体の状況、行動の習慣、などの物的/有形的な側面へ反映されることで引き起こされています。自己の内面の変化を内省し、生き方(生活習慣)を変えるように努める過程で、食物アレルギーの状況は徐々に改善/寛解していきます。

 なお、この質疑応答で用いている「食物アレルギー」とは、現在に知られている特定の品目によって引き起こされる食物アレルギーだけでなく、あらゆる食物に対してみられる様々なアレルギー反応を指しています。

(1000/1000) 無形的な側面の有形的な側面への反映
(1000/1000) 無形的な側面の有形的な側面への反映

 また、現在の生活状況とは別に、地上で生活する前に、今回の地上生活で食物アレルギーを通して学ぶと決め、相応する有形体の体質を選択している場合もあります。食物だけでなく、薬品、塗料、洗剤、衣服の素材、植物、動物、などへのアレルギー反応は、現在の自己の状況へ気づき、行為を内省し、生活習慣を修正して、成長へと活かすために現れています。あらゆる行為の積み重ねによって形成される習慣の総合が生き方として表れているために、様々なアレルギー反応(症状/程度)と自己の生き方は密接に関連しています。

 アレルギー反応を引き起こす品目/種族の中には、常にアレルギー反応を示す品目/種族もあれば、現在の状況によってアレルギー反応を示す品目/種族もあります。

 常にアレルギー反応を示す品目/種族は、地上での目的/役割を遂行するために事前に決めた有形体の体質による場合が多くみられ、アレルギー反応を示す品目/種族を通して学ぶ必要があります。これは、アレルギー反応が引き起こされるにも関わらず、アレルギー反応を示す品目/種族と積極的に無理矢理に接していく状況や、これらの品目/種族を忌避/拒絶する状況を指しているのではありません。アレルギー反応を示す品目/種族を詳細に考察したうえで、地上で遂行する内容があるのです。同じ品目/種族へアレルギー反応を示しているとしても、地上で遂行する内容(目的/役割)は個々によって異なりますが、多くの場合では愛を学ぶためといえます。地上での目的/役割については、4章2節 有形界での成長 #有形界での目的/役割を参照してください

 一方で、現在の状況によってアレルギー反応を示す品目/種族は、内臓機能の状況、老廃物の停滞/蓄積の程度、疲労の程度、食生活や日常の活動量/活動の強度などの生活習慣、精神で造化する思考/感情の習慣、などによる場合が多くみられ、自己の状況が変化すればアレルギー反応を示す品目/種族も移り変わります。現在の自己の生き方を詳細に内省して生活を修正することで、これらの品目/種族へアレルギー反応を示さなくなり、同時に、成長への学びを得られるようにもなります。

 加えて、有形体は、それぞれの季節へ適応するように、物質の心によって再構築されるために、同じ品目/種族であっても、特定の季節にのみアレルギー反応が現れ、他の季節には現れない場合もみられます。特定の季節にのみアレルギー反応が現れる状況は、外環境の無数の周期と、有形体の様々な周期との組み合わせを考察する機会として活用できます。外環境/有形体の無数の周期は、有形界で適用されている大霊の法則の一部を表しており、自己の考察と体験を通した法則の実証は成長を促してくれます。アレルギーだけでなく、怪我/疾病を受けた際にも、怪我/疾病を嫌厭[けんえん]することなく、成長へとつなげる機会として積極的に活用できます。有形体を用いておこなわれる物的な行動の習慣は、創傷、骨折、脱臼、腱/靱帯断裂、神経麻痺、などによって有形体の一部を動かし難くなると、これまでに自覚できるものの自覚なくおこなっていた様々な行動の習慣へ気づきやすくなります。怪我/疾病を通して気づき自覚した行動を内省することで、行動の土台となっている習慣を修正できるようになります。

 なお、あらゆる品目/種族へアレルギー反応の現れない状況が良いというのではない点に留意してください。有形体の感覚器による受容(体内での反応)が鈍化/麻痺して、健康な状況ではアレルギー反応を示す品目/種族へアレルギー反応が現れなくなっている場合もあります。

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 肥満は、地上での目的/役割を遂行するために事前に決めた有形体の体質として現れている場合を除けば、地上の生活を始めた後の利己性/自己中心性/欲望に基づく生き方が造り出しています。

 食事の内容/量、運動不足、などの「物的な行動」の結果として肥満が現れているのではなく、恐れ/怯え、利己性/自己中心性/欲望、怒り/苛立ち(ストレスを含む)、悲しみ、強い固定観念/既成概念、などの「内面に不要なもの」を造り出し/形成し溜め込んでいる状況が有形体へ肥満として反映されています。そのため、肥満や、糖尿病、高血圧症、高脂血症、心血管疾患、メタボリックシンドローム、などの状況を恐れ/怯えて、運動、減食、食事内容の変更、などをおこなっても、恐れ/怯えに基づいて行動しているために内面に溜め込んでいる「不要なもの」は更に増大しており、肥満を促進する、あるいは、肥満は解消されたものの様々な疾患が現れる、などがみられるようになります。自己のおこなう行為を内省し、生き方を修正していくことで、内面に溜め込んでいる「不要なもの」は徐々に減少するために、肥満は自然に解消されます。

 ただし、痩せているのならば、内面に「不要なもの」を溜め込んでいないのではありません。溜め込んでいる「内面に不要なもの」が、有形体へ肥満として現れずに、賭け事、ビデオゲーム、カラオケ、テレビの視聴、スポーツ観戦、アイドル/著名人の追っかけ、お喋り、などへ「熱中する行動」として外環境へ現れている場合もあります。

 なお、地上での目的/役割を遂行するために、地上での生活を始める前に有形体の体質として「肥満」を選択している場合には、肥満の状況を通して学ぶ必要のある内容があります。肥満の状況へ積極的に向き合い学びを得ていくことで、肥満が解消されていく場合もみられますが、解消されない場合もみられます。物的に肥満が解消されても、解消されなくても、無形的な学びを得られたのならば、成長は促進されます。

 この質疑応答に関連する内容には、この節の質疑応答の「加工食品の飲食は、有形体内での磁気的作用力の均衡/調和を崩して疾病を引き起こしやすくなりますか?」がありますので参考にしてください。

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 疾病や怪我などに対する「どのような治療」であっても、自己の治癒を願う強い意志が根幹にあることで成り立ちます。強い意志は、誠実に治癒を願う目的を推進し、目的に基づいて精神で造化される表現へ高い活動性の程度を付与するように、はたらきます。高い活動性の程度が付与された表現は、有形体でも高い活動性の程度が付与された活動を生み出すようになり、同時に、高い活動性の程度から変換された大量の磁気的作用力が治療の効果を高め、治癒を促進します。

 治療は、疑い/不信などを抱いたまま消極的で嫌々におこなうよりも、治療の内容/方針を理解し、納得し、治癒への確信を抱いて積極的におこなうことで高い効果を得られ、短期間での治癒/寛解が見込めるようになります。精神で造化された疑い/不信などが治癒を阻碍するように有形体へ反映され、一方で、理解/確信に基づく精神で造化された治療への積極性が治癒を促進するように有形体へ反映されるのです。

 加えて、個体という自己にしがみつかず、天使たち(大霊/全体)の支援/援助と治癒への導きを誠実に受け入れ従うことが、治癒を加速させるようになります。個体のできる範囲の行為は僅かでしかありませんが、全体には無限の可能性があり、自己が天使たちの支援/援助を受け入れるのならば、何時[いつ]でも最大限の支援/援助をしてくださいます。また、疾病を引き起こした原因となる自己の生活/生き方を省みないままに、鎮痛剤、降圧剤、解熱剤、消炎剤、ステロイド、などの薬剤を安易に用いて、一時的/表面的な処置で誤魔化そうとしていても治癒/寛解することはありません。強い意志でおこなう生き方(生活習慣)の改善が根本的な治癒を促し、加えて、自己の成長へもつながるようになります。

 なお、強い意志で治癒を願えば、願いが有形体の状況へ現れるからといって、怪我をした際に強い意志で治癒を願うだけで手当てをせずにいるよりも、物的な治療/処置をおこなった方が短い期間で治癒できる場合も多くあります。例として、脱臼した関節を、強い意志で整復する(関節/骨が元の位置に戻る)ように思い描き、関節が自然に整復するのを待つよりも、手で物理的に整復した方が早いです。

 常に、行動の目的が、行動を決定する点に留意してください。目的が行動を決定するとは、包丁(刃物)という道具であっても、使用する目的によって、素晴らしい料理が造り出される行動にも、人を殺める行動にも用いられることへ譬[たと]えられます。肥満への恐れ/怯え、疾病への恐れ/怯え、老化による衰えへの恐れ/怯え、あるいは、痩身を保つため、美容のため、などの有形体の形体への囚われは、有している恐れ/怯えや囚われの通りに有形体の活動へ反映されます。恐れ/怯えや囚われに基づいて運動や体操をしても、恐れ/怯えや囚われを増強させるだけであり、増強された恐れ/怯えや囚われが有形体の活動へ反映されるようになります。健康のためにおこなう運動や体操であったとしても、「健康を求めている目的」を明確に把握したうえでおこなう必要があるのです。

 ただし、精神で造化する表現が有形体の状況へ現れるからといって、同様の状況が有形体に現れている原因は個々によって異なる点に留意してください。精神で同じ内容の表現を造化しているとしても有形体へ異なる状況が現れる場合もあり、また、精神で異なる内容の表現を造化しているとしても有形体へ同様の状況が現れる場合もあります。加えて、有形体へ現れる状況は、精神で造化する表現、個々の用いている有形体の体質、有形体/外環境の無数の周期、などが組み合わさり総合された結果です。精神で造化する表現のみが有形体の状況へ反映されているのではありません。例として、夏季におこなわれた催事で、複数人が熱中症で倒れた場合に、ある者は、自身の用いる有形体の体質/疲労と外環境の高い気温/湿度の影響を受けて倒れており、一方で、別の者は、精神で「暑い暑い倒れそう」という思考/感情を造化し続けているために、思考/感情の内容が有形体へ反映されて倒れています。

 自己の治癒を願う強い意志が、本質的に疾病/怪我の治癒を促進するものの、子供の時期に発症する様々な疾病、不定愁訴[ふていしゅうそ]、医学検査での異常値、独特な行動/癖[くせ]、などは、親/大人から受ける抑圧/強制によって起きている状況も多くみられます。これらは、抑圧/強制を受けて、精神で自覚して、あるいは、自覚できるものの自覚なく不誠実な性質の表現を造化し、造化した不誠実な性質の表現が有形体へ反映されて現れているのです。受ける抑圧/強制によって、継続的に現れている場合もあれば、一方で、抑圧/強制を強く受けることで現れ、抑圧/強制が弱くなると寛解する場合もみられます。

