3章 人の構造 - 7節 心

個々の記述の真実度: 999.3-1000
節全体の真実度: 1000
節全体の活動性: 1000

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心とは

  • (1000/1000) 心とは、あらゆる表現の造化において、原素材へ活動性を与え、実体(表現)を造り出すための、「造化の機能」を提供する内的構造のひとつです
    • 心の有する機能特性のそれぞれが、表現を造化する工程で、活動性を付与する役割を提供しており、意識が無形体の機能系統を通して、心の機能特性を活用し、原素材へ活動性を与えます
    • 心は「表現を造化する機能」を提供するだけであり、心が直接に原素材へ活動性を与えるのではありません
    • なお、機能特性は、それぞれが独立した個別の機能ではなく、心というひとつの「はたらき」を、それぞれの機能の側面から捉えた特性です
  • (1000/1000) 心には、個体の中核であり「造化の機能」を提供する分霊の心と、造化へ影響を与える物質の心/大霊の心、の3つがあります
    • 有形界では、分霊の心、物質の心、大霊の心、の3つが造化へ関与します
    • 無形界では、物質の心は有しておらず、分霊の心、大霊の心、の2つが造化へ関与します
    • 分霊の心は、個々の分霊が有する内的構造での「はたらき」を表しており、造化された実体ではないために、無形的で、肉眼/霊眼には視えません
    • 物質の心は、無形界の担当者によって造化された有形体を構成する構造体の一部であり、有形的な実体(造化された表現)のために、肉眼には視えませんが霊眼で視えます
    • 大霊の心は、個々の分霊が有する内的構造での「はたらき」の総合を表しており、造化された実体ではないために、無形的で、肉眼/霊眼には視えません
  • (1000/1000) それぞれの心が有する機能特性は、造化の中で担う役割によって、自覚的に(自覚して/自覚できるものの自覚なく)用いることのできる機能特性と、無自覚的に(自覚なく)用いている機能特性に分けられます
    • 自覚的に用いている機能特性は、自覚できる意識の領域で活用し、一方で、無自覚的に用いている機能特性は、自覚できない意識の領域で活用されています
    • 大霊の心の有する機能特性の一部は、個体の意識の領域に属さない、意識外のものもあります
(1000/1000) 心の機能の構成
(1000/1000) 心の機能の構成
  • (1000/1000) 有形界/無形界では、それぞれの心の構成が異なり、更に、大霊の心は、属する意識の領域も異なります
    • 有形界では、全体である大霊の心を土台として、個体の本質である分霊の心がはたらき、また、個体を構成する無形体の内包する分霊の心を土台として、有形体の内包する物質の心がはたらきます
    • 無形界では、有形体を用いないために、有形体の内包する物質の心も有しておらず、また、分霊の心/大霊の心は有していますが、分霊の心は大霊の心を土台としておらず、大霊の心は自覚できる意識の領域には属していません
(1000/1000) 有形界/無形界での心の構成
(1000/1000) 有形界/無形界での心の構成
  • (1000/1000) 3つの心が有する活動性の性質は異なり、物質の心は「不誠実な性質の活動性」を有し、また、分霊の心/大霊の心は「誠実な性質の活動性」を有しており、これらの性質に相応する活動性が精神で造化する表現へ付与されます
    • 更に、大霊の心は、誠実な性質の活動性以外にも、無数の性質の活動性を有していますが、不誠実な性質の活動性は有していません
    • 大霊の心の有する、誠実な性質の活動性は、分霊の心が表現へ付与する活動性の程度を高めるために用いられ、一方で、その他の無数の性質の活動性は、分霊の心へ特定の内容を有する印象を送るために用いられます
    • 分霊の心は、本来では、不誠実な性質の活動性を有していませんが、物質の心が不誠実な性質の活動性を用いて表現を造化するために、不誠実な性質の表現を造化する習慣が経験へ保存されており、習慣に基づいて、誠実な性質の活動性を、不誠実な性質の活動性へ変質させることができます
    • 分霊の心が、経験へ保存されている不誠実な性質の表現を造化する習慣に基づいて、不誠実な表現を造化する際には、分霊の有する誠実な性質の「生命の活動性」を不誠実の性質へと変質させて付与します
    • 大霊の心がおこなう分霊の心の支援については、3章9節 精神を参照してください
(1000/1000) 心の有する造化する表現へ影響を与える活動性の性質
(1000/1000) 心の有する造化する表現へ影響を与える活動性の性質

分霊の心

  • (1000/1000) 分霊の心は、個体としての自己そのものであり、個体を構成する内的構造/無形体/有形体でおこなわれる造化のすべてを統括し、表現の造化や、体を通した活動へ、生命の活動性を付与しています
    • 分霊の心は、大霊から分割された分霊の「生命を付与する者」としての、はたらきを表しています
    • 分霊の心は、分霊が有する内的構造の側面での「はたらき」を表しているために、分霊と同様に、4次元以上の範囲に存在しています
    • 分霊の外的構造の側面でのはたらきは、3章3節 分霊を参照してください
(1000/1000) 外的構造/内的構造の側面
(1000/1000) 外的構造/内的構造の側面
  • (1000/1000) 機能特性には、感性、 知性、理性、感覚、知覚、意図、意志、経験、記録(情報/知識)を有しており、これらが連携して、表現を造化する工程で活動性を付与します
    • 分霊の心の機能特性が連携しておこなう表現の造化によって、個体の有する個性が表現へ表れます
    • 分霊の同調する活動性(視場)の程度によって、それぞれの機能特性の活性する程度は異なり、同調する活動性の程度が高くなるほどに、機能特性は活性し、また、機能特性の連携も緊密となります
    • それぞれの機能特性の活性が、認識/理解の程度を向上させ、表現へ高い活動性の程度を付与し、表現の形状を変換する程度(真実度)を高めます
    • 視場については、前節の3章6節 内的構造 #視場/視域/視野/視点/視座の違いを参照してください
(1000/1000) 分霊の心の機能特性
(1000/1000) 分霊の心の機能特性

感性

  • (1000/1000) 感性は、表現を造化する工程で最初におこなわれる、表現として造化する内容の絞り込み/濾過/抽出する役割を担います
    • 感性のおこなう絞り込み/濾過/抽出は、絞り込み/濾過/抽出の工程の中で「視域」に相当し、無自覚的に感性の機能特性を用いて、無数の表現/情報/知識(造化の設計図/工程の手順を含む)の中から、表現として造化する内容の範囲を絞り込みます
    • 感性が無自覚的に用いられるのは、もしも、無数の内容の中から、自覚的に範囲を絞り込んでいると、膨大な処理によって、自覚できる意識での処理が許容過多となるためです
  • (1000/1000) 分霊の同調する活動性の程度が高くなるほどに、視域で受け入れる範囲は拡大します
    • 視域で受け入れる範囲が拡大するほどに、様々なつながりを包括した表現を造化しやすくなります
    • 単位時間あたりに大きな範囲(大容量)を受け入れても、他の機能特性も同様に活性しているために、遅滞なく、許容過多を生じさせずに、処理をおこなえます
(1000/1000) 絞り込みの開始
(1000/1000) 絞り込みの開始

知性

  • (1000/1000) 知性は、感性(視域)によって絞り込まれた範囲を更に絞り込み、絞り込んだ範囲の中から特定の内容を抽出/選択する役割を担います
    • 加えて、有形的な表現を造化するための、有形的な形状の鮮明化も担います
    • 有形的な形状の鮮明化とは、有形的な文字/言語/図表などの表現媒体を用いて、内容を表現する程度を指しており、真実度と密接に関連しています
    • 知性のおこなう絞り込み/濾過/抽出は、絞り込み/濾過/抽出の工程の中で「視野」に相当し、自覚的に知性の機能特性を用いて、表現として造化する内容の範囲を絞り込みます
    • 視野で絞り込んだ範囲の中から、特定の範囲を「視点」として抽出し、特定の方向性として捉える「視座」から視点を組み合わせて選択し、表現として造化する内容を決定します
    • 知性の担う役割は、多様性と統合性に大別でき、多様性としては、いくつもの視座を用いて、それぞれの視座から多くの視点を選択する役割があり、一方で、統合性としては、多くの視座/視点からそれぞれ選択した内容を「ひとつの内容」へまとめる役割があります
  • (1000/1000) 分霊の同調する活動性の程度が高くなるほどに、視野で受け入れる範囲は拡大し、視座/視点も増加します
    • 視座/視点の増加には、視座の増加、ひとつの視座から選択できる視点の増加、がみられます
    • 加えて、有形的な形状を鮮明化する程度も向上します
(1000/1000) 知性の統合性/多様性
(1000/1000) 知性の統合性/多様性

