分霊

3章 人の構造 - 3節 分霊

個々の記述の真実度: 999.3-1000
節全体の真実度: 1000
節全体の活動性: 1000

検索ボタンを押した際に、該当する語がページ内にあれば強調表示
(ハイライト)され、強調表示された直近の語へ自動で移動します。
移動した語の他にも該当する語は強調表示されています。
該当する語がページ内にみつからなかった場合には移動しません。

分霊とは

  • (1000/1000) 分霊とは、全体としての大霊から分割された、個体としての霊を指しています
    • 分割は、全体の中で個体として区切られた状況を表しており、全体から分離し、個体として独立したということではありません
    • 大霊という大海の水を、1滴として区切ったものが分霊であり、大海から1滴として取り出したものが分霊ではないのです
    • 大海を1滴として区切っても、大海のままであり、分割された分霊の総体は大霊を表しています
(1000/1000) 大海と1滴の水の譬[たと]え
(1000/1000) 大海と1滴の水の譬[たと]え
  • (1000/1000) 大霊から分割された個体としての分霊は、分割を取り消され、個体でなくなる(分霊ではなくなる)状況はみられず、一度でも分割されたのならば分割されたままです
    • 大霊から分割された分霊が、他の分霊と融合して、1人の分霊となる状況もありません
    • 分霊が、更に分割して、新たに分霊を生み出す状況もありません
    • 既に分割された個体としての分霊が複製されて、複製元と同じ個性を有した分霊が、大霊から生み出される状況もありません
    • すべての分霊は大霊から1度のみ個体として分割され、分霊として対等な存在ですが、同じ個性を有している分霊は存在せず、あらゆる個々の分霊が有する個性は独特(唯一無二)です
(1000/1000) 分霊への分割
(1000/1000) 分霊への分割
  • (1000/1000) 全体としての大霊は十全性を有していても、極小に区切られた個体としての分霊は、完全性にも満たない不完全性を有しています
    • 分霊が不完全性を有しているのは、個体の体験を通しても十分に納得できることですが、なぜ、十全性から分割されて、不完全性を有するようになるのかはわかりません
    • 分割されて不完全性となるものは、十全性といえないためです
    • 同様に、なぜ、不完全性の総体が、十全性となるのかもわかりません
    • 統合されて十全性となるものは、不完全性とはいえないためです
    • そして、分霊の成長にともない、これらの内容を明確に理解できるようになるのか、理解できないままなのかもわかりません
  • (1000/1000) あらゆる分霊は同胞/同朋であり、対等な存在です
    • 大霊以外から生み出される分霊は存在せず、すべての分霊が大霊から分割された「同胞」です
    • すべての分霊は、大霊から分割される際に序列/優劣をつけられることはなく、分割された後にも序列/優劣のない対等な「同朋」です
    • 天霊も、人霊も、動物霊も、有形界/地上で生活する人/脊椎動物も、無形界で生活する霊も、他の惑星に生活する分霊も、すべて対等な同胞/同朋なのです
    • あらゆる分霊が対等な同胞/同朋のために、すべての分霊には、成長する機会が平等に与えられています
  • (1000/1000) 分霊は、個体としての本質であり、自己そのものです
    • 分霊は、個体を構成する、外的構造にも、内的構造にも含まれます
    • 外的構造を構成する無形体/有形体は肉眼あるいは霊眼に視えますが、分霊は、肉眼にも、霊眼にも視えません
  • (1000/1000) 個体の観点から捉えると、分霊は「自己そのもの」のために、個体にとっての成長の対象です
    • 個体の成長とは、個性を培[つちか]い造化する表現/行為に多様性を生み出し、同時に、できる限り高い活動性の程度を造化する表現/行為へ付与していく過程といえます
    • また、分霊の不完全性を十全性へと近づけていく過程が、成長とも表現できます
    • ただし、分霊が成長して十全性へ至ることができるのか、できないのかは、十全性に至った分霊にのみ理解できるのであり、十全性に至っていない他の分霊には知りようもありません
    • 個体の成長については、4章1節 分霊の成長を参照してください
  • (1000/1000) 分霊の成長を全体の観点から捉えると、大霊(全体)から分割された「個(不完全性)」という段階から、「全(十全性)」の段階へと拡大していく過程ともいえます
    • 分割される以前は、全体としての主観性のみを有し、個体としての主観性/形体を有していませんでしたが、分割された以降は、個体としての主観性/形体を有したままで、全体の主観性を再現していくのです
    • 成長にともない、個体と認識している主観性は、形体は個体のままでありながら、全体を認識するようになり、更に、全体と認識する範囲を無限に拡大していきます
(1000/1000) 不完全性から十全性へ
(1000/1000) 不完全性から十全性へ
  • (1000/1000) 大霊から分割された分霊は、大霊を捉えた側面と対になる側面から捉えることができます
    • ただし、分霊は、大霊の十全性を有していないために、大霊の側面を極小にまで細分した不完全性としての側面を表します
    • 大霊を捉えた側面については、2章2節大霊を参照してください
(1000/1000) 大霊の側面と対になる分霊の側面
(1000/1000) 大霊の側面と対になる分霊の側面

世界としての分霊

  • (1000/1000) 分霊は、霊/人を構成する内的構造/外的構造の中核を成しており、分霊が内的構造/外的構造を統率して、内的構造/外的構造の密接な連携を保つことで、個体という小世界を造り出しています
    • 外的構造を構成する、無形体、有形体、また、内的構造を構成する、心、意識、精神、のそれぞれは、分霊を中核に機能しており、分霊が、それぞれを統率/制御し、互いの連携を維持することで、個体の様々な活動を造り出しています
    • 宇宙の中で、惑星、恒星、彗星、などが、互いに作用を与え/受けながら、調和のある宇宙を構成している状況と同じであり、人は小宇宙を成しているともいえます

摂理としての分霊

  • (1000/1000) 個体のおこなう「あらゆる行為」は、意図が計画を建て、意志という方向性/推進力で、知識/経験を土台に行為の方向性を定めます
    • おこなう行為の枠組みを規定します
    • 貯蔵している知識の総合と、経験へ保存されている習慣の総体を土台にして、おこなう行為の方向性が決まります