 親/大人は、自覚して、あるいは、自覚できるものの自覚なく自身に都合の良い行為を子供へおこなわせようとして抑圧/強制していますが、子供は、親/大人から抑圧/強制を受けていると気づかないために、自覚して精神で不誠実な性質の表現を造化しないように努め難いです。子供自身が大人になり、親や他の大人から受ける抑圧/強制が減少することで、あるいは、受けている抑圧/強制に気づき自覚して解消することで、子供の時期に発症した後に継続的/断続的に現れている様々な状況も治癒/寛解できるようになります。また、子供は、親/大人から受ける抑圧/強制によって固定観念を形成し、自身が大人になった後に、親/大人から抑圧/強制を受けなくなったとしても、自身の有する固定観念によって有形体へ発症させている状況もみられます。この状況も、自身の有している固定観念に気づき自覚して解消することで、治癒/寛解します。固定観念については、5章4節 固定観念/既成概念を参照してください。

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 薬の効果実験に焦点を当てた場合では、プラシーボ(偽薬)を用いて、薬の特定の成分などが有する有形的な側面から捉えた磁気的作用力の性質/程度を検証することは、無価値ではありません。

 本質的には、無形的な意志の強さや行為をおこなう目的が、有形体のおこなう物的/有形的な活動へ大きな影響を与えています。同じ薬を服用しても、意志の強さや、目的の明確さ、薬に対する理解の程度、などによって、薬の効果が現れる程度は大きく異なります。そのうえで、薬そのものが有する磁気的作用力の性質/程度を検証するためには、プラシーボを用いて、無形的な意志や行為の目的によって現れる有形体への影響を最小限に抑えて考察する必要があります。なお、地上で様々におこなわれている「脊椎動物の行動/反応を通した研究/調査」で得た内容が、人へ当てはまらない場合も多くみられるのは、自由意志を有している/有していないの違いが大きな影響を与えています。脊椎動物は自由意志を有しておらず、自然の流れに基づいて行動していますが、一方で、人は自由意志に基づいて行動しています。自由意志については、4章6節 自由意志/運命を参照してください。

 薬を含め、あらゆる物事を様々な観点から考察することは、世界の実相/生命の真相へと気づき、理解し、成長への学びにつながる可能性を有しています。真摯に探求/探究する誠実な目的でおこなわれる行為には、無価値なものなど何ひとつないのです。そして、物的/有形的な内容のみへ囚われることなく、物的/有形的な内容を通して無形的な内容を捉え、物的/有形的な内容と無形的な内容との関係性/関連性を詳細に考察するように努める過程が、学びへとつながります。

 本質的な「意志の強さや行為をおこなう目的」を除外したうえで捉えるのならば、日々に食事を通して摂取する食物にも、多糖類/アミノ酸/脂肪酸/ビタミン/ミネラル/微量元素などの成分を摂取する組み合わせや、摂取する量の割合によって、血圧を下げやすい、骨を強化しやすい、心血管疾患を予防しやすい、特定の成分を吸収しやすい、炎症を抑制する、などの相乗効果がみられます。同様に、摂取する組み合わせや摂取する量の割合によっては、血圧を上げやすい、骨を脆[もろ]くしやすい、心血管疾患を発症しやすい、特定の成分が吸収され難くなる、腹痛/悪心/下痢/眩暈を引き起こしやすくなる、炎症を誘発する、などもみられます。各成分を摂取する組み合わせや摂取する量の割合によって現れる有形体の変化/症状は、様々な性質を有する磁気的作用力の組み合わせと、それぞれの性質を有する磁気的作用力の量の割合が造り出す「磁気的作用力の総合的な作用の方向性/強さ」を土台としています。

 食物の組み合わせが有形体へ与える影響は「食べ合わせ」とも呼ばれており、地上の各地域で体験を通して蓄積され、現在に言い伝えられています。中医学では、中薬の配合や食材の組み合わせにみられる効果が、单行(組み合わせずに単体で用いる)とともに、相須、相使、相畏、相殺、相悪、相反、として知られています。組み合わせについての詳細は中医学の書物を参照してください。組み合わせの概略は下記となります。

  • 相須/相使は、薬の有する効果が増強される組み合わせを指しています
    • 相須は、効果の類似する薬を組み合わせることで、効果を増強させます
    • 相使は、主とする薬の効果を、副とする薬で増強させます
  • 相畏/相殺は、薬の有する毒性/激烈性を軽減させる組み合わせを指しています
    • 相畏は、ある薬の毒性、あるいは、効果の激烈性を、他の薬で軽減させます
    • 相殺は、ある薬の毒性を、他の薬で除去/抑制させます
  • 相悪/相反は、薬の有する効果を減衰させる、あるいは、毒性を増強させる組み合わせを指しています
    • 相悪は、ある薬の効果を、他の薬が減衰させます
    • 相反は、ある薬の毒性を、他の薬が増強させます

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 腸内(小腸/大腸)に停滞する宿便は、多くの疾病を生み出す物的な原因のひとつとなっています。宿便を停滞させやすくする流れとして、はじめに、物質の心によって造化される誘惑(利己性/自己中心性/欲望)の影響を受けて、自己の自由意志による瞬間瞬間の自覚のある、あるいは、自覚できるものの自覚のない選択に基づき、精神で不誠実な性質の表現が造化されます。誘惑の影響を受けて表現を造化する習慣は経験の機能特性へと保存され、今後の表現の造化へ用いられるようになります。加えて、誘惑は、分霊の心がおこなう造化へ干渉して不誠実な性質の表現を造化させるように強要するだけでなく、経験へ保存されている「不誠実な性質の表現を造化する習慣」を喚起して不誠実な性質の表現を造化させるようにも、はたらきかけます。そして、習慣は表現の造化へ用いられるほどに強められて保存されるために、不誠実な性質の表現を造化する無形的な習慣の積み重ねによって、日常の物的/有形的な生活習慣が形成され、物的/有形的な生活習慣に基づいて物的に腸内へ宿便を溜めやすい生活をおこなうようになります。誘惑については、5章3節 誘惑を参照してください。

 腸内へ宿便を溜めやすい生活習慣は、食習慣が直接的に関与していますが、実際には、他の様々な習慣が食習慣へ大きな影響を与えているために、それらの影響を総合した結果として食習慣が形成されています。例として、湧き起こる感情(無形的)を自己の意志で制御しようとせずに、感情から眼を逸らし逃げるために大食/過食を繰り返す習慣(物的/有形的)は頻繁にみられます。

 宿便は、有形体の食物を消化する許容量/処理能力を上回ることで腸内に停滞しやすくなります。停滞した宿便は長く腸内へ留まっているために腐敗の程度が強く、腸から血管内へ吸収されても血液を汚す原因となります。血液の汚れは、それぞれの内臓で分解/濾過されますが、内臓へ不必要に大きな負担をかけるようになります。内臓への負担が大きくなり、内臓が疲弊して機能が低下すると血液の汚れを除去しきれなくなり、様々な症状が現れるようになります。それぞれの内臓は相互に連携して機能を支え合っているために、ある内臓の機能低下は他の内臓への負担を強め、結果として、全ての内臓での機能低下を招くようになります。

 それぞれの内臓に関連する症状の例としては下記が挙げられます。ただし、実際には、それぞれの内臓での特有の症状は稀であり、内臓の相互の機能低下による総合として症状が現れているために、下記の例は、主となる内臓の機能低下によってみられる大雑把な症状となります。宿便や内臓の機能低下によって現れる様々な症状などの詳細については、医学に関する書物を参照してください。

  • 肝臓では、視力低下、乱視、老眼、高血圧、低血圧
  • 腎臓では、難聴、白髪、脱毛症、禿頭、糖尿、血尿
  • 脾臓では、貧血、リンパ節の腫痛
  • 肺臓では、アトピー、喘息、夏季は暑がり冬季は寒がる

 各内臓の機能低下とともに、発熱(微熱)、頭痛、眩暈[めまい]、肩凝り、関節痛、腰痛、なども多くみられ、加えて、それぞれの内臓で血液の汚れを分解/濾過するには、大量の原素材を消費するために疲れやすく、睡眠を多く/長く摂っても疲労が残りやすくなります。また、食物の品目では、摂取する量に関わらず、植物性の食物に比べて動物性の食物の多くは腸内で腐敗しやすく、血液を汚す大きな原因となっています。

 宿便と様々な疾病の関連に基づき、断食/少食を用いて疾病の改善へ取り組んできた先人には、甲田光雄[こうだ みつお]が拡く知られています。甲田光雄は多数の著書を出版されていますが、それらの中で概要となる内容の書物を、5章1節 修養の生活 #質疑応答の「断食は伝統的に自己の修養へ用いられていますが、断食をすることで成長へつながりますか?」で紹介していますので参考にしてください。

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 はじめに、性別を有しているのは有形体であり、霊に性別はありません。また、有形体は自己ではなく、自己の用いる道具でしかないという点へ留意してください。自己(霊)の認識する性別は、自己の有している固定観念のひとつです。多くの場合では、今回に用いている有形体の性別を自己の認識する性別として固定観念を形成するために、有形体の性別と自己の認識する性別は一致しています。

 性同一性障碍と呼ばれている、有形体の性別と自己の認識する性別の不一致は、これまでに地上で生活した際の性別は関係していません。個々によって再授肉を繰り返してきた回数は異なりますが、毎回の地上での生活で同じ性別を選択し続けている場合は比較的に少なく、両方の性別を通して生活してきた場合が多くみられます。これまでの生活で性別に起因して形成した固定観念は、物事の捉え方、思考の方向性、などの無形的な側面へ影響を与えますが、性別という有形的な体験そのものが今後の地上での生活へ影響を与える状況はありません。性別は、自己が成長するために用いる有形体という道具の特性のひとつでしかないのです。

 今回の地上での生活で感じている性別の不一致は、これまでに地上で生活していた際に形成した性別に起因する固定観念を解消し(地上での目的)、社会の性別に起因する偏見/差別/序列/格差などを是正する(地上での役割)ために、今回の地上での生活で有形体の性別と自己の認識する性別の不一致を通して苦しみ、学び、自己/他者/社会の成長へつなげると、地上での生活を始める前に事前に決めている場合が多くみられます。ただし、性別の不一致を感じる状況が、性別に起因する固定観念の解消のためだけとは限らない点へ留意してください。地上での生活を始める前に決めた同じ内容の地上での目的/役割であっても、目的/役割を遂行するために個々が選択する手段は様々です。同様に、同じ手段を選択している場合であっても個々によって地上での目的/役割の内容は様々です。