理性

  • (1000/1000) 理性は、ひとつひとつの表現を造化する工程での、様々な整合性を確認する役割を担います
    • 造化される表現の形状に関わらず、造化の工程に関連する、設計図、工程の手順、経験(習慣/技術/認識方法など)の用い方、物質の心から受ける干渉の程度、などを自覚的に監視し、完全な表現として造化されるように、工程を逐一に確認します
    • 整合性を確認した結果は、意識が感覚として感じ取り、腑に落ちる、納得する、違和感、不自然感、などとして感じることができます
    • 理性のおこなう整合性の確認が適切に機能せずに、不完全な表現が造化された場合には、無形的な形状では感情として表現され、一方で、有形的な形状では、意味を成さない文字の羅列、内容を表していない図表の描画、などとして表現されます
  • (1000/1000) 理性のおこなう整合性の確認は、有形的な表現の造化において、大きな役割を担っています
    • 有形的な表現に用いられる、文字、言語、図表、などは、文字/言語/図表などが表す範囲/定義を限定することによって成り立つために、明確に限定されるほどに、範囲/定義の僅かな差異が、内容の不整合を生み出しやすくなります
    • 文字/言語/図表などが表す範囲/定義を逐一に確認して、文字/言語/図表などを組み合わせて形成する表現の内容が整合性を保持するように、理性を用いています
  • (1000/1000) 分霊の同調する活動性の程度が高くなるほどに、整合性を確認する精度が向上します
    • 整合性を確認する精度の向上にともない、ひとつひとつの整合性を厳密に確認する程度が高くなり、僅かな差異/不整合であっても検出できるようになります
(1000/1000) 逐一に整合性を確認
(1000/1000) 逐一に整合性を確認

感覚

  • (1000/1000) 感覚は、無形的な表現(印象)の造化において、無形的な形状を鮮明化する役割を担います
    • 感覚は、無自覚的に用いられ、感性/知性によって絞り込み/濾過/抽出された、表現として造化する内容を構成する「いくつもの部分」を成形します
    • ひとつの印象を構成する「いくつもの部分」は、自動車を組み立てる際の、ひとつひとつの部品に譬[たと]えられ、部品を総合して組み合わせることで、自動車(ひとつの印象)が出来上がります
    • なお、感覚の機能特性と、造化した表現から意識が受ける感覚は、どちらも「感覚」という語を用いていますが、両者の定義は異なり、両者に関係性はありません
    • 意識の受ける感覚については、次節の3章8節 意識 #意識の受ける感覚を参照してください
  • (1000/1000) 分霊の同調する活動性の程度が高くなるほどに、無形的な形状を鮮明化する程度が向上します
    • 鮮明化する程度が向上することで、「いくつもの部分」の内容は明確になり、ひとつの明確な内容の印象へまとまりやすくなります
(1000/1000) 形状を鮮明にする
(1000/1000) 形状を鮮明にする

知覚

  • (1000/1000) 知覚は、無形的な表現(印象)の造化において、無形的な形状へまとめる役割を担います
    • 知覚は、自覚的に用いられ、感覚の機能特性によって鮮明化され、成形された「いくつもの部分」を組み合わせて、ひとつの印象へまとめます
    • 加えて、いくつもの印象を、ひとつの印象へ包括してまとめる際にも活用されます
  • (1000/1000) 分霊の同調する活動性の程度が高くなるほどに、ひとつの印象へ、まとめる範囲/量が増大します
    • まとめる範囲/量が増大することで、多くの「いくつもの部分」を同時にまとめられるようになり、また、多くの印象を包括してまとめられるようにもなります
(1000/1000) ひとつへまとめる
(1000/1000) ひとつへまとめる

意図

  • (1000/1000) 意図は、精神でおこなわれる造化の全体を統括する設計図としての役割を担います
    • 並列/並行しておこなわれる、無数の「表現を造化する工程」のすべてを無自覚的に統括し、精神全体で、無数の「表現を造化する工程」が、ひとつの方向性を有するようにまとめます
    • 意図は、無数の「表現を造化する工程」が、ひとつの方向性へ向くようにまとめますが、方向性は意志が決定します
    • 意図が、精神でおこなわれる「表現を造化する工程」の全体を統括することで、それぞれの「表現を造化する工程」の間に、秩序ある連携を維持できるようになります
    • それぞれの「表現を造化する工程」では、知識や外環境から受け入れた情報を設計図として表現を造化し、それぞれの「表現を造化する工程」へ意図は直接に関与しません
    • 知識が貯蔵する「表現を造化する設計図」が表現へ多様性を生み出すのに対して、意図の「全体を統括する設計図」は、それぞれの表現をひとつへまとめる統合性を有しています
  • (1000/1000) 意図による「表現を造化する工程」全体の統括は、無形的な表現の造化において、大きな役割を担っています
    • 文字/図表などで、ひとつの進行方向を有する線状に限定して内容を配置する有形的な表現に対して、無形的な表現は、制限のない立体状に内容を配置し、いくつもの無形的な表現が相互に有する内容のつながり(関係性/関連性)を保持したままで、大きなひとつの内容へ包括してまとめる必要があります
    • ひとつひとつの無形的な表現のつながりを保持して、それぞれの無形的な表現を配置するために、意図を用いています
  • (1000/1000) 分霊の同調する活動性の程度が⾼くなるほどに、造化の全体を統合する程度が高くなり、また、それぞれの「表現を造化する工程」の間で連携を維持する程度も緊密になります
(1000/1000) 全体を統括する
(1000/1000) 全体を統括する

意志

  • (1000/1000) 意志は、精神でおこなわれる造化の全体を統括する「工程の方向性」としての役割を担います
    • 並列/並行しておこなわれる、無数の「表現を造化する工程」のすべてを自覚的に統括し、精神全体で、無数の「表現を造化する工程」が向く方向性の決定と、方向性の強さを調整しています
    • 意志は、無数の「表現を造化する工程」が向く方向性を決定しますが、無数の「表現を造化する工程」を方向性へ向くようにまとめるのは意図がおこないます
    • それぞれの「表現を造化する工程」では、知識の貯蔵する「表現を造化する工程の手順」と、経験へ保存されている「表現を造化する工程の方向性」に基づいて表現を造化し、それぞれの「表現を造化する工程」へ意志は直接に関与しません
    • 知識の貯蔵する「表現を造化する工程の手順」と、経験へ保存されている「表現を造化する工程の方向性」が表現へ多様性を生み出すのに対して、意志の「全体を統括する方向性」は、それぞれの表現をひとつへまとめる統合性を有しています
  • (1000/1000) 精神でおこなわれる造化の全体が向く方向性を決定する役割は「自由意志」と呼ばれ、個体のおこなう行為の性質/程度を選択し、行為の積み重ねによって構成される生き方を規定しています
    • なお、意志は、造化する表現や行為の方向性の選択(自由意志)と、選択した方向性へ推進する強さを有しているだけであり、意志そのものには誠実/不誠実の性質がありません
    • 自由意志で選択する「選択肢の有する方向性」に誠実/不誠実の性質があり、選択した方向性が有する誠実/不誠実の性質/程度に基づいて、誠実/不誠実の性質を有する表現を造化します
    • 自由意志で選択できる無数の選択肢には、それぞれに特有の方向性があり、誠実の性質を有する複数の選択肢にも、誠実の程度によって有する方向性は異なり、同様に、不誠実の性質を有する複数の選択肢にも、不誠実の程度によって有する方向性は異なります
    • 自由意志については、4章6節 自由意志/運命を参照してください
  • (1000/1000) 意志による「表現を造化する工程」全体の統括は、無形的な表現の造化において、大きな役割を担っています
    • 無形的な表現は、ひとつひとつの無形的な表現の内容が有する方向性を保持したままで、大きなひとつの方向性へ向くようにまとめる必要があります
  • (1000/1000) 分霊の同調する活動性の程度が⾼くなるほどに、造化の全体が向く方向性を決定づける強さの程度(意志の強さ)が高くなります
    • 強い意志が、「同調する活動性の程度を高める」という方向性へ、造化の全体を向けさせるとも表現できます
    • 加えて、精神でおこなわれる造化の全体が向く方向性を選択/決定するための、方向性の選択肢が増大/拡大します
(1000/1000) 方向性の決定と推進する強さ
(1000/1000) 方向性の決定と推進する強さ