法則としての分霊

  • (1000/1000) 個体の意図/意志/知識/経験によって定められた方向性に沿って、これまでの個体の成長の成果を表す習慣/知識が、行為の内容を決めます
    • 経験へ保存されている習慣と、貯蔵している知識(表現を造化する設計図/工程の手順)の中から、行為の方向性に沿う内容が選択され、行為の内容が決められます

原素材としての分霊

  • (1000/1000) 分霊は、大霊から供給される原素材を、個体の内的構造/外的構造へ分配/供給する唯一の供給源です
    • 分霊以外から、個体のそれぞれの構造へ、原素材が供給される状況はありません
    • 大霊から分割された分霊も、大霊と同様に、原素材で満たされています

生命としての分霊

  • (1000/1000) 分霊は、あらゆる造化において、生命の活動性を付与する者としての役割を有しています
    • 世界の中で、分霊のみが生命を有しています
    • なお、精霊は、分霊の生命を中継/変換しますが、精霊そのものは生命を有していません
    • 精霊については、2章5節 無形界の住人 #精霊を参照してください
  • (1000/1000) 分霊は、生命としての「活動性そのもの」であり、外環境に対して活動するための形体を有していません
    • 分霊は、原素材に満たされ、生命の活動性があり、あらゆるものを造り出す無限の可能性を有していますが、分霊自身には何も造り出せません
    • 分霊が直接に、外環境を認識する、外環境へ表現することはできないために、外環境に対する活動へ必要な無形体を生命で造化し、無形体を通して外環境の認識と、外環境への表現をおこないます
    • 地上の生活では、無形体に加えて、有形体の活動にも生命を用い、無形体/有形体を通して外環境の認識と、外環境への表現をおこないます

実体としての分霊

  • (1000/1000) 分霊は、自己と認識する「主観性そのもの」であり、主観性の実体化したものが分霊といえます
    • 分霊自身には何も造り出すことができず、分霊にできるのは、自己が「存在している」という主観性を感じ取ることのみです
    • 地上では、自己を有形体(物体)と誤認しやすいですが、自己とは、有形体/無形体などの形体ではなく、また、自己が造り出した思考/感情などの表現でもなく、自己が「自己である」という認識(主観性)そのものなのです
    • 主観性に基づいた、あらゆる表現を造化する分霊のはたらきを、「分霊の心」と呼んでいます
  • (1000/1000) 自己と認識する主観性そのものを指している意識の中核が分霊であり、また、意識の源が分霊でもあります
    • 意識は、分霊の心、大霊の心、物質の心、の3つの心により構成されますが、意識の主体は分霊の心であり、大霊の心/物質の心は分霊の心へ影響を与えるのみで、大霊の心/物質の心が意識の主体となる状況はありません
    • 分霊の有する内的構造としての側面が「分霊の心」となります
    • 意識については、3章8節 意識を参照してください

霊としての分霊

  • (1000/1000) 個体を有したために、個々の分霊は、それぞれの個性を培[つちか]うようになり、表現に多様性を生み出すことができるようになります
    • 個性の本質は多様性であり、多様性を生み出すために、分霊は大霊から分割されたともいえます
    • 個々の分霊が有する個性は独特であり、同じ個性を有する分霊は存在していないために、無数の個性に基づいて造化された表現が、絶え間なく無限の外環境へ表現されています
    • ただし、分霊が存在しているからこそ、あらゆるものを生み出せる(造化できる)ものの、分霊そのものには何ひとつ直接に生み出せません
  • (1000/1000) 分霊の総体が、「世界の進化を担う霊」としての大霊の側面を成しているために、分霊のおこなう、あらゆる行為は、常に絶え間なく、大霊そのものである「世界」の進化に影響を与えています
    • 個々の分霊のおこなう多様性のある行為が総合されて、世界の進化として表れます
    • 些細な行為のひとつひとつが、創造/破壊の調和を高めることもあれば、不調和を招くこともあります
    • 分霊は、大海の1滴の水に過ぎない極小の存在であっても、同時に、大海を構成する1滴の水でもあるために、1滴の水の行為は、大海の全体の行為でもあるのです

外的構造/内的構造としての分霊

  • (1000/1000) 分霊の役割には、外的構造としての側面、内的構造としての側面、外的構造/内的構造を総合した側面、の3つがあります
    • 外的構造としての側面には、個体への原素材の供給があります
    • 内的構造としての側面には、表現を造化する工程での処理の統括があり、この内的構造の側面として有している分霊の役割を、「分霊の心」と呼んでいます
    • 外的構造/内的構造を総合した側面では、外的構造を構成する無形体/有形体と、内的構造を構成する心/意識/精神の全体を統率して、それぞれの連携を保ちます
    • 分霊が、外的構造としての側面で原素材を供給し、内的構造としての側面で原素材へ生命の活動性を与え、外的構造/内的構造を総合した側面で外的/内的構造の全体を統率することで、様々な表現/行為の造化をおこなえるようになります
    • 3つの側面が協調して「はたらいている」からこそ造化できるのであり、ひとつの側面だけでは何も造化できず、また、3つの側面の協調が崩れても造化できません
(1000/1000) 分霊のはたらき
(1000/1000) 分霊のはたらき
  • (1000/1000) 無限の次元に属する大霊から分割された分霊は、世界の次元では、4次元以上の全ての次元とつながりを有していますが、それぞれの次元とのつながりは不活性な状況にあります
    • それぞれの次元とのつながりを活性させていくことが、成長のひとつの側面でもあり、成長にともない、分霊は活性化し、つながりを有する次元が増大していきます
    • 分霊の活性化とは、高い次元の活動性に同調することで、分霊の有する生命の活動性の程度を高めていく状況を指しています
    • 現在に同調している活動性の次元が、分霊の属している次元を示しています
    • 例として、成長により、6次元とのつながりが活性した場合には、分霊が属している次元は6次元となり、分霊は4-6次元とのつながりを有していることになります
    • なお、大霊は、あらゆる全てを内包する世界のために、すべての次元から構成されており、この構成には3次元の範囲を含みますが、一方で、大霊から分割された分霊は、4次元以上の範囲で構成され、3次元の範囲を含まない点に留意してください
(1000/1000) 分霊の成長と次元
(1000/1000) 分霊の成長と次元