 地上の生活で、性別の不一致によって苦しみ、自己の自由意志による選択の結果として、性別適合手術、ホルモン療法、豊胸手術、乳房切除術、などで有形体の形状を変化させるのは、地上で生活する間は苦しみを緩和できる場合もみられますが、地上で生活する前に決めた「成長のための目的」からは眼を逸していることになり、成長へはつながりません。今回の地上での生活を終えて無形界へ戻ってから、地上での目的を遂行できなかった状況へ後悔し、苦しまねばならなくなります。無形的な自己の認識する性別へ、社会/有形体/服装/髪型/話し方/歩き方などの物的/有形的な物事を適合させようとしていくのではなく、性別の不一致を感じさせている自覚できるものの自覚していない囚われ(固定観念/既成概念)へ気づくように内省へ努め、囚われを解消していく必要があります。

 加えて、有形体の外見を、自己の認識する性別で一般的とされている男らしい/女らしい髪型、服装、話し方、歩き方、などへ装っている外見の特徴は、現在に地域社会が有している常識(既成概念)に基づいています。外見を装うのは、他者/社会から常識に基づいて、自己の認識する性別に相応する外見の自己を認めてもらいたいだけに過ぎません。有形体の性別ではなく自己の認識する性別で自己を捉えてもらいたいのと、また、自己の認識する性別と同じ性別の者との婚姻(同性婚)などへの偏見/差別へ抗[あらが]い是正していくのと、他者/社会から自己の認識する性別で外見を装った自己を認めてもらいたいのは異なります。常識の内容は地域社会によって異なり、同じ地域社会であったとしても常識の内容は変遷し不変ではありません。

 成長の観点からみれば、性別へ囚われていること自体が成長を阻碍しているといえます。性別に起因して現れる様々な物事を考察し内省し学び成長へ活かしても、性別による社会の慣習(既成概念)などへ囚われ、虚栄心を満たすためにしがみついていては何時[いつ]までも成長できないのです。性別へ囚われないとは、性別という軸線上で自己/他者/物事を捉えない状況を指しており、男性が男性を、女性が女性を、あるいは、男女の両性を恋愛の対象とする状況を指しているのではありません。加えて、愛は性別という軸線上で自己/他者/物事を捉えませんが、恋愛は性別という軸線上で自己/他者/物事を捉えている点にも留意してください。異性を好きになる、同性を好きになる、両性を好きになる、などは性別に基づく恋愛の捉え方であり、愛ではありません。愛は性別の存在しない「霊」に基づいており、有形体に起因する性別とは無関係です。愛と恋愛は異なります。愛と恋愛の違いについては、2章2節 大霊 #質疑応答の「愛と恋愛は同じですか?」も参考にしてください。

 なお、現在の地上社会は、肉眼に視える有形体の性別によって様々な取り決めが成されており、肉眼に視えない自己の認識する性別で行動すると、周囲を混乱させる状況へつながります。性別の不一致への対応は法改正などで様々に模索されていますが、社会の認識を短期間(数十年単位)で変革するのは困難です。個々が成長し、個々の総合によって表される社会の成長の程度が向上するほどに、肉眼に視えない物事への社会の認識/理解も進むようになります。

 自己は「有形体の性別と自己の認識する性別の不一致」に悩み/苦しんでいないとしても、自己が特定の性別や、有形体の性別と自身の認識する性別の不一致へ悩み/苦しんでいる他者を嫌悪/忌避している、あるいは、苦手感を感じているのならば、これまでの地上/無形界での生活において、相手を有形体の性別で判断することへ囚われていたために、今回に地上へ再授肉するにあたって、囚われに気づき修正すると「地上での目的」として決めている場合もみられます。再授肉については4章9節 再授肉、地上での目的については4章2節 有形界での成長を参照してください。

 この質疑応答に関連する内容には、この節の質疑応答の「男女の性別の違いは、分霊の成長へ影響を与えていますか?」がありますので参考にしてください。

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 はじめに、医学の診断名/疾患名などは、地上社会での多数を占める者たちと異なるために、少数の者たちの状況へ付けた名称でしかないという点に留意してください。医学検査/診断は、社会の多数を占める者たちを基準/標準/正常として成り立っており、多数へ含まれなければ異常/障碍と判定されます。譬[たと]えると、社会に誠実な生き方をする者たちが多数を占めていれば、誠実な生き方をする多数は正常で、不誠実な生き方をする少数は異常とみなされ、逆に、社会に不誠実な生き方をする者たちが多数を占めていれば、不誠実な生き方をする多数は正常で、誠実な生き方をする少数は異常とみなされます。発達障碍、認知障碍、なども多数を占める者たちの「おおよその発達/認知の程度」よりも低かったために「障碍」と呼ばれているだけに過ぎません。基準/標準が変化したのならば、これまでに「障碍」と呼ばれていた状況が障碍と呼ばれなくなる場合もあり、逆に、基準/標準が変化したことで、これまでに「健全/正常」と呼ばれていた状況が障碍/異常と呼ばれるようになる場合も多くあります。

 精神疾患を通して霊の成長へとつなげるのか/つなげないのか、また、成長を阻碍(退行)させるのか/促進させるのかは、患[わずら]った本人の自由意志による選択へ委ねられています。これらの疾患は、成長へとつなげるために患うと地上での生活を始める前に自身で決めている場合と、地上で不自然/不調和な生活をしているために患う場合とがあります。

 発達障碍、注意欠陥多動性障碍(ADHD)、自閉症、統合失調症、躁鬱[そううつ]、癲癇[てんかん]、などの精神疾患と呼ばれている様々な状況は、精神という名称を用いていますが、有形体の体質/状況によって、有形体を通した外環境の認識/外環境への表現が適切におこなえないだけであり、精神での表現の造化は正常におこなわれているために、無形体を通した外環境の認識/外環境への表現は適切におこなわれています。精神疾患を患っている本人が、自身と周囲の者たちとを比較して、自身の状況へ違和感を感じる場合では、多数を占める者たちを標準とする地上社会へ自身を適応させようと奮闘しながらも適応できないことへの不一致によって苦しみを感じるようになりますが、自身を地上社会へ適応させようとする状況が霊の成長へつながるとは限りません。現在の地上は、どの地域であっても未だ社会の成長の程度が低いために、社会の標準/常識/多数などの既成概念へ適応していくように努めていても成長へはつながり難く、寧[むし]ろ、成長を求め実践するほどに社会の標準/常識/多数から逸脱していかねばならないのです。

 地上での生活を始める前に精神疾患を患うと決めた場合では、社会の既成概念に囚われることなく、また、周囲の者たちへ迎合することなく、精神疾患を通して独りであっても成長を求める勇気をもつと決めている状況が多くみられます。この場合では、精神疾患と呼ばれて外環境へ現れている状況は個性のひとつの側面を表しているために、現状を拒絶せずに積極的に受け入れていくことで、感じ取る苦しみは減少し、成長へもつなげやすくなります。ただし、周囲の者たちと異なる状況への不安/苦しみに診断名が付けられたことに安堵して、行動しようとしない/行動できない理由(責任逃避)にし、自身の利己的/自己中心的な行為を正当化しようとしていては成長を阻碍/退行させるようになります。責任逃避については、5章2節 幻想を参照してください。

 一方で、地上で利己的/自己中心的な行為を積み重ね、大霊の法則に対して不自然/不調和な生活をしているために精神疾患を患った場合では、自身の生き方を誠実に省みて、日々の生活/生き方を変えていく勇気をもつ必要があります。生き方を変えていくには苦しみをともないますが、徐々にでも大霊の法則(自然)へ調和した誠実な生活へ努める過程で、精神疾患は治癒/寛解していきます。

 物質の心に由来する恐れ/怯えは、多数を普通/標準/正常などとみなし、少数を異端/奇異/特殊/異常などとして恐れ/怯えの対象と認識させ、更には、忌避、隔離、排除、排斥、撲滅、などの行動をおこなわせるように、はたらきかけます。周囲の者たちが物質の心に影響を受けて自己へおこなう恐れ/怯えに基づく様々な発言/行動/態度などに対して、自己の有する恐れ/怯えや囚われに基づいて反応せずに、寛容/憐[あわ]れみをもって対応するように努めれば、自己が無用な苦しみを感じることもなくなります。寛容/憐れみについては、5章6節 愛の行為 #質疑応答の「慈悲/憐れみとは何ですか?」を参照してください。

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 有形体の使用年数にともなう特定の期間にみられる思春期の反抗や更年期障碍と呼ばれている状況は、これまでに維持していた有形体の均衡/調和が特定の期間になると大きく崩れるために、意識に占める物質の心の影響力(意識に占める物質の心の割合)が大幅に増大することで現れています。

 大雑把には、思春期は有形体の構造/機能が大きく発達し、逆に、更年期では大きく衰退します。思春期/更年期の時期へ突入し有形体の構造/機能が大きく変化(発達/衰退)することで、これまでに物質の心が均衡/調和を維持してきた方法では対応できなくなります。物質の心は、大きな不均衡/不調和へ対応するために活動を急激に亢盛させ、同時に、意識に占める物質の心の影響力も大幅に増大させて、誘惑(利己性/自己中心性/欲望)の干渉を強めます。誘惑の干渉が強くなることで、思春期の反抗や更年期障碍と呼ばれている様々な特徴ある行為や症状がみられるようになります。思春期/更年期の時期へ突入し、ある程度の期間を経ることで、物質の心は現状に適した有形体の均衡/調和を維持する方法を確立するために、亢盛させていた活動も鎮まり、様々な特徴ある行為や症状も消え去っていきます。誘惑については、5章3節 誘惑を参照してください。

 思春期/更年期にみられる様々な特徴ある行為や症状は、意識に占める物質の心が与える影響力の強さによって、強く現れる場合もあれば、弱く現れる場合もあり、全く現れない場合もあります。意識に占める物質の心が与える影響力の強さには、成長の程度、有形体の体質、有形体が貯蔵できる原素材の上限量、有形体の劣化の程度、日常の活動量/活動の強度、経験へ保存されている習慣/囚われ(固定観念/既成概念)の内容/強さ、記録へ貯蔵されている情報/知識の内容/程度、などが関連しており、様々な特徴ある行為や症状の現れる程度だけでなく、それらが現れる期間の長さにも影響を与えています。なお、有形体が貯蔵できる原素材の上限量、有形体の劣化の程度、日常の活動量/活動の強度は、疲労の程度に影響を与えており、疲労は物質の心の影響力を強める要因となります。