経験

  • (1000/1000) 経験は、ひとつひとつの表現を造化する工程での、造化の方向性を決定する役割を担います
    • 記録の有する「工程の手順」は、特定の表現を造化する順序を示しているのに対して、経験の有する「工程の方向性」は、順序の向かう方向性と、方向性の強さを決定づけます
    • ただし、意志とは異なり、経験には、方向性の強さを調整することはできず、経験へ保存されている、それぞれの「工程の方向性」の有している強さが、造化の方向性へ向ける強さとして表れます
  • (1000/1000) 経験に保存されている無数の「工程の方向性」は、誠実な性質の表現を造化する方向性、不誠実な性質の表現を造化する方向性、誠実/不誠実の性質と関係しない方向性、の3つに大別されます
    • 誠実な性質の表現を造化する方向性を用いて造化された表現は、誠実の性質を示し、一方で、不誠実な性質の表現を造化する方向性を用いて造化された表現は、不誠実の性質を示します
    • 誠実/不誠実の性質と関係しない方向性は、誠実/不誠実な性質の表現を造化する方向性と組み合わされて表現を造化する工程へ影響を与え、造化された表現は、誠実/不誠実のどちらかの性質を必ず示します
    • ひとつひとつの「工程の方向性」は、特定の状況で、特定の方向性を有する表現を造化するようにはたらき、いくつもの「工程の方向性」が相互に組み合わさりながら、ひとつの表現を造化する工程の方向性を決定します
    • ひとつひとつの「工程の方向性」が有する強さは様々であり、ひとつの表現を造化する工程で用いられた複数の「工程の方向性」の有する強さの総合が、ひとつの表現を造化する工程での方向性の強さを決定づけます
    • 表現を造化する工程で用いられた「工程の方向性」は、徐々に強くなり、表現を造化する工程で用いられる頻度も高くなります
    • 逆に、表現を造化する工程で用いられなかった「工程の方向性」は、徐々に弱くなり、表現を造化する工程で用いられる頻度も低くなります
    • なお、経験に保存されている無数の「工程の方向性」は、表現の造化に用いられて強くなるか、造化に用いられなくなり弱くなるか、のどちらかであり、どれほどに弱くなっても消去される状況はありません
(1000/1000) 経験へ保存されている方向性
(1000/1000) 経験へ保存されている方向性
  • (1000/1000) 経験に保存されている無数の「工程の方向性」には、認識の方向性(有形的/無形的な認識方法)、ひとつひとつの行為を造化するための方向性/習慣、ひとつひとつの行為を造化する際に付与する活動性の程度ごとの習慣、物的な発話/行動の技術、思考の内容を造化する有形的/無形的な技術、などがあり、これらの中には、地獄の性質を示す利己性/自己中心性/欲望によって形成される習慣、幻想の捉え方、恐れ/怯え、狡猾性/残忍性、固執を示す地縛、様々な固定観念/既成概念の囚われ、なども含まれます
    • 大霊の心/物質の心から影響を受けて分霊の心が精神で表現を造化した際に、表現の造化に関連する習慣が経験へ保存されます
    • 大霊の心から受けた影響に起因して保存される習慣は、誠実な性質の表現を造化する方向性として、はたらきます
    • 物質の心から受けた影響に起因して保存される習慣は、不誠実な性質の表現を造化する方向性として、はたらきます
    • 物質の心から影響(干渉)を受けて造化した不誠実な性質の表現と、その表現に基づく言動を造り出す習慣も逐一に保存されているために、有形界/無形界で、物質の心から干渉を受けていなくても、この習慣が、分霊の心に不誠実な性質の表現の造化と、その表現に基づく言動をおこなわせる原因となっています
    • 経験には、有形界/無形界に関わらず、大霊から分霊として分割されて以降の、あらゆる体験に基づいて形成された習慣/技術などが保存されており、人霊として体験し形成した内容だけでなく、動物霊として体験し形成した内容も含まれています
(1000/1000) 造化へ影響を与える心と経験へ保存される習慣
(1000/1000) 造化へ影響を与える心と経験へ保存される習慣
  • (1000/1000) これまでのあらゆる体験を通して得た方向性/習慣/技術などの経験は、自覚できない意識の領域に貯蔵されています
    • 経験へ保存されている無数の方向性/習慣/技術そのものは自覚できませんが、これらを用いて造化された表現の内容を通して、どのような方向性/習慣/技術などを、どの程度の強さで保存されているのかへ気づくことができます
    • 経験の保存量を増大させても、分霊の成長にはつながりませんが、これらを用いて造化する表現の多様性へつながります
    • どのような内容、どのような性質、どれくらいの強さ/程度、の方向性/習慣/技術などを保存するのかによって、分霊の成長を促進する場合もあれば、成長を退行させる場合もあります
  • (1000/1000) 経験に貯蔵されている「工程の方向性」は、分霊の同調する活動性の程度に直接的な影響を受けません
    • 「工程の方向性」は、表現を造化する工程への使用頻度によってのみ、方向性の強さが更新されていきます

記録

  • (1000/1000) 記録は、これまでの「あらゆる体験」を通して受け入れてきた内容が貯蔵されている貯蔵庫です
    • 今回の地上での生活だけでなく、これまでの無形界/地上での生活を通して体験した物事/現象/出来事などから逐一に受け入れてきた内容のすべてが貯蔵されています
    • 記録の貯蔵庫は、情報、知識、の2つで構成されており、知識は更に、理解した知識、実証された知識、の2つに区分されます
(1000/1000) 記録の構成
(1000/1000) 記録の構成
  • (1000/1000) これまでのあらゆる体験を通して得た、情報/知識は、自覚できる意識の領域/自覚できない意識の領域の、それぞれに区分して貯蔵されています
    • 情報と、理解した知識は、自覚できる意識の領域に貯蔵され、一方で、実証された知識は、自覚できない意識の領域に貯蔵されます
    • ただし、無形界で自覚できる意識の領域と、有形界で自覚できる意識の領域は、範囲が異なるために、地上で自覚できる情報/理解した知識は、貯蔵されている中の僅かに過ぎません
    • 情報/知識の貯蔵量を増大させても、分霊の成長にはつながりませんが、これらを用いて造化する表現の多様性へつながります
    • 記録へ受け入れ貯蔵した内容が消去される状況はありませんが、表現の造化へ頻繁に用いられる内容は記録から即時に抽出しやすく、頻繁に用いられない内容は抽出に遅延がみられるようになります
(1000/1000) 情報/知識の貯蔵と意識
(1000/1000) 情報/知識の貯蔵と意識
情報
  • (1000/1000) 情報には、外環境から受け入れ、認識した、有形的/無形的な表現が自覚的に貯蔵されています
    • 情報は、貯蔵される際に、理性/気づきの機能特性によって、表現の内容が有する正しさの程度、誤謬[ごびゅう]/錯誤[さくご]、誠実/不誠実の性質、などの整合性が確認されておらず、外環境から取り込んだままの内容として貯蔵されています
    • 貯蔵されている表現は、表現の内容を考察する際に記録から呼び出されるか、あるいは、外環境へ表現するための新たな表現を造化する際に呼び出されます
    • 情報に貯蔵されている表現は、認識した内容ですが、未だ理解していない内容のために、外環境へ表現する造化の工程で呼び出されても、応用性の程度は低いです
  • (1000/1000) 情報に貯蔵されている表現は、分霊の同調する活動性の程度に直接的な影響を受けません
    • 加えて、情報の貯蔵量が分霊の成長へ直接的に影響を与える状況もありません
    • 正しさの程度(真実度)が高く、高い活動性の程度が付与されている情報であったとしても、その情報が直接的に分霊の成長を促進する状況はなく、情報の内容を理解し、その内容を自身の体験を通して実証する過程で、成長の学びを得られ、成長へつながるようになります
    • 分霊の同調する活動性の程度が高くなるのにともない、認識の程度も向上するために、情報の内容を考察する程度は高くなります
知識
  • (1000/1000) 知識には、外環境から受け入れ、理解した有形的/無形的な表現(理解した知識)と、自己の実証を通して得た「表現を造化するための設計図/工程の手順」(実証した知識)が貯蔵されています
    • 外環境から受け入れ認識した情報の内容を理解することで、理解した有形的/無形的な表現が貯蔵され、更に、理解した有形的/無形的な表現の内容を、自身の体験を通して実証することで、理解した有形的/無形的な表現の内容を造化するための設計図/工程の手順が貯蔵されます
    • 理解した知識は造化された表現(実体)であり、表現の内容を自覚できますが、一方で、実証した知識は、表現の内容を造化するための設計図/工程の手順であり、造化された表現(実体)ではないために、「設計図/工程の手順」の内容を自覚することはできません
    • 理解した知識は、貯蔵される際に、理性/気づきの機能特性によって、表現の内容が有する正しさの程度、誤謬[ごびゅう]/錯誤[さくご]、誠実/不誠実の性質、などの整合性が確認された後に、整合性のある内容のみが貯蔵され、整合性のない内容は貯蔵されません
    • 整合性のない内容は、知識とはならずに、情報のままで貯蔵されます
    • 貯蔵されている「有形的/無形的な表現(理解した知識)」と「設計図/工程の手順(実証した知識)」は、表現の内容を考察する際に記録から呼び出されるか、あるいは、外環境へ表現するための新たな表現を造化する際に呼び出されます
    • 知識に貯蔵されている表現(理解した知識)は、既に理解した内容であり、外環境へ表現する造化の工程で呼び出されても高い応用性を示しますが、更に、実証して貯蔵した設計図/工程の手順(実証した知識)は、汎用性が高く、無限に応用することができます
    • 意図の「全体を統括する設計図」と、意志の「全体を統括する方向性」は、それぞれの表現をひとつへまとめる統合性を有しているのに対して、知識が貯蔵する「表現を造化する設計図/工程の手順」は、表現へ多様性を生み出します
  • (1000/1000) 知識に貯蔵されている表現と、設計図/工程の手順は、分霊の同調する活動性の程度に直接的な影響を受けません
    • 加えて、知識の貯蔵量が分霊の成長へ直接的に影響を与える状況もありません
    • 分霊の同調する活動性の程度が高くなるのにともない、認識の程度も向上するために、理解した知識の内容を考察する程度は高くなります
表現を造化する設計図/工程の手順/工程の方向性の違い
  • (1000/1000) 表現を造化する設計図、工程の手順、工程の方向性は、表現を造化する工程に関与し、表現を造り出すための骨格となります
    • 表現を造化するには、必ず、設計図、工程の手順、工程の方向性、の3つが必要であり、ひとつでも欠けていると表現を造化できません
    • 設計図には、精神全体で並列/並行しておこなわれる造化の工程の総合的な設計図となる「意図の機能特性によるはたらき」、記録の機能特性へ貯蔵されている「情報」「理解した知識」「実証した知識」があります
    • 工程の手順には、記録の機能特性へ貯蔵されている「情報」「理解した知識」「実証した知識」があります
    • 工程の方向性には、精神全体で並列/並行しておこなわれる造化の工程の総合的な方向性となる「意志の機能特性によるはたらき」、経験の機能特性へ保存されている方向性があります
    • 「実証した知識」は、設計図/工程の手順そのものであり、複数の設計図や、複数の工程の手順を組み合わせて、新たな設計図/工程の手順を構築する応用性を無限に有しており汎用的です
    • 「理解した知識」は、造化された表現であり、表現の内容の整合性は確認できているものの、設計図/工程の手順そのものではないために、複数の設計図や、複数の工程の手順を組み合わせて、新たな設計図/工程の手順を構築する応用性は大きいですが、用途は限定され汎用的ではありません
    • 「情報」は、造化された表現であり、表現の内容の整合性は未確認で、設計図/工程の手順そのものではないために、複数の設計図や、複数の工程の手順を組み合わせて、新たな設計図/工程の手順を構築する応用性は小さく、用途は限定され汎用的ではありません
    • 譬[たと]えると、「実証した知識」は自動車を部品から組み立てる組立手順書、「理解した知識」は現物の自動車を外観から観察して内部の構造を推測した内容、「情報」は現物の自動車の外観を観察した内容、をそれぞれ指しており、新たに自動車を部品から組み立てる際に、外観や内部の構造を組み立てられる程度が異なります
(1000/1000) 設計図/工程の手順/工程の方向性を有するもの
(1000/1000) 設計図/工程の手順/工程の方向性を有するもの
  • (1000/1000) 表現を造化する設計図は、造り出す表現の内容の全体像となります
    • 設計図に基づいて造り出せる表現の内容ごとに「設計図」があり、無数に貯蔵している設計図を組み合わせて、表現の造化へ用いる新たな設計図を構築します
    • 設計図には、表現の内容を造り出すのに必要とする構成が、あらかじめに決められており、表現を造化し始めてから途中で設計図が変更される状況はありません
    • 調理に譬[たと]えると、設計図は、造り出そうとしている料理の概要と、必要な材料が記載されているレシピの一部を表しています
  • (1000/1000) 表現を造化する工程の手順は、表現の内容を構築する順序となります
    • 手順に基づいて造り出せる表現の内容ごとに「工程の手順」があり、無数に貯蔵している工程の手順を組み合わせて、表現の造化へ用いる新たな工程の手順を構築します
    • 工程の手順には、ひとつひとつの順次におこなう工程が、あらかじめに決められており、表現を造化し始めてから途中で手順が変更される状況はありません
    • 調理に譬[たと]えると、工程の手順は、どのような順序で、どのように材料を加工/調合していくのかが記載されているレシピの一部を表しています
  • (1000/1000) 表現を造化する工程の方向性は、表現の内容を構築する手段となります
    • 設計図/工程の手順に基づいて表現の内容を構築する過程で、それぞれの強さを有する様々な方向性が適宜に加えられ、加えられた方向性/方向性の強さが総合されて、ある強さを有する、ひとつの方向性として表現の内容へ表れます
    • 複数人が、同じ設計図/工程の手順を用いて表現を造化したとしても、造化する者が有する様々な方向性/方向性の強さによって、同じ内容の表現が造化されるとは限らず、全く異なる内容の表現が造化される状況もあります
    • 調理に譬[たと]えると、工程の方向性は、レシピ(設計図/工程の手順)に基づいて調理する過程で、調理する者がおこなう、計量の方法、材料の切り方、火の通し方、盛り付け、などの技術を表しています
(1000/1000) 設計図/工程の手順/工程の方向性と表現の造化
(1000/1000) 設計図/工程の手順/工程の方向性と表現の造化