外的構造としてのはたらき

  • (1000/1000) 分霊は、分霊から無形体へ、無形体から内的構造へ、無形体から涵養の糸を通して有形体へ、原素材を供給します
    • 個体を構成する無形体/有形体/内的構造へは、分霊からのみ原素材が供給され、大霊から直接に無形体/有形体/内的構造へ供給される状況や、分霊以外から供給される状況はありません
  • (1000/1000) 分霊の同調する活動性の程度(生命の活動性の程度)が高くなることで、単位時間あたりに供給できる原素材の量が増大します
    • 分霊が1単位として原素材を供給できる量は一定ですが、同調する活動性の程度が高くなるのにともない、単位時間あたりの処理速度が向上するために、ある単位と次の単位との間隔が短くなり、分霊から無形体へ、無形体から内的構造へ、無形体から有形体へ、単位時間あたりに供給できる量が増大します
    • ただし、有形体は自己が造化している体ではないために、自己が造化している無形体へ、また、自己の内面である内的構造へ供給される量と同等の量が供給されているものの、有形体へ浸透して貯蔵される量は少ないです
    • 分霊から無形体へは、水路に水が流れるように、比較的に速く供給され貯蔵されますが、一方で、無形体から有形体へは、水路に水が流れるように供給されているものの、有形体には、土壌に水が浸透するように、ゆっくりと貯蔵されます
    • 原素材の供給量については、4章5節 優位性を参照してください
(1000/1000) 処理速度と供給量
(1000/1000) 処理速度と供給量

内的構造としてのはたらき

  • (1000/1000) 分霊の心は、内的構造を構成する心/意識/精神と下記のようなつながりがあります
    • 分霊の心が精神で表現を造化する中核を担っており、表現の造化へ必要な土台となる機能特性を提供しています
    • 大霊の心/物質の心は、分霊の心が提供する機能特性なしには、精神で表現を造化できません
    • 分霊の心は意識の主体であり、自己と認識する主観性の本質です
    • 意識は、分霊の心/大霊の心/物質の心、の3つの心が占める割合の変化によって、認識の程度や造化する表現へ付与される活動性の程度も変化しますが、意識の主体となる分霊の心は、意識に占める割合が常に一定です
  • (1000/1000) 表現を造化する工程では、分霊の心が、並列/並行しておこなわれる無数の工程での処理のすべてを統括しています
    • 貯蔵している記録(情報/知識)や、経験へ保存している習慣/技術/認識方法を利用して、造化の工程での処理をおこないます
    • 造化の工程では、それぞれの機能特性を通して原素材へ生命の活動性を与え、表現としての実体を造り出します
    • それぞれの機能特性を通して視場/視域/視野/視点/視座による範囲の絞り込みをおこない、外環境から受け入れた情報や、貯蔵している知識(造化の設計図/造化する工程の手順)の中から、必要とする内容を濾過[ろか]/抽出します
    • 認識の程度(視場に相当する)を土台として、造化の工程での様々な処理の程度と効率を管理しています
    • 造化の工程でおこなわれている処理が適切に実行されているのかを逐一に確認して、様々な処理の整合性を保っています
    • 分霊の心の有する機能特性については3章7節 心、視場/視域/視野/視点/視座については3章6節 内的構造 #視場/視域/視野/視点/視座の違いを参照してください
  • (1000/1000) 内的構造でおこなわれる活動は、分霊の同調する活動性の程度に相応する「認識の程度」を土台としています
    • 認識の程度とは、同調する活動性の程度に相応する単位時間あたりの処理速度と、単位時間あたりに処理できる範囲を表しており、同調する活動性の程度が高くなるほどに、単位時間あたりの処理速度は向上し、処理できる範囲は拡大します
    • 処理速度と処理できる範囲は、並列/並行して認識/理解する程度、様々なつながりを把握する範囲/程度、並列/並行して表現を造化する効率、などを決定します
    • 認識の程度には無限の段階があり、その段階の中でも、様々な認識に大きな変化(変容)のみられる区切りが「次元」を表しています
    • このサイトでは、次元による認識の変化にみられる区切りを強調する際に「認識の次元」と表現している場合があります
    • 次元については、2章1節 世界全体の構造を参照してください
  • (1000/1000) 認識の程度は、内的構造で表現を造化する工程での「視場」に相当し、外環境を認識する際にも、外環境へ表現する際にも、内環境で考察する際にも、常に影響を与えています
    • 個性を培[つちか]い表現の多様性を拡げていくとともに、認識の程度を向上させて表現へ付与される活動性の程度を高めていくことが、分霊の成長する目的でもあります

分霊の輝き

  • (1000/1000) 分霊の有する生命の活動性は、その活動性の程度が、輝きとして外環境へ現れます
    • 活動性の程度に相応する内的な処理速度が、外的に輝きとして現れているのです
    • 分霊の放つ生命の輝きは、直接に肉眼/霊眼で視えませんが、自己の造化している無形体に付与された活動性の程度が放つ輝き(無形体の輝き)として霊眼で視ることができます
    • ただし、地上で生活している人には、有形界/有形体から受ける制限により、無形体に付与された活動性の程度が放つ輝きを直接に霊眼で視ることはできません
    • 地上で生活している人が霊眼で視える輝きは、地精によって活動性の程度が下げられた有形的な作用力(磁気的作用力)の放つ輝きです
  • (1000/1000) 生命の有する活動性の程度は、意志の強さが決定しており、意志の強さに相応する輝きが外環境へ現れているともいえます
    • 生命の有する活動性の程度は、自己の同調する活動性の程度を表しており、強い意志が、高い活動性の程度への同調を可能とします
    • 意志が強くなるほどに、同調する活動性の程度が高くなり、様々な処理速度の向上にともない、放つ輝きは強くなります
    • 同調する活動性の程度は、内的成長度として、筋反射検査を用いて数値で測定できます
    • 内的成長度については、4章3節 内的成長度を参照してください

至言の紹介

(1000/1000)「瀞沁」
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
自己とは「自己として在る」という
ただそれだけのものなのです
視ることも聴くことも話すこともできず
立つことも歩くこともできないのです
そんな何もできない自己だからこそ
あらゆるものを造り出すことができるのです
ひとつでもできることを有していたのならば
何かを造り出そうとはしなかったでしょう

質疑応答

  • それぞれの質問文を押すと、応答文が表示/非表示されます
    • すべての応答文を一括して開くには、「すべての質疑応答を開く」ボタンを押してください
    • すべての応答文を一括して閉じるには、「すべての質疑応答を閉じる」ボタンを押してください

分霊全般について

(1000/1000)