 日常の生活(生き方)で有形体の不均衡/不調和の程度が高いほどに日常的な意識に占める物質の心が与える影響力は強いために、特定の期間になり均衡/調和が大きく崩れると更に物質の心の影響力は強まり、様々な特徴ある行為や症状の現れる程度も強く、また、長い期間に渡って現れる傾向がみられます。一方で、特定の期間になり物質の心が活動を亢盛させたとしても、同調する活動性の程度を高めて意識に占める大霊の心の影響力を強め、相対的に物質の心の影響力を弱めていれば誘惑の干渉は強まり難く、また、克己の造化を増大させ干渉を防ぎやすくなるために、様々な特徴ある行為や症状は現れ難くなり、期間も短くなる傾向がみられます。

 思春期/更年期の時期へ突入する前も、時期へ突入してからも、時期を抜け出てからも、自己の内面や有形体の状況を常に総合して考察/内省し、意識に占める物質の心が与える影響力を弱めていく(大霊の心の影響力を強める)ように努める必要があります。

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 はじめに、植物状態という語は無形界の担当者によって地上へ造化されている「植物の活動する状況/構造」と混同/誤認を招きやすいために、この質疑応答では、植物状態という語を用いずに、遷延性意識障碍[せんえんせいいしきしょうがい]の語を用いています。

 脳死は、死の過程(臨終)にみられ、物質の心(第7チャクラの位置)へ接続する太い涵養の糸が切断されて物質の心への原素材の供給が途絶え、有形体を統御する物質の心が機能を停止している状況を指しています。中焦(第3チャクラの位置)へ接続する太い涵養の糸は接続したままであり、有形体の活動は未だ継続していますが、物質の心が機能を停止し有形体を統御できないために、短期間の後に中焦へ接続する太い涵養の糸も切断され死が完了します。死の過程では、先に中焦へ接続する涵養の糸が切断され、その後に物質の心へ接続する涵養の糸の切断される状況が多くみられます。中焦へ接続する涵養の糸が切断され有形体の活動が停止した段階では未だ物質の心は機能しており、物質の心は意識へ接続されたままのために、徐々に有形体の活動が停止へ向けて減衰していくのにともない、意識は徐々に眠りへ落ちるような感覚(死への眠り)を感じ取ります。一方で、脳死は中焦へ接続する涵養の糸よりも先に物質の心へ接続する涵養の糸が切断されており、物質の心が意識から切り離された後に、徐々に有形体の活動が停止へ向けて減衰していくために、意識は眠りへ落ちるような感覚を感じ取りません。

 遷延性意識障碍は、物質の心(第7チャクラの位置)へ接続する太い涵養の糸は接続しているものの、有形体内で物質の心への原素材の供給が正常におこなえていないために、物質の心がほとんど機能しなくなっている(僅かには機能している)状況を指しており、死の過程にみられる場合もありますが、死の過程とは直接に関係していません。中焦(第3チャクラの位置)へ接続する太い涵養の糸は接続したままであり、有形体の活動は継続しています。有形体内で、物質の心への原素材の供給が正常におこなえていない原因が解消されると、物質の心が機能を回復する可能性もあります。

(1000/1000) 脳死/遷延性意識障碍の違い
(1000/1000) 脳死/遷延性意識障碍の違い

 なお、脳死/遷延性意識障碍ともに、有形体の活動/統御にのみ影響を与え、無形体での活動には全く影響を与えません。脳死/遷延性意識障碍によって、有形体を通して周囲の外環境を物的に認識できなくなりますが、無形体を通しては有形的/無形的に認識しています。

 もしも、脳死の段階での臓器提供などにより、物質の心へ原素材を供給する涵養の糸は切断されているものの、中焦へ原素材を供給する涵養の糸が接続されたまま(死の過程が完了していない状況)で臓器を取り出したために、涵養の糸が接続していることで未だ有形体と強く結びついている無形体を通して意識へ少しばかりの衝撃が加えられる場合もみられます。ただし、衝撃による影響を受けるのは僅かな期間であり、永続的な影響を受けることはなく、その後の無形界での生活(無形体の活動)へも影響を与えません。この意識へ加えられた少しばかりの衝撃によって僅かな期間に受ける影響を自己が背負うことは、自己には既に不要となった有形体の臓器を移植される他者のために、今回の有形界/地上の生活でおこなえる最後の物的な愛の行為となります。愛の行為について、5章6節 愛の行為を参照してください。

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 過食/大食、熱性食物の飲食、湯浴、外環境の気温の上昇、などの有形体へ物的/有形的に熱を上昇させる原因以外にも、有形的に熱を上昇させる無形的な原因のひとつとして、自己以外(他者/動物/自然現象など)への自覚のある、あるいは、自覚できるものの自覚のない苛立ち(不寛容)が有形体内へ無用な熱を生み出す状況が挙げられます。無形的な苛立ち(怒り/ストレス)の感情が、直接的に有形体へ物的/有形的な熱として造化され、同時に、制御のできない過食/大食、飲酒、喫煙、などの行動をおこなわせて間接的に熱を上昇させやすくなります。熱の上昇によって物質の心から受ける誘惑の影響力が増大するために、更に無形的な苛立ちを強める循環を形成します。

 苛立ちとして現れる不寛容の原因には、熱、疲労、利己性/自己中心性、恐れ/怯え、などがみられますが、これらには、意識に占める物質の心の割合が「相対的に増大している」という共通の土台があります。意識に占める物質の心の割合が増大することで、物質の心が有する恐れ/怯えに基づく誘惑の影響を受けやすくなります。他者が、どれほどに強い不誠実な行為をおこなっていたとしても、他者へ寛容/憐[あわ]れみではなく、怒り/苛立ちを感じるのは、物質の心から誘惑の影響を受けて経験の機能特性へ保存されている利己性/自己中心性/欲望(恐れ/怯え)の習慣が喚起されるためであり、無用な熱の上昇を招き、様々な不誠実な行為へとつながりやすくなります。寛容/憐れみについては、5章6節 愛の行為 #質疑応答の「慈悲/憐れみとは何ですか?」を参照してください。

 なお、相手が利己的/自己中心的な行為をおこなっていると認識するのと、自己が相手の行為へ苛立ち/不寛容を示すのは異なります。相手が利己的/自己中心的な行為をおこなっていると認識するのは、自己の有する認識の程度を土台としていますが、一方で、自己が相手の行為へ苛立ち/不寛容を示すのは、自己の有する利己性/自己中心性/欲望や恐れ/怯えを土台としています。

(1000/1000) 苛立ちと熱の循環
(1000/1000) 苛立ちと熱の循環

老化

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 このサイトで用いている「劣化(老化)」とは、皺[しわ]が増える、髪が白くなる、などの有形体の外見にみられる物的な状況を指しているのではなく、有形体の4次元の側面で原素材へ活動性を与えて有形体の様々な活動(表現/行為)を造化する際に、原素材を活動へ用いる利用効率が低下する状況を指しています。原素材を用いて造化される有形体の物的な状況は原素材の利用効率とは直接に関連していないために、原素材を活動へ用いる利用効率の低下によって、有形体の3次元の側面で、皺が増える、皮膚が乾燥する、爪が脆く軟らかくなる、歯が脆くなる、頭髪に艶がなくなる、頭髪が白くなる、爪/髪の伸びるのが遅い、小さな傷/虫刺されの治りが遅い、血液中の成分(赤血球/白血球/血小板など)が減少する、筋量が減少する(形体の消瘦)、などの物的な状況がみられる場合もあれば、みられない場合もあり、劣化によって誰にでもみられるとは限りません。これらの個々によってみられる物的な状況は、有形体のおこなう様々な造化の中で優先度が低い側面に現れています。優先度の高い側面へ原素材を多く用いるために、優先度の低い側面へは原素材が充分に行き渡らなくなるのです。

 劣化として表される「原素材を活動へ用いる利用効率の低下する」状況は、有形体でおこなわれる「造化の工程」という無形的な機能/構造が脆弱化していくことを指しています。機能/構造が脆弱となるために、造化の工程で原素材へ活動性を与え難くなるのです。原素材へ適切に活動性を与えられた場合のみ活動へ用いることができ、適切に活動性を与えられなかったのならば活動へ用いることができません。これは、物品を製造する工程での不良品の発生率が高くなる状況へ譬[たと]えられ、必要とする数量の良品を製造するために、多くの原材料を消費するようになり、結果として、原材料の利用効率が低下します。

 ただし、造化の工程で原素材へ活動性を与え難くなったとしても、与える活動性の程度とは関係しません。与える活動性の程度が高くても、低くても、原素材へ活動性を与え難くなります。同様に、与える活動性の程度が高くても、低くても、原素材へ活動性を与える「与え難さ」とは関係しません。与える活動性の程度が高いほどに、原素材へ活動性を与えやすくなる状況はありません。

(1000/1000) 劣化による原素材の利用効率の低下
(1000/1000) 劣化による原素材の利用効率の低下

 有形体の3次元の側面で容姿が若くみえる、あるいは、老いてみえるのと、有形体の劣化の程度には直接的な関係がありません。有形体の外見が老いてみえていても、劣化の進行によって表れている場合もあれば、劣化とは関係のない場合もあります。有形体の外見は生き方と密接に関連しており、自己の有している習慣、固定観念/既成概念、などの内容/強さに基づいて、有形体の外見を自覚して、あるいは、自覚できるものの自覚なく造化している場合もあるために、劣化の進行によって表れているとは限らないのです。有形体の劣化/老化が進行することで、「容姿が老いてみえやすい」傾向がみられるだけに過ぎません。

 日常の活動も思うようにおこなえない、あるいは、立つこともままならない寝たきりの生活として有形体の劣化の大きく進行している状況が傍からみえる場合もあれば、一方で、傍からは活発に活動して若々しくみえていても有形体の劣化が大きく進行している場合もあります。4次元の側面で表れる劣化/老化の程度は、必ずしも3次元の側面で現れる物的な状況へ反映されているとは限らない点に留意する必要があります。

 有形体の劣化の程度は、現在の地上で用いられている様々な医学(現代医学/伝統医学)の水準では検査も診断もできません。有形体の使用年数(年齡)が少なくても劣化の大きく進行している場合はみられますが、現在の医学では年齡を基準に診断しようと試みるために、有形体の劣化にともなって現れやすい疲労のしやすさ、倦怠感、脱力感/虚脱感、頭重感/眩暈、意識混濁(脳の霧/ブレイン・フォグ)、などを鬱[うつ]病/自律神経失調症/各種の精神疾患と診断する状況も多くみられ、中には、怠惰な生活をしているだけに過ぎないと叱責[しっせき]する状況もみられます。自己/他者の状況や物事の考察に医学の検査/診断を活用しても、検査/診断の結果を盲信することなく、自身で囚われなく考察するように努めることで、正しさの程度(真実度)が高い捉え方へとつながるようになります。