物質の心

  • (1000/1000) 物質の心は、有形体の活動を統御しており、有形体の均衡/調和を維持するために、分霊の心がおこなう表現の造化へ影響を与えます
    • 物質の心は、有形体という3,4次元で構成される構造体の一部であり、4次元の範囲に存在しています
    • 物質の心のはたらきについては、3章5節 有形体 #物質の心も参考にしてください
(1000/1000) 外的構造/内的構造の側面
(1000/1000) 外的構造/内的構造の側面
  • (1000/1000) 物質の心は、⽣命の活動性を有しておらず、分霊の心から物質の心へ付与され続けている⽣命の活動性を中継して、有形体での物的な活動の造化をおこないます
    • 有形体での物的な活動の造化をおこなう過程で、物質の心の外的構造としての側面が、「有形体の活動を維持するために必要な内容」を、分霊の心から付与される誠実な性質の活動性を変質させた不誠実な性質の活動性を用いて、内的構造へ送ります
    • 物質の心の内的構造としての側面が、外的構造の側面から不誠実な性質の活動性を用いて送られてきた「有形体の活動を維持するために必要な内容」に基づいて、精神で利己性/自己中心性/欲望を造化します
    • 利己性/自己中心性/欲望は、分霊の心がおこなう様々な表現の造化へ干渉して、分霊の心へ、有形体への対応を優先しておこなうように、はたらきかけます
(1000/1000) 物質の心のはたらき
(1000/1000) 物質の心のはたらき
  • (1000/1000) 機能特性には、獣性、動機、を有しています
    • 物質の心が有する機能特性は、分霊の心がおこなう表現の造化を担っていません
    • 同様に、分霊の心が、物質の心の有する機能特性を、表現の造化へ用いることもできません
    • 分霊の同調する活動性の程度が、物質の心の有する機能特性へ影響を与える状況はなく、有形体の均衡/調和の程度のみが機能特性へ影響を与え、有形体の均衡/調和が崩れるほどに、機能特性の活性する程度も高くなります
(1000/1000) 物質の心の機能特性
(1000/1000) 物質の心の機能特性

獣性

  • (1000/1000) 獣性は、「有形体の活動を維持するために必要な内容」を決定する役割を担っています
    • 有形体の均衡/調和の状況を絶え間なく監視して、均衡/調和を維持するために必要な内容を決定し、これらの内容へ対応するように、分霊の心へ要求しますが、分霊の心には、獣性の「はたらき」を直接に自覚できません
    • 「有形体の活動を維持するために必要な内容」を設計図/工程の手順として、精神で利己性/自己中心性/欲望を造化します
    • 様々な内容を分霊の心へ要求しますが、全ての内容は、有形体を維持できなくなることへの、恐れ/怯えを土台としています

動機

  • (1000/1000) 動機は、「有形体の活動を維持するために必要な内容」を、分霊の心へ要求する頻度を調整する役割を担っています
    • 有形体の、疲労、飢餓、熱、冷え、疾病、怪我、痛み、などの程度が強くなるほどに、「有形体の活動を維持するために必要な内容」を内的構造へと送る頻度が高くなり、単位時間あたりに造化される利己性/自己中心性/欲望が増大します
    • 「有形体の活動を維持するために必要な内容」を内的構造へと送る頻度を工程の方向性として、精神で利己性/自己中心性/欲望を造化します
    • 分霊の心は、動機のおこなう、内的構造へと送る頻度を調整する「はたらき」を直接に自覚できますが、分霊の心に動機の「はたらき」を制御することはできません
(1000/1000) 有形体に必要な内容を要求する
(1000/1000) 有形体に必要な内容を要求する