 人の構造としての分霊と、無形界の住人としての分霊は、同じ「分霊」という用語ですが、僅かに定義が異なります。

 人の構造としての「分霊」は、大霊から分割された「霊そのもの」を指しており、生命の活動性を有していますが、外環境に対して直接に活動することはできません。一方で、無形界の住人としての「分霊」は、人の構造としての分霊に加え、外環境に対して活動するための無形体を有しています。日本でみられる語の使い方では、人の構造としての分霊は「霊」、無形界の住人としての分霊は「魂」、あるいは、「霊魂」と呼ばれています。

 地上社会では、肉眼に視えない物事を指し示す語の定義が統一されている状況はなく、用いる者によって定義が千差万別であり、用語を含む文脈/内容の全体から定義を把握していく必要があります。例として、人の構造として捉えると、「霊」は分霊、「魂」は無形体、「魄[はく]」は有形体の4次元の側面、肉眼に視えない形体の総称を「魂魄[こんぱく]」、などと表現している場合もあります。

(1000/1000) 分霊の定義の比較
(1000/1000) 分霊の定義の比較

(1000/1000)

 幻想によって瞬間瞬間の自身に都合良く物事を捉え、利己的/自己中心的に行動する不誠実な生き方をしている人たちや地獄者たち、また、物的な強い囚われに縛られ、あるがままに物事を捉えられず自由な思考ができない地縛者たちに対して、彼らの生き方が信頼には遥[はる]かに遠く、彼らの発言/言動に一切の信用を置けなくても、彼らへ寛容(憐[あわ]れみ)をもつことはできます。幻想による捉え方については、5章2節 幻想を参照してください。

 あらゆる分霊は同胞/同朋であり序列/優劣のない対等であっても、あらゆる分霊を等しく信頼/信用できるとは限りません。これは、分霊を信頼できる/信頼できない、信用できる/信用できない、と区別するのではなく、成長の程度や生き方が異なるために、「公平」に応対しても、「平等」には応対できないことを表しています。譬[たと]えると、大学の研究者が、同僚へ作業を任せるのと同じように幼稚園児へ作業を任せても、幼稚園児には同僚のように作業はできません。同僚は信頼でき、同僚の作業には信用を置けても、幼稚園児には同僚と同等の信頼/信用はできないために、同僚へは同僚へ相応する応対を、幼稚園児には幼稚園児に相応する応対をする必要があるのです。

 そして、相手がどのような生き方をしていても、自己が相手の発言/行動へ寛容をもつことはできます。あらゆる成長の程度や生き方へ平等には応対できなくても、寛容/憐れみは平等にもつことができるのです。寛容/憐れみについては、5章6節 愛の行為 #質疑応答の「慈悲/憐れみとは何ですか?」を参照してください。

分霊の成長

(1000/1000)

 十全性を示すものは、どれほどに極小に細分/分割されても十全性を示します。同様に、不完全性を示すものは、どれほどに統合されても不完全性を残します。分霊のそれぞれが有する不完全性が統合されて、お互いの不完全性が補われても、不完全性が無くなることはないのです。

 ある方向性において、お互いの不完全性が補われ完全性を示す可能性はありますが、この場合は、他の方向性では不完全性を残している状況になります。一方で、あらゆる方向性においての完全性を示す十全性は、あらゆる方向性で不完全性を残していないのであり、お互いの不完全性が補われても十全性へと至る状況はみられないのです。

 この矛盾とも感じ取れる内容は、分霊が無限に成長していく過程で、いずれ明確な解答へと気づくことができるようになるのかもしれません。

 加えて、分霊は、大霊から極小に区切られた存在であり、大霊と同様に無限の活動性の範囲(無限の次元の範囲)とのつながりを有していますが、「小さな大霊」ではありません。分霊と大霊は異なります。分霊の総合が大霊であり、小さな大霊の総合が大霊ではないのです。どれほどに分霊が成長しても大霊にはならない点に留意してください。

(1000/1000)

 個体としての形体を有したままで、全体としての認識を再現していく必要があるのは、秩序のある多様性を生み出していく(表現を造化していく)ためです。

 個体としての形体をもたずに全体のままで全体の認識を有している状況と、個体としての形体をもち全体の認識を有している状況とでは、造化される表現に大きな差があります。前者は、個性がなく全体性のみであり、全体を認識できるために統合的な表現を生み出すことができますが、表現は単調となります。後者は、それぞれの個体が個性をもち、統合された全体の中に、それぞれの個性に基づく多様性のある表現を生み出すことができるようになります。これは、世界の進化と密接に関連しています。

 表現に多様性を生み出すためには、個体としての形体を有して、個々の個性を発揮していくことが適しているのですが、個々が全体を認識せずに個性を発揮すると、多様性ではなく、混沌を生み出す状況へつながるために、成長を通して全体を認識し、統合性の中に多様性を生み出せるようになる必要があるのです。

 この質疑応答に関連する内容には、2章2節 大霊 #質疑応答の「世界の進化とは、何を表しているのですか?」がありますので参考にしてください。

認識の程度

(1000/1000)

 属する次元は、自己のおこなう物事の捉え方や認識/考察する程度を表し、一方で、つながりのある次元は、他者のおこなう物事の捉え方や認識/考察する程度を、自己の認識/考察する程度に基づいて理解できる範囲を表しています。

 自己は、自己の成長の程度で属する次元での捉え方や認識/考察する程度に基づいて、行為をおこなうことはできますが、属する次元よりも低い次元での捉え方や認識/考察する程度に基づいて行為をおこなうことはできません。自己は、常に、自己の属する次元の程度に基づいて行為をおこないます。自己の属する次元以下の範囲内(つながりのある次元)では、他者が属する次元での物事の捉え方や認識/考察する程度に基づいておこなう行為と、行為の目的、などを理解することができます。逆に、自己の属する次元よりも高い範囲(未だつながりのない次元)での、他者の物事の捉え方や認識/考察する程度に基づいておこなう行為と、行為の目的、などは理解できません。

 例として、自己が6次元に属している場合では、自己は6次元の認識の程度に基づいて、物事/現象を捉え、表現を造化し、行為をおこないます。加えて、4-6次元の認識の程度に属する他者がおこなう自覚的/無自覚的な行為、行為の目的、物事/現象の捉え方、などを認識し理解できます。一方で、7次元以上に属する他者がおこなう自覚的/無自覚的な行為、行為の目的、物事/現象の捉え方、などを認識することはできても、理解できません。