 なお、有形体の劣化にともなう疲労のしやすさ、倦怠感、脱力感/虚脱感、頭重感/眩暈、意識混濁(脳の霧/ブレイン・フォグ)、などの症状は有形体に貯蔵する原素材の量が不足しているために、有形体/無形体でおこなわれる無数の造化に不均衡/不調和が生じて現れています。

(1000/1000)

 自己/他者のそれぞれが用いている有形体の劣化(老化)の程度は、真実度/内的成長度/活動性の程度などと同様に、筋反射検査を用いて数値での測定ができます。例として、自己/他者の用いている有形体の全く劣化のない状況を1と規定し、最も劣化の進行した状況を1000と規定して、1-1000の間を数値で測定します。なお、全く劣化のない状況が誕生時とは限らず、同様に、最も劣化の進行した状況が死亡時とは限らない点に留意してください。筋反射検査で用いる宣言文は「◯◯(自己/他者の名称)の用いている有形体の全く劣化のない状況を1、最も劣化の進行した状況を1000と規定した場合に、現在の劣化の程度は◇◇(1-1000の間の数値)です。」あるいは「◯◯(自己/他者の名称)の用いている有形体の全く劣化のない状況を1、最も劣化の進行した状況を1000と規定した場合に、過去△△の時点での劣化の程度は◇◇(1-1000の間の数値)でした。」となります。過去△△の時点は、明確に定義するほどに適切な検査結果が得られます。筋反射検査については、1章3節 筋反射検査を参照してください。

 測定値は、現在の段階での劣化の程度と、過去の段階での劣化の程度を比較し、有形体の活動量/活動の強度、有形体の貯蔵する原素材の供給量/消費量、表現の造化へ原素材を用いる利用効率、などのつながりを考察する際の参考として役立てることができます。

 ただし、自己、あるいは、他者の用いている有形体のみで測定された現在の段階での劣化の程度と過去の段階での劣化の程度は比較できますが、自己/他者の用いている有形体の間での測定値は比較できません。測定値を自己/他者の間で比較できないのは、劣化の程度を数値で測定する際に必要となる、全く劣化のない状況と最も劣化の進行した状況が自己/他者の用いている有形体の体質によって異なる状況を表しており、全く劣化のない状況と最も劣化の進行した状況を一律に規定できないためです。例として、自己/他者の現在の段階での劣化の程度が同じ550で測定されたとしても、自己/他者で表現の造化へ原素材を用いる利用効率が同じとは限らず、許容できる有形体の活動量/活動の強度も異なります。一方で、自己の現在の段階での劣化の程度が300で測定され、他者の現在の段階での劣化の程度が700で測定されたとしても、自己/他者で表現の造化へ原素材を用いる利用効率が同じ場合もあります。

 有形体の体質は個々の地上での目的/役割によって様々です。体質を構成するひとつひとつの性質は自己/他者で類似している場合もみられますが、総合した体質は個々によって独特であり、同じ体質を有している者はいません。もしも、一卵性双生児であったとしても全く同じ体質を有しているのではないのです。

 この質疑応答の内容は、4章5節 優位性と関連していますので参考にしてください。

(1000/1000) 個々によって異なる劣化の程度の測定値
(1000/1000) 個々によって異なる劣化の程度の測定値

(1000/1000)

 有形体の使用年数(年齢)と劣化(老化)には相関関係がみられますが、有形体の劣化(老化)と使用期限(死)に因果関係はありません。老化の進行が、死の近づいている状況を示しているのではないのです。

 有形体の使用年数が多いほどに、有形体を用いて活動している期間が長いために、有形体が劣化している傾向はみられます。ただし、どの程度の劣化がみられるのかは本人の生き方によって異なります。怠惰/安逸な生活を送り、活動量が少なく活動の強度も低い生き方をしてきたとしても、利己的/自己中心的な生活のために劣化が大きく進行している者もいれば、一方で、愛の行為へ献身して、活動量が多く活動の強度も高い誠実な生き方へ努めてきたために、劣化が大きく進行している者もいます。また、食事の摂取を辞めた者の中には、食事という活動量が多く活動の強度も高い行動をおこなわないために、有形体の劣化が進行し難い者もみられますが、劣化が進行しなくても使用期限は訪れます。

 有形体の使用期限は、使用年数に関わらず、必ず訪れます。劣化の進行しないままに幼くして使用期限を迎える者もいれば、壮健旺盛なまま事故/病で突然に迎える者もいます。そして、劣化が進行し立つこともままならない寝たきりの状況であったとしても使用期限を迎えていない者もいます。

(1000/1000)

 有形体の耐用年数と、有形体の劣化の程度は、両者ともに、地上での物的な活動のおこないやすさ、あるいは、おこない難さと関連しています。有形体の耐用年数は、地上での生活を始める前に関係し、地上での生活を始めた後には関係しません。一方で、有形体の劣化の程度は、地上での生活を始める前には関係せず、地上での生活を始めた後に関係します。

 有形体の耐用年数とは、有形体を通しておこなう物的な生活/活動へ、有形体の機能が充分に耐え得る「おおよその期間」を指しており、耐用年数を越えると物的な生活/活動へ支障が大きく現れるようになります。有形体の耐用年数は、有形界の進化の程度によって変化し、地上での目的/役割を考慮して有形体の使用期限や体質を設定する際の全体的(地域ごと、惑星ごと、など)な目安となります。有形界の進化の程度によって有形体の耐用年数が変化することについては、2章3節 有形界の構造 #有形界の進化を参照してください。

 有形体の劣化の程度は、個々が有形体を用いておこなう活動の量/強度から大きな影響を受けて変化し、疲労の程度とともに、地上での活動をおこなう際の活動量/活動の強度を調整する個体的な目安となります。活動の量/強度と密接に関連する、活動へ用いる原素材の利用効率、原素材を貯蔵できる上限量、磁気的作用力の利用効率、などを含む有形体の様々な体質は、個々の用いる有形体によって異なります。個々が地上での生活を始める前に決めた、それぞれの体質の程度や体質の組み合わせによって、劣化の程度が低くても活動へ大きな支障が現れる場合もあれば、劣化の程度が高くても活動へ大きな支障が現れ難い場合もあります。

 この質疑応答に関連する内容には、2章3節 有形界の構造 #質疑応答の「有形界の進化にともなう有形体の耐用年数の増加と、有形体の使用期限の関連性が把握できないのですが、どのようなつながりがあるのですか?」がありますので参考にしてください。

(1000/1000) 有形体の耐用年数と劣化の程度
(1000/1000) 有形体の耐用年数と劣化の程度

 現在に地球で人類の生活している有形界の「惑星の進化の程度」で設定されている有形体の耐用年数を、地上/惑星圏無形界で生活する者に知ることは大霊より許可されていませんが、有形体の劣化の程度と、日常の活動に現れる支障の程度から、おおよその有形体の耐用年数を考察できます。考察の参考として、現在の地上では、有形体の劣化の進行により日常の生活に支障が現れ始める状況は、おおよそ75歳頃から現れている場合が多くみられ、更に、有形体の劣化の進行により日常の生活に大きな支障が現れる状況は、おおよそ100歳頃から現れている場合が多くみられます。

(1000/1000)

 怠惰/安逸な生活と有形体の劣化には、直接的な関係はありません。しかし、多くの場合では、怠惰/安逸な生活によって有形体の劣化を進行させています。

 有形体は貯蔵している原素材の消費を抑える(節約する)ために、現在の生活での活動量/活動の強度に相応するように、有形体を適宜に調整/再構築していきます。日常の活動量/活動の強度が高くなるほどに、物質の心は、単位時間あたりの原素材の消費量を増大させることができるように有形体を再構築して対応します。この再構築によって、有形体の3次元の側面からみると、筋力、持久力、瞬発力、血液循環量、筋量、毛細血管量、などの増大や、内臓機能の亢盛、怪我の修復の促進、などがみられるようになります。逆に、日常の活動量/活動の強度が低くなるほどに、単位時間あたりの原素材の消費量を減少させるように再構築して対応します。

 怠惰/安逸な生活は、日常の活動量/活動の強度が大幅に低くなる状況であり、物質の心は、生活状況へ相応するように有形体の再構築をおこなうために、短時間を歩いただけで息切れがする、僅かな階段の昇り降りが怠[だる]い、立っているのが辛く座り込む/寝転ぶ、などがみられるようになります。本人は、これらの状況が、有形体の再構築の結果ではなく、有形体の劣化/老化によって現れていると思い込んでいる状況は頻繁にみられます。ただし、怠惰/安逸な生活は決して誠実な生き方とはいえない(怠惰/安逸のすべてが不誠実な生き方とも断定できない)ために、本人が、自由意志で自覚的に(自覚して/自覚できるものの自覚なく)選択して利己的/自己中心的な目的で怠惰/安逸な生活を送っているのであれば、有形体の劣化/老化を進行させている場合もあります。そして、怠惰/安逸な生活を送っている者のほとんどは、利己的/自己中心的な目的で怠惰/安逸な生活をおこなっているために、有形体の劣化を進行させています。

 なお、有形体の再構築によって単位時間あたりの原素材の消費量は変化しますが、原素材を造化へ用いる利用効率は変化しません。原素材を造化へ用いる利用効率は、有形体の劣化の程度によってのみ変化します。

(1000/1000)

 様々な体質の中でも、熱を強く有しているほどに有形体の劣化(老化)を進行させやすくなります。また、強い熱の体質や、それぞれの体質だけでなく、いくつもの体質の総合として劣化(老化)を進行させやすくなる場合もみられます。劣化を進行させる程度へ大きな影響を与えているのは有形体の活動量/活動の強度です。活動量が増大するほどに、活動の強度が高くなるほどに、単位時間あたりに大量の原素材を有形体へ行き渡らせる必要があり、この状況が劣化を進行させやすくなります。譬[たと]えると、河川の流れが緩やかで河川幅よりも少ない水量であれば河底や河岸が削られ難い(劣化の進行は遅い)ですが、一方で、大量の水が急速に流れる激流であれば河底や河岸が削られ変形しやすくなります(劣化の進行が速い)。

 熱の体質によって、常に有形体の活動に必要とする以上の熱を有しているのは活動量が多い状況を表しており、熱が強いほどに活動の強度が継続して高い状況となります。熱の体質を有していなかったとしても、長期に渡る疾病/怪我で日常的に熱が上昇している場合も同様の状況となります。熱の体質によって活動量の増大や活動の強度が高くなる状況は、ある行動をおこなう際に行動へ必要とする以上に原素材を消費するだけでなく、安静時や睡眠時でも原素材の消費量が多く、有形体に貯蔵する原素材を消耗しやすくなるために疲労を感じやすくなり、また、疲労を解消し難くもなります。この状況は、感冒/骨折などで熱(体温)が上昇している際には、安静にしていても疲労を感じやすい(熱によって原素材の消費量が多い)のと同様です。なお、熱の体質は必ずしも高い体温や熱感として表れるとは限らず、冷えとして表れている場合もあります。熱が低いための冷え(畏寒[いかん])ではなく、熱が高いために冷え(悪寒[おかん])を感じるようになるのです。