大霊の心

  • (1000/1000) 大霊の心は、分霊の成長を支援するために、分霊の心がおこなう表現の造化へ影響を与えます
    • 大霊の心は、あらゆる分霊が有する、意図、意志、知識、経験、などの総合であり、大霊の摂理を構成する「無限の叡智、無限の愛」そのものを表しています
    • 大霊の心には、個体としての領域と、全体としての領域があり、個体としての領域は意識の範囲に属しており、一方で、全体としての領域は意識外に属しています
    • 大霊の心は、分霊の総体を表しているために、分霊の心と同様に、4次元以上の範囲に存在しています
    • 大霊については、2章2節 大霊を参照してください
(1000/1000) 外的構造/内的構造の側面
(1000/1000) 外的構造/内的構造の側面
  • (1000/1000) 大霊の心/分霊の心は不可分であり、それぞれが独立した心ではありません
    • 全体としての大霊から、個体として区切られた部分が分霊であるために、全体としての心が大霊の心であり、個体として区切られた心が分霊の心となります
    • 大霊の心/分霊の心が不可分なために、個体と個体の間、あるいは、個体と全体の間で、精神伝達/祈り/筋反射検査などでの印象の送付、天使からの支援/援助、などがおこなえるのであり、もしも、大霊の心/分霊の心が、それぞれ分離し独立した心であったのならば、印象の送付などはできません
    • 加えて、分霊の心が、自己の有する活動性の程度よりも高い/低い活動性の程度を外環境から認識できるのも、大霊の心/分霊の心が不可分なためにできるのであり、両者が分離していれば、自己の有する活動性以外の活動性の程度を認識することはできません
  • (1000/1000) 大霊の心は、自覚できない意識の領域/意識外に加えて、有形界では自覚できる意識の領域にも属していますが、無形界では自覚できる意識の領域には属していません
    • 有形界で、自覚できる意識の領域にも属しているのは、有形界では、鈍重で粗雑な有形体を用いて活動することで、分霊の心が本来に有している精細な「はたらき」を発揮できないために、大霊の心が土台として機能特性を提供し、分霊の心の「はたらき」を絶え間なく支援しています
    • 無形界では、分霊の心が本来に有している精細な「はたらき」を発揮できるために、大霊の心は土台として分霊の心を支援しませんが、常に、分霊の心/大霊の心は一体を成しています
(1000/1000) 有形界/無形界での大霊の心のはたらき
(1000/1000) 有形界/無形界での大霊の心のはたらき
  • (1000/1000) 機能特性には、有形界では、気づき、叡智、愛、無限の叡智、無限の愛、を有しています
    • 無形界では、気づき/叡智/愛の機能特性を有さず、無限の叡智、無限の愛、の2つのみを有しています
    • 自覚できる意識の領域にある「気づき」と、自覚できない意識の領域にある「叡智/愛」の機能特性は、有形界で、分霊の心の「はたらき」を支援するためだけに有しています
    • 大霊の心は、分霊の心がおこなう表現の造化を支援していますが、大霊の心が精神で直接に表現を造化する状況はありません
    • 同様に、分霊の心が、大霊の心の有する機能特性を、表現の造化へ用いることもできません
  • (1000/1000) 分霊の同調する活動性の程度が、大霊の心の有する機能特性へ影響を与える状況はありません
    • ただし、大霊の心の機能特性がおこなう分霊の心への支援を、分霊の心が受け入れられる程度は、分霊の同調する活動性の程度に影響を受けます
    • 分霊の同調する活動性の程度が高くなるほどに、分霊の心の有する機能特性が活性するために、多くの支援を受け入れやすくなります
    • 加えて、同調する活動性の程度に相応する「支援を受け入れやすい」程度とは別に、分霊の心がおこなう「支援を受け入れる/受け入れない」の自由意志に基づく自覚的/無自覚的な選択によっては、支援を受け入れやすい状況であったとしても、支援を受け入れていない場合があります
(1000/1000) 大霊の心の機能特性
(1000/1000) 大霊の心の機能特性

気づき

  • (1000/1000) 気づきは、精神でおこなわれる造化の全体を統括して、様々な整合性を確認する役割を担います
    • 並列/並行しておこなわれる、無数の「表現を造化する工程」が、意図/意志によって精神全体で、ひとつの方向性へまとめられていく工程を、自覚的に監視し、ひとつの方向性へ向くように、工程を逐一に確認します
    • 理性が、多様性を生み出す「それぞれの方向性で表現を造化する工程」の整合性を確認するのに対して、気づきは、「それぞれの方向性で表現を造化する工程」を「ひとつの大きな方向性へまとめる工程」の整合性を確認する統合性を有しています
    • 整合性を確認した結果は、意識が感覚として感じ取り、腑に落ちる、納得する、違和感、不自然感、などとして感じることができます
    • 気づきのおこなう整合性の確認が適切に機能せずに、「それぞれの方向性で表現を造化する工程」が「ひとつの大きな方向性」へまとまらない場合には、無形的な形状では、個々の印象につながりのない内容となり、一方で、有形的な形状では、支離滅裂な内容、などとして表現されます
  • (1000/1000) 無形界では、気づきの機能特性を有していませんが、分霊の心の有する理性の機能特性が、無数の「表現を造化する工程」と、精神全体で「ひとつの大きな方向性へまとめる工程」の、両方の工程での整合性を確認します
    • 有形界では、鈍重で粗雑な有形体を用いて活動するために、理性は本来に有している精細な機能を充分に発揮できません
    • 一方で、無形界では、理性は本来に有している精細な機能を充分に発揮できるために、気づきの支援を必要としません

叡智

  • (1000/1000) 叡智は、無限の叡智から送付された印象を受け取る役割を担います
    • 無限の叡智から受け取った印象は、分霊の心がおこなう「表現を造化する工程」へ送られ、閃きの表現が造化されるように、はたらきかけます
    • 叡智は、受信機としての役割のみを有しており、叡智から無限の叡智へ印象を送信する役割は有していません
    • 有形界では、鈍重で粗雑な有形体を用いて活動することで、分霊の心が、無限の叡智から送られてきた精細な印象へ気づき難いために、分霊の心と無限の叡智の間を、叡智が中継して、印象へ気づきやすくしています

  • (1000/1000) 愛は、無限の愛から送付された活動性を受け取る役割を担います
    • 無限の愛から受け取った活動性は、分霊の心がおこなう「表現を造化する工程」へ送られ、表現へ付与される活動性の程度を高め、また、「造化の方向性」が特定の方向性へ向くように、はたらきかけます
    • 愛は、受信機としての役割のみを有しており、愛から無限の愛へ活動性を送信する役割は有していません
    • 有形界では、鈍重で粗雑な有形体を用いて活動することで、分霊の心が、無限の愛から送られてきた精細な活動性へ気づき難いために、分霊の心と無限の愛の間を、愛が中継して、活動性へ気づきやすくしています

無限の叡智

  • (1000/1000) 無限の叡智は、大霊の摂理そのものであり、あらゆる分霊の有する、知識、思考、などを、叡智の機能特性へ送る役割を担います
    • 「無限の叡智」の機能特性とは、大霊の摂理を構成する無限の叡智(全体)が、個体へおこなう支援/援助の総合を指しています
    • 有形界では、主に、天使たちが地上で生活する人へ「支援/援助/教導するための印象を送る活動」として表されます
    • 天使の活動については、4章10節 天使を参照してください

無限の愛

  • (1000/1000) 無限の愛は、大霊の摂理そのものであり、あらゆる分霊の有する「⾃⼰を⾃⼰以外のために役⽴てたい」という思いを、愛の機能特性へ送る役割を担います
    • 「無限の愛」の機能特性とは、無限の叡智と同様に、大霊の摂理を構成する無限の愛(全体)が、個体へおこなう支援/援助の総合を指しています
    • 有形界では、主に、天使たちが地上で生活する人へ「成長を促進する方向性」を指し示す活動として表されます
(1000/1000) 有形界/無形界での機能特性の構成
(1000/1000) 有形界/無形界での機能特性の構成

至言の紹介

(1000/1000)「シルバーバーチ」
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少しでも社会の啓発へ役立っているだろうか?
知識の蓄積を怠[おこた]っていないだろうか?
知識を他者へ分け与える努力をしているだろうか?
これで最善を尽くしているといえるだろうか?
誠実に自己へ問いかけてみることです
そうすれば自[おの]ずと答えが出てまいります
自己は今この瞬間に何を為す必要があるのか?
それを素直に自覚するだけでよいのです
この内省を日常生活で徹底させれば
決して道を誤ることはありません
(1000/1000)「瀞沁」
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利⼰的/⾃⼰中⼼的な⾏為は
⾃覚していても、自覚していなくても
その代償を背負い⽀払うことになるのです
⾃⼰の⾃覚の有無に関わらず
⼼は⾏為の善悪に気づいているからです
ならば、代償を⽀払う必要のない⾏為を
⾃覚しておこなうように⼼掛けることです

質疑応答

  • それぞれの質問文を押すと、応答文が表示/非表示されます
    • すべての応答文を一括して開くには、「すべての質疑応答を開く」ボタンを押してください
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心全般について

(1000/1000)

 分霊が造化する表現へ付与するために有している活動性の性質は、誠実の性質のみですが、分霊そのものは、大霊と同様に、様々な性質の活動性で構成されています。世界(大霊/大霊の心)が入れ子構造を成す様々な性質の無数の活動性によって構成されているのと同様に、大霊から分割された分霊(分霊の心)も、様々な性質の活動性が入れ子構造を成して形成されている活動性の総合体です。様々な性質の活動性が入れ子構造を成して、ひとつの総合体を形成している状況は、いくつもの細胞が集まり組織が形成され、組織が集まり機能系統が形成され、機能系統が集まり肉体を形成していることへ譬[たと]えられます。世界を構成する無数の性質の活動性については、2章1節 世界全体の構造を参照してください。