 あるひとつの次元の範囲内で有する認識の程度は、一定ではなく、ある程度の範囲を有しているために、自己/他者が同じ次元に属している場合では、自己は、相対的に低い認識の程度で他者がおこなう自覚的/無自覚的な行為、行為の目的、物事/現象の捉え方、などを認識し理解できます。逆に、相対的に高い認識の程度でおこなわれる自覚的/無自覚的な行為、行為の目的、物事/現象の捉え方、などを認識することはできても、理解できません。次元の区切りで捉えずに、一軸線上にある認識の程度として厳密に捉えるのならば、自己は自己の有する認識の程度で物事を捉えて行為をおこない、自己の有する認識の程度以下の場合は理解でき、自己の有する認識の程度よりも高い場合は理解できません。次元の区切りは、一軸線上にある認識の程度の中で、物事/現象の捉え方が大きく変容する境界線を示しているだけなのです。

(1000/1000) 一軸線上からみた理解できる範囲/理解できない範囲
(1000/1000) 一軸線上からみた理解できる範囲/理解できない範囲

 それぞれの認識の程度には無数の物事の捉え方があり、ひとつひとつの物事の捉え方は、それぞれが異なる方向性を有しています。ある物事を捉える際には、個々の有する認識の程度で、ある方向性から、あるいは、複数の方向性から捉えるために、同じ物事を捉えたとしても、認識の程度と捉え方の方向性によって、捉えた物事の内容は異なります。同じ物事を異なる認識の程度で類似する方向性から捉えたとしても、また、同じ物事を同等の認識の程度で異なる方向性から捉えたとしても、捉えた物事の内容は異なるのです。ある物事を、誰もが同じ内容として捉えるのではない点に留意してください。物事の捉え方については、4章2節 有形界での成長 #質疑応答の「様々な物事の捉え方の中で、成長を阻碍する捉え方はありますか?」も参考にしてください。

(1000/1000) 物事の捉え方の方向性/程度
(1000/1000) 物事の捉え方の方向性/程度

 なお、同等の成長の程度や同等の同調する活動性の程度であれば、生き方の誠実/不誠実に関わらず、物事を捉える程度(認識の程度)は同じです。ただし、認識の程度が同じでも、捉える内容(認識する内容)は誠実/不誠実の違いにより全く異なります。誠実/不誠実な生き方の違いは、同等の成長の程度や同等の同調する活動性の程度であっても、向いている方向性が異なる状況を表しています。譬[たと]えると、ある標高(認識の程度/成長の程度)に滞在する者たちには、その標高から視える風景の範囲は同じですが、山を登る方向へ向いている者(誠実な生き方)が視る風景の視え方と、山を下る方向へ向いている者(不誠実な生き方)が視る風景の視え方は異なります。

(1000/1000)

 はじめに、自己の有する認識の程度(自己の属する次元)よりも高い程度(自己と未だつながりのない次元)での思考の内容が理解できないことについては、この節の質疑応答の「自己の属する次元と、つながりのある次元は、どのような違いがあるのですか?」を参照してください。

 自己の有する認識の程度よりも高い程度での思考の内容、行為の目的、物事の捉え方、などは、その思考の内容(行為の目的/物事の捉え方)の土台となっている認識の程度まで、自己が成長することによってのみ理解できるようになります。

 自己の有する認識の程度よりも高い程度での思考の内容(行為の目的/物事の捉え方)を、自己の有する認識の程度で理解するように努めることはできますが、理解できるようで明確には理解/納得できないために、理性/気づきの機能特性によって、違和感、不自然感、などを感じる場合もあります。無理矢理に理解しようとすると、誤解/曲解へとつながり、更に、幻想の捉え方へと陥[おちい]る可能性もあります。明確に理解できない場合には、無理に理解しようとせずに一旦保留とし、自己の成長にあわせて、再び理解へ努めるようにします。自己が以前に理解できなかった内容であったとしても、現在の成長段階では理解できる内容もありますので、以前に理解できなかったからと忌避/嫌厭することなく、様々な内容を積極的に考察し、現在の段階で理解できる/できないの判断をしていく必要があります。

 自己の有する認識の程度よりも高い程度に基づく相手の思考の内容が理解できないことは、相手の貯蔵している知識を自己の知識として直接に貯蔵できない状況とも関連しています。相手の貯蔵している知識は、外環境へ情報として表現された後に、その情報を自己が取り込み、自己の有する認識の程度で捉え直して理解し、自己の知識として貯蔵します。これは、相手の知識の程度が、そのまま自己の知識の程度とはならない状況を示しています。相手の有する知識の程度で理解して、自己の知識とするためには、相手と同等の認識の程度で理解する必要があります。地上の生活では、自己が相手から伝えられた内容を理解できないからと相手へ逐一に質問を返す状況は多くみられますが、自己が自身の成長へ努めずに、現在の自己の成長段階で理解できるように相手へ説明を要求するのは滑稽な行為です。相手が自己へ理解させてくれるのではなく、自己が相手から伝えられた内容を理解するように努めるのです。

(1000/1000) 思考の内容を理解できる範囲/理解できない範囲
(1000/1000) 思考の内容を理解できる範囲/理解できない範囲

 自己の有する認識の程度よりも高い程度での思考の内容が理解できないことは、社会の活動にも影響を与えています。地上の社会で用いられている情報/知識、学問体系、様々な技術、などは、それぞれが有形的な表現のために真実度を有しており、それぞれの内容の示す真実度が自己の有する認識の程度と同等以下であるのならば、それらの内容を明確に理解し活用/応用することができます。一方で、自己の有する認識の程度よりも高い真実度を示す内容には、理解できない、あるいは、自己は理解していると思い込んでいるものの実際には理解できていないために、活用/応用できない状況がみられます。

 例として、医療に従事する者(特に医師)たちが、現代医学の有する現在の水準(真実度/正しさの程度)に相応する成長の程度や、現在の水準よりも高い成長の程度を有しているのならば、現代医学を適切に存分に用いて診療できます。同時に、現在の水準よりも成長の程度が高くなるほどに、現代医学に不足/限界も感じ取り、水準を高めるために探求/研究するようになります。逆に、現在の水準に相応する成長の程度を有していないのならば、自覚して、あるいは、自覚できるものの自覚なく現代医学を適切に活用して診療することができず、患者へ無価値な検査/治療、悪化させる施術/投薬、個々の患者ではなく慣例に基づくだけの診療を強いている状況にもつながっています。