 どのような体質であっても、体質は自己が地上で生活する前に自身で決めているという点に留意してください。自己/他者の成長を促進するために、自身で決めた体質を通して学び/遂行する内容があるのです。そのため、自己の用いている有形体の様々な体質を通して有形体/外環境の無数の周期から受ける影響を詳細に観察/考察することは、必要とする学びを得やすく、また、成長へとつなげやすくもなります。

 体質とは別に、物的な生活習慣では、過食/大食、飲酒、喫煙、などや、無形的な生活習慣では、感情を湧き起こらせやすい、利己的/自己中心的な捉え方をする、欲望を追い求める、などが劣化の進行を速めやすくなります。

(1000/1000)

 どれほどに有形体の劣化の程度が進行しても、有形体の劣化が無形体の活動や精神での表現の造化へ直接的な影響を与える状況はありません。有形体は自己の用いる道具であり、道具が劣化しても道具を用い難くなるだけで、道具を用いる自己(無形体の活動や精神での表現の造化)が道具から影響は受けないのです。自己の意志や物事の捉え方が、無形体の活動や精神での表現の造化へ直接に影響を与えます。例として、有形体を自己と強く誤認しているのならば、有形体の劣化(老化)によって物忘れの頻発、思考の遅鈍、などが現れるのは当然と思い込み、思い込みに基づいて精神での表現の造化をおこなうために、実際に物忘れの頻発や思考の遅鈍などが現れる(造化される)ようになります。

 ただし、有形体の劣化の進行が間接的に精神での表現の造化へ影響を与える状況はあります。有形体の劣化の進行が有形体の貯蔵する原素材の消費量を増大させ、原素材の消費量が増大する(疲労しやすい)ために意識に占める物質の心の影響力が増大し、誘惑の干渉を受けやすくなる場合がみられます。しかし、誘惑から受ける干渉は克己で防ぐことができます。克己の造化には無形体の貯蔵する原素材を消費するために、有形体の劣化の程度や有形体の原素材の貯蔵量は克己の造化へ影響を与えません。克己の造化へ影響を与えるのは自己の意志(意志の強さ/自由意志による選択)や捉え方(思い込み/囚われ)であり、自己の意志や捉え方で克己を造化する/造化しない、また、どの程度に、どれくらいの量で造化するのかを決められます。

 なお、物覚えが悪い、物忘れ、などと呼ばれる「記憶の減退」する状況は、疲労や固定観念/既成概念と関連しています。一時的な記憶の減退は、無形体の疲労によって起きる場合がみられ、強い疲労の状況ほどに記憶の減退する程度も高い傾向がみられます。一方で、持続的な記憶の減退は、怠惰/安逸の習慣(自身で物事を考察しない/内省しない)や固定観念/既成概念(思い込み)によって起きています。無形体の疲労については前節の3章4節 無形体 #疲労、固定観念/既成概念については5章4節 固定観念/既成概念を参照してください。

 この質疑応答に関連する内容には、4章5節 優位性 #質疑応答の「無形体の疲労と有形体の疲労は識別できますか?」がありますので参考にしてください。

(1000/1000)

 はじめに、高齢と老化は同じではない点に留意してください。老化とは有形体の劣化を指しています。高齢とは有形体の使用年数が比較的に多いだけであり、必ずしも老化が進行しているとは限りません。逆に、若年(有形体の使用年数が比較的に少ない)であったとしも老化が進行している場合はあります。下記では、老化(劣化)と利己的/自己中心的な行動の関連について記述しています。

 有形体の老化が進行することによって、有形体での原素材の利用効率が徐々に低下していくために、活動量が少なく、活動の強度が低くても、原素材を大量に消費するようになり、疲労を起こしやすくなります。疲労にともない、物質の心が疲労を解消して有形体の活動を維持するために、精神での利己性/自己中心性/欲望の造化を増大させ、不誠実な表現を造化させるように干渉を強めます。分霊の心がおこなう精神での表現の造化に干渉を受けた結果として、利己的/自己中心的で不誠実な行為をおこなう頻度が増加し、不誠実な行為を造化する習慣が強められ、幻想による特徴ある行動が際立ってみられるようになります。結果として、老化の進行によって、幻想に基づく行動としての頑固さや、利己的/自己中心的な行動が、日常生活のほとんどを占めるようになるのです。精神での表現の造化については3章9節 精神、また、幻想による特徴ある行動については5章2節 幻想を参照してください。

 ただし、老化の進行による結果として現れる不誠実な行為の増加や、不誠実な行為を造化する習慣の形成/強化は、不誠実な行為/表現の造化を制御しようとしない「不誠実な生き方」をしているためであり、克己を造化し、不誠実な表現が造化されないように制御へ努めている「誠実な生き方」をしている者は、老化の進行によって利己的/自己中心的な行為が増加する状況も、不誠実な行為を造化する習慣が強められていく状況もみられません。

 今回の地上での生活において、不誠実な表現の造化を制御しようする習慣を形成せずに、不誠実な生き方をしてきた者が、老化の進行とともに、更に不誠実な生き方を強めていくようになるのです。彼らは、日々に利己性/自己中心性/欲望を強め、濃い暗闇(活動性の性質の表現)を造化して周囲へ漂わせ、地獄者/地縛者たちを大量に引き寄せ憑依させています。活動性の性質の表現については、3章9節 精神を参照してください。

 この質疑応答に関連する内容には、4章5節 優位性 #質疑応答の「日常生活の様々な活動と原素材の供給量/消費量には、どのようなつながりがありますか?」がありますので参考にしてください。

(1000/1000)

 地上で生活を始める前に有形体の使用期限をあらかじめに決めている、あるいは、有形体には使用期限がある、という内容を明確に理解できる(納得する/腑に落ちる/実感する)のは、6次元以上の認識の程度を有している「内的成長度で700以上に相当する成長の程度(覚醒中期以降の成長段階)」からとなります。覚醒の成長段階については、4章4節 覚醒を参照してください。

 自己が、その成長の程度(認識の程度)へと移行するまでは、有形体に使用期限があると知ることはできても、理解し難く、受け入れられず、自覚して、あるいは、自覚できるものの自覚なく一切の違和感/不自然感を感じなくなる状況はありません。同様に、書物に掲載されている内容や、このウェブサイトに掲載されている全ての内容を、現在の成長の程度で必ずしも受け入れられるとは限らない点にも留意してください。現在に受け入れられる内容もあれば、受け入れられない内容もあるかもしれませんが、自己の成長にあわせて認識の程度も向上し、徐々に理解し受け入れられるようになる場合もあります。現在に受け入れられないからと安易に反発/否定せずに、判断を保留にしておくことも必要となります。あらゆる知識の内容は、それぞれの内容が有する程度に相応する認識の程度を有していなければ、知ることはできたとしても、理解することはできないのです。認識の程度と理解の可否については、3章3節 分霊 #質疑応答の「自己の有する認識の程度よりも高い程度での思考の内容が理解できないのならば、どうすれば理解できるようになるのですか?」も参考にしてください。

 ただし、ある知識の内容を現在の成長の程度では明確に理解できなかったとしても、知ることには大きな意義があります。ある知識の内容を知ることで、様々な物事への観察/考察を促す切っ掛けとなり、知らなかったために、地上での僅かな生活の期間に成長を求めず、誠実な生き方へ努めず、地上での目的/役割を遂行せず、人生を無価値に浪費し、死を迎えた後に後悔する可能性を減らすことができるためです。

 外環境へと表現されている他者の知識(外環境へ表現された時点で情報となる)は、知識の有する程度が自己の成長の程度よりも高い内容であっても知ることはできますが、一方で、天使たちから送られてくる印象(閃き)の内容は、自己の成長の程度に相応する印象の程度となります。自己の成長の程度よりも高い程度の内容を有する印象や、低い程度の内容を有する印象が送られてくる状況はありません。なお、この質疑応答の中で用いている「知識」という語は、他者の知識が外環境へと表現された「情報」を指しており、自己の精神で理解/実証した知識のことではありません。知識/情報については、1章4節 概要 #知識/情報の違いを参照してください。

 加えて、有形体の使用期限と同様に理解し難い内容には、有形体が呼吸という行動を通して「外環境と気体交換をおこなっているのではない」という内容があります。この内容は、8次元以上の認識の程度で明確に理解できるようになります。地上で生活する人が認識できる上限は7次元のために、地上で生活している者には理解し難い内容となります。

 成長の観点からみると、有形体は何時[いつ]に使用期限を迎えるのかは決まっていないと捉えるのと、有形体の使用期限はあらかじめに決まっていると捉えるのでは、様々な物事を捉える視座/方向性が異なるために、考察/内省する方向性も、考察/内省する内容も、修養の生活を実践する意志の強さも、日々におこなう生活の過ごし方も、大きく異なります。また、物事を捉える視座/方向性を転換させることで、物事を捉える「正しさの程度(真実度)」が変化する場合もあります。物事を捉える「正しさの程度」が変化することで、ある物事を土台として造り出されている様々な物事の捉え方も変化し、これまでに認識していた「自己の認識する外環境」が、これまでとは全く異なる外環境として認識する場合もみられます。自己の認識する外環境については、2章1節 世界全体の構造を参照してください。

 この質疑応答に関連する内容には、2章3節 有形界の構造 #質疑応答の「惑星の進化のために、地上で生活する人が永続性のある活動をおこなうには、どのようにすればよいのでしょうか?」がありますので参考にしてください。

(1000/1000)

 自己が地上で生活する前に事前に決めたのは、有形体の使用期限を示す「何時[いつ]」という内容だけです。

 何処[どこ]で、どのようにして死を迎えるのかは、事前にある程度の方向性は決めている場合もありますが、社会の情勢、自己の生き方、他者の生き方、などの、無数の原因と結果の流れが総合されて形成される「運命の流れ」によって決定されます。この運命の流れには、自己の運命だけでなく、他者それぞれの運命や、個々の運命が総合されて表れる家族、会社、学校、地域、社会、国家、惑星、などの運命の流れも含まれています。運命については、4章6節 自由意志/運命 #運命を参照してください。

 「どのようにして死を迎えるのか」を事前に決めている例としては、難病によって死へ至る状況が挙げられます。難病によって死へ至る状況については、この節の質疑応答の「難病の中には、回復することなく進行し死へ至る疾病もありますが、これらの疾病も、疾病を通して成長へ必要とする内容を学び終えれば治癒/寛解する可能性があるのでしょうか?」を参照してください。