 表現を造化する工程へ関与する、分霊の心の有する機能特性のそれぞれは、複数の性質の活動性が総合(組み合わせ)されて、ひとつの機能として表れた活動性の集合体といえます。ひとつの機能として総合される活動性には、誠実な性質に区分される活動性だけでなく、誠実/不誠実の性質と関係しない他の性質の様々な活動性も含まれていますが、誠実/不誠実の性質と関係しない性質の活動性は、造化する表現へ付与されません。これは、工場のベルトコンベアーの各所で作動している機械/センサーなどへ譬[たと]えられ、機械/センサーそのものを稼働させるのと、ベルトコンベアー(生産の工程)で製造されている製品へ機械を通して工程を加えるのとは異なるのです。

 ただし、分霊の心の有する機能特性そのものは、不誠実な性質に区分される活動性を有していません。分霊の心が表現を造化する工程で、不誠実な性質の活動性を付与して不誠実な性質の表現を造化する場合もあるのは、記録に貯蔵されている内容と、経験に保存されている内容に、不誠実な性質の活動性が含まれているためです。

 分霊の心の有する機能特性の中でも、記録に貯蔵されている情報/理解した知識の中には、外環境から受け入れた「不誠実な性質の表現」に由来する「不誠実な性質の活動性」も含まれており、同様に、経験へ保存されている習慣には、物質の心から影響を受けて形成された「不誠実な性質の表現を造化する習慣」が有する「不誠実な性質の活動性」も含まれています。これらの貯蔵/保存されている不誠実な性質の活動性が付与された内容が、表現を造化する際に、分霊の有する誠実な性質の「生命の活動性」を不誠実な性質へと変質させるように、はたらきかけ、表現へ不誠実な性質の活動性を付与させるのです。分霊は、誠実な性質の活動性を用いて造化の工程を起動し、原素材へ活動性を与えて実体化(表現を造化)していますが、表現を造化する工程の途中で、不誠実な性質の活動性が加えられるように「はたらきかけられる」ことによって、結果として、表現に不誠実な性質の活動性が混入し、不誠実な性質の表現となる点に留意してください。分霊が不誠実な性質の活動性を用いて造化の工程を起動しているのではないのです。

(1000/1000) 機能特性と表現へ付与する活動性の性質
(1000/1000) 機能特性と表現へ付与する活動性の性質

分霊の心

(1000/1000)

 社会で用いられている「意図する」は、特定の方向性を有する明確な「思考」の内容に基づき、自覚しておこなわれる言動を指しています。思考は造化された実体のために、表現の形状に関わらず、思考の内容を自覚することができます。一方で、機能特性としての意図は、精神全体での表現の造化を統括する設計図であり、造化された実体ではないために、意図の内容を自覚することができません。

 地上で用いられている言語には、肉眼に視えない物事/現象を表す単語が少なく、同じ単語でも定義されている内容は様々です。「意図する」の、「意」は自覚することであり、「図」は思考の内容を指しています。一方で、機能特性としての「意図」は、思考などを造り出す設計図そのものを指しています。個々の分霊が有する機能特性としての「意図の内容」は、大霊/全体の「世界を促進する計画」と関連しています。分霊は大霊から独立した存在ではなく、大霊から区切られた存在であり、あらゆる分霊(個体)の有する意図は、世界を進化させていく大霊(全体/世界)の計画とつながっているのです。大霊の計画については、2章2節 大霊 #摂理を参照してください。

 個体の造化する表現/行為のすべては、大霊の計画とつながりのある「意図」に基づいています。無限の範囲/程度を有し、十全性を表す大霊の計画を、不完全性を有する分霊には自覚することも、理解することもできません。個体に自覚できる可能性があるのは、意図に基づいておこなわれる「表現/行為を造化する工程で関与した様々な内容(表現/行為を造化する目的)」となります。表現/行為を造化する目的は、多くの場合では自覚していませんが、自覚するように努めて(内省して)いれば、徐々に自覚できるようになります。

 この質疑応答に関連する内容には、5章1節 修養の生活 #質疑応答の「行為をおこなう際の「行為の目的」とは何を表しているのですか?」がありますので参考にしてください。

(1000/1000)

 思い出は、記録に貯蔵されている「情報」に含まれます。「思い出」と呼ばれている情報は、有形界/無形界で体験した「物的/有形的な体験そのもの」の内容を指していますが、体験の内容を理解して、体験の内容が知識となる状況はみられません。体験の内容を通して「考察する内容」に、理解できる/理解できないがみられ、理解した内容が知識として貯蔵されます。「物的/有形的な体験の内容」と「体験を通して考察する内容」は同じではない点に留意してください。

 成長の観点から捉えると、物的/有形的な体験の内容が、成長への学びにつながる状況はありません。成長への学びにつながる内容は、物的/有形的な体験を通して考察し、考察して理解した内容(理解した知識)を、更に自己の体験を通して実証した内容(実証した知識)となります。なお、苦難の思い出と、喜びの思い出の両者では、物的/有形的な体験の内容は異なりますが、体験を通して考察し、理解した内容や実証した内容は同じ場合もあります。これは、学びを得るためには、表面的(物的/有形的)な体験の内容ではなく、本質的(無形的)な内容へ意識を向ける必要があることを示しています。

 情報であっても、知識であっても、一度でも記録へ受け入れた内容は決して消去されません。日々の生活の中で、ある内容を思い出しやすい、思い出し難い、思い出せない、などの状況がみられるのは、記録に貯蔵されている無数の内容を検索し、該当する内容を抽出するのに必要とする時間が異なるだけに過ぎません。記録へ貯蔵されている内容を有形的な位置関係で捉えた場合には、記録から頻繁に抽出される内容は、何時[いつ]でも抽出しやすい近い位置に準備されているのですが、抽出される頻度が低い内容ほどに、抽出し難い遠くに収納されるように、配置換えが常に自動的におこなわれています。

 また、情報/知識を比較した場合では、理解した知識は、内容ごとに分類したうえで整理されているために、遠くに収納されていたとしても、比較的に長い時間を必要とせずに検索して抽出しやすいです。一方で、情報は、内容ごとに分類されておらず、乱雑に積み重ねられているだけのために、近くに収納されているのならば比較的に短い時間で検索して抽出しやすいものの、遠くに収納されているほどに、検索には長い時間を必要とし、状況によっては一度の検索で探し当てられずに、繰り返し検索している過程で探し当てることができる場合もみられます。

(1000/1000)

 理解した知識には、自己にとって正しい内容のみが貯蔵されています。すべての「理解した知識」は、現在の成長段階において、自己が違和感/不自然感を感じ取ることなく納得して受け入れた内容のために、正しいと判断した内容のみが理解した知識として貯蔵されており、誤りと判断した内容は理解した知識として貯蔵されません。理解した知識の内容に正しさ/誤りがないのは、理解した知識は、外環境から受け入れた情報を理解する過程で、分霊の心が有する理性の機能特性によって、内容の整合性が確認されているためです。理性の機能特性が、外環境から受け入れた情報の内容へおこなう「整合性の確認」には、誠実/不誠実の性質の判断、記述されている語と語の有する定義のつながり、文章と文章の内容のつながり、などがあり、僅かにでも不整合性を感じ取ったのならば、理解した知識として貯蔵されません。

 「理解する」とは、違和感、不自然感、矛盾感、などの不整合性を感じ取ることなく、納得して受け入れることを指しています。そのため、情報を理解して貯蔵した「理解した知識」は、すべてが整合性のある内容であり、この内容は、現在に有する認識の程度で正しいと判断した内容と、過去に有していた認識の程度で正しいと判断した内容に区分されます。貯蔵している理解した知識は、自己の成長にともなう現在に有する認識の程度で、過去の相対的に低い認識の程度で受け入れた内容の整合性を確認し直して、現在に有する認識の程度で正しいと判断した内容へ逐次に更新しています。もしも、過去の認識の程度で整合性のあった内容が、現在の認識の程度で不整合性を示したのならば、該当する内容は情報として貯蔵されるか、あるいは、整合性のある内容へと修正したうえで、理解した知識として貯蔵されます。貯蔵している「理解した知識」は常に整合性のある内容のみとなるのです。常に整合性のある内容のみが「理解した知識」として貯蔵されるものの、「理解した知識」には、誠実な性質の内容もあれば、不誠実な性質の内容もある点に留意してください。現在の自己の成長段階において、不誠実な性質の情報から不整合性を感じ取らなかったのならば、不誠実な性質の「理解した知識」として貯蔵されます。

 ただし、貯蔵されている「理解した知識」の、それぞれの内容が有する「正しさの程度」は様々です。それぞれの内容が有する「正しさの程度」は、整合性の再確認と同様に、現在に有する認識の程度で、過去の相対的に低い認識の程度に相応する「正しさの程度」の内容を考察し直して、現在に有する認識の程度に相応する「正しさの程度」の内容へ逐次に更新しています。理解した知識の有する「正しさの程度」は、有形的な表現の内容であるのならば、真実度として測定できます。一方で、貯蔵している情報は、理性の機能特性によって整合性が確認されていない「正しい/誤りを未だ判断していない内容」であり、ある基準/方向性に対して、正しさ、誤り、正確、不正確、などの判断があります。