 更に、現代医学を適切に活用して診療できない状況が、恐れ/怯えに基づく幻想の捉え方に結びつくことで、患者のために医師という職務/診療をするのではなく、自己の利己性/自己中心性/欲望を満たすために医師という職務/診療をおこなうようになります。現在に自己の有する情報/知識や前例/症例に固執して眼前の患者の状況が適合しなければ患者を非難する、眼前の患者の状況が自己に診断できない現実を否認して患者へ虚勢を張り不遜/横柄に対応する、患者は医学/医療に無知で当然だと決めつけて侮[あなど]り患者の意見/意向を無視して検査/治療を強制する、患者が医学用語/医療技術について話すと「知ったか振り」をしていると思い込み嘲[あざけ]る、患者の恐れ/怯えを喚起させ強めるような発言をする、などで患者を用いて自身の虚栄心を自覚して、あるいは、自覚できるものの自覚なく満たそうとします。加えて、自己の浅慮/粗雑な処置(施術/投薬など)によって患者の病状/症状が悪化すれば患者の生活態度へ責任逃避して患者を責め立てる、自己が利益を得るために患者へ不要な処置をおこなう、などもみられます。彼らは、医師への信頼や医療への信用を失墜させて患者を失望させているだけでなく、患者へ誠実に対等に向き合い自身の有する知識/技術の研鑽へ努めている医師たちをも愚弄[ぐろう]しているのです。これは、医療へ従事する者だけでなく、政治/行政に携わる者、公安、学校教員、各分野で専門性の高い職業に就く者、たちにも多くみられます。幻想の捉え方については、5章2節 幻想を参照してください。

 なお、患者も、ウェブサイト、書物、テレビ番組、などで見掛けた医学/医療の情報を盲信し、自身で詳細に医学を学び考察しようと努めていない状況が頻繁にみられます。診療を受ける患者は、情報へ囚われ憶測で短絡的に現在の自己の状況(怪我/疾病など)へ結びつけるのではなく、自己の状況をできる限り正確に把握して適切に医師/医療従事者へ伝えるように努める必要があります。

 どのような情報/知識/技術であっても、それらを用いる者の有する成長の程度(認識の程度)や生き方によって、活用/応用できる程度、活用の方法、活用する対象、などは異なります。そのために、誰にとっても一定に活用できるのではなく、また、自己に活用できる状況が何時[いつ]までも同じとも限りません。自己の成長へ努めるとともに、自己が現在に有する知識/技術、思考の過程/経路、物事の捉え方、に囚われることなく、現在よりも高い程度となるように常に修正し続ける過程で、活用/応用できる程度は向上し、活用/応用できる範囲も拡大していくようになります。

 この質疑応答に関連する内容には、2章3節 有形界の構造 #質疑応答の「惑星の進化のために、地上で生活する人が永続性のある活動をおこなうには、どのようにすればよいのでしょうか?」がありますので参考にしてください。

(1000/1000)

 はじめに、不変/普遍の外環境から情報を受け入れ、自己の内面で、自己の認識する外環境を造り出していることについては、2章1節 世界全体の構造 #世界とはを参照してください。

 不変/普遍の外環境から情報を受け入れる際には、眼前の自覚的/無自覚的に認識できる範囲内から、無限の活動性の範囲に表現されている無数の情報を有形体/無形体を通して受け入れていますが、ほとんどの情報は自覚して認識していません。現在に属する次元(認識の程度)以下の活動性の範囲にある情報を自覚して認識しており、加えて、属する次元よりも高い活動性の範囲にある情報の一部も自覚して認識しています。属する次元よりも高い範囲にある情報は、自覚して認識できる内容と、自覚して認識できない(自覚なく認識している)内容があり、自己の有している知識、経験、個性、生活の状況、などによって自覚して認識できる/できない内容は常に変化しています。不変/普遍の外環境から受け入れた、これらの情報の中で、自覚して認識できる情報の総合が自己の認識する外環境を造り出しています。自覚的/無自覚的に認識できる範囲については、3章8節 意識 #質疑応答の「自覚的/無自覚的に認識できる範囲と意識の範囲には、どのようなつながりがありますか?」も参考にしてください。

 自覚して認識した情報を理解する際には、つながりのある次元の範囲を含む、属する次元以下の範囲を理解することができますが、未だつながりのない次元の範囲は理解できません。情報の理解は、属する次元(認識の程度)で捉えた範囲の情報を中核として、つながりのある次元の範囲の情報と統合して理解します。ただし、情報を捉える基点は常に現在の認識の程度にあり、現在の認識の程度とは異なる他の認識の程度を基点として情報の内容を理解することはできません。

(1000/1000) 受け入れる情報と認識の程度
(1000/1000) 受け入れる情報と認識の程度

 現在の認識の程度(属する次元の範囲)は、同調する活動性の程度(内的成長度の同調値/最高値)と、成長の程度の間の範囲となり、同調する活動性の程度が成長の程度より高くても/低くても、両者の間の範囲が現在の認識の程度となります。なお、同調する活動性の程度が常に成長の程度に先立って速く変化し、その変化を追うようにして成長の程度がゆっくりと変化するために、内的成長度の同調値が成長の程度よりも低くなる場合はみられますが、成長の程度が内的成長度の最高値よりも高くなる状況はみられません。内的成長度の同調値/最高値と成長の程度については、4章3節 内的成長度を参照してください。

 同調する活動性の程度(内的成長度の同調値/最高値)が成長の程度よりも高い場合は、内的成長度の最高値よりも高い範囲は理解できず、最高値以下で同調値よりも高い範囲での理解の程度は比較的に低く、同調値以下で成長の程度よりも高い範囲での理解の程度は中程度で、成長の程度以下の範囲での理解の程度は比較的に高くなります。もしも、同調する活動性の程度(内的成長度の同調値)が成長の程度よりも低い場合は、内的成長度の最高値よりも高い範囲は理解できず、内的成長度の最高値以下で成長の程度よりも高い範囲での理解の程度は比較的に低く、成長の程度以下の範囲での理解の程度は比較的に高くなります。

(1000/1000) 内的成長度/成長の程度と理解の程度
(1000/1000) 内的成長度/成長の程度と理解の程度

(1000/1000)