 加えて、地上で生活する前に事前に決めた有形体の使用期限(死期)へ気づく者もいれば、気づかない者もいます。死期は、自覚して、あるいは、自覚できるものの自覚なく死を恐れ/怯えている者には気づくことができません。自身の有する恐れ/怯えによって、死ぬことを拒否し、誰にでも死が訪れるという現実から目を逸らし続けているためです。一方で、死への恐れ/怯えを有していない者の中で、気づくことのできる者がいます。気づく条件は様々であり、明確に決まっているのではありませんが、成長の程度、自身の体験に基づく学びの内容、有している知識の内容/程度、外環境の状況、なども関連しています。死期は、天使たちが、何らかの手段を通じて気づかせてくれます。例として、瞑想中に閃く、ふと眼に留めた書物の文章、枝から花が落ちる様子、鳥が飛び立つ様子、太陽が昇り沈む様子、などがあります。

 なお、死期に気づくのと、死期を推測するのは異なります。死期の推測は、長期の闘病生活による体調の変化、変化の推移、などの状況を考察した結果として、「そろそろ死期が訪れるかもしれない」と推し測る状況を指していますが、一方で、死期に気づくとは、現在の状況に関係なく、死期の訪れを突然に察知する状況を指しています。加えて、地上での生活を始める前に決めた有形体の使用期限(死期)を、地上で生活を始めてから思い出す場合もあり、高い成長段階の者にみられます。

 自己が地上で生活する前に事前に決めた有形体の使用期限(死期)に気づいても、気づかなくても、現在におこなっている地上での生活を存分に成長へ活かすことが大切です。他者/全体のために自己を役立てる生き方は、成長を促進する価値ある人生となります。一方で、自己のために他者を利用する生き方は、成長を退行させる無価値な人生となります。地上で生活できる僅かな期間に、価値ある人生を送るのも、無価値に人生を浪費するのも、自己の自由意志で選択できるのです。

(1000/1000)

 「死ぬ」という感覚は睡眠と同じです。眠りへ落ちる際に感じるのは「安らぎ」のみです。骨折/腰痛などの怪我、ある種の疾患、夜間発熱、などを有していれば、睡眠中の痛み、苦しみ、などを恐れ/怯えて、眠りに落ちることへ不安を感じる場合もありますが、ほぼ健康といえる者では、眠りへ落ちる際に恐れ/怯えを感じるような状況はなく、昼中の活動の中では味わうことのない安らぎを感じて眠りへ落ちます。端的に表現するのならば、睡眠を通して、毎日欠かさずに「死ぬ」実演(予行演習)をしているといえます。

 睡眠と死は、どちらも意識から物質の心(有形体を通した外環境の認識/外環境への表現)を切り離し、無形体で行動を開始できるようになる点が共通しています。そして、ある認識を主とする状況から他の認識を主とする状況へ移行する際には、一旦に、意識からの切り離し(切り替え)を必要とするために、認識の切り替えにともない眠りへ落ちる感覚を感じるようになるのです。睡眠と死で異なるのは、睡眠では、次に目が覚めた時には有形体の感覚を主として認識し、多くの場合は睡眠中の体験を思い出せなくなりますが、一方で、死では、次に目が覚めた時にも無形体の感覚を認識したままであり、地上での体験の記憶を持ち越しているという点だけです。

 ただし、死に際して眠りへ落ち、次に目が覚めるまでの期間は個々によって異なり、有している知識/経験の内容/程度、成長の程度、固定観念/既成概念の内容/強さ、習慣の内容/強さ、などによって、一瞬の後に目が覚める場合もあれば、他の霊たちに揺り動かされるまで延々と眠り続けている場合もあります。加えて、眠りから目が覚めて、意識のぼんやりとした寝起きの状況の程度と、その状況がどれくらいの期間に続くのかも、個々によって異なります。

 死の感覚が眠りへ落ちる感覚と同じだと認識したうえで、「どうして死を恐れ/怯えているのか?」を内省する必要があります。その土台には、必ず、固定観念/既成概念による囚われが存在しています。囚われの中でも、肉眼に視える物的な物事へしがみついている内容が多くみられ、この内容による死への恐れ/怯えは、旅行へ出かけ、旅先で誘惑のままに快楽/快感を追求して楽しんだ旅(地上での生活)が終わってしまうのを嫌がり、元いた場所(無形界での生活)へ帰るのを拒否し、何時[いつ]までも旅を続けていたいと駄々を捏[こ]ねている状況へ譬[たと]えられます。実際には、多くの制限/制約を強いられ苦難/苦痛の連続する旅先(地上)よりも、元いた場所(無形界)のほうが平穏/安寧で遥[はる]かに過ごしやすいということへ気づけば、死への恐れ/怯えは霧散してしまいます。

 死への恐れ/怯えは、有形体を用いた物的な生活へ囚われ、拘[こだわ]り、しがみついているために生み出されているといえます。現在におこなっている物的な生活を失ってしまう状況に恐れ/怯えているのです。死への恐れ/怯えが消え去ると、死に対して、ある種の「待ち遠しさ」を感じるようになります。死へ感じる待ち遠しさは、死を願うのとは異なります。地上生活での学びへ専心/献身しているものの、地上という離島での修行期間が満了し、元いた場所(無形界)へ帰還する日を待ち遠しく感じているのです。

 物的な生活への囚われ/拘り/しがみつきだけでなく、物的な生活をおこなう中での、物的な物事への囚われ/拘り/しがみつきも、恐れ/怯えや、利己性/自己中心性/欲望を増大させる大きな原因となっています。地上では、民族間でも、人種間でも、国家間でも、宗教団体間でも、企業間でも、家庭内でも、物的な物事へ囚われ、拘り、しがみついているために、戦争、紛争、迫害、対立、搾取、差別、諍[いさか]い、歪[いが]み合い、奪い合い、などが絶え間なくおこなわれています。様々な内容の物的な物事の中でも、囚われ/拘り/しがみつきやすい内容には、特定の土地/領域(聖地と呼ばれている場所を含む)、特定の書物/戒律/規則(聖書と呼ばれている書物を含む)、特定の構造物/建築物(御神体/仏像/神像などを含む)、食物/鉱物/原油/天然ガス/水などの資源、自社の開発した特許/技術、所有する物品/お金、有形体の肌/眼/髪の色、年齢、性別、慣例/風習、権力、役職、過去の出来事/思い出、他者から受ける評価/評判(信用/信頼を指しているのではありません)、などが挙げられます。

 臨終に際して、自身の死の過程を自覚することはできます。死の過程を自覚している者たちの多くは、覚醒の成長段階にいる者や、本人の成長へつなげるために天使たちの尽力によって自覚している者となります。それらの者たち以外の場合では、ほとんどの者は臨終に際して「死の眠り」へと就くために、自身の死の過程を自覚することはありません。死の眠りは、次に目覚めた時に有形体を有していないだけであり、日常の眠りへ就くのと何ら変わりはなく「安らぎ」があるのみです。周囲の者たちから視て、肉眼では有形体(顔の表情)が苦しんでいるように視えたとしても、本人の意識は既に死の眠りへと就いている場合もあります。また、有形体と無形体を接続している涵養の糸は、死の眠りへ就くと同時に切断が始まります。

 死を迎え、死の眠りに就いて、次に無形界(あるいは有形界)で目覚めるまでの眠りの期間は個々によって様々です。個々の有する認識の程度(成長の程度)、自己という主観性への自覚の有無、適切な知識の有無、などによって、一瞬の後に目覚めている者や、数日で目覚める者もいれば、数十年後に目覚める者もいます。また、固定観念/既成概念、固執、誤った信教、などによって、数百年を経ても眠り続けている者、眠っていなければならないと思い込んでいる者もいます。

 加えて、突然の事故などによって死を迎え、自身が死んだことへ気づかず、自覚できるものの自覚なく興奮して未だ死の眠りへ就かないままに、地上を彷徨[さまよ]い続けている者たちも多くいます。中には、死を迎え、一瞬の後に目覚めて、自覚して無形界へ移動した後に長い眠り(休眠)へ就く者もみられます。

 なお、地上社会や惑星圏無形界の一部で、死によって有形体から霊(霊魂/魂魄[こんぱく])が抜け出ると捉えられている、あるいは、有形体から霊の抜け出る様子が視えるのは、ある者の臨終に際して集まった霊や人が、有形体の中に霊が内包されていると自覚して、あるいは、自覚できるものの自覚なく思い込んでいるために、臨終の過程で、有形体から霊が抜け出るように視えるのです。自己の認識する外環境は、自己の内面に有する固定観念/既成概念、知識、習慣、などが反映されている点に留意してください。自己の認識する外環境については、2章1節 世界全体の構造を参照してください。

 固定観念/既成概念、固執、誤った信教、などによって、眠り続けている/眠っていなければらならいと思い込んでいる状況がみられるのと同様に、有形体への自覚のある、あるいは、自覚できるものの自覚のない固執/未練などが、死後に自己を有形体から離れられなくして、有形体(遺体)の安置/遺棄/埋葬されている場所に留まらせ動けなくさせている状況もみられます。中には、自己が有形体と鎖でつながれているように感じる者もいます。自覚して「鎖のようなもの」を断ち切り有形体から立ち去ろうと踠[もが]いているのですが、実際に鎖でつながれているのではなく、自己の固執/未練などが「鎖のようなもの」を造化して、自覚できるものの自覚なく自己を自身で有形体につなぎ留めているのです。数日、数年、数十年、数百年を経て、有形体への固執/未練などが薄くなるほどに、有形体の安置/遺棄/埋葬されている場所に囚われることなく動けるようになります。

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 動物の中でも、動物霊たちが用いている脊椎動物の有形体の使用期限は、あらかじめに決められていません。なお、無脊椎動物たちの有形体は、分霊が地上での生活に用いる体ではないために、植物/鉱物などと同じ自然環境の移り変わりを構成する表現の一部です。下記では分霊(動物霊)が地上での生活に用いる脊椎動物について記述します。

 はじめに、動物霊には、人霊と異なり、自由意志/運命/行為の記録の法則が適用されていない点に留意してください。人霊が、地上で生活する前に有形体の使用期限を決めるのは、地上での目的/役割を遂行するためです。「個体の行為が世界の進化へ与える影響」の法則を構成する、自由意志、運命、行為の記録、の3つの法則に基づいて、地上の生活で自己の成長を促す目的と、自己以外(他者/脊椎動物)の成長を促す役割を決め、そのうえで、目的/役割の遂行に必要とする有形体の使用期限を決めているのです。自由意志/運命については4章6節 自由意志/運命、行為の記録については4章7節 行為の記録を参照してください。