 なお、貯蔵されている「実証した知識」は、表現を造化する設計図/工程の手順のために、正しさ/誤り、正しさの程度、などはありません。造化された表現(情報/理解した知識)にのみ、正しさ/誤り、正しさの程度、などがあります。

(1000/1000)

 記録へ貯蔵されている「理解した知識」には、誠実な性質の内容だけでなく、不誠実な性質の内容も含まれます。誠実な内容の知識だけでなく、不誠実な性質を示す内容の知識であったとしても「正しさの程度(真実度)」は有していますが、不誠実な性質の内容では、極めて低い真実度の測定される特徴がみられます。

 「理解した知識」に不誠実な性質の内容が貯蔵される状況には、現在の自己の成長段階において、不誠実な性質の情報から不整合性を感じ取らなかったことで貯蔵される場合と、理性の機能特性が適切に「はたらかなくなる」ことで貯蔵される場合があります。

 現在の自己の成長段階において、不誠実な性質の情報から不整合性を感じ取らなかったことで貯蔵される状況は、誠実/不誠実の判断が絶対的な側面だけでなく、相対的な側面も有しているために生じています。現在の自己の成長段階で誠実な性質の内容と判断して不整合性を感じ取らなかったとしても、同じ内容が、相対的に高い成長段階では不誠実な性質の内容と判断して不整合性を感じ取る場合もみられるのです。自己の成長にともない、貯蔵している「理解した知識」の整合性を再確認する過程で、不整合性を感じ取った不誠実な性質の内容は「理解した知識」から取り出され、「情報」として貯蔵されるようになります。誠実/不誠実の判断については、5章1節 修養の生活 #質疑応答の「誠実な行為と不誠実な行為は、絶対的な区分ですか?」も参考にしてください。

 理性の機能特性が適切に「はたらかなくなる」ことで貯蔵される状況は、外環境から受け入れた情報を理解する過程で、本来であれば現在の自己の成長段階において理性の機能特性は不整合性を感じ取れるものの、不誠実な性質の内容に対して違和感/不自然感などの不整合性を感じ取らなくなり、不誠実な性質の内容を納得して受け入れています。理性の機能特性が適切に「はたらかなくなる」のは、不誠実な生き方をしているために生じており、誠実な生き方へ努めているのならば、理性の機能特性が適切に「はたらかなくなる」状況はみられません。不誠実な生き方をし始めた段階では、理性の機能特性は未だ適切に「はたらいて」おり、不誠実な内容に対して、違和感、不自然感、矛盾感、などの不整合性を感じ取らせるのですが、生き方の不誠実性が、感じ取らせる不整合性へ対応せずに無視させてしまうために、理性は受け入れた情報の内容に対して、徐々に整合性を確認しなくなります。結果として、誠実な内容であったとしても、不誠実な内容であったとしても、理性によって整合性が確認されないままに、納得した(盲信した)内容が「理解した知識」として貯蔵されるようになります。

 なお、貯蔵されている「実証した知識」は、表現を造化する設計図/工程の手順のために、誠実/不誠実の性質はありません。造化された表現(情報/理解した知識)にのみ、誠実/不誠実の性質があります。

 記録には、幻想の捉え方に基づいて理解した知識や、固定観念/既成概念に基づいて理解した知識も貯蔵されています。幻想の捉え方に基づいて理解した知識は、不誠実な性質の内容のみであり、誠実な性質の内容はありません。固定観念/既成概念に基づいて理解した知識は、誠実な性質の内容もあれば、不誠実な性質の内容もあります。誠実な生き方へ努めているのならば、幻想の捉え方に基づく不誠実な性質の内容に対しても、固定観念/既成概念に基づく不誠実な性質の内容に対しても、理性の機能特性は、違和感、不自然感、矛盾感、などの不整合性を感じ取らせるために、理解した知識として貯蔵されません。

 固定観念/既成概念に基づく誠実な性質の内容に対しては、生き方の誠実/不誠実に関わらず、現在の成長を阻碍しない固定観念/既成概念に基づく誠実な性質の内容に対して、理性の機能特性は、違和感、不自然感、矛盾感、などの不整合性を感じ取らせません。そして、誠実な生き方へ努めている場合では、現在の成長を阻碍する固定観念/既成概念に基づく誠実な性質の内容に対して、理性の機能特性は、違和感、不自然感、矛盾感、などの不整合性を感じ取らせ、現在の成長を阻碍する程度が強くなるほどに、不整合性を強く感じ取らせるようになります。一方で、不誠実な生き方をしている場合では、現在の成長を阻碍する固定観念/既成概念に基づく誠実な性質の内容に対して、理性の機能特性は、違和感、不自然感、矛盾感、などの不整合性を感じ取らせません。不誠実な生き方では、物事を観察/考察しないために、また、自己の内面/行為を内省しないために、理性が警鐘を発しなくなるのです。

 この質疑応答に関連する内容には、1章1節 サイトを読むにあたって #質疑応答の「節全体の真実度と、各項目/図表の真実度は、何か違いがあるのですか?」がありますので参考にしてください。

(1000/1000) 誠実/不誠実な生き方と情報の内容から受ける理性の警鐘
(1000/1000) 誠実/不誠実な生き方と情報の内容から受ける理性の警鐘

(1000/1000)

 記録の機能特性へ貯蔵されている、情報、理解した知識、実証した知識、を用いて表現を造化する際の応用性は、図書館で書物から調べたい内容を探し出す際の状況へ譬[たと]えられます。

 情報は、書架へ並べることなく雑然と積み上げられた書物に譬えられます。書物の内容に基づいて分類/整理されていないために、調べたい内容(表現の造化へ用いる内容)が、どの書物に記載されているのかを判断し難く、ひとつひとつの書物の内容を、時間/労力を費やして逐一に確認しながら調べたい内容を探し出していかなければなりません。

 理解した知識は、書物の内容に基づいて分類/整理され書架へ並べられた書物に譬えられます。調べたい内容が、どの書架の書物に記載されているのかを判断しやすく、該当する書架の書物を確認するだけで、調べたい内容を容易に探し出すことができます。

 実証した知識は、コンピューターを用いて書物の内容を電子的に貯蔵しているデータベースに譬えられます。調べたい内容に関連する複数のキーワードを組み合わせて検索するだけで、調べたい内容を瞬時に得ることができます。

 記録の機能特性の中で、情報は、内容に基づいて整理/分類されておらず、雑然と散らばって貯蔵されて(溜め込まれて)います。表現の造化へ用いる際には、どの内容を造化へ用いればよいのかを判断し難く、必ずしも適切な内容を取り出して用いることができるとは限りません。一方で、理解した知識と、実証した知識は、内容に基づいて整理/分類され、入れ子構造を成して記録の機能特性へ貯蔵されており、表現の造化へ用いる際には、どの内容を造化へ用いればよいのかを判断できているために、適切な内容を取り出して用いることができます。

 ただし、理解した知識は、理解した段階で造化された表現であり、表現の内容が固定されています。表現の造化へ用いる際に、ある内容と他の内容を組み合わせて用いることもできますが、組み合わせて用いることのできる内容、組み合わせて用い難い内容、組み合わせて用いることができるのかを判別し難い内容、などの、それぞれの内容によって組み合わせの程度が様々です。一方で、実証した知識は、理解した知識に基づき、自己の体験を通して「理解した知識の内容」を実証した「表現を造化するための設計図/工程の手順」であり、造化された表現ではありません。表現の造化へ用いる際に、それぞれの「造化の設計図/工程の手順」から造化へ必要とする部分を抜き出し、つなぎ合わせ、制限なく自在に組み合わせて用いることができます。

物質の心

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 このサイトでは、物質の心が有している機能特性への理解を容易とするために「獣性」という語を用いていますが、獣(脊椎動物)が残忍性/狡猾性を有しているのではなく、また、動物の有している残忍性/狡猾性の性質の名残りが獣性として反映されているのでもありません。獣性とは、理性的な考察/判断ができず、利己的/自己中心的に行動する性質を表しています。

 獣性の機能特性として表される「有形体を維持できなくなるかもしれない」という絶え間ない恐れ/怯えが、自己と自己に都合の良い範囲のために、自己以外(他者など)を貶[おとし]め、虐[しいた]げ、傷つけ、都合良く利用させるように、はたらきかけます。有形体は個体が用いていますが、個々が物質の心に影響を受けて行為へ表す利己性/自己中心性/欲望(残忍性/狡猾性)は総合されて、国家間/企業間での奪い合い、搾取、牽制、などにもつながっています。