 はじめに、外環境から受け入れた情報を内的構造で認識する基本的な流れについては、3章6節 内的構造を参照してください。また、外環境から受け入れた情報の認識/理解については、この節の質疑応答の「分霊の属する次元/つながりのある次元からみた場合に、どのようにして不変/普遍の外環境から情報を受け入れているのですか?」参照してください。

 外環境から受け入れた情報を内的構造で絞り込み認識する工程は、視場/視域/視野/視点/視座によって表すことができます。視場/視域/視野/視点/視座とは、外環境から受け入れた情報の絞り込み/抽出/濾過[ろか]、あるいは、記録へ貯蔵されている情報/知識から表現の造化へ用いる内容の抽出をおこなう、分霊の心が有する機能特性の「はたらき」を指しています。視場は認識の程度(成長の程度/同調する活動性の程度)を表し、視域/視野/視点/視座の「はたらき」の土台となり、認識の程度が高くなるほどに視域/視野/視点/視座の「はたらき」は向上します。視域は感性の機能特性によって無自覚的におこなわれ、視野/視点/視座は知性の機能特性によって自覚的におこなわれています。視場/視域/視野/視点/視座については、3章6節 内的構造 #視場/視域/視野/視点/視座の違いも参考にしてください。

 先[ま]ず、不変/普遍の外環境に表現されている無限の活動性の範囲にある無数の情報の中から、眼前にある情報を視域で受け入れます。視域で受け入れる情報が有する活動性の程度は、分霊の属する次元/つながりのある次元/未だつながりのない次元の3つの範囲で表される無限の活動性の範囲に分布していますが、受け入れるのは眼前にある情報のみであり、眼前にない情報は受け入れないために、不変/普遍の外環境に表現されている無数の情報のほとんどは受け入れられていません。

 視域で受け入れた情報は、次に、視野で情報の範囲を絞り込みます。視野では、属する次元/つながりのある次元の範囲にある情報と、未だつながりのない次元の範囲にある僅かの情報を受け入れ、未だつながりのない次元の範囲にある大部分の情報は受け入れられません。

 視野で受け入れた情報は、更に、視点でいくつかの情報を選び取ります。そして、視点で選び取った情報を視座によって組み合わせ、情報の集まりとして総合します。視座は、ある方向性に基づいて情報を組み合わせるために、複数の視座で複数の異なる方向性から様々に情報を組み合わせますが、組み合わせる中核は属する次元の範囲にある情報となり、つながりのある次元/未だつながりのない次元の範囲にある情報のみを組み合わせることはありません。ひとつの方向性から、属する次元の範囲にある情報と、つながりのある次元/未だつながりのない次元の範囲にある情報を結び付けて総合します。

 視座で、それぞれの方向性から組み合わせて総合した情報の集まりは、同じ視座の「はたらき」によって、ひとつの自覚的に(自覚して/自覚できるものの自覚なく)認識できる情報へとまとめられます。この自覚的に認識できる情報が、自己の認識する外環境を構成しています。不変/普遍の外環境と、自己の認識する外環境については、2章1節 世界全体の構造 #世界とはを参照してください。

 更に、自覚的に(自覚して/自覚できるものの自覚なく)認識できる情報を、知性/理性/経験/記録などの機能特性を用いて「自覚して」様々に検証することで理解し、情報は「理解した知識」となります。ただし、自覚的に認識できる情報に含まれている、未だつながりのない次元の範囲にある情報は理解できず、属する次元の範囲にある情報は比較的に理解の程度は低く、つながりのある次元の範囲にある情報は比較的に理解の程度は高くなるために、情報の組み合わせによっては、情報の全体を明確に理解できる場合もあれば、一部は理解できても大部分は理解が不明確な場合もあり、大部分は理解できても一部は理解できない場合もあります。

 この質疑応答に関連する内容には、3章8節 意識 #質疑応答の「外環境を認識する範囲と外環境から受け入れる情報を選択/濾過する過程には、どのようなつながりがありますか?」がありますので参考にしてください。

(1000/1000) 内的構造での情報の絞り込み
(1000/1000) 内的構造での情報の絞り込み

(1000/1000)

 同調する活動性の程度が向上し、また、成長の程度が高くなるのにともない、高い認識の程度へ移行した際に、自己が高い認識の程度に相応する物事の捉え方へ変化していても、物事の捉え方が変化している状況を自覚できるものの自覚していない場合が多くみられます。

 中には、これまでとは物事の捉え方が違っている(変化している)と不鮮明に気づいている場合もありますが、認識の程度が向上した(同調する活動性の程度/成長の程度が高くなった)ために、捉え方へ変化が表れているとは自覚できるものの自覚していません。もしも、自覚できるものの自覚なく修養の生活を実践しており、成長している明確な自覚のないままに、認識の次元の移行をともなう覚醒の段階への移行などで大幅な認識の変化(大きな意識の変容)を体験すると、心身症、脳疾患、自律神経失調症(原因の特性できない不調)、などを患[わずら]ったと誤認する場合もみられます。修養の生活については5章1節 修養の生活、覚醒については4章4節 覚醒を参照してください。

 自覚して成長を求め、成長のための知識を自覚して積極的に学び、知識に基づいて修養の生活を自覚して実践しているのならば、物事の捉え方にみられる変化が、同調する活動性の程度/成長の程度が高くなったために表れているのだと気づく(自覚する)ことができます。修養の生活を実践する中で、僅かな意識の変容や、物事の捉え方の変化に気づいたのならば、内的成長度を測定して、現在に同調する活動性の程度を把握することで、意識の変容/捉え方の変化について考察しやすくなります。内的成長度については、4章3節 内的成長度を参照してください。

 成長にともない認識の程度が向上した状況を実感する例として、数週間前、数ヶ月前、1年前、数年前、などに自己が記述した内容を読み返すと、記述の内容に不足/過多、用語の不適切さ、記述方法の稚拙さ、などを感じ取り、記述の内容を現在の認識の程度に相応する真実度/活動性の程度となるように修正できることが挙げられます。

 なお、現在よりも相対的に高い認識の程度へ移行することで、物事の捉え方/捉える程度が変化していく状況は、以前は眼前にあるものの視えていなかったもの、あるいは、以前は不鮮明に視えていたものが、鮮明に視えるようになることへ譬[たと]えられます。眼前になかったものが、眼前に現れて視えるようになるのではありません。