 地上では、脊椎動物は、人と同様に、個体としての有形体を有していますが、人とは異なり、意識は集合精神へ属しており、個体として明確に分割された意識を有していません。個体としての意識を有する分霊(人霊/天霊)にのみ、自由意志、運命、行為の記録、が適用され、自己の生き方を自身で決めることができるようになるのです。集合精神については、4章1節 分霊の成長 #集合精神を参照してください。

 脊椎動物たちの有形体の使用期限(寿命、死の時期、など)は、地上で生活する前に決められていないために、地上で生活する中において、無数の法則から成る自然の流れ(無数の運命の流れの総合)に沿って自動的に決まります。脊椎動物は個体としての運命の流れを有していませんが、生活環境の有する運命の流れからは影響を受けています。現在の地上では、人の生き方が脊椎動物たちの有形体の使用期限へ大きな影響を与えている側面もある点に留意して、個々の人が自己の生き方を省みるように努める必要があります。動物へ苦役を強い、物品のように扱い、虐待し、衣服を増産するために皮を剥ぎ集め、食物として搾取/殺生していては、彼らの地上での生活を利己的/自己中心的に弄[もてあそ]んでいるだけでなく、彼らの成長を阻碍する状況へもつながっているのです。

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 瀕死の重傷、重病による危篤、などにより、本人は「死んだのかもしれない」と思い込み無形界へ赴[おもむ]いた際に、霊に「まだこちらへ来るのは早い」と言われ、地上へ追い返されて目覚める(生き返る)のは、自由意志で自覚できるものの自覚なく選択した自殺(自覚のない自殺)を防ぐためです。この状況は、有形体の使用期限を迎えたのではなく、有形体の使用期限が延長されたのでもありません。

 有形体の使用期限を迎えたのならば涵養の糸が切断されるために、地上へ追い返されても涵養の糸が再接続される状況は決してありません。地上へ追い返されて有形体を有して目覚めるのは、涵養の糸が接続されたままなのであり、有形体の使用期限を迎えてはいないのです。

 ただし、涵養の糸は有形体の使用期限を迎えていなくても本人の意志で切断することができます。この状況が「自殺」であり、本人が自覚して自殺するだけでなく、未だ死んでいないのに「死んだのだ」と明確に思い込む自覚のない自殺によっても切断されます。無形界の霊は本人の用いている有形体の使用期限を把握しているために、本人が自由意志で自覚のない自殺を自覚できるものの自覚なく選択して涵養の糸を切断する前に、「まだこちらへ来るのは早い」と伝え追い返しているのです。なお、無形界の霊は誰もが、地上で生活する人の用いている有形体の使用期限を把握しているのではありません。多くの場合では、本人に帯同する天使たちや、本人の友人/近親者などの、本人とのつながりのある霊が把握しています。

 この質疑応答に関連する内容には、4章6節 自由意志/運命 #質疑応答の「自覚のないままに自殺することを自由意志で選択している場合もありますか?」がありますので参考にしてください。

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 救命救急の処置を受けて死亡することなく存命できたのならば、有形体の使用期限ではなかったのであり、救命救急の処置を受けたことで有形体の使用期限が延長されたのではありません。もしも、有形体の使用期限を迎えていたのならば、どれほどに手を尽くした救命救急の処置を受けたとしても死亡します。

 心臓発作、脳溢血、呼吸停止、内臓破裂、大量出血、などの緊急の処置が必要な状況となり、救命救急の処置を受けて存命できた場合は、重篤な状況から救命救急の処置を受けて死亡することなく存命するまでの一連の過程が、これまでに自己の形成した運命の流れによって決まっていたのです。この一連の過程の間には、意識(医学的な定義の意識)の有無や鮮明/混濁の程度に関わらず、自己の行為を決定するための自由意志による選択の介在する余地がありません。運命の流れと自由意志による選択については、4章6節 自由意志/運命を参照してください。

 緊急の処置を必要とする重篤な状況となるのは、地上での生活を始める前に、成長へとつなげられる適切な時機に重篤な状況を通して学ぶと決めている場合もあれば、一方で、地上での利己的/自己中心的な生活の結果として起きている場合もあります。どちらの場合であっても、重篤な状況となるように運命の流れが形成されていたために遭遇しているのです。運命の流れによって遭遇し、自由意志による選択の介在する余地のない一連の過程を終えた後に、これまでの生き方や一連の過程を省みる/省みないを自由意志によって選択する余地が生まれ、加えて、これからの生き方(生活習慣)を修正する/修正しない、一連の出来事から学ぶ/学ばない、成長へつなげる/つなげない、などの選択もできるようになります。

 どれほどに健康であったとしても、有形体の使用期限を迎えたのならば死にます。前日に活発に活動していたとしても、今日に有形体の使用期限を迎えるのならば、今日に死亡します。そして、どれほどに虚弱/病弱、あるいは、重篤な状況であったとしても、有形体の使用期限を迎えていないのならば、自由意志で自覚的に(自覚して/自覚できるものの自覚なく)自殺を選択しない限り死にません。

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 はじめに、地上での生活を開始する前に、自己があらかじめに有形体の使用期限を決めています。他殺によって有形体が使用期限を迎えたのではなく、有形体が使用期限を迎えるにあたって、運命の流れによって他殺を利用し、地上での生活を終えたという点に留意してください。もしも、有形体が使用期限を迎える時点で、運命が他殺を利用しなかったとしても、事故、心臓発作/脳溢血などの疾病、自然死、などを利用して地上での生活を終えます。有形体が使用期限を迎えた後も、そのまま地上での生活を続ける状況は決してありません。また、有形体の使用期限による死の迎え方に良い/悪いはありません。他殺/餓死/事故死/病死などが悪く、老衰/自然死が良いのでもないのです。加えて、このウェブサイトで用いている行動を表す語のほとんどが、有形的な行動を表しているのではなく、行動の土台となる無形的な目的を表している点へも留意してください。同じ「他殺」という語でも、行動としての有形的な他殺と、行動の目的としての無形的な他殺は同じではないのです。

 他殺が有形体の使用期限というのは、感情的には納得し難い内容です。特に、家族/友人などの親しい者が他殺によって地上での生活を終えた場合は尚更に納得できようもありません。しかし、どのような死に方であれば納得できるのか? なぜ納得できるのか? どうして他殺は納得できないのか? を落ち着いて考察(内省)する必要はあります。多くの場合では、死に方に関わらず自己が死ぬことそのものを受け入れられない、自己が死ぬのに他者が関与する状況(他殺/事故)を受け入れられない(自己の死に方は自身で決めたい)、自己に都合の良かった者が死んだことで自己に都合が良くなくなったために受け入れたくない、などがみられ、受け入れられない根底に恐れ/怯えがあることへ気づくようになります。

 他殺という有形的な行動は結果であり、他殺へと至るまでの過程によって、有形体の使用期限、あるいは、有形体の使用期限ではなく自殺、の2つの原因に分かれます。他殺へと至る原因が2つに分かれているのは、有形体の使用期限の場合では自由意志による選択に関わらず死へと至りますが、一方で、自殺の場合は自由意志で自覚的に(自覚して/自覚できるものの自覚なく)選択した結果によって死へと至るためです。

 例として、自己が他者に刃物で刺され大怪我を負った場合では、即死であれば有形体の使用期限であり、自由意志による選択の余地はありません。即死でなかった場合に、「何としてでも生き延びてみせる」と、自由意志で生きることを選択しても死へと至ったのであれば有形体の使用期限であり、有形的にも無形的にも他殺となります。一方で、「このまま死んでしまうのかもしれない」と、自由意志で自覚できるものの自覚なく自殺を選択して死へと至る状況もあり、これは有形的には他殺ですが、無形的には自殺であって、有形体の使用期限を迎えたのではなく、自身で終わらせたのです。これらの自由意志による選択は、本人が自覚している場合もあれば、自覚できるものの自覚していない場合もあり、更に、周囲の者たちには、本人がどのような選択をしているのかを窺[うかが]い知ることはできません。周囲の者には、他者に刺されて死んだという物的な状況のみが認識できるのです。自覚のない自殺については、4章6節 自由意志/運命 #質疑応答の「自覚のないままに自殺することを自由意志で選択している場合もありますか?」を参照してください。

(1000/1000) 無形的な他殺/自殺によって至る有形的な他殺
(1000/1000) 無形的な他殺/自殺によって至る有形的な他殺

 無形的な他殺であっても、自殺であっても、死んだ者を嘆き悲しむのは、死んだ者たちが地上へ未練/心配を残すように「はたらきかける」ために、彼らが無形界で成長していく足を引っ張るようになります。彼らに無用な未練/心配をかけないためにも、地上に残って生活している者は、自身の生き方を見直し、地上での成長へ努める必要があるのです。また、彼らに何かをしたいと願うのであれば、彼らが無形界で心置きなく成長へと励めるように愛を送り届ける(祈りを送信する)ことです。愛は必ず彼らへ届き、彼らの支えとなります。

 なお、自己が有形体の使用期限を迎え、他者が自己を殺して(他殺)、地上での生活を終える状況は、自己の有する行為の記録(-)の残高が減算されるのと関連しています。そして、他者が自己を殺す状況は、他者の行為の記録(-)の残高が加算されるのと関連しています。もしも、誠実な目的で他者が自己を殺さねばならなかったのだとしても、「物的な暴力という手段(相手を殺す)を用いる」と自由意志で選択すること自体が不誠実なために、殺す行動は不誠実な性質を有するようになり、必ず行為の記録(-)の残高を加算させます。行為の記録については、4章7節 行為の記録を参照してください。

 ある者が有形体の使用期限にともない他殺/事故/疾病によって死を迎える状況には、「自身の死を切っ掛けとして家族/友人たちが成長へつなげられるようにする」という地上での役割を遂行している場合もあります。これは、地上での生活を始める前に「地上での生活の終え方(死の迎え方)」を決めている例のひとつであり、特に幼い年齢で死を迎える者にみられます。地上に残留している家族/友人たちは、死んだ者を忘れ去ろうとすることなく、内面に湧き上がる怒り/悲しみ/後悔などの感情、自覚できるものの自覚していない恐れ/怯え、幻想の捉え方(特に責任逃避)、固定観念/既成概念(囚われ)、などと向き合い、苦悩を通して自身を内省し、また、死んだ者との思い出から愛を学び、現在の地上での生活へ活かして、成長へとつなげる必要があります。地上での役割については4章2節 有形界での成長、幻想の捉え方については5章2節 幻想、固定観念/既成概念については5章4節 固定観念/既成概念を参照してください。

 この質疑応答に関連する内容には、5章2節 幻想 #質疑応答の「死んだ者を悲しむことも幻想に基づく行為ですか?」がありますので参考にしてください。

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