 地上では、人だけでなく、脊椎動物も有形体を有しているために、脊椎動物も物質の心が有する獣性の恐れ/怯えに基づく誘惑(利己性/自己中心性/欲望)の影響を受けています。ただし、脊椎動物は、自身の自由意志でおこなう選択に基づいて行動しているのではなく、自然の流れ(運命の流れ)のままに行動しているために、有形体に必要とする最低限の欲求が満たされているのならば、最低限よりも多くを求めようとはしません。肉食動物も空腹が満たされていれば、眼前を通り過ぎた草食動物を追いかけ喰らおうとはしないのです。自由意志と運命の流れについては、4章6節 自由意志/運命を参照してください。

 一方で、人は、自身の自由意志でおこなう自覚的/無自覚的な選択に基づいて行動しており、自然の流れ(運命の流れ)に反して行動/生活することも自由意志で選択できます。自由意志に基づいて行動する人にこそ、強い利己性/自己中心性/欲望がみられ、有形体に必要とする最低限の欲求が満たされていても際限なく求めようとします。そして、この際限のない強い利己性/自己中心性/欲望が、残忍性/狡猾性として行為へ表れるようになります。残忍性/狡猾性は、自由意志による選択と結びついたときにのみ表れる、利己性/自己中心性/欲望の有する「方向性のひとつ」なのです。

 なお、物質の心(獣性の機能特性)が有している恐れ/怯えと、感情としての恐れ/怯えは、同じ「恐れ/怯え」という語を用いていますが、両者は異なります。感情としての恐れ/怯えは精神で造化された表現ですが、一方で、物質の心が有している恐れ/怯えは、「有形体の活動を維持するために必要な内容」の方向性を表しており、造化された表現ではありません。感情については、3章9節 精神を参照してください。

(1000/1000)

 多くの場合では、物質の心に干渉を受けて造化される思考や言動は自覚できるものの自覚していません。ただし、「自覚しよう」としていないだけであり、自己の内面へ誠実に向き合い、自己の内面の変化を常に内省しているのならば自覚できるようになります。

 物質の心に干渉を受けずに造化された思考、あるいは、分霊の心が有する経験の機能特性に保存されている「誠実な性質の表現を造化する習慣」に基づいて造化された思考と、その思考に基づいておこなわれる言動は、眼前の状況を拡く俯瞰[ふかん]した計画性があり、冷静/理知的です。

 一方で、物質の心に干渉を受けて造化された思考、あるいは、分霊の心が有する経験の機能特性に保存されている「不誠実な性質の表現を造化する習慣」に基づいて造化された思考と、その思考に基づいておこなわれる言動は、眼前の状況を自己に都合良く捉えており、近視眼的で計画性がなく、感情的/刹那的です。分霊の心は、これらの言動が不誠実な性質を有していると自覚的/無自覚的に認識しています。そのため、おこなう言動、あるいは、おこなった言動に自覚のある、あるいは、自覚できるものの自覚のない「後ろめたさ」を感じており、言動の土台となっている思考の内容に向き合う(内省する)のを恐れ/怯え、向き合わずに眼を逸らし続けているために、「自覚しよう」としなくなるのです。

 この質疑応答に関連する内容には、3章9節 精神 #質疑応答の「有形界で、造化される利己性/自己中心性/欲望は、物質の心によって造化されるものと、分霊の心の経験に保存されている習慣によって造化されるものとを、区別して認識できますか?」がありますので参考にしてください。

(1000/1000)

 物質の心は、善悪で判断できるものではありません。

 成長の観点から捉えると、物質の心が不誠実な性質の活動性を用いて造化する利己性/自己中心性/欲望から受ける影響は、成長を阻碍/退行させる可能性を有しています。同時に、成長を飛躍させる可能性も有しています。物質の心から受ける影響を、成長を阻碍/退行させるために用いるのか、あるいは、成長を飛躍させるために用いるのか、の選択は個々の自由意志で決めることができます。自由意志については、4章6節 自由意志/運命を参照してください。

 物質の心そのものは、有形体の活動を統括し、有形体を維持するために必要な欲求を提示してくれる役割があります。ただし、必要とする最低限の欲求が満たされていても、際限なく欲求を提示してくるために、最低限に必要とする以上の欲求は、分霊の心(自己)が制御しなければなりません。制御する活動が「克己(誘惑へ打ち克[か]つ)」であり、成長を促進します。逆に、際限なく欲求を満たし続ける状況は、成長の阻碍/退行へつながります。どちらを選択するのも、分霊の心が有する自由意志の選択に委ねられているのです。

大霊の心

(1000/1000)

 思考/感情などの無形的な表現としての印象を、大霊/無形界へ送信するのに、特定の機能特性を必要とはしません。個体としての分霊は、全体としての大霊を構成する一部であり、個体と全体は常につながっているために、個体から個体、あるいは、個体から全体へ送信する機能特性を有していなくても、伝えようとする意志があるのならば、自然に伝わります。これは、分霊は大霊から区切られた存在であり、大霊から分離/独立した存在ではないためです。なお、伝えようとする意志がないのならば、伝わりません。

 ただし、送信した内容が、どの程度に伝わるのかは、受信する側の感受の程度に影響を受けます。受信する側の感受の程度が高ければ、送られてくる多くの内容を認識できますが、一方で、感受の程度が低ければ、多くの内容が送られていたとしても、認識できません。感受の程度は、同調する活動性の程度と、感受しようと決める意志に影響を受けています。同調する活動性の程度が高くなるほどに、送られてくる精細な印象を認識しやすくなり、また、感受しようと決める意志が、送られてくる印象を認識する/認識しないを決定しています。ラジオに譬[たと]えると、感受しようと決める意志は電源のON/OFFを表しており、同調する活動性の程度は周波数のチューニングを表しています。

 この質疑応答に関連する内容には、4章10節 天使 #質疑応答の「高い活動性へ同調するように努める誠実な生き方をしている人が、天使たちとの疏通を拒むような状況はありますか?」がありますので参考にしてください。

(1000/1000)

 理性の機能特性が、無形界では、精神で並列/並行しておこなわれる「それぞれの表現を造化する工程」と、精神全体で「ひとつの大きな方向性へまとめる工程」の、両方の工程での整合性を確認できるものの、一方で、有形体を用いて生活する有形界/地上では、「それぞれの表現を造化する工程」での整合性を理性が単独で確認し、「ひとつの大きな方向性へまとめる工程」での整合性の確認では気づきの機能特性から支援を受けているのは、「それぞれの表現を造化する工程」での整合性を確認した結果として受ける感覚よりも、「ひとつの大きな方向性へまとめる工程」での整合性を確認した結果として受ける感覚のほうが相対的に精細で、有形体を通して受ける粗雑な感覚に埋もれているためです。「ひとつの大きな方向性へまとめる工程」での整合性を確認した結果として受ける精細な感覚が、有形体を通して受ける粗雑な感覚に埋没してしまい、地上では把握できないのです。

 「それぞれの表現を造化する工程」での整合性を確認した結果として受ける感覚は、有形体を通して受ける粗雑な感覚よりも相対的に精細ですが、「ひとつの大きな方向性へまとめる工程」での整合性を確認した結果として受ける感覚よりも相対的に粗雑です。意識が様々な感覚から受ける精細さ/粗雑さは絶対的な程度ではなく、常に相対的な程度を表している点に留意してください。意識の受ける感覚については、3章8節 意識 #意識の受ける感覚を参照してください。

 「それぞれの表現を造化する工程」での整合性を確認した結果として受ける感覚は、有形体を通して受ける粗雑な感覚よりも相対的に精細なものの、有形体を通して受ける粗雑な感覚に埋没して把握できないほどに精細ではありません。常に自己の内面を内省しているのならば、「それぞれの表現を造化する工程」での整合性を確認した結果として受ける感覚を把握することができます。この状況は、激しい旋律の音曲が大音量で流されている部屋の中から、近隣を通行する自動車のエンジン音を識別することへ譬[たと]えられます。激しい旋律の音曲は、有形体を通して受ける粗雑な感覚であり、近隣を通行する自動車のエンジン音は、「それぞれの表現を造化する工程」での整合性を確認した結果として受ける感覚を表しています。大音量で流されている激しい旋律の音曲によって、近隣を次々に通行する自動車のエンジン音は聴き取り難いものの、エンジン音へ意識を向けている(内面を内省している)のならば、音曲の旋律とエンジン音を識別することはできます。

 一方で、「ひとつの大きな方向性へまとめる工程」での整合性を確認した結果として受ける感覚は、常に自己の内面を内省していたとしても、有形体を通して受ける粗雑な感覚に埋没しており、感覚を把握できません。この状況は、激しい旋律の音曲が大音量で流されている部屋の中からでは、室外での穏やかな風に揺られて草木の葉が擦れた音を識別できないことへ譬[たと]えられます。激しい旋律の音曲は、有形体を通して受ける粗雑な感覚であり、草木の葉が擦れた音は、「ひとつの大きな方向性へまとめる工程」での整合性を確認した結果として受ける感覚を表しています。

 有形界で大霊の心が有する気づきの機能特性は、有形体を通して受ける粗雑な感覚に埋没している、「ひとつの大きな方向性へまとめる工程」での整合性を確認した結果として受ける精細な感覚を増幅させて、意識が感覚を把握しやすいように支援しています。

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