(1000/1000)

 書物などにみられる、恒星系、銀河、更に広大な銀河群/銀河団の範囲、などの高い観点から物事を捉えるという表現は、有形界の次元の中での認識を表しており、銀河/恒星系などの位置的/距離的な観点から捉えることを指しています。惑星相互のつながり、地球という惑星、地上の物事/現象、などを、位置的/距離的に離れた観点から俯瞰[ふかん]/総合して捉えることで、地上で外環境を捉えるような狭小で近視眼的な捉え方では把握し難い広範囲のつながりを捉えやすくなりますが、認識の程度(認識の次元)は基本的に4次元の範囲内となります。

 有形界を構成する次元(3,4次元)と同等の次元(4次元)から銀河/恒星系などの位置的/距離的に離れた観点から物事を捉えることは、覚醒未満の段階から覚醒中期の成長段階までにみられやすい有形的/無形的認識に基づく捉え方です。有形的認識に基づいて捉えている場合(覚醒未満の段階)は4次元、無形的認識に基づいて捉えている場合(覚醒初期/中期の段階)は5,6次元での認識を含みます。ただし、これらの捉え方が銀河無形界/恒星系無形界などに相応する次元(5-32次元)での認識を表しているのではありません。覚醒の成長段階での捉え方については、4章4節 覚醒 #質疑応答の「覚醒の段階にみられる次元の移行によって、物事の捉え方にどのような変化が現れますか?」を参照してください。

 このサイトでの次元に関する記述についても、文字/図表などの有する制約によって、地球から位置的/距離的に離れるほどに認識の次元が高くなるような誤認を与えやすい表現(2章4節 無形界の構造 #次元から捉えた無形界)を用いていますが、物的な「距離の遠い/近い」と、無形的な「認識の高い/低い」には関係がありません。また、有形界の宇宙(有形的宇宙)と無形界の宇宙(無形的宇宙)は同じ範囲に重なり合っていますが、有形的宇宙は地球からどれほどに位置的/距離的に離れたとしても3,4次元で構成されています。一方で、無形的宇宙は地球から認識が遠くなるほどに次元は高くなりますが、認識の遠くなることが地球から位置的/距離的に離れる状況を指しているのではありません。距離の遠い/近いと認識の高い/低いについては、2章1節 世界全体の構造 #質疑応答の「活動性の程度/次元は、惑星から距離が離れるほどに高くなるのですか?」も参考にしてください。

(1000/1000)

 成長にともない認識の次元が移行するごとに比較的に大きな意識の変容を感じ取りますが、その移行の中でも、特定の次元へ移行する際に、更に大きな変容を感じ取る区切りがあり、この区切りは、それぞれの区切りごとで担う役割(無形界での仕事の内容)が移行することを表しています。意識の大きな変容を自覚して明確に感じ取るほどの認識/感覚の変化によって、その認識の程度に相応する仕事の役割を遂行できるようになったといえます。

 意識の変容は、僅かにでも同調する活動性の程度が向上するごとに感じ取りますが、常に自己が気づくとは限らないほどに僅かずつの変容となります。そして、認識の次元が移行するごとに比較的に大きな変容を自覚して感じ取り、更に、区切りとなる次元を移行するごとに大きな変容を自覚して明確に感じ取るようになります。区切りとなる次元の移行は、自己の認識する外環境が、これまでとは全く異なってしまったように認識するほどの変容を感じ取り、4次元から5次元へ、7次元から8次元へ、9次元から10次元へ、それぞれ移行するごとにみられます。11次元以上にも意識の大きな変容をともなう区切りは無数にありますが、地上から11次元以上での区切りとなる次元を知ることが大霊より許可されていません。地上から知ることが許可されているのは10次元までの範囲です。

 意識の大きな変容をともなう区切りを無形界での仕事の役割からみると、地上で生活しているほとんどの人と、惑星圏無形界で生活している人霊/天霊は、4次元の認識の程度であり、惑星(地上/惑星圏無形界)で生活することが役割となります。4次元の認識の程度は、惑星での生活を通して学び成長する段階であり、地上で生活している人は地上での生活を通して物的な生活環境を造化し、惑星圏無形界で生活している人霊/天霊は5-7次元の霊たちが造化した各界層の生活環境の基盤/骨格に基づいて、各界層の生活環境を造化します。

 最も惑星へ近い宇宙圏無形界で生活する分霊は、5-7次元の認識の程度であり、惑星への造化を通して学び成長する段階となります。地上へは、鉱物/植物/無脊椎動物などの造化をおこない、分霊(人/脊椎動物)が生活するための環境を整備する役割を担います。加えて、動物霊が地上で生活するために用いる脊椎動物の有形体の造化もおこないます。惑星圏無形界へは、各界層の生活環境の基盤/骨格となる造化をおこない、同時に、各界層内の調和を保つ役割を担います。なお、5-7次元の認識の程度では「無形界から地上へ」向けて造化をおこないますが、地上で生活する期間に5-7次元の認識の程度へ移行し地上へ残留している覚醒者は、「地上から」5-7次元の認識の程度に相応する役割を遂行します。覚醒者が地上で鉱物/植物/無脊椎動物などの造化を担う状況はなく、人/脊椎動物の生活環境を整備するために、人類の成長を促進/先導する役割を担います。

 比較的に惑星へ近い宇宙圏無形界で生活する分霊は、8-9次元の認識の程度であり、惑星で生活する人霊/天霊への造化を通して学び成長する段階となります。人霊が地上で生活するために用いる人の有形体の造化や、大地/大気/大海/地殻内部などの「惑星そのもの」の造化をおこない、また、地上での生活環境全体の調和、惑星圏無形界(各界層を総合した)全体の調和、地上と惑星圏無形界の調和、のそれぞれを保ち、惑星全体の調和を維持する役割を担います。惑星そのものの造化については、2章3節 有形界の構造 #質疑応答の「惑星そのものの造化とは何ですか?」も参考にしてください。

 惑星から遠ざかり始める10次元以上では、惑星(地上/惑星圏無形界)との直接的なつながりはなくなります。10次元以上の認識の程度では、それぞれの次元に相応する宇宙圏無形界での造化を担います。

(1000/1000) 次元の大きな区切りと役割
(1000/1000) 次元の大きな区切りと役割

ご質問の